6298.ロ軍がバルジの戦いか?



月曜日有料版2章途中までをお送りします。

ロ軍は、誘導弾もなく負けているが、最後の反撃を試みたナチス・
ドイツ軍と同じバブジの戦いを行っている。ウ軍はクラスター弾で
砲撃して、ロ軍に大きな損害を与えている。この現状と今後の検討
をしよう。 津田より

2.ウクライナ戦争の推移
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ウ軍は消耗作戦で、ロ軍の後方兵站、橋などの補給線などを攻撃し
補給の絶ち、かつ、前線に近いロ軍砲兵部隊との砲兵戦で砲門を破
壊している。

その上で、ロ軍前線部隊には、クラスター弾を使い損害を与えた後
に、突撃してロ軍陣地を制圧している。

ウ軍は、地雷除去、対戦車壕を埋め、竜の歯を除去して、一歩一歩
の積み重ねで、前進している。この積み重ねで、ロボティネの東側
で第1防衛線を突破した。

ロ軍は南部戦線で、ウ軍に勝てないために、総動員できない現時点
での最後の反撃を、東部戦線クピャンスクで行い始めた。

ロ軍には誘導弾もないので、航空機に損害を出さないために遠隔か
ら滑空無誘導弾で空爆しているので、効果は限定的になっている。
1日80回もウ軍陣地に空爆をしているが、ウ軍の損害は多くない。

・クピャンスク方面
ロ軍はシンキフカとペルショットラブネバの間のウ軍陣地に無誘導
滑空弾を使い空爆を行って、その後、ロ軍の大量の地上部隊で攻撃
している。この攻撃に対して、ウ軍はクラスター弾での砲撃で、ロ
軍部隊に大量の戦死者を出している。

しかし、ロ軍は損害を物ともせずに繰り返し攻撃して、シンキフカ
の市内に入り、市街戦になっているようだ。ロ軍は、現存する重装
甲部隊で温存していた第2親衛戦車軍を投入して、ウ軍を叩きたいよ
うである。

まるで、ナチス・ドイツ軍最後の戦いであるバルジの戦いのようで
ある。この第2親衛戦車軍が敗退すると、ロ軍には、優秀な重装甲部
隊がなくなる。

ウ軍も増援を送り、このロ軍の攻勢を止めるしかない。ウ軍シリス
キー大将も「敵の目標は、我が軍の防御を突破し、クピャンスクに
到達することだ。戦闘は非常に激しいが、いくつかの陣地は、ここ
数日で何度も入れ替わった。我が軍の兵士は、敵の進撃の試みをす
べて撃退している」と述べている。そして、クピャンスクの住民に
避難命令が出された。

というように、増援をウ軍が送り、ロ軍の攻撃を撃退し始めている
。各地でウ軍は善戦して、増援部隊投入後は、ロ軍は前進できなく
なっている。ロ軍は同地域へのウ軍増援誘引に成功したと述べた。
ウ軍はバフムト方面からの増援部隊であり、ロ軍の言うことは正し
い。

このため、ロ軍は空爆を強化している。また、ロ軍攻撃では戦車隊
と装甲部隊を前面に攻撃しているが、精密砲撃と対戦車ミサイルで
、多数のロ軍戦車と装甲車がウ軍に破壊されている。この戦いで分
かることは、戦車や装甲車の機動攻撃の時代は過ぎ去ったことだ。

誘導ミサイルとドローンと電子戦の時代になっているようだ。新し
い戦略・戦術の時代が来たようである。この理論の確立が必要であ
る。

・スバトバ方面
ロ軍は、カジマジニフカでゼレバッツ川を渡河し低地帯を占領した
が、ウ軍は高地から低地の露軍を砲撃し、ウ軍はライトホロトカ、
コバリウカ、カジマジニフカで反撃して、ロ軍をゼレベッツカ川の
西側に追い出し、ウ軍はゼレベッツ川を渡河して、コバリウカの北
東まで前進している。

そして、ロ軍はノボセリフカの市内にテルミット焼夷弾を打ち込ん
でいる。ということで、ウ軍はノボセリフカ市内を保持している。

ここでのロ軍の大攻勢は失敗したようであるが、この大攻勢は陽動
作戦であった可能性が高い。本命はクピャンスク方面なのであろう。

このため、ここのウ軍攻撃部隊は、早くクピャンスク方面に転戦す
ることになるとみる。

・クレミンナ方面
ロ軍、ウ軍ともにこの地域での攻撃がないようである。守備隊を残
し、攻撃部隊はクピャンスク方面に送った可能性が高い。

・リシチャンスク方面
ロ軍は、ビロホリフカに北と東から攻撃したが、ウ軍に撃退されて
いる。

他に、ロ軍は、スピルネの北と南で、ウ軍陣地を攻撃して、北のウ
軍陣地の一部を占領した。

・バフムト方面
市内北西側では、ロ軍がベルキウカの南側とベルキウカ貯水池の北
側沿岸で支配地域を広げている。

市内南側では、ロ軍はクリシチウカ北、アンドリウカ東を攻撃した
が、ウ軍に撃退されている。その南のドルジバとザイテベ付近をロ
軍は攻撃したが、ウ軍に撃退されている。

ウ軍の攻撃がなくなっている。ここのウ軍攻撃部隊もクピャンスク
方面に送った可能性が高い。

・ドネツク市周辺
ロ軍は、アウディーイウカ要塞とノボカリノベの東、セベルネの南
を攻撃したがウ軍に撃退されている。

ロ軍は、マリンカとノボミハイリフカに攻撃したが、ウ軍に撃退さ
れている。

ウ軍は、ミキルスク付近、ボハレダラの南で攻撃している。

・ザポリージャ州方面
1.ベルカノボシルカ軸
中央では、ロ軍は、スタロマイオルスクのウ軍を攻撃したが、ウ軍
に撃退されている。ウロジョイナのロ軍陣地の複数をウ軍が奪取し
、市内中央に戦車隊を突入させた。もう1つ、ウ軍はウロジョイナ
の南に回り込み、ウロジョイナのロ軍を包囲し、13日朝までにウロ
ジョイナを奪還した。

東のプリュトネにもウ軍は地雷原を除去して攻撃を開始して、街の
北側ロ軍最終陣地を攻撃中。ということで、ウ軍は前進している。

2.オリヒウ軸
ウ軍は、ロボティネの東側一帯を奪還して、ベルポベ方向で第1防
衛線を突破したが、ロ軍に反撃されて、ウ軍は一度、第1防衛線外に
追い出されたが、再度、ウ軍は攻撃して、第1防衛線を越えている。

ロボティネでは、最終防衛線を突破して、3方向から市内に突入し
て、北半分を奪還した。徐々にロ軍の戦力が枯渇してきているよう
である。増援部隊を送らないと、この戦線はウ軍に突破される可能
性が出てきた。

・ヘルソン州方面
ウ軍は、アントノフスキー橋の橋頭保、南西に第2の橋頭保を構築し
たが、ドニプロ川上流のコザチ・ラヘリの西で、ドニプロ川東岸の
ロ軍の防衛陣地のない地域から、ロ軍陣地の背後に回り、ロ軍陣地
の無効化をウ軍は目指している。ウ軍特殊部隊と海兵隊が、ロ軍の
後方一帯でも奇襲攻撃を行い、ロ軍に大損害を与えている。

このため、この地域を守備するモスクワで編成された第1822大隊の
部隊が、2週間で40%の兵士を失ったようだ。

ロ軍の装甲車部隊が、ドニプロ川を渡河したウ軍軽歩兵部隊に負け
るということになっている。

もう少しで、ウ軍は重火器の渡河作戦の開始であろうか?それとも
、ロ軍の増援部隊の到着が先かの状態のような気がする。

しかし、ロ軍はザポリージャ州方面でも負けているので、増援部隊
というとクピャンスク方面から送るしかない。

以後は、有料版を見てください。

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