6375.弱肉強食の時代が来る



月曜日有料版0章途中までをお送りします。

トランプ次期大統領は、グリーンランドを手に入れるためには、軍
事力の使用も排除しないとした。米国が中ロと同じことを言ったこ
とで、世界秩序は崩壊。今後は19世紀と同じのような弱肉強食の
時代になる。          津田より

0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2024年12月4日45,014ドルの史上最高値更新、2025年1月3日は42,732
ドルで、6日は25ドル安の42,706ドル、7日は178ドル安の42,528ドル
、8日は106ドル高の42,635ドル、10日は696ドル安の41,938ドル。

先週、株価は800ドルの下落でした。12月米雇用統計で市場予想を上
回る結果になり、FRBの利下げペースが鈍化するとの見方が強まった
ことで、NYダウは一時750ドルの下落になった。

雇用統計で非農業雇用者数は25.6万人増と、予想15.5万人増を上回
った。失業率は4.2%から4.1%に低下。しかし、フルタイムは前月比
35万人減少である。

今後のトランプ次期米政権の政策が一律関税などのインフレを誘発
することも考えると、FRBは利下げを休止するとの観測も出ている。

ミシガン大学発表の1月米消費者態度指数は73.2と前月と予想ともに
74.0であり、それを下回った。

米10年国債金利も前日比0.10%高い4.79%と23年11月以来の高水準を
付けた。このため、ドル円も一時158.8円まで円安が進んだが、その
後、日本の長期金利も上昇して、157円台まで戻した。

ロサンゼルスの山火事は、18万人に避難命令が出て、死者11人、行
方不明は13人で、略奪横行と混乱し、ハリウッド近くまで延焼して
いる。温暖化の影響と州知事の貯水池提案拒否で水不足もあり、LA
市長の消防予算を大幅な削減で、消火活動が妨げられたという。

ニューサム知事とLA市長の責任も取りざたされることになり、米民
主党の衰退がより進むことになりそうだ。LA市長は非難した消防局
トップを解任した。

・19世紀の弱肉強食の時代に
トランプ次期大統領は、グリーンランドをデンマークに譲れ、もし
拒否するなら軍事力も使う可能性を否定しないという。カナダやパ
ナマ運河も寄こせという。1823年にモンロー宣言を出すが、この時
代に戻ることを宣言したようなものである。

モンロー主義とは、ヨーロッパ諸国の紛争に干渉しない代わりに、
南北アメリカのヨーロッパ諸国の植民地を米国に譲り、米国の行動
を制限するなということである。時代は19世紀の弱肉強食の時代に
逆戻りしたことになる。

グリーンランドはEUの領域であり、NATO加盟国同士の戦いになるの
で、米国をNATOから追い出すか、EUはEU軍を作り、NATOを潰すしか
ない。EUはロシアと米国の2つの大国に対峙することになる。

どうして、トランプ氏はグリーンランドがほしいかというと、地下
資源と北極海航路の開発に有利だからだ。

しかし、グリーンランド自治政府のムテ・エーエデ首相は「私たち
グリーンランドの住民はアメリカ人になどなりたくない。グリーン
ランド人でありたいのだ。」という。クリーンランドの独立はして
もよいが、米国になる気はないという。

それに同調して、シュルツ独首相は、「国境不可侵の原則守れ」と
正論を言っているが、トランプは聞く耳を持たない。

ということで、デンマーク政府がトランプ氏側にメッセージを送り
、グリーンランドの防衛態勢の強化などについて話し合う用意があ
ると表明した。デンマークとしては、穏便に済ましたいようである。

メキシコのシェインバウム大統領は、トランプ次期米大統領のメキ
シコ湾を「アメリカ湾」に改称すべきだとの主張に対し、米国を含
む北米大陸全体を「メキシカン・アメリカ(スペイン語でアメリカ
・メヒカーナ)」に名称変更することを「逆提案」した。

カナダは、EUに加盟するかもしれないという。トランプ氏への対応
処置に出ている。アメリカ大陸での内紛も大きくなる。

米国は中国への対応をどうするかで、日本の戦略を考える必要があ
る。米中対決の方向であれば、日米同盟は維持できるが、イーロン
・マスク氏の親中的な言動にトランプ氏も同調すると、日本も米中
に挟まれかねない。台湾有事に対応するのかどうかも含めて、戦略
の大幅な変更が必要になる。

トランプ氏はASEANに興味がないことで、ASEAN諸国は中国寄りにな
っている。韓国も中国寄りになりかねない。

このような状況になると、日本も軍事大国になるしかない。石破首
相が、マレーシアとインドネシアを訪問して安全保障の連携強化を
意図するが、日本が軍事大国化しないと両国ともに日本との連携を
しない。

日本が軍事大国化しないと、強国に飲み込まれることになる。そし
て、日英仏伊が連携して、米中ロに対抗するしかない状況になる。
ドイツのAfDが政権を取ると、領土拡張になる可能性もあり、複雑な
世界分取り合戦が始まる可能性も出ている。

この状況を見た世界の元大国が、昔の領土復活に動くことになる。
英国の除くロシア、中国、トルコ、イラン、ドイツと現時点で軍事
大国のイスラエルが領土拡張に乗り出す。

世界秩序が崩壊して、戦争の時代が来たことになる。元大国以外は
連携していくしかない。その一環として日英仏伊の同盟を強固にす
る必要がありそうだ。日本も軍事大国化が必要になる。中国に飲み
込まれないように、米国とも同盟関係を維持しつつ、欧州との関係
も構築し、台湾を守る必要がある。

以後は、有料版を見てください。

0.2025年以降の予測
1.米国と世界の状況
2.日本の状況
3.ウクライナ戦争推移
4.中東情勢


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