月曜日有料版2章途中までをお送りします。 ゼレンスキー大統領が、勝利計画を議会に発表した。その後の動き を検討しよう。 津田より 2.ウクライナ戦争推移 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ウクライナのゼレンスキー大統領は16日、最高会議(国会)で演説 し、戦争の公正な終結に向けた5項目の「勝利計画」を公表した。 この計画は5つの項目(NATO加盟への招待、ウクライナの防衛力強化 、戦略的な非核抑止力によるロシア軍封じ込め、天然資源の活用、 欧州駐留の米軍置き換え)で構成されている。 そして、もしウクライナの安全保障を確実にするために、NATOに加 盟できないなら、核武装するしかないとゼレンスキー大統領はいう。 核武装するには、資材も知識もあるから、数週間あればできる。ウ クライナは、ソ連時代に核兵器を作っていたからだという。ウクラ イナ独立後も核武装していたが、ブタペスト宣言で核を放棄した。 そのブタペスト宣言時に米国や英国、ロシアは安全保障を確約して いたが、それが守られなかったことで戦争状態になっているという。 計画の5項目の1つ1つは、目新しい感じではなく、今までバラバラに 言っていたことをまとめたもののようだ。「勝利計画」というより 、ウクライナなりの「勝利の定義(上限)」というべきものだ。 この「勝利計画」に不足しているのが人員不足の解決であり、強制 動員をするが、25歳以下の徴兵対象者が動員対象外になっているこ とに、米議員がクレームを付けている。 ドイツのショルツ首相は、さらなるエスカレートの懸念から「勝利 計画」を拒否し、ドイツは今後、重兵器の供与はしないとも言って いる。 これに対して、仏の外相は「勝利計画を支持し、必要な限りウクラ イナを支援する」と明言。カービー報道官も「米国はゼレンスキー の勝利計画を支持する」と述べた。独と米仏で大きな差が出た。 勝利計画は出たが、ロシアが進撃を停止し、防衛態勢に移行したと しても、1991年の国境線までの領土はおろか、2022年時点の境界線 までの領土でさえ、それを取り戻すのに必要なリソースが不足して いる。 前総司令官ヴァレリー・ザルジニも「核戦争の恐怖のため、西側諸 国はウクライナに十分な兵器を提供せず、戦争が長期化した。国軍 の最高司令官として、私たちは2023年にこの戦争を自力で終わらせ る機会を失ったと信じています」と述べた。 それと、ウクライナと比較して4倍の人口を有し、ほぼすべての領 域で数的優位に立ち、極めて巨大な軍需産業をもつロシアと戦うと いう厳しい現実がそこにある。それに加えて、後の述べるが、北朝 鮮の2千万人が加わることになった。 その上、トランプ氏が米大統領選挙で優位にあり、トランプ氏は、 ウクライナへの支援を停止するともいう。ロシアのプーチンを尊敬 していて、ロシアに有利な停戦案を出すことになる。 この局面で、ル・モンドによると、「カマラ・ハリスが米国の選挙 で勝利すれば、バイデンはウクライナをNATOに招聘する作業に着手 できるだろう」という。そして、「バイデン、マクロン、ショルツ 、スターマーは、ウクライナをNATO に招請するという考えを共有し た」という。北朝鮮軍に対して、NATO軍をウクライナに入れること になる。リソース不足は無くなるし、核の脅しもできないことにな る。 以後は、有料版を見てください。 0.米国と世界の状況 1.日本の状況 2.ウクライナ戦争の推移 3.中東情勢