6315.「もしトラ」で2024年大変動が起きる



2024年は米大統領選挙で、もしトランプ氏が大統領になると、世界
は大激動になる。米景気も下がり、欧州や中国の景気はすでに悪い
。経済と戦争に大きな激動が押し寄せる。その激変を検討しよう。
                   津田より

0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、2022年10月10日は
29,202ドルで安値となり、2023年11月17日は34,947ドルで、20日は
203ドル高の35,151ドル、21日は62ドル安の35,088ドル、22日は184
ドル高の35,273ドル、24日は117ドル高の35,390ドル。

先週、株価は上昇になった。ガザへのイスラエルの攻撃やウクライ
ナ戦争などの地政学的なことがあるが、大きなインパクトがないと
市場は認識して、株価は上昇をキープしている。

24日発表した11月の米国購買担当者景気指数PMIは、製造業が10月か
ら0.6ポイント低下し49.4となった。2ケ月ぶりに「不況」水準に落ち
込んだ。

特に原油価格が下落して、インフレも収まっている。もう1つが、
PMI指数からも不景気になるとして、米国債を買う投資家と、その買
いで米国債の金利が下がっているので、資金調達ができると、株を
買う動きが出ている。

金利が下がっているので、ドルも下落している。しかし、植田日銀
総裁は、現状の金融緩和を維持するというので、円はドルに対して
も弱く、一時147円まで円高になったが、現在は149円台に戻ってい
る。

FRBが、利下げを行うことで、景気悪化を認めるまで、株価は順調に
推移することになるが、いつ、利下げになるかである。

それと、台湾総統選で、野党統一候補に傾いたが、結局統一候補に
ならずで、分裂選挙に突入した。これで与党民進党の頼清徳候補が
有利になった。地政学リスクが東アジアで減ったことは良いことで
ある。しかし、中国は、「戦争か平和か」の選択が必要であると声
明を出している。

しかし、2024年は大統領選挙の年になり、現時点では、世論調査で
トランプ氏が大統領に当選する確率の方が高い。

となると、「もしトラ」ンプ大統領になったら、米国は世界は、ど
うなるのかを検討する必要がある。

勿論、日本にも大きな影響が出る。最後に述べる。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は
24,717円の底値になり、2023年7月3日は33,753円とバブル崩壊後高
値となり、11月17日は33,585円で、197円安の33,388円、21日は33円
安の33,354円、22日は97円安の33,451円、24日は173円の33,625円。

先週、株価はほぼ横バイでした。米金利が下降して、一時、147円ま
で円高になり株は下落したが、その後149円まで戻し、海外投資家の
買いが続いている。

このため、7月3日の33,753円を場中では越えたが、終値は33,625円
になったが、強い動きである。特に半導体とAI関連株が強い。

日本企業は、円安の影響から、世界的に受注を増やしている。この
ため、世界の有力な投資ファンドが日本投資を積極的に行うという。

欧米の株価が高過ぎで、日本企業の株が安すぎの状態にあると、海
外投資家はみているようだ。

インフレで国内消費は弱いが、インバウントと輸出が強い。米中の
景気が大幅に落ちたときは、日本も景気が落ちるが、それでも円安
であれば、インバウンドは好調に推移するようである。中国は半導
体の自国生産を強化しているので、半導体製造装置の輸出が好調で
ある。

2.ウクライナ戦争の推移
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ロ軍は、アウディーイウカの包囲を目論み、3波の攻撃をしている
が、大損害でも攻撃をやめない。その上に、装甲車不足と泥濘の状
態で徒歩攻撃になり、連日1000名以上の戦死者を出しているにもか
かわらず、膠着状態で戦況に大きな変化はなかった。

・クピャンスク・スバトバ・クレミンナ・リシチャンスク方面
ロ軍は、各所を攻撃しているが、小規模の攻撃ですべて撃退されて
いる。そして、ロ軍は航空優勢であることで、ロ軍の地上攻撃は、
航空近接支援を受けた地上攻撃も増えてきた。

・バフムト方面
ロ軍はクリチーイウカで地上攻撃をしているが、ウ軍に撃退されて
いるが、アンドリーイウカ東の線路の東側までロ軍は占領した。ウ
軍も人員不足という苦しい状態になっているようで、アンドリーイ
ウカの線路の西側にロ軍を入れないように攻撃している。

この方面でも、ウ軍が押されている。シルスキー大将は再三「バフ
ムト方面の敵が防御から積極的な作戦に移行した」と主張している
が、ロ軍は、バフムトでも攻勢に出ている。

クピャンスクの防衛に力を入れているが、バフムトに力を入れるべ
きであろう。ロ軍の練度が大きく違う。

・ドネツク市北側方面
ロ軍は、アウディーイウカの北側、ノボカリノベの南東、ステポベ
、ペルボマイスケで、航空支援を受けて、地上攻撃をしている。こ
の攻撃で、アウディーイウカの北の炭鉱クズ山も奪取したが、それ
以上には前進できないでいる。線路際まで占領したが、その先に前
進できないでいる。

それと、ロ軍はアウディーイウカの南側の工場地帯には入り、工場
地帯のすべても占領したようであり、ウ軍はアウディーイウカ要塞
まで下がって防戦している。

ウ軍は、損害無視のロ軍攻撃を受けて、押されている。それと、23
日からは装甲兵力の投入になっている。徒歩攻撃から新たな部隊が
投入されたようである。

11月23日に、ウ軍はアヴディーイウカで、ロ軍が攻勢3波を開始し
たとした。司令官アレクサンダー・タルナフスキー少佐によれば、
過去24時間でロ軍の損失は深刻で、ロ軍戦死者は706人に達したとい
う。

バフムトとアウディーイウカの2方面で同時に攻勢をかけて、ドネツ
ク州全体を奪取したいのであろう。

・ドネツク市南側方面
ロ軍は、ノボミハイリウカとマリンカに対して、航空近接支援を受
けた地上攻撃を行ったが、ウ軍は撃退している。

・オリヒウ軸
ウ軍は、ベルボベの北にある高台をウ軍は包囲しようとして攻撃し
ているのと、コパニ方向で攻撃しているが、攻撃部隊主力をアウデ
ィーイウカに転用したことで、攻撃を行わないようである。当分、
動きなしか。

ウ軍発表では、ロ軍の多重防御陣地帯は、「20万個以上」という膨
大な地雷原に加え、はるか後方からの大量の滑空誘導爆弾攻撃と大
量の砲撃で守られている。前線から30km程度奥までの露軍砲兵を一
掃し、40km程度までの露軍機を排除しないとウ軍地上部隊は前進で
きない。このため、F-16を多数必要としている。F-16の到着を待つ
しかないようだ。

・ヘルソン州方面
ウ軍は、クリンキの南のコルスンカの森を南下して、霧を利用して
ドローンでロ軍の装甲部隊を叩いている。M14高速道路には、多数の
破壊されたロ軍戦車やロ軍装甲車があり、ウ軍のドローンが自由に
飛んでいるようである。

電子戦兵器を多数設置して、ウ軍ドローンは自由に飛べ、ロ軍ドロ
ーンは操作不能にしているからだ。

そして、ロ軍もヘルソン州のドニプロ川東岸にウ軍が橋頭保を確保
したことを認めた。

ウ軍は、複数の装甲車をドニプロ川を渡河させ、兵員規模も3個大隊
レベルになっているという。しかし、どの程度の浮橋を構築してい
るのかは分からない。夜間に浮橋を作り、装甲車を渡し、朝までに
は浮橋を撤去しているようである。

昼間、ロ軍SU-25が上空を飛んでも浮橋はないようである。このため
、多くの装甲車を渡せない状態である。ロ軍の砲撃を受けないため
には、30km位ロ軍を後方に追いやる必要がある。

しかし、ロ軍は4000人以上の死傷者を出したことで、30Km離れた所
に、防衛線ができているので、そこまで後退する方向で南部軍司令
部は、ゲラシモフ総参謀長などの上層部の承認を貰ったが、最終的
にプーチンが認めないことで、後退できないでいる。

クリンキにいるロ軍は、「3個中隊で50人しか残っていない。司令官
ゾロトコが部隊に無理な任務を与え、多くの兵士が死傷している。
7月末以降交代はない。司令官は我々を殺し、我々の痕跡を消すこと
を望んでいる」とビデオで訴えている。

このように、援軍もなしであり、ここのロ軍部隊の士気は大きく低
下しているようである。ここで、F-16の機体がウ軍に入れば、SU-25
爆撃機などを寄せ付けなくできるので、F-16の提供を待っているよ
うだ。

このクリンキにウ軍は、新兵器・大型自爆ドローンを投入したよう
である。450キロ爆薬以上を搭載するので、建物を大きく破壊できる
ようであり、実戦でのテスト後、ロシアの発電所や変電所などを攻
撃するために、投入するようである。大型ミサイルと同じような効
果があり、ロシアも防空体制を整えないと、相当なインフラが破壊
されることになる。

ドローン技術が、この戦争を決めるようだ。今後の戦争ではドロー
ン技術と電子戦技術の優劣が勝敗を決することになる。ミサイルと
ドローンでは、製造コストが10倍から100倍も違うので、数を作れる
ことで、戦況を変えられるようだ。このヘルソン州の戦いで、それ
がわかる。

しかし、ロ軍の電子戦対応も進み、JDAMなどのGPS誘導弾の効果が大
分失われて目標に当たらなくなっているし、その電子戦兵器をどう
かわしていくのかが、問題である。

・その他の地域
ドネツク州の11月19日のロ軍「砲兵の日」式典会場で、ウ軍のHIMARS
攻撃を受けて、25人死亡し、その中に有名なロシアの女優もいた。
そして、100名以上の負傷者が出ている。

モスクワ州リトカリノ市の変電所にウ軍のドローン攻撃があり、爆
発後火災になり、付近が停電している。ウ軍はロシアにインフラ攻
撃を行うと宣言しているので、両方が相手のインフラを叩くことに
なる。

クリミアのジャンコイ地区の防空システムをウ軍のドローンが破壊
した。このジャンコイには空軍基地があり、そこからSU-25などの爆
撃機が南部地域に空爆をしている。この基地の攻撃をウ軍は考えて
いるようである。

・ウクライナの状況
ゼレンスキー大統領は、ザルジニー総司令官が政治家のような振る
舞いをしていると非難した。どうも、米国やハンガリー、スロベニ
アがウクライナ支援から離脱する方向であり、その上にオランダも
極右政権になり、ウクライナ支援を絞るようである。

このような状況で、155mm砲弾が不足してきていることで、戦況にも
影響している。このため、ラインメタル社と共同で砲弾製造工場を
作っているが、それだけでは足りないし、まだできていない。よっ
て、ゼレンスキー大統領は、戦果を求めている。

これに対して、ザルジニー総司令官は、F-16の提供や弾薬の提供が
必要であり、人員の損害を少なくするために、今は攻撃を諦めて、
地道に守備して、ロ軍の少ないヘルソン州のドニプロ川渡河作戦を
急がずに進めることだという。

しかし、米国の支援が少なくなり、ゼレンスキー大統領は、米国の
政治家から戦果と汚職追放を求められている。そうしないと、米議
会でウクライナ支援の予算が通らないといわれている。

このため、軍に成果と汚職追放を求めることになる。このため、大
統領府と軍の関係でウクライナは、苦境の状態になっている。軍幹
部が突然解任されるなどで、ザルジニー氏にも知らされていないで
実施されることもあり、ザルジニー氏も違和感を持っているようで
ある。

国内では、ウクライナ人兵士の親族らが「勝利の負担は平等である
べきだ」と訴えて「動員から18ヶ月間が経過した人々の動員解除」
を要求していたが、ウクライナメディアは24日「大統領が動員に応
じた人々の復員(動員解除)を決定した」と報じた。

このためには、ウ軍は、交換要員の確保と訓練に取り組む必要があ
り、諸外国での訓練要請が増えることになる。また、兵役免除され
ていた国民も動員されるので、動員を忌避する人が海外に逃げるこ
とにもなる。この防止策も必要である。

人員不足になる可能性もあり、女性にも兵役を課す必要も出る。
3千万国民の国と、1億2千万人いるロシアでは、兵役の重さが違うこ
とである。

この状態なので、チェコやリトアニアなどが停戦を言い始めている。
そして、ウクライナ停戦が実現したら、その後の復興特需は、21世
紀最大規模となる見通しであり、なぜ、今欧米企業が次々、ウクラ
イナに進出しているかと言えば、その復興需要を狙っているからだ。

事実、復興の第1歩として、ウクライナの広軌線路を欧州の標準軌線
路に変更するプロジェクトが開始するとのことだ。

もう1つが、2024年の大統領選挙を行うのかどうかで、行うとゼレ
ンスキー氏の対抗馬として、ザルジニー氏が出る可能性もある。こ
の選挙戦に勝つために、ゼレンスキー大統領は、動員から18ヶ月間
が経過した人々の動員解除を決定したようである。

それと、ポーランドのトラックが11月上旬から国境検問所付近の道
路を封鎖している影響で、トラック約3000台が立ち往生している。
この影響で、食料品などがウクライナに届かなくなっている。前線
でも食糧不足の事態が起きている。当面はポーランドの運転手の要
求を飲むしかない。

・ロシアの状況
プーチンは、G20首脳会談で、ウクライナ戦争などの戦争は悲劇であ
り、止める必要がある。このための交渉を拒否していないと述べて
いる。

ロシア国内でも、ロ軍兵の妻や母たちが、早期の戦争終結を求める
活動をしていて、その運動が徐々に国内に蔓延している。戦争終結
の方向で、かつ現状の支配地を保持する方法を模索するようである。

しかし、来年4月までは総動員はできず、志願兵という強制兵を集め
て、前線に送っているが、それでも多数の死傷者が出て、人員不足
になり、ヘルソン州を諦めるかどうかの決断を求められている。

このため、国内に残る部隊をすべて、ウクライナに投入する決断を
下して、兵員不足と練度不足を解消したいようである。しかし、今
のレベルの戦死者レベルで推移すると、数か月で底を着くことにな
る。

他の地域で戦闘が起きると、対応ができないことになる。特にロシ
アの少数民族国家が独立の動きに出ると、それを鎮圧する部隊がな
い。兵士を奴隷のような状態で扱うので、ロ軍兵士の反乱もあり得
る。

それと、クリミア大橋は爆撃される危険性があるが、クリミアとロ
シア本土を結ぶ海底トンネルを中国鉄道公司と計画するようである
。これができると、空爆の心配がないが、長期間が必要であり、完
成までには戦争が終わり、クリミアはウクライナ領になっていると
思われる。

この状況で、ロシア、ベラルーシ、アルメニア、カザフスタン、タ
ジキスタン、キルギスのCSTO会議が開催されたが、アルメニアとカ
ザフスタンが参加しなかった。ロ軍が欧米諸国軍に比べて弱いこと
が明確化したことで、集団防衛が無価値であると、アルメニアとカ
ザフは見切ったことによる。

世界的な軍事装備品の展示会でも、ロシアは1件の契約も取れなか
った。ウクライナ戦争でロシア軍備品の弱さが露呈したからだ。

フィンランド、ノルウェー、エストニアの3ケ国は、ロシアとの国境
線を閉鎖した。ロシアが大量の中東移民を送り込んでくるのに対抗
した処置であり、ロシア国民も海外に出られなくなる。

ウ国防省情報総局が、ロシア連邦航空庁にサイバー攻撃でサイトに
侵入してデータを奪取したが、それによると、航空機の35%はスペア
パーツを取るために解体されていると判明した。それと、事故が多
発している。2023年半期9ケ月間で、技術的故障が150件も報告されて
いた。リースしていた航空機を無断で取得したが、その航空機が順
調に動かなくなっているようだ。

このような状況に対して、ロシア運輸省のサベリエフ長官は、「ロ
シアは航空業界への制裁により旅客機76機を失った」と不満を述べ
ている。戦争を止め、賠償金を支払い、制裁を解除してもらえばよ
いだけだ。

3.パレスチナ戦争
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イス軍とハマスの停戦が実現した。ハマスは50人の人質交換と4日の
停戦をすることになり、24日に最初の24人を解放して停戦が始まっ
た。内、10人がタイ人の人質である。イスラエルも、刑務所からパ
レスチナ人39人釈放をまず行った。

イスラエルは、150人のパレスチナ人を解放する予定。そして、ハマ
スが10人解放するごとに停戦を1日の伸ばすという。

イスラエルは、米国の要請と国際世論に押されて、停戦に合意した
。特に米国の要請に逆らえない。ガザ攻撃の費用は480億ドル必要で
あるが、その費用の1/3を米国が負担するようである。この費用で、
155mm弾薬の補給も行うようである。このため、ウクライナへの砲弾
の供給が少なくなっている。

この停戦を利用して、ハマスはメディアを通じてガザ北部へ避難民
の帰還を促す戦術を取るようだ。停戦期間中にハマスがイス軍を攻
撃するのは違反であるが、住民が勝手に戻るのは違反でなく、むし
ろ権利上完全に合法であり、追い返そうとするイス軍の方に非難が
集まる。

これに対して、イスラエルは北部に戻るなというビラを一時休止の
前に撒いたようだ。

もう1つ、イス軍は、シファ病院の地下にあるハマス司令部と言っ
ていた地下トンネルを破壊した。このため、後で検証できないこと
になった。

ベルギーとスペインの首相が、ラファ検問所で人道主義に基づく戦
争をイスラエルに求めたのに対して、ネタニアフ首相は、ベルギー
とスペインは敵国になったと発言している。徐々に、イスラエルを
支援する国家が少なくなっている。

イランもシャヘド・ドローンでイスラエルと関係する船舶をインド
洋で攻撃し始めている。シャヘドドローンの航続距離は2,000km以上
であり、中東やインド洋など広範囲に攻撃できる。国際世論を見て
、イランも行動を開始した可能性がある。

高坂正堯先生の『歴史としての二十世紀』でも、「ユダヤ人は偉大
な民族ですが、国をつくると狂信的でありすぎるのかもしれません。
現在、イスラエルが中東でしていることを見ると、気が気でない。
あのようなことをしていると、百年、百五十年の後には、また国が
なくなるのではないかとさえ感じる」というが、現在見ているイス
ラエルのような感じがする。

本当に、イスラエルは国を失う可能性があると思う。

4.2024年の大変動
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一番大きいのが、トランプ氏が11月米大統領選挙で当選した時であ
ろう。トランプ氏の政策は、NATOから離脱して、欧州の安全保障は
欧州自身で行うことであり、米国は金も人を出さないという。

これにより、NATOをどうするのかである。EUの中心はドイツである
が、日本も参加させて世界的な安全保障組織にすることにするのか
、EUの組織にして、中国との関係を保持するかであり、フランスは
、中国に気を使い、日本参加を否定している。

英国は日本と準同盟国化して、NATOに入れたいようである。ドイツ
も日本や英国が必要であると思っている。英国は、米国も引き止め
たいようであるが、トランプ氏は、応じないとみる。

世界の覇権国としての米国は終わり、米国は孤立的なモンロー主義
になる可能性がある。今のところ、トランプ氏は、対中国への対抗
上、アジアからの米軍撤退を示唆していないが、日本が米軍駐留費
用を出しているからである。

日本が今以上に費用を出さないなら、アジアからも撤退となる。勿
論、米国は石油が自国で出るので、中東からは撤退になる。中東で
、イランなどのイスラム主義を止めることはできなくなる。サウジ
もイランとの友好条約を結び、敵対関係にしない。イスラエルの孤
立化が明確になる。

もう1つが、米国の孤立主義で、貿易を止めることであり、輸入品
には、一律10%の関税をかけるという。これで、世界貿易は、その量
が大幅に縮小することになる。輸入大国・米国が自国の製品しか使
わないということで、インフレも大変なことになる。

この貿易制限は、1929年の大恐慌でのブロック経済と同じで、世界
が大不況になる。トランプ氏が米国大統領の4年間は、最悪の時代に
なりそうである。米国にとっても世界にとっても。

日本や欧州は自由貿易を維持する必要がある。ここでも日欧は、共
同して世界経済を安定させることだ。

その上に、トランプ氏は、金利水準が高いと言うので、インフレ下
での利下げになり、スグフレーション状態になり、株価も暴落にな
る。貿易制限と合わせて、世界的な大不況になる可能性が非常に高
い。

もう1つが、再生エネルギーの反対であり、電気自動車にも反対で
ある。石炭産業や石油産業の復活になる。地球温暖化で、赤道地域
の高熱化でインドなど赤道直下の国は人が住めない状態になるし、
海水面の上昇で、海岸近くの都市が水没する可能性も出てくる。

一番怖いのが、地球温暖化で農作物の不作になることで、食糧危機
になることだ。戦争、飢餓、大不況、異常気象という黙示録の条件
がすべて揃うことになる。ここは、霧やシートなどで人工的に雲を
作るなどの温度を下げる技術を使い、地球の温度を下げるしかない。

トランプ氏は、IT企業嫌いで、IT企業にいろいろと難癖をつけるよ
うであり、特に独占禁止法などを使い、分割する可能性がある。IT
企業が米国から離れて、英国、カナダ、豪州、日本などに移転する
可能性もあるとみる。

トランプ氏は、1100万人の不法移民を強制送還し、今後移民を入れ
ないともいうので、世界的な人道主義の衰退になる。それと、欧州
でも移民の反対が大きくなり、右翼政党が政権を取っている。EU全
体でも移民禁止になる。国際的な援助も少なくなる。国連の機能も
縮小化することになる。日本や欧州は紛争現地か近くで、難民の救
援をするしかない。

米国はウクライナ支援も止めることで、ドイツを中心に欧州でウク
ライナへの軍事支援を行う必要になる。フランスも応分の負担が必
要になる。それでも、日本のNATO参加を拒むのであろうか?

ウクライナは自力で戦争を勝ち抜くことはできない。しかし、F-16
などの援助を早期に得て、ロ軍空軍力を削減していけば、ヘルソン
州の奪還はできる可能性がある。そこで、停戦して、クリミアやザ
ポリージャ州を返還させることであろう。

その後は、NATOに加盟して、再度のロ軍侵略に備えることである。

次に大きなことは、中ロの衰退であろう。ロシアは、この戦争で国
力を随分と落としたし、差し押さえられた資産も戻らないことで、
戦後の復興もままならないことになる。

少数民族の独立も出てくることで、ロシアとしての国家は小さくな
る。分裂することになり、二度と世界の大国にはなれない。日欧も
ロシアから分離独立した国を助けて、大ロシアを復活させてはいけ
ない。少数民族の独立を助ける必要もある。

中国は不動産バブル崩壊、金融危機になり、海外からの投資もなく
なり、自力更生しか手がない。一帯一路も資金がなく、多くの国が
離れていくことになる。

それと、中国国内で肺炎が増加していて、パンデミック第二号が始
まっている危険性が出てきた。中国からの入国を止める必要性もあ
るし、中国経済は復活できない可能性もある。ゼロコロナの第2弾発
動かもしれない。

世界は、早くmRNAワクチンを作り、未然防ぐ必要もありそうだ。

しかし、国内が騒乱状態になったときは、南シナ海や台湾での紛争
を仕掛ける可能性があるので、注意が必要である。特にフィリピン
との紛争の可能性が高い。米軍が支援しない可能性もある。

この中でインドに、海外からの投資が集まり発展するが、カースト
制度があり、それが限界点になる。しかし、グローバルサウスの主
導的な位置を確立することになる。

どちらにしても、世界秩序体系が大きく変化することになる。米国
が世界の覇権を手放して、日欧で、次の秩序体系を作るしかないこ
とになる。

しかし、この変動期は、世界の暗黒時代になり、核戦争を起こす危
険性も出てくる。特にイランとイスラエルが戦争をすることになっ
たときが危ない。米国が中東から撤退したら、その状況が出現する。

一方、日本も難しい局面になる。日本の自民党は、このまま増税路
線を維持するなら、国民の支持を失うことになる。日本の縮減化を
適切に行い、プライマリー・バランスを取り戻せたら、日本は大き
なチャンスがある。

それと、トランプ氏が大統領に当選したら、真っ先にトランプ氏の
下に飛んでいき、安倍元首相のように、ご機嫌を取ることである。
日本は、米国の忠実な友であると思ってもらう必要がある。

しかし、逆にこのまま、予算規模を拡大して、無限に国債を発行す
れば、いつかはハイ・インフレで大変なことになる。劇的な生活レ
ベルの低下を国民の80%が経験することになる。

今のレベルの円安なら、日本製造業は復活して、米国での工場建設
で、米国市場を取れるし、米産業保護政策で、安い輸入製品からも
守られる。米国がIT・AI分野を支配して、日本が製造分野を受け持
つという住み分けができる可能性もある。

今後起こる世界的な大不況を脱出できる目は、AIの利用で労働力を
削減して、コストを下げられることで、コスト競争力を再度得るこ
とであろう。

日本は人口減少で、労働力減少に取り組む必要があり、AI利用が進
む環境にある。他国ではAI利用反対運動が起きるが、日本では起き
ない。今までも衰退業界は多くあったが、それに反対する運動が起
きていない。

ただ、労働力不足は解消しないとみる。このため、AI化できない分
野の労働賃金は上昇する。年金は増額しないので、75歳程度まで働
くことになる。相対的に高齢者層の貧困化が進む。

人間とAIを結ぶBMIの研究も進んでいるので、徐々に人間の能力と機
械力の統合ができることになり、大きなチャンスになっている。

もう1つ、世界の不況を乗り越えるのが、人間の寿命を伸ばす研究
であろう。医療研究で、老化のメカニズムも分かり、その防止技術
も確立することである。

さあ、どうなりますか?


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