6308.パレスチナ戦争が始まる



ウクライナの戦争で、世界的な秩序維持勢力と武力よる変更勢力の
戦いになって、次の舞台がパレスチナ戦争であろう。この現状と今
後の検討をしよう。      津田より

0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、2022年10月10日は
29,202ドルで安値となり、2023年9月29日は33,507ドルで、10月2日
は74ドル安の33,433ドル、3日は430ドル安の33,002ドル、4日は127
ドル高の33,129ドル、5日は9ドル安の33,119ドル、6日は288ドル高
の33,407ドル。

先週、株価は下落をした。10年国債金利が4.8%になり、米議会の混
乱で、米国債が売られて金利が上昇して、バリュー株の利回りでも
3%台であり、株価が高いと売られている。

米国の暫定予算審議後、マッカーシー米下院議長が解任された。共
和党保守強硬派が解任動議を提案し、民主党と共和党保守強硬派の
賛成で可決して解任した。両党の党派対立の激しい米議会は一段の
混乱に見舞われると予想される。

このため、米国債の格付けが下がるとみられて、国債が売られるこ
とになって、金利が上昇した。金利上昇で株が売られている。この
国債を大量に売っているのが、中国である。FRBも国債を売っていた
が、金利上昇を止めるために、買いに回るようだ。世界で日本しか
米国債を買っていない。

しかし、10月6日の9月米非農業部門雇用者数は、33.6万人増となり
、予想の17.0万人より多く、前回の18.7万人増よりも多い結果で、
売りポジションの巻き戻しで、株は買われて上昇した。

それと、長期の米国債金利が上昇して、短期米国債金利との差がな
くなり、2年債と10年債の逆イールドは26bpまで縮小し、ほぼ1年
ぶりの小ささとなった。長期債利回りの上昇による逆イールドの縮
小はまれで、過去には景気後退の先触れとなったことがある。

この結果から、大手メディアは不況を否定し、米国の景気は良いと
いう。しかし、米8月消費者信用残高は、予想に反し156億ドルの減
少で、2020年5月以来最大の落ち込みである。

それと、トランプ前大統領が進めた「国境の壁」を不法移民防止の
ために、バイデン政権も再開するとした。

ニューヨークなど不法移民が増えてきたことで市財政がひっ迫して
、これ以上の不法移民を受け入れることができないからである。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は
24,717円の底値になり、7月3日は33,753円とバブル崩壊後高値とな
り、9月29日は31,875円で、10月2日は97円安の31,759円、3日は521
円安の31,237円、4日は711円安の30,526円、5日は548円高の31,075
円、6日は80円安の30,994円。

先週、株価は約900円の下落になった。米国債金利上昇で株売りが広
がっていて、海外投資家が株から債券にシフトしていることで、引
き続き株が暴落している。日本経済の数字は良いが、海外投資家は
、米国金利を見ているので、日本の実情とは違った動きをしている。

特に、消費関連企業の業績が良い。商品価格の値上げができたこと
で利益率が向上している。一方、8月の実質賃金は2.5%減であり、
企業は儲けるが、国民はその恩恵を受けていない。

今年も法人税と消費税が伸びて、税収は増えることになる。この増
収分を減税するというが、日本はGDP比261%の債務を抱えている。プ
ライマリー・バランスも達成していない。減税しても、どこかで増
税することになる。

株投資などの所得税減税などの小範囲での減税はできるが、それ以
外の広範囲の減税はできないはずである。しかし、小範囲の減税は
、庶民には関係ないことになるので、選挙では有利にならない。

異次元の少子化対策もできず、防衛費の増額の財源もまだなく、ど
うやって減税するのかがわからない。プライマリー・バランスを取
ることが喫緊の課題なはずであり、そのためには、漁港の整備や地
方の高速道路整備ではなく、鉄道貨物輸送の整備や運営費に回した
方がよいはずで、そこで支出減ができると思える。

地方の公共投資が無駄であると思えてくる。既存の道路も整理する
必要もあるはずだ。そちらが先で、防衛費などが充足して、始めて
減税するべきである。

今、減税しても、すぐ先には増税する必要になるが、それでは国民
を騙したことになる。政治家への信頼を無くす行為はするべきでは
ない。どうも目先のこと見ていない。PBを達成してから減税だ。

2.ウクライナ戦争の推移
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ロ軍の抵抗で、オリヒウ軸とバフムト方面でのウ軍は前進できない
でいる。

しかし、ロ軍の精鋭部隊のオリヒウ軸やバフムトでの反撃で、ロ軍
精鋭部隊が消耗して、徐々に攻撃できる部隊がなくなってきている。

このため、あまり状況の変化がない状態である。

それより、ウ戦争が世界に飛び火している。世界のあちこちの火薬
庫で火が吹き始めた。アゼルとアルメニアの戦争を見て、セルビア
がコソボ国境に軍を派遣したが、米国の警告で軍を引き上げたが、
現時点、シリアとパレスチナで戦闘が発生している。そして、国家
としての弱さを見せれば、軍事力で主権が侵害される危険な世界に
なったようだ。

・クピャンスク方面
ウ軍が反撃に出て、リマンペルシーの西側を広範囲に奪還した。ロ
軍は弱兵であり、攻撃してきても、簡単に撃退できるようだ。

・スバトバ・リシチャンスク・クレミンナ・ドネツク市方面
ロ軍は、防衛のみで攻撃できない状態になっている。
このため、ロ軍は航空優勢であることで、空爆を各地で行っている。
ウ軍も、攻撃を行っていない。

・バフムト方面
ウ軍はクリシチーウカ、アンドリーイウカの東に前進して、鉄道線
路を超えて攻撃している。クリシチーウカでは東の森を掃討中であ
るが、あまり前進できないでいる。

ウ軍はクルディミウカの市外で戦闘中であるが、奪還はできないで
いる。

・オリヒウ軸
ウ軍は、ロボティネの南ノボプロコピウカを攻撃しているが、この
ノボプロコピウカ方向で、ロ軍が反撃に出て、ウ軍は体制立て直し
のために、一時的に退却したが、体制立て直し後、攻撃して元の位
置までロ軍を押し返している。

コパニ方向へウ軍は向かっているが、ロ軍最強の第76空挺師団が立
ちはだかっている。

ベルボベ方向では、第2防衛線を越えてウ軍は、市内の西側に前進し
ているが、ロ軍第7空挺強襲師団の反撃で、前進できなくなっている。

もう1つが、ベルボベの南東にロ軍第1防衛線沿いにウ軍は前進して
、166高地方向に塹壕を横から攻めている。ここでもウ軍は前進でき
ないでいる。

166高地を正面から攻撃してたウ軍がノボプロコピウカの東に回り込
み、前進した。

ロ軍は砲撃の支援なしに、ウ軍を攻撃するので、戦車や装甲車、兵
士の損害が多いが、それでも攻撃してくることで、ウ軍は前進でき
ない。

しかし、今までの反撃で、ロ軍増援部隊の約半数を失った可能性が
ある。

このため、いつかは攻撃力のある精鋭部隊も尽きることになる。そ
こまでウ軍も待っているようである。

それに対して、ロ軍は、オリヒウ軸で連隊規模の部隊交代を実施し
ている。ここを決戦場所とロ軍も思って、部隊を集めていることが
わかる。そのため、ここではローテーションができるようだ。

ゲラシモフ参謀長も、オリヒウ軸の戦闘状況を心配して、トクマク
を失う事態でも南部地域に補給を確保するために、ベルジャンスク
とメルトポリを直通する鉄道を作り始めた。ロ軍には3万人の鉄道部
隊がいて、約100kmの鉄道を数か月で構築できるので、トクマクが陥
落しても大丈夫であるようだ。

そして、ベルジャンスク港を浚渫して、大型の貨物船が付けるよう
にしている。本土からアゾフ海を貨物船で補給物資を運び、そこか
ら鉄道で南部に輸送するようである。

それと、ロ軍をトクマクから撤退させて、メロトポリとベルジャン
スクの守りを優先することも検討していると言う。このため、トク
マクへの攻撃を想定した防御強化に伴い、ロ軍将校の家族がトクマ
クからロシア本土に戻っている。

・ヘルソン州方面
橋頭保の拡大をしているが、ロ軍はドニプロ川対岸地域に空爆をし
て、ウ軍のボート基地や野戦病院などを叩いている。それと、ロ軍
は、東部方面の第41諸兵連合軍(CAA)と第810海軍歩兵旅団の部隊
を ヘルソン 方面に再配置したようだ。

・クリミア方面
ウ情報総局は、クリミアに襲撃部隊を送り、敵の多くに被害を与え
て帰還したと発表した。一種の偵察攻撃であろう。

それと、ロ軍黒海艦隊の潜水艦や水上艦のほとんどが、クリミア半
島南東部のフェオドシアとクラスノダール州のノボロシスクに移動
した。セバストポリには、黒海艦隊はいなくなっている。

・その他方面
ウ軍のドローン4機中3機が、スモレンスクのミサイル工場に命中し
て爆発炎上している。

その他、ドローンで、ベルゴルド州のS-400防空システムに命中して
、炎上させたり、クリミアのジャンコイ空軍基地を攻撃している。

逆にハルキウ州フローザでは、この戦争で死んだ人への追悼式を行
っていた会場を砲撃して、51人が死亡、6人が負傷した。

ロ軍が、ハリキウ州の国境の村ジーヌの国境を超えて侵入してきた
。ウ軍国境警察隊が追い返している。

また、ロ軍は、マリウポリで、ロ軍SU戦闘機とヘリを誤射で撃墜し
たようである。

・ウクライナの状況
10月1日は、ウクライナ戦争で戦死した英雄に名誉を捧げる1分間の
黙とうが行われた。ウ軍の戦死者数は公表されていないが、5万人以
上で10万人程度までであろうとみられている。

ゼレンスキー大統領は「冬にロシアがエネルギーインフラへの攻撃
を再度試みるだろう」としたことで、ドイツは、長射程ミサイル「
タウルス」を供与しないが、パトリオット防空システムの追加供与
するとしたし、スペイン政府は『ホーク』地対空ミサイルシステム
6基をウクライナへ供与するとした。

そして、スウェーデンはウクライナに約2億ドル相当の新たな軍事援
助パッケージ、イタリアのメローニ首相も第8次軍事援助パッケージ
を提供する。米国が当面、追加の軍事援助ができないことで、欧州
各国の援助が必要になっている。しかし、スウェーデンの戦闘機グ
リヘンの提供は、NATO加盟後とした。

バイデン大統領もウクライナ支援の継続について「必要な資金は別
の方法でも調達できる」と述べた。国防総省も、議会の承認がなく
てもウクライナへの援助を継続する選択肢があると宣言した。

スロバキアの選挙で親ロ派政党が第1党になり、スロバキア当局は、
ウクライナへの軍事援助の全面停止を発表した。

しかし、ウクライナは、ポーランド、スロバキア、ハンガリーの3
カ国への農産物輸入禁止のWTO提訴を中断した。

・ロシアの状況
ウ軍に砲撃戦で負けて、1ケ月に砲947門を失い、かつ砲身の工場が2
工場(ペルミ、ボルゴグラード)しかなく、砲身は1500発から2000
発発射で寿命になり、新しい砲身と交換する必要があるが、現状で
はできない状態である。

この砲身不足のロ軍に、北朝鮮は大砲と砲弾の供給を開始した。

3.パレスチナ戦争
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ハマス戦闘員40〜50人の部隊が、ユダヤの祝日に意表をつかた形で
、パラグライダーを使用して侵入し、地中海側からも侵攻して、多
方面から侵入して、イスラエル領内のスデロットの警察署を占領し
た。この折、イスラエル兵2名が捕虜になり、10名が戦死し、その他
に市民と警察官に多数の死傷者が発生している模様。

そして、8日朝の時点で、ガザ付近のイスラエル人居住地域をイス軍
が制圧ないし奪還したという情報がない。まだ、そこにはハマス戦
闘員がいる。8日朝の時点で、この奇襲攻撃でイスラエルが被った人
的被害は1,000人を突破している。今もイスラエル側の死者数もどん
どん増えている。

イスラエル南部に侵入したハマス戦闘員は、家屋などに人質を取り
立てこもっているとのこと。ハマスはイスラエル国内21カ所で戦闘
という。少なくとも5つの入植地がハマス側に制圧されたようだ。
強引な入植地構築が裏目に出ている。

戦闘当初に、ガサに入るためのイスラエル側の検問所「エレズ検問
所」が、ハマスに掌握され、イス軍のメルカバ4戦車とナメル重装甲
車が鹵獲された。メルカバ4戦車が破壊されたが、ハマスの自爆ド
ローン攻撃で、真上から突っ込んでいる。上方に捕弾網は着けてい
ないので、破壊された。ドローン戦争がここでも行われている。

このため、イスラエル警察と軍は臨戦体制になり、14万人の予備役
を動員した35個旅団と予備役師団4個でガザ地区に侵攻する。

イス空軍36機の航空部隊による報復爆撃が開始。ハマスもアル・アク
サ・ストーム作戦を宣言して「イスラエル領内への侵入」開始を宣言
した。

ハマスは、民間人、警察官、軍人合わせて30名以上をガザ地区に連
れ去ったようだ。短時間でロケット弾5000発を発射し、防空システ
ム「アイアン・ドーム」でも迎撃しきれず、いくつか着弾している。

イスラエルは「アイアン・ソード作戦」を発動すると発表。イス軍
は、ガザ周辺の道路を閉鎖した。イスラエルのネタニヤフ首相は「
戦争状態」で「ハマスは前例のない代償を払うことになるだろう。
」と述べ、パレスチナ人に、ガザ地区からの避難を呼びかけた。

それと、占拠されていたスデロット警察署は、イス軍の特殊部隊サ
イェレット・マトカルにより解放された。

そして、イスラエル全土に非常事態宣言が発令された。民間人用武
器庫が全て解放され、市民が自衛のために武装することが許可され
た。

恐らく、近日中にガザはイス軍に占領されて、ハマスを打倒するが
、ハマスはガザを失っても他地帯に移って戦争を継続し、イランの
支援を受けて戦うことになる。

もう1つが、レバノンのヒズボラがイスラエルの北部国境に近づい
て、イス軍が発砲したという。これが本当だとすると、本格的な中
東戦争になりかねない。イランも出てくる。ロシアもハマスを支持

米バイデン大統領は、他国や他グループ・組織もイスラエルの紛争
に介入しないよう警告し、もし介入した場合には迅速な処罰が取ら
ると警告した。ヒズボラとイランのことである。本格的戦争になり
そうだ。

逆に、エジプト政府はハマスとイスラエル間の緊張を緩和するため
双方と積極的に接触している。ヒズボラの動きもイスラエルに伝達
したようであり、「ガザに地上軍を入れたら、ヒズボラはイスラエ
ルに侵攻する」という。

この戦争により、イスラエルとサウジの接近は吹っ飛ぶことになる
し、原油生産がどうなるかだ。サウジがイスラエルを批判する内容
の声明を出した。

「ハマースによる残虐行為に衝撃を受けている西側諸国は、イスラ
エルが繰り返してきたパレスチナ人に対する非道な行為には目をつ
ぶってきた」という主張があり、イスラエルを全面的に支持するの
は米国ぐらいしかないかもしれない。中東諸国は一致団結すると、
イスラエルも危ない。

そして、ハマスの奇襲作戦を把握できなかったことは、イスラエル
のモサドの失敗である。ハマスは、長期の準備をしていたはずで、
この兆候を把握していない。

イランがパレスチナ戦争に介入すると、大きな戦争に発展するし、
核戦争にもなる可能性も出てくる。ロシアは核戦争を思い留ってい
るが、中東で核戦争になると、ロシアも核使用の重しが取れる可能
性がある。エスカレーションを起こすことになる。

第3次世界大戦の始まりを想定する必要にもなる。覇権移行期の混乱
が始まったようである。当分、覇権国が決まるまで世界的な混乱が
続くことになるそうだ。

4.世界の混乱と日本の復活方法
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国家としての弱さを見せれば軍事力で主権が侵害される危険な世界
になったようだ。世界的な混乱の時代が始まっている。

この世界的な紛争全体を納めるためには、日本が世界で指導的地位
になることであるが、日本の復活がないとできないし、世界的な動
乱に対応できない。今、日本は円安で景気は上向いているが、円高
になれば萎むだけだ。

歴史を見ると、日本は、政府が介入して経済を回すことで発展した
が、それを止めたことで、経済が回らなくなり、衰退したのである。

1980年代まで上手くいっていた発展する経済が、1990年以降、通産
省の指導を米国との通商交渉で止められて、産業育成ができずに、
民間部門だけでは対応できずに、日本の産業は衰退したのである。

なぜ、日本は通産省の指導が効いたかというと、日本社会を構成す
る職業感覚であろう。職により自分を高めていくことが、日本人の
修行であり、方向性を示してもらい、それと志向が一致すると、日
本人は嬉々として、その分野の専門家となり、何十年もその分野で
職を全うすることが基本であったからだ。自分の志向を一致した分
野で一流になろうとしたからだ。

すべての分野で、日本は専門家を育ててきたから、日本の製品は、
優秀であったが、部分に割られて、それぞれの分野で横割りに会社
が分けられていくことで、1つ1つの部品の精度が上がり、それで日
本の大企業のトータルな専門性を必要としなくしたことで負けた。

優秀な部品を集めると、そこでセンサーと映像などを基にした制御
系ソフトを駆使して、安くて良いものができるようになった。この
ため、トータルな専門性が必要なく、ソフトが重要となったのであ
る。

このため、先に大企業群が不振になり、リストラして、小さな分野
で復活してきているか、または大会社を専門子会社に分けて、復活
させている。どちらにしても、大企業は、トータルな専門性を無く
した。

しかし、日本の部品企業は、1つ1つの専門家集団であり、その会社
が、今世界企業になっている。そして、世界の大企業に売っている。

このように、日本企業群では、トータルな専門性部分の推進役が欠
如した状態になっている。

この日本を復活するには、経産省などの公的機関が世界の動向など
を調査して、方向性を出し、補助金を出しながら、全体調整をする
必要がある。

このため、安倍政権時代から、産業育成をしないと日本復活はない
と述べてきた。

日本人は、一人一人が職業を通じて修行している。自分の悟りを開
くために、仕事に打ち込んでいる。このため、〜道というネームが
付くのだ。

仏教の修行には八正道などの道徳規定があるが、江戸時代に徳川家
康が朱子学を武士階級に入れ、町人には論語を入れて、道徳律を確
立した。朱子学の道徳律は、仏教の道徳律より細かい道徳律であり
、その道徳律には論理がある。

この論理部分は、今の経済環境では不味い部分もあり、江戸時代で
も「寛政の改革」などで経済状況は酷いことになっている。金を儲
けることは、悪いことだというからで、それを石門心学は、道徳律
に従った金儲けは正しい道であり、儲けを社会還元すればよいとし
た。

しかし、この庶民の道徳律により、江戸時代末期や明治時代初頭に
来た欧米人たちが、日本人の道徳や物腰、振る舞いなどに驚嘆する
のである。

この感覚がある限り、日本人は立ち直れるし、世界的な指導者にな
る素質があるとみている。そして、いまほど、世界が日本人のよう
な利他のできる人物を必要としている時期はない。

しかし、残念なのが、その道徳律が緩んでいると思えるような事件
が出てきている。論理を持った道徳律の再構築が必要であり、それ
を作ることであろうとみている。

利他の心は、災害が多いことで、いつ自分も災害にあい、人の助け
を必要とする時期が来るかもしれないという心から発していること
であり、災害大国日本に住むもの特有なのかもしれない。これも江
戸時代の道徳律にある。

新しい道徳律は朱子学の悪い部分を代えて、日本人として待つべき
道徳律を加えて、その上に、なぜそうするのかという論理をどう作
るかである。

誰か、挑戦してほしいものである。なるべく、若い人が挑戦してほ
しい。私では、古い人間であり、現代人に最適な道徳律が見えない。

道徳律も時代と共に変えるべきなのであろう。

さあ、どうなりますか?


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