米国、中国、欧州の経済がおかしくなり、世界が混沌とした状態に なったが、近代資本主義の問題に対応する必要がある。日本の江戸 時代を参考とした秩序体系を作る必要になっている。この現状と今 後の検討をしよう。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、2022年10月10日は 29,202ドルで安値となり、2023年9月8日は34,576ドルで、11日は87 ドル高の34,663ドル、12日は17ドル安の34,645ドル、13日は70ドル 安の34,575ドル、14日は331ドル高の34,907ドル、15日は288ドル安 の34,618ドル。 先週、株価は少し上昇したが、ほぼ横バイ。9月13日に8月CPIは、食 品とエネルギーを除いたコア指数が前月比0.3%上昇し、6ケ月ぶりに 加速した。これによりFRBはタカ派姿勢を維持することになり、11月 および12月の利上げがあり得るようだ。 しかし、米国債利回りはCPI発表後にいったん上昇してから間もなく 、ほぼ変わらずまで戻した。今回の統計を受けても、投資家の金利 見通しが大きく変化していないようだ。ドル円も147円台に戻してい る。 14日は大幅な上昇になり、力強い経済指標を受けて、米金融当局が 長期にわたり高金利を維持しても、ソフトランディング(軟着陸) を実現できるとの期待が再び高まった。8月の米小売売上高は前月比 0.6%増と、市場予想の0.1%増を上回ったことが大きい。 15日は、エヌビディアやメタ・プラットフォームズといった大型ハ イテク株が下げを主導して、株価が下がった。台湾積体電路製造( TSMC)が主要サプライヤーに最先端半導体向け製造装置の納入を遅ら せるよう求めたことで、PC等の売れ行きが悪いと見られたことによ る。 欧州中央銀行(ECB)は14日の定例理事会で、政策金利(中銀預金金 利)を0.25%引き上げ4.0%とした。ドイツ経済が今年度経済成長が マイナスになり、不況状況であり、これ以上の金利上昇はできない ので、利上げ打ち止めとの観測も出ているが、インフレが5%以上に なり、先にインフレを止める必要があるから利上げに踏み切ったの である。 ドイツは、スタグフレーションの様相になっている。今までの好調 さは、ロシアから安い天然ガスを入れ、中国に自動車をはじめ、工 業製品を売っていたことによるが、この環境が激変したことで、2 大市場への売り上げがなくなったことによる。 中国の不動産の中堅企業遠洋集団も外貨建ての債券の利払いを停止 した。これで、また、不動産企業の実質倒産が決まった。この不動 産不況で、中国の最大家電網である国美家電も不振になり、9割の 店舗を閉鎖した。このように中国の不況も拡大している。 世界経済は、中国の不動産バブル崩壊と欧州の不況により、景気後 退になるが、米国はAIの新規需要でまだ景気後退を食い止め、日本 は、円安で国内需要の国内産品への回帰と輸出市場の回復やインバ ウンド需要で景気回復状況である。 1.日本の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、7月3日は33,753円とバブル崩壊後高値とな り、9月8日32,606円で、11日は134円安の32,472円、12日は308円高 の32,776円、13日は69円安の32,706円、14日は461円高の33,168円、 15日は364円高の33,533円。 先週、株価は約1000円の大幅な上昇になった。東証の企業のROEが3 月8.1から8月8.7と高くなっている。PBR1倍割れ企業でも売上高1000 億円以上の企業での対応策が出てきて、株式分割や配当金の上昇な どの手を打っていることを海外投資家が評価したことと、来年から 改正になるNISAを狙った企業の株価対策が出たことが大きい。 企業の人手不足などによる設備投資も増加していることと、インバ ウンドの需要が企業利益を押し上げているようである。コンビニや 大型店補での無人レジが増えている。現金からデジタル通貨への移 行も大きいですね。レジ周りの人手削減効果は大きい。 そのことが、あまり外部環境の影響を受けずに、日本株が上昇して いる理由であろう。人手不足が投資需要を生み出している。 岸田政権は内閣改造をしたが、派閥均衡の人選、2世・3世の政治家 中心の布陣、副大臣・政務官計54名で女性の起用なしであり、内閣 支持率は横バイのままで、国民の支持拡大を狙った改造にはなって いない。 日本が世界の転換期に、どうのような役割を持ち、この世界の激変 期を乗切り、世界と日本を安定させるのかという方向が示されてい ないように思う。 それと、国際政治学者も案を出さないことが異常であるし、米国の 外交問題評議会の上級メンバーであった長島昭久氏を首相補佐官な り、外交や防衛の副大臣にしないこともおかしい。 米国のモンロー主義に転換する可能性に、日本はどう対応するのか の戦略が必要である。この構想構築するためには米国に人脈を持つ 長島昭久議員の活躍が重要である。 世界の幕末期に日本は何をするのか、戦略をもって対応する必要が あるが、それがない。事なかれ主義では、戦乱の世界を泳ぎ切るこ とはできない。シッカリした構えが必要である。それを、能力では なく、順送りの人事をする自民党では、時代についていけないよう に感じる。 2.ウクライナ戦争の推移 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ロ軍は、バフムト方面にいたロ軍最強の第76空挺師団を南部の第1、 第2防衛線に投入した。 この空挺師団の2個連隊がノボプロコピウカでの防衛にあたっている ので、ウ軍も苦戦に陥っているようである。 ウ軍は、バフムト方面とベルカノボシルカ軸東のノボドネツク、ノ ボマヨルの攻撃を強化している。ロ軍第76空挺師団が防衛するオリ ヒウ軸での前進が難しくなっているようだ ・クピャンスク・スバトバ・リシチャンスク方面 練度の高い攻撃部隊を南部にほとんど引き抜かれて、攻撃できない 状態になている。新編成の第21連合軍が到着しているが、練度不足 で攻撃ができないようである。 このため、ロ軍は航空優勢であることで、空爆を各地で行っている。 ウ軍も防衛のみで、攻撃をしていない。 ・バフムト方面 北西では、ロ軍はボフダニウカに地上攻撃したが、ウ軍に撃退され ている。 南側では、ウ軍はクリシチーウカで掃討作戦を行って、ほとんど奪 還しているが、ロ軍は激しい空爆後、地上攻撃をして、街の南部に 入った。しかし、この攻撃は失敗して、ウ軍が完全奪還した。 アンドリーイウカはロ軍が撤退して、ウ軍が完全奪還になった。こ のアンドーイウカでは、ロ軍第72自動車化狙撃旅団を包囲して、撤 退する部隊に砲撃を浴びせて殲滅したという。 大損害を受けて疲弊しているロ軍をウ軍は追撃しているが、この方 面のロ軍崩壊の可能性も出てきた。南部より先にバフムト方面でウ 軍は、ロ軍を破りドネツク市を含む広範囲を奪還する可能性も出て きた。 このアンドーイウカの東4kmに「T0513」道路があり、バフムトへの補 給路になっている。この補給路を火器管制下に置いたことで、この 補給路は使えなくなった。そして、ウ軍は線路を越えて、この道路 に迫っている。 一方、ロ軍は線路の西側での抵抗を諦めたようである。 クルディミウカでもウ軍が激しい砲撃と、その後に攻撃するので、 ロ軍は苦しい戦いになっているが、市街で戦闘中である。 ロ軍は、地上支援のために、クルディミウカでもウ軍に空爆を行っ ている。 ・ドネツク市北側 ウ軍はアウディーイウカ郊外のオプトネに攻撃して、そこに居たロ 軍部隊が無秩序に撤退したが、それをウ軍攻撃部隊と勘違いして、 ロ軍は、激しい砲撃を行い、ロ軍の部隊を壊滅させた。 このため、オプトネの半分をウ軍が奪還した。このオプトネは、ド ネツク空港から1km程度の位置にあり、ロ軍も増強したことで、ウ軍 も、それ以上の前進はできていない。 ・ザポリージャ州方面 1.ベルカノボシルカ軸 東では、ノボドネツク、ノボマヨルシケ、シェフチェンコに攻撃を して、ウ軍がノボマヨルシケの市街に入り、市街戦になっている。 中央では、ウ軍は、ザビトネ・バジャンニャを攻撃しているが、ロ 軍も抵抗して、ウ軍は前進できないでいる。 2.オリヒウ軸 ウ軍は、ロボティネの南ノボプロコピウカを攻撃しているが、この ノボプロコピウカにロ軍の中では最強な第72空挺師団の2個連隊を入 れて、防衛している。このため、ウ軍の前進が難しくなっている。 オチェレトバテ方向へウ軍は攻撃して、一部情報では166高地を奪還 したというが、疑問である。もし、この166高地が奪還されると、周 辺のノボプロコピウカやベルボベなどが一望でき、砲兵隊が配備さ れると、周りへの砲撃が正確になり、歩兵攻撃部隊の火砲支援が有 効度を上げることになる。ここは、絶対にロ軍は防衛するべき場所 であるからだ。 しかし、ロ軍第72空挺師団は強い。この部隊が抜けたバフムトの状 況はウ軍が優勢になっているが、南部地域は第72空挺師団を横に配 備して防衛しているが、薄い防衛網を維持し続けている。ウ軍は前 進ができないでいる。 ・その他方面 セバストポリ軍港の乾ドックを攻撃して、そこに居たロプチャ級揚 陸艦「ミンスク」とキロ級潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」を大破 させた。この攻撃には、ウ軍はストームシャドーを使った。 港内には、別に海上ドローンでも攻撃したともいうし、ウ軍特殊部 隊もセバストポリに上陸して、目標の位置確認等を行ったともいう 。大がかりな攻撃であった可能性も出てきた。 なお、他に乾ドックに入っていたのは、22160型警備艦「セルゲイ・ コトフ」、22160型警備艦「ヴァシリー・ヴィコフ」、22800型コル ベット「アスコルド」で、これらは損害不明であり、1239型SESコル ベット「サムム」は浮きドック入りしていたが、損傷軽微のようだ が、「サムム」ではなく「ボラ」であったともいう。 この前には、黒海では石油掘削リグ群「ボイコ・タワー」を占領し た。ロ軍はここに、監視機器や防御用兵器を置いていたようである が、ウ軍は黒海の監視ができるようになる。 クリミア半島西部のエフパトリア郊外のロ軍S400ミサイルを少なく とも1台破壊した。それと、そのS400用レーダーを破壊に成功した。 この防空システムは、南東200kmにあるサキ航空基地を守るために配 備されていた。このS400をウ軍のドローンとネプチェーン対艦ミサ イルで攻撃し破壊した。 ということで、黒海とクリミアでウ軍の活動が増えている。 それと、過去数日にわたるロ軍艦に対する海上ドローンによる大規 模な攻撃は、ウクライナ寄りの黒海沿岸沿いの航路からロ艦隊を遠 ざけ、ロ軍抜きで黒海の海上輸送路を確保する試みであるとも見え る。 その他では、ロシアのトベリにある航空宇宙産業用の化学薬品製造 工場をドローンで攻撃されて、爆発炎上している。15日には、ロシ ア連邦サマラ州のベアリング工場で大規模な火災が発生した。日欧 米の制裁によって、ロシアではベアリング不足になっているが、追 打ちをかけるような工場火災である。 このようなウ軍の攻撃への報復として、ロ軍は大量のシャヘド・ド ローンによる攻撃をキーウやオデーサなどに行っている。 ・ウクライナの状況 ゼレンスキー大統領が、9月19日から国連総会に出席するために、米 国を訪問するが、ここで、バイデン大統領と会談予定である。 この席上で、ウクライナが強く望むATACMSのクラスター弾を供与す ることになると言われている。クラスター弾を米軍は今後使わない ので、ATACMSのクラスター弾は供与できるということのようである。 もし、ATACMSが提供されると、射程300km以上あり、クリミアの全域 が攻撃できることになる。ロ軍はストームシャドーも迎撃できない ことで、ATACMSの迎撃もできないようであり、戦況に大きな影響が 出ることになる。南部奪還より前にクリミアへの大規模な上陸作戦 をウ軍が行う可能性もある。 それと並行して、徐々にウクライナは自国生産のドローンや長射程 のミサイルで、ロシアの内部にある軍需工場などの破壊に使い始め ている。 もう1つが、ロ軍のシャヘド・ドローンの迎撃態勢を完璧にする必 要があり、ウ空軍イフナト司令部報道官は15日、敵の自爆型無人機 撃墜のための手段を増やしているとした。 このため、来年度のウクライナの国防費はGDP比21.6%となり、欧米 日の財政支援なしには戦争を持続できない。 2024年11月までには、ロ軍を敗戦させて停戦に持ち込む必要がある が、ミリー統合軍参謀本部議長は、秋には泥濘化するので、戦える のは、後30日-45日という。 これに対して、ブダノフ情報総局長は、ウ軍の反転攻勢は歩兵ベー スなので、秋でも続けられる。天候による反転攻勢が停止すること はないと述べた。 米国は現在月2万発の生産を2025年までに月産10万発の砲弾を製造で きるようにすると述べている。大国間の通常戦争では、砲弾が大量 に必要になることをウロ戦争は示しているし、今後の中国の台湾有 事の時は、今以上に砲弾が必要になる。増産でウ軍の供与も増やせ ることになる。 ルーマニアはロ軍のシャヘドドローンの攻撃を受けて、ルーマニア のドナウ川デルタ地帯に、住民避難用のシェルターを設置し、その 地域にドローン迎撃部隊を派遣した。ロ軍のシャヘドドローンは、 ウクライナ領のドナウ川流域を狙っているが、精度が悪いことでル ーマニア側にも着弾している。 ・ロシアの状況 プーチンは、北朝鮮の金正恩総書記とロシア極東アムール州のボス トーチヌイ宇宙基地で会談した。「帝国主義者たちの軍事的な脅威 や挑発」に対抗する連帯について「満足な合意」を得たと朝鮮中央 通信は報道。「共通の敵」米国など西側諸国に対し、ロ朝の結束を 誇示したという。 ウ情報総局は ロ軍は、1ケ月半前から北朝鮮から大量の砲弾を得てい ると発表した。この見返りでプーチンは会談に望んでいるとした。 しかし、ぺスコフ報道官によると「今回の金正恩訪ロでは、北朝鮮 とのいかなる協定も締結されなかった」という。 北朝鮮は自国軍をウクライナ戦争に派遣する可能性があると見たが 、そこまでの交渉はなかったようである。 そして、情報総局のユソフ報道官によると、チェチェンのカディロ フの病状が悪化し、深刻な状態に至ったという。カディロフが死ぬ と、チェチェンも不安定になる可能性がある。 それと、9月中旬以降に2次動員が行われるとみていたが、行わない ようである。ショイグ国防相は秘密裏の2次動員を行う予定が、プー チンに反対されたようである。 このため、シベリア地方のロ軍もウクライナに送り、ノルウェーや フィンランドとの国境からもロ軍を撤退させ、ウクライナに送って いるようだ。ロ軍の兵員不足は、従来の紛争地からも兵員をかき集 めて、ウクライナに送っている。それでも足りない。 ロシア国家院国防委員会のアンドレイ・カルタポロフ委員長も、動 員された要員はロシアの「特別軍事作戦」の終了時にのみ復員する と明言した。兵員不足であり、かつ、2次動員ができないなら、ロー テーションはできない。 その上、新しい傭兵会社を設立し、ワグナー軍傭兵を呼び戻すため で、この傭兵会社の立ち上げを任されたのが、あの解任されたスロ ヴィキンだという。兵員不足であり、ワグナー軍が必要なのである。 しかし、ショイグ国防相は、プーチンに反対された後に、マスコミ のインタビューで、「現在の状況はどうですか?」との質問に、手 を下に広げて、「さあ、どうですかね」というサインをしてしまっ た。この動画はすぐに削除されたが、ジョイグ国防相の気持ちが露 になっている。 それと、ロ軍の将軍とグルレフ議員は「ウ軍は戦術を変え、地雷原 と効果的に戦い、ドローンは無限であり、ロ軍の砲撃能力は低い。 そして、我々は実際に事態が悪化していると聞いている。」と投稿 した。ロ軍のトップ層や政治家でも戦争に負けているという認識が 出てきたようだ。その上、ウ軍には、安価な無人地雷除去システム 「アイアン・キャタピラー」も開発されて、効率的に地雷原を除去 している。 ということで、私もショイグの気持ちがわかる気がする。2次動員も できないので戦争に負けるという自覚がショイグ国防相にはある。 パトリシェフ安保書記にもあるはずであり、何かが変化する可能性 も出ているように見える。戦争に負けるかプーチンを変えるかだ。 それと、キーバ人がロ軍サイドで戦闘に参加しているという情報を 聞き、ロシアが負けそうであり、キーバのロドリゲス外相は、自国 民の戦争への傭兵参加を拒否するとした。徐々にロシアに味方する 国は少なくなる。負ける側にいると、戦後に不利益を被る可能性が 高いからだ。 アルバニアも米軍と演習するとして、親ロから転換している。ロシ アについているのは、ベラルーシ、北朝鮮とイランしかない。 3.新秩序の構築 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 世界の現状は、江戸時代の幕末期が大いに参考になる。日本は親藩 の1つであるが、備中藩のような位置にいる。英国は水戸藩で、ド イツは戦いの前面にいる会津藩であろう。米国幕府崩壊が近いし、 反対の中ロなどは薩長と見えるが、嵩にかかっている。 日英や仏独伊や北欧などの自由民主主義陣営は、米国幕府崩壊でも 自由民主主義を守る戦いに勝ち残るしかない。その時に日本の参考 になるのが備中藩の山田方谷だとみる。 5万石の備中藩は、備中鉄器で財を成すが、それがために江戸幕府か ら頼られて、老中首座に板倉勝静がなる。日本も1980年代に家電や 自動車で経済大国になり、現在、米国に頼られている。 備中藩は本来、外様大名であり、幕府中核から遠ざけられていた。 しかし、経済発展で、幕府の中核に板倉勝静が入った。日本も同じ である。欧州が親藩であり、日本は外様であった。 幕末期、この備中藩家老の山田方谷は、筋を通すことを重要視する 。「最後まで徳川家のためにつくす。世の動向に従っては右に行っ たり、左に行ったりするので、主体性が保てない。」といった。現 在の日本も同様である。 しかし、徳川慶喜は途中で大政奉還などということになり、備中藩 も無血開城をする。最後までは戦わなかった。戦えば、農民や藩民 が苦しむことになるとして、開城したようだ。 そして、米国もトランプが大統領になったら、プーチンの味方をす る事態になる。その前にウクライナは、ロシアとの停戦に持ち込む 必要がある。 しかし、現在、米中対立で日本が、東アジアでの防衛線と思われて いる。中国とは、戦争しないような方策を立てるしかない。しかし 、戦争をすれば、必ず勝つことができる状態で、戦争を回避するこ とである。交渉上有利になるからだ。 備中藩は、英国式軍隊を持ち、長岡藩の河井継之助の機関銃と同じ ものを持つほどであり、薩長と戦えば、それなりの結果は出せたは ずである。しかし、山田方谷はしなかった。 山田方谷は、佐藤一斎の門下生であり、佐藤一斎は、朱子学者であ り、昌平黌を主宰する。しかし、山田方谷は陽明学も学び、企業創 造と経営能力があり、備中藩を立て直した。経済がわかり、かつ人 心収攬術を備えた人物であり、今の日本にも必要である。危機の時 代には、滅私奉公の魅力的な人物が必要だ。 詳しくは「5877.山田方谷でわかる財政金融政策」を見てほし い。http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/M9/290402.htm 経済的に、欧米対中ロの分断も明らかになり、欧州は中国製電気自 動車に関税掛ける方向である。米国は最先端半導体の輸出禁止をし ている。 中国は、日本の農産物の輸入禁止としているし、アップルのiPoneを 重要施設内で使用禁止にした。その前にFBもTwitterもGOOLGLEも使 用禁止であり、これに対抗して米国もTIKTOKの使用を制限する方向 である。 中国は自動車をロシア国内で販売して、高シェアを取っている。天 然ガスもロシア産を使い、米国からの天然ガスを輸入しないようで ある。 米国も国内産業育成で、輸入品には、今後高関税をかけることにな るし、欧州も中国の補助金での製品には高関税をかけることになり 、欧米と中国の貿易は縮小することになる。 イタリアは、自国の高級ブランド販売先として、中国に期待したが 、バブル崩壊で、高級ブランド販売が振るわずに、一帯一路から離 脱することにしたという。 このような状況であり、ハンガリーなどの親ロ派に傾く欧州国もあ り、ASEANは、米中の中間に位置するようである。米国有利というこ とでもない。どちらかというと、世界の傾向は米国離れである。 日本は、核使用後の核除去技術を持ち、災害対策での仮設住宅の技 術も持ち、温暖化による災害が頻発しているが、災害後や戦争後の 支援を行うことができる。危機の時代に大きな武器を持っている。 日本は、中国に変われる一般的な汎用品の製造企業も持っている。 欧米諸国は、その部分を失くしている。 後は、日本がどう次の世界を描き、それの実現のために、どう動く かである。日本の位置づけをしっかり持ち、今後の世界の動向に的 確に対応することである。世界の指導層の1つに、日本がなるしか ない状況になっているように見える。 さあ、どうなりますか?