6354.ウ軍の反撃かロ軍の進撃か?



月曜日有料版2章途中までをお送りします。

ウ軍がクルスク州へ侵攻して占領地を拡大しているが、一方、ロ軍
もドネツク市北側で進撃して、ウクライナの重要都市ポクロウシク
に迫っている。どちらが早いか耐えられるかの競争になっている。
今後、どうなるのかを検討する。   津田より

2.ウクライナ戦争推移
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ウ軍はクルスク州82の自治体を支配している。この1,100km2地域に
行政組織を作るために、軍事司令官事務所をスジャに設置して、軍
政統治をするようで、憲兵組織も創設するという。

ウ軍の攻撃は、歩兵の小集団が都市部を避けて移動、偵察し、その
結果に基づいて砲撃やドローン攻撃をしていることで迅速な占領が
できている。偵察の重要性が増している。

北のコルネボ中心部に攻撃をしているが、3方向からの攻撃になって
陥落したようである。国境沿いの地域を開放して、ウクライナへの
攻撃を減らす目的であると、ウクライナ外務省は、今回のロシア領
クルスク州への侵攻を説明している。

欧米諸国は、この説明を聞き、防衛戦争の域であり、侵略戦争では
ないと結論付けている。このため、長距離兵器の使用を許可しよう
としている。英国はストームシャドーや米国は370km射程のAGM-158
の供与使用を許可したいようである。

このため、国境沿いの地域を広く占領する方向のようであり、ベル
ゴルド州にも非常事態宣言が出された。しかし、ベルゴロド州コロ
チロフカへの侵攻は、失敗した可能性があるようだ。ロ軍の砲撃が
厳しいという。

また、ウ軍はクルスク州西部グルシコボ地区のセイム川に架かる橋
ズヴァンノエとグルシュコヴォの重要な橋を攻撃し、もしもう1つ
のKaryzhの橋が破壊されれば、この地域にロ軍は物資も援軍を送れ
ないことで孤立化する。このため、ロ軍はクルスク地方のセイム川
東岸に撤退した。これにより、この地域約700km2がウ軍支配下にな
る。しかし、ウ軍も橋がないのでこの地域を超えた攻撃もできなく
なる。

ウ軍は、現時点で2個の空中強襲旅団、4個の機械化歩兵旅団、2個の
独立大隊、支援部隊として2個の砲撃旅団、特殊部隊、戦闘工兵部隊
などを投入し、総兵力1万5千人程度であろう。

徐々に進撃スピードが落ちてきている。徐々にこの地域を保守部隊
に移管して、取って返して、ドネツク市北側に持っていく必要があ
る。

逆にロ軍は、強兵をトネツク市北側などに留め置き、ウ軍の強兵が
いなくなったことで、攻撃強度を上げている。しかし、軍参謀本部
でもゲラシモフが事実上解任で、FSB長官がトップ兼任したことで、
軍部も東部を優先する今の状態から変化するかもしれない。クルス
ク担当責任者もプーチンの警護隊長である。

軍幹部が粛清されて、軍組織を素人が指揮する事態になっている。
ロ軍中隊程度の投降が出ているが、この時反対するFSB要員を殺して
投降したという。軍とFSBの対立がクルスク州内で起きている。

しかし、その分、クルスク州での防衛ができずに、占領される面積
が増えている。焦点は交通結線であるリゴフを取られるかどうかで
ある。このリゴフ防衛のために、要塞を作り始めた。

リゴフをウ軍支配になると、ベラルーシからロシアへの鉄道がなく
なり、ベラルーシ経済の大きな痛手になるので、ルカシェンコ大統
領はロシアとウクライナの停戦交渉を進めて平和を呼びかけた。中
国も経済問題から欧米諸国を必要としているから、米国にすり寄る
動きもある。

このように、ロシアを支持する国がほとんどない状態になっている。
ウ軍のクルスク侵攻を非難しているロシアの友好国はシリアだけの
ようだ。

それと、月3万人も戦死しているので、兵力不足になり、強制動員を
行う方向で検討に入った。契約兵での募集に死ぬことがわかってい
るので、誰も公募しなくなったことで、動員するしかなくなってい
る。このため、失業者に軍との契約を強制する動きが出ているが、
それでも足りずに、国土防衛という御旗があるので動員に賛成する
かと思いきや、ロシア国内では、反対運動になる可能性も出ている。

誰も戦争に無関心であり、国土防衛に見向きもしないという。自分
と自分の家族にしか関心がない。

以後は、有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1.日本の状況
2.ウクライナ戦争の推移 
3.中東情勢



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