月曜日有料版0章途中までをお送りします。 米国は、英国との関税交渉で決着した。これにより株式市場は楽観 視して、大幅な上昇になっている。その楽観視が正しいかを検討し よう。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2024年12月4日45,014ドルの史上最高値更新、2025年5月2日は41,317 ドルで、5日は98ドル高の41,218ドル、6日は389ドル安の40,829ドル 、7日は284ドル高の41,113ドル、8日は254ドル高の41,368ドル、9日 は119ドル安の41,249ドル。 先週、株価は50ドルの下落。7日FOMCで金利据え置きを決め、5月1日 に日銀政策決定会合で金利据え置きが決まっていたことで、ドル円 は145円台まで円安になり、市場に安心感が出て、その上に英国との 関税協議が決着したことも好感されて、7日、8日はNYダウは上昇し た。米国は英国に対して貿易黒字であり、鉄・アルミの関税をゼロ 、10万台までの英国製自動車の関税を10%に引き下げることになった。 この状況でF&Gインデックスは62まで回復している。 しかし、航空機やその部品にも関税を検討するという。医薬品も関 税を取るという。半導体や電子装置にも関税を取るという。すべて の分野で関税を広げるようである。 逆に、トランプ氏は、AI半導体規制を撤廃すると述べ、スイスでベ ッセント財務長官と中国の何立峰副首相が関税交渉をすることにな り、米国は関税を80%-50%まで引き下げる方向のようである。 中国はフェンタニルの違法輸出を取り締まる方向の案を持っていく という。この米中ジュネーブ通商協議を株式市場は期待しているが 、債券市場は、徐々に危機的状態を折り込み始めている。 DOGEは最初2兆ドルの歳出削減をすると言っていたが、現在までに削 減できたのは1500億ドルであり、米国の歳出は6兆ドルであり、歳入 は4兆ドルで、歳出の1/3を削減する予定が、それを実行できない。 この原因が、65%を占める社会保障費関連の支出であり、この削減に 議会は反対して、法案を提出さえできないからだ。非防衛費の裁量 予算は15%しかない。防衛費も12%であり、これに対して利払い費が 防衛費と同様以上になり、財政的に持続できない事態になっている。 今までは米国国債を発行して債務を増やしてきたが、それも金利5% 近くになり、持続ができないことになっている。債務総額が36兆ド ルで、金利5%であると1.8兆ドルになり、歳入が4兆ドルの約半分に なる。 このため、社会保障費の削減が必要であり、トランプ氏は、医薬品 の関税を今後2週間で発表するという。それと医薬品の価格を押し下 げる改定もするという。議会が反対できない社会保障費削減を実行 する必要になっている。 ベッセント米財務長官は、同国財政の資金繰り手段が8月中に枯渇す ると述べて、債務上限を引き上げるよう議会に要請する。債務膨張 が止まらない。 このため、トランプ氏も富裕層への増税を行うという。そして、関 税収入と増税を原資に、年収20万ドル以下の人の所得税をゼロにす るという。 また、来年度予算で、国防費を22%増額し、それ以外を大幅に削り、 ゴールデン・ドーム計画を推進するという。しかし、全体予算は増 額になる。というように、債務膨張は止まらないことが確定した。 このような状況で、米30年国債金利が4.83%になって、危険な金利に なっている。 以後は有料版を見てください。 0.米国と世界の状況 1.日本の状況 2.ウクライナ戦争推移 3.印パ情勢