月曜日有料版0章途中までをお送りします。 G7サミットで、バイデン米大統領は老いた姿を見せた。それとロシ ア凍結資産のウクライナへの提供で、グローバル・サウスの国々が 、BRICS+へ参加する方向になった。今後を検討する。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2024年5月17日は40,003ドルで過去最高となり、6月7日38,798ドルで 、10日は69ドル高の38,868ドル、11日は120ドル安の38,747ドル、12 日は35ドル安の38,712ドル、13日は65ドル安の38,647ドル、14日は 57ドル安の38,589ドル。 先週、株価は200ドルの下落になり、動きの少ない相場になっている。 13日発表の5月米国 生産者物価指数PPIの前月比で-0.2%と低下して 、予想の0.1%増より少ないことで、不景気になってきたとみられた 。このため、13日のFOMCでは、利下げの可能性もあると見られてい たが、金利据え置きとなり、利下げも1年で1回の見通しとなった。 パウエル議長は、今のところインフレ鈍化の一段の確信が得られな いでいるという。 これを受けて、米2年債利回りも4.70%と上がり、しかし、米10年債 利回りは4.22%と下がっている。逆イールド状態になっているが、 PPI指標とFOMCの結果を受けて、短期金利は上昇し、PPIにより不景 気になった可能性で10年国債を買う動きが出て、長期金利は下落し たようである。 F&Gインデックスも38で、恐怖の状況である。しかし、ナスダックや SP500の株価指数は過去最高の状態で、逆にラッセル2000小型株指数 は下がっている。米中小企業の42%が赤字になって、米国の状況はま だら模様になってきたようだ。 6月6日から9日の欧州議会選挙では、欧州全体で極右政党が飛躍した 。フランスでも、マリーヌ・ルペン氏が実質的に率いる極右政党が 勝利したことで、マクロン大統領は7月7日に総選挙の実施を表明し た。 フランス総選挙の現時点での予測は、極右RN220-270議席、左翼連合 150-190、マクロンの連合90-130、中道右派30-40であり、極右勝利 であり、連立政権になる。極右を除く連立か極右+中道右派連立か の政権になる。極右連立政権になるとEU離脱政策は確定で、対ウ支 援はどうなるのかが心配ではある。 そして、ドイツでも極右政党のAfDが飛躍しているが、第2党の位置 であり、英スナク首相も解散総選挙を7月4日に行うとした。ここで も労働党の勝利が確実である。まあ、あまり政策的な違いはないの で、心配はしない。 この欧州での混乱が世界的なリスクオフを引き起こし、先物は下落 、利回りは暴落している。 この欧州での混乱の原因は、現在多くの国民が過剰な不法移民流入 を不満に思っていることで、移民排除を掲げる極右政党を支持する 方向である。 その上、日本の岸田首相も支持率が低迷し、バイデン大統領も11月 選挙であるが、支持率は38%と劣勢であるし、G7サミットでも、一 人だけあらぬ方向に進んでいき、メローニ伊首相が戻す一幕もあり 、老いを隠せなくなっている。 そして、バイデン大統領は、G7夕食会も欠席したが、イタリアメデ ィアは「疲労が理由だった」と報じた。81歳の高齢で、正常な行動 ができない可能性が出てきた。11月大統領選挙の候補を変える必要 もあるとみる。 G7サミットがイタリアで開催されたが、政権が安泰なのはメローニ 伊首相のイタリアだけである。 このG7サミットで、年内に凍結されたロシア資産から500億ドルをウ クライナに拠出することで合意した。プーチンは、西側諸国のロシ ア資産の凍結と流用を「窃盗」と。 このロシア凍結資産の流用を見て、トルコやタイなどは、ドル以外 の共通通貨を作るというBRICS+への参加を希望している。今後、雪 崩を打って、BRICS+参加国が増えることになりそうだ。 多くのグローバルサウスが両方にいい顔をする八方美人外交になる ような気がする。 その前にサウジはBRICS+に参加しているが、サウジアラビアは正式 に米国との80年間にわたるオイルダラー取引を終了し、代わりに、 中国人民元、ユーロ、円を含む複数の通貨で石油を販売することに なった。ということで、BRICS+で700億ドル以上の貿易がドルで決 済されなくなる。 以後は、有料版を見てください。 0.米国と世界の状況 1,日本の状況 2.ウクライナ戦争の推移