6344.米国覇権の危機になっている



月曜日有料版0章途中までをお送りします。

G7サミットで、バイデン米大統領は老いた姿を見せた。それとロシ
ア凍結資産のウクライナへの提供で、グローバル・サウスの国々が
、BRICS+へ参加する方向になった。今後を検討する。 津田より

0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2024年5月17日は40,003ドルで過去最高となり、6月7日38,798ドルで
、10日は69ドル高の38,868ドル、11日は120ドル安の38,747ドル、12
日は35ドル安の38,712ドル、13日は65ドル安の38,647ドル、14日は
57ドル安の38,589ドル。

先週、株価は200ドルの下落になり、動きの少ない相場になっている。

13日発表の5月米国 生産者物価指数PPIの前月比で-0.2%と低下して
、予想の0.1%増より少ないことで、不景気になってきたとみられた
。このため、13日のFOMCでは、利下げの可能性もあると見られてい
たが、金利据え置きとなり、利下げも1年で1回の見通しとなった。
パウエル議長は、今のところインフレ鈍化の一段の確信が得られな
いでいるという。

これを受けて、米2年債利回りも4.70%と上がり、しかし、米10年債
利回りは4.22%と下がっている。逆イールド状態になっているが、
PPI指標とFOMCの結果を受けて、短期金利は上昇し、PPIにより不景
気になった可能性で10年国債を買う動きが出て、長期金利は下落し
たようである。

F&Gインデックスも38で、恐怖の状況である。しかし、ナスダックや
SP500の株価指数は過去最高の状態で、逆にラッセル2000小型株指数
は下がっている。米中小企業の42%が赤字になって、米国の状況はま
だら模様になってきたようだ。

6月6日から9日の欧州議会選挙では、欧州全体で極右政党が飛躍した
。フランスでも、マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる極右政党が
勝利したことで、マクロン大統領は7月7日に総選挙の実施を表明し
た。

フランス総選挙の現時点での予測は、極右RN220-270議席、左翼連合
150-190、マクロンの連合90-130、中道右派30-40であり、極右勝利
であり、連立政権になる。極右を除く連立か極右+中道右派連立か
の政権になる。極右連立政権になるとEU離脱政策は確定で、対ウ支
援はどうなるのかが心配ではある。

そして、ドイツでも極右政党のAfDが飛躍しているが、第2党の位置
であり、英スナク首相も解散総選挙を7月4日に行うとした。ここで
も労働党の勝利が確実である。まあ、あまり政策的な違いはないの
で、心配はしない。

この欧州での混乱が世界的なリスクオフを引き起こし、先物は下落
、利回りは暴落している。

この欧州での混乱の原因は、現在多くの国民が過剰な不法移民流入
を不満に思っていることで、移民排除を掲げる極右政党を支持する
方向である。

その上、日本の岸田首相も支持率が低迷し、バイデン大統領も11月
選挙であるが、支持率は38%と劣勢であるし、G7サミットでも、一
人だけあらぬ方向に進んでいき、メローニ伊首相が戻す一幕もあり
、老いを隠せなくなっている。

そして、バイデン大統領は、G7夕食会も欠席したが、イタリアメデ
ィアは「疲労が理由だった」と報じた。81歳の高齢で、正常な行動
ができない可能性が出てきた。11月大統領選挙の候補を変える必要
もあるとみる。

G7サミットがイタリアで開催されたが、政権が安泰なのはメローニ
伊首相のイタリアだけである。

このG7サミットで、年内に凍結されたロシア資産から500億ドルをウ
クライナに拠出することで合意した。プーチンは、西側諸国のロシ
ア資産の凍結と流用を「窃盗」と。

このロシア凍結資産の流用を見て、トルコやタイなどは、ドル以外
の共通通貨を作るというBRICS+への参加を希望している。今後、雪
崩を打って、BRICS+参加国が増えることになりそうだ。

多くのグローバルサウスが両方にいい顔をする八方美人外交になる
ような気がする。

その前にサウジはBRICS+に参加しているが、サウジアラビアは正式
に米国との80年間にわたるオイルダラー取引を終了し、代わりに、
中国人民元、ユーロ、円を含む複数の通貨で石油を販売することに
なった。ということで、BRICS+で700億ドル以上の貿易がドルで決
済されなくなる。

以後は、有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1,日本の状況
2.ウクライナ戦争の推移



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