ウ軍は、スバトバ方面でロ軍のカウンター反転攻勢を止めて、南部 では本格的な大攻勢に打って出たようだ。この現状と今後の検討を しよう。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、2022年10月10日は 29,202ドルで安値となり、2023年7月21日は35,227ドルで、24日は 183ドル高の35,411ドル、25日は26ドル高の35,438ドル、26日は82ド ル高の35,520ドル、27日は238ドル安の35,281ドル、28日は176ドル 高の35,459ドル。 先週、株価は13連騰して大幅な上昇が継続したが、FOMCでの0.25%利 上げ確定後、日銀がYCCの緩和かとの新聞報道で27日は、株価を下げ 、13日連騰が終了した。 日本の超低金利政策に世界の企業と市場が寄り掛かっているかを示 しているようだ。日銀が利上げをすると世界経済は失速することに なる。このため、日銀の金利政策動向に世界は注目している。 しかし、日銀は利上げではなく、10年国債金利も0.57%と低いことが わかり、28日は株価が上昇した。日銀の政策説明がわかりにくいこ とで、混乱した面もある。 2Qの米国GDPは、年率で2.4%増となり、予想の1.8%より大きく、か つ前回の2.0%増よりの大きい。景気後退局面ではないことがわかる。 この原因は、日銀の低金利での貸出しで世界の大企業や投資家は円 で借りて、投資を行っているからである。キャリートレードであり 、この巻き戻しが起きると超円高になる。この対応策も考えておく 必要がある。 中国の経済見通しが悪い。クルーグマン氏は、中国が経済減速に向 かっているとしたら、日本の社会的結束、つまり大衆の苦しみや社 会不安を起こさずに、低成長に対処する能力を中国が再現できるか どうかがキーになるという。そして、経済的に言えば、中国が第二 の日本になる可能性は低い。おそらくさらに悪化するだろうという。 ここで心配なのが、中国の暴走である。国民の関心を外部に向けさ すために「台湾侵攻」をしないかということであり、米国の共和党 を中心に、ウクライナより台湾に焦点を移すことが必要との議論が 出ている。 このため、バイデン米政権は28日、台湾向けの防衛装備品とサービ ス、訓練を含む総額3億4500万ドル(約486億円)の軍事支援を発表 したが、共和党の議論に対応した形である。 米国のウクライナ支援がなくなると、ウクライナは停戦を志向する しかなくなる。米国は日本も軍事支援を要求している。米軍の台湾 有事対応の弾薬などの備蓄を取り崩せないからである。 世界は、益々混とんとしてくることになるそうである。 1.日本の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、7月3日は33,753円とバブル崩壊後高値とな り、21日は32,304円で、24日は396円高の32,700円、25日は18円安の 32,682円、26日は14円安の32,668円、27日は222円高の32,891円、28 日は131円安の32,759円。 先週、株価は上昇したが、28日の日銀政策決定会合でYCCでの国債買 取を実質的上限を1%としたことで、138円まで円高が進み、日銀政策 発表時に株価は、850円ほど急落した。終値は131円安であったが、 日銀のYCCの実質的緩和の意味が分からないことで、市場は混乱した。 実質的にはYCCの緩和であり、金利はマイナス0.1%に変化がないこと で、市場は落着きを取り戻した。円も141円に戻した。 この日銀の政策変更により、国債の利回り曲線は、すべての年限で 上方シフト。残存5年は0.09%→0.15%、残存10年は0.44%→0.55%、 20年は1.04%→1.12%、30年は1.29%→1.35%、40年は1.44%→1.49%と なり、イールドカーブは立ち上がっている。 この恩恵を受けるのが銀行や保険業界ということになる。このため 、その業種の株価は上昇している。 しかし、28日最終での10年国債金利は、0.57%であり1%に届かない。 実質的にYCCを廃止したとも言えるようである。人口減少の日本の経 済成長は、それほど大きくないことがわかる。 もう1つ、この処置を取る必要があるのは、インフレが収まって欧 米諸国が利下げを開始した時点で、日本が利下げできないと円高に なる心配がある。このため、YCC緩和をしておき、バファーを作って 置く必要があることにもよる。 しかし、それだけでは不十分なので、金利1%まで上げる必要もある とみる。 しかし、インフレが加速すると、利上げすることになるので、次の 一手として残したようにも見える。現在、物価上昇率は東京で3.0% であり、高い水準にある。今後、穀物価格の高騰もあり、今後も食 料品を中心に値上げが続くことになる。 インフレで労働者の生活苦もあり、最低賃金を42円上げて、1002円に したことは良いことである。東京は42円上がると1113円になる。 年間80万人もの人口減少であり、移民政策を取る必要があるので、 韓国や台湾と同じか以上の賃金水準にして置く必要がある。あと数 年先には、100万人もの人口減少が始まる。 企業は労働生産性を上げていくことであり、賃金を上げられない企 業は撤退して、労働者を他産業に回す必要がある。労働人口の減少 により、生産性が低い企業の淘汰が必要になっているからだ。 企業は生産性を上げるためには、AIや機械化投資が必要になってい る。より少ない人数で同じ量の仕事ができる体制を作るしかない。 これは、畜産や水産、農業でも同じであり、どれだけ付加価値を上 げるか、手間を少なくするか、大規模にするかの競争になる。 岸田政権は、支持率を低下させている。危険水位の30%を割り込んで きた。大きな原因は増税シフトと見られていること、マイナンバー カードの不手際、LGBT法の拙速な成立など、国民の不満や保守層の 不満などの多くの要素でそうなっている。 維新の会の吉村府知事は、維新の会が政権を取ったなら、すぐに議 員定数を3分の1にするということで、国民は議員の多さや議員の給 与が多さなどを見ているので、これを公約にすると、多くの国民は 維新の会に投票する可能性がある。 それに対して、自民党は、次々と増税議論をするので、国民は自分 の生活より、議員の生活や官僚達の生活のために、国民から絞り上 げるのかと不満がたまっている。 5公5民以上の税金を絞るのは、国民を敵にすることである。なぜ 分からないのか不思議である。物には限度というものがある。それ を無視して増税する感覚が国民の感覚からずれている。 どうも、LGBTや増税で日本にいる国民の感情とは違う感覚で政治を しているように自民党は見える。 公明党との連立もおかしいと思うが、自民党議員や岸田首相の感覚 もおかしい。 今度は自民党に変わる政党がある。安全保障問題では自民党と同等 な感覚がある国民民主党や日本維新の会などの政党が政権を持つと 、自民党は長期に政権に復帰はできないように感じる。 自民党や岸田首相の猛省を願う。 2.ウクライナ戦争の推移 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ウ軍は、バフムト、ザポリージャ州、ヘルソン州で前進速度は遅い が、徐々に成果を出し始めている。 ロ軍は、スバトバからクレミンナ一帯でカウンター反転攻勢に出て きたが、ウ軍は、クラスター弾を砲撃し、かつ高地などの有利な位 置まで撤退して、防備を固めている。 ・スバトバ方面 ロ軍は、カジマジニフカでゼレバッツ川を渡河に成功した後、低地 帯を占領した。ウ軍はこの低地帯から高地に撤退して、そこで守備 を固めた。27日からウ軍は反撃に転じて、ロ軍を押し戻し始めた。 数日前に占領されたナディーヤを奪い返したようである。ウ軍はそ のまま前進して、ライホロトカ方向に進撃している。 ウ軍砲兵隊は、高台から直接観測してロ軍を砲撃している。ロ軍に 大きな損害を与えたようである。 しかし、ロ軍は、増援部隊をゼレベッツ川を渡河させて送り込んで いる。 ・クレミンナ方面 ロ軍は、ディプロバの南からセレブリャンスキーの森方向に攻撃し たが、ウ軍に撃退されている。ここでのロ軍大攻勢は止まったよう であるが、まだ油断はできない。 ・バフムト方面 市内北西側では、ウ軍はザリジネンスク、高速道路M03号線付近、ベ ルキウカ、ヤヒドネで攻撃を継続している。露軍は防御に専念して いる。 市内南側では、ウ軍は、アンドリウカ街とクリシチウカほとんどを 奪還した。クデュミウカも市街戦になっている。ウ軍はアンドリウ カとクリシチウカを結ぶ鉄道線路沿いに領土を奪還している。 ロ軍は、このアンドリウカとクリシチウカを結ぶ線の東側に新たな 防衛線を構築して、撤退を開始している。 ロ軍がクリシチウカ北の一角で粘っているのは、急造の陣地を構築 する時間稼をしているとウ軍は評価している。 ウ軍は、この地域でもクラスター弾を使用したことで、ロ軍の陣地 戦では厳しい状況になっている。 ・ドネツク市周辺 ロ軍は、アウディーイウカ要塞を攻撃したが撃退されている。 ロ軍は、マリンカに攻撃したが、ウ軍に撃退されている。 まだ、マリンカではロ軍が街の包囲しているが、マリンカのウ軍は 撤退しないで抵抗している。 ・ザポリージャ州方面 1.ベルカノボシルカ軸 中央では、ウ軍はスタロマイオルスクを奪還した。 ロ軍も軍隊のローテーションと新たな予備兵力の導入を急いでいる ようである。ウ軍はスタロマイオルスクで掃討作戦を実施している。 そして、スタロマイオルスクの次の重要な町は交通の要衝スタロミ ニブカであり、ここでT0510道路を直進すると、マリウポリになる。 このため、ロミルブロガーによると、ここをウ軍に奪取されるとこ の正面におけるロ軍の防衛は困難になるという。徐々に、第1防衛ラ インに迫っていくことになる。 この地域は防衛ラインが一重であるので、第1防衛線を超えると、大 きな防衛ラインがない。そして、マリウポリまでは100Km弱である。 ロ軍は、スタロマイオルスクの北側マカリウカを攻撃したが、ウ軍 守備隊に撃退されている。またビリノピリにも攻撃をしたが、同様 に撃退された。 2.オリヒウ軸 ウ軍は、ロボティネでロ軍と戦闘中であるが、ロボティネの東側一 帯を奪還して、ウ軍装甲車1両が、最前線から約3.5km奥の、ヴェル ボヴェの北西の第1防衛線ロ軍陣地に到達し、龍の歯が並べられてい る所をウ軍装甲車は突進している。 この装甲車は無人であり、遠隔操作で動かし、龍の歯やその前の溝 がどの程度かを調べるために、送り込んだようだ。 このため、この第1防衛線に到達したことになるが、この地点は第1 防衛線の次に第2防衛線があり、それを超えるとトクマクである。 そして、ウ軍はロ軍の弱点を見つけたようである。迂回作戦で多く のロ軍陣地を突破したが、街周辺のロ軍陣地は弱兵の可能性がある。 最前線に空挺部隊など熟達部隊を置いているが、動員の弱兵は重要 拠点以外にいることで、街周辺では、この弱兵が防衛しているよう である。 これに対して、ロミルブロガーよると、ウ軍は26日に機械化部隊に よる激しい正面攻撃を遂行し、ロボティネの北東方向にあるロ軍陣 地を突破したのち、27日もロボティネ付近での攻撃を続けたが、そ の進捗ペースは落ち、その兵力もかなり少なくなっているというが 、事実を見ると、それよりも相当前進しているように見える。 ウ軍も新規に機械化旅団を投入したようである。圧倒的な戦力でロ 軍の弱い陣地を攻撃した可能性がある。 どうも、マリャル国防次官によると、ロ軍にパニックが広がり、脱 走兵が増えている。ロ軍兵は前線に行くのを避けようとしている。 ウクライナ戦場に行くのを避けるために、脱走、命令拒否、自傷行 為が増加しているという。 この地域を守るロ軍第58諸兵科連合軍指揮官イワン・ポポフ少将は 、「交代要員もいないことで長期にロ軍兵は前線にいることに疑問 がある」と予備兵力の不足を問題視していたが、本当であったよう だ。 このため、東部に移動させたロ軍空挺部隊を戻す必要になっている とも見える。第1防衛ラインを突破されると、第2防衛線には弱兵し かない可能性がある。南部防御と東部攻勢のどちらを選択するかロ シア指導部(プーチン)の判断が重要になるようだ。 もう1つが、国家総動員法を発令して、弱兵を大量に動員して、ウ 軍攻撃速度を落とし、早急に停戦交渉を行うことである。この時は 南部を捨てる必要がある。 3.カムヤンスク軸 ウ軍は、ジェレビヤンキーの攻撃を継続している。東側のコノバロ バ方向に前進している。 それと、ウ軍は、ルホベの2KM以内に前進しているし、高速E105号線 方向に進んでいる。ウ軍は、ここに1個機械化旅団を投入して攻撃し ている。 逆にロ軍は、予備大隊と第810独立海兵旅団の分遣隊を投入し、戦線 を強化している。 ・ヘルソン州方面 ウ軍は、アントノフスキー橋の橋頭保のほかに、南西側のドニプロ 川東岸に橋頭保を構築し、そこからコンカ川を渡りっている。 この位置は、重要地区オレシキーの西4キロに地点で、西と北からオ レシキーを攻撃する可能性が高い。しかし、まだ戦車等の重火器を 渡河させていない。 中、南部戦線を指揮するウ軍のオレクサンドル・タルナフスキー司 令官は、「ウ軍は組織的に敵を押し返しており、一定の成功を収め ている」と述べた。 ・その他方面 トクマクの兵站拠点、ドネツク市中心部などをウ軍はGMLRSで攻撃し て破壊した。 クリミア半島西海岸のエフパトリアの弾薬庫、ジャンコイ市の南ノ ボステポベのロ軍兵器修理基地、シンフェロポリの弾薬庫がストー ムシャドーで破壊されている。 特にクリミア半島にあるロ軍弾薬庫、兵站拠点、基地などがドロー ンやストームシャドーで攻撃されているようだ。 そして、クリミアとヘルソン地方を結ぶチョンガー橋が29日朝も砲 撃されたとロ報道機関は、伝えている。 ロシア南部ロストフ州のタガンログとロシア南西部サマラ州の州都 サマラで、石油精製所が爆発した。ドローン攻撃でしょうね。 24日朝には、モスクワをドローンが攻撃して、軍事研究所が破壊さ れている。 逆に、ロ軍は26日から27日にかけて夜通し、オデーサ州などのウク ライナ港湾インフラをミサイルとドローンで攻撃。ウ軍は「飛来し たドローン8機すべてを撃墜した」と主張した。しかしミサイルが着 弾し、港湾インフラに被害が出ている模様。 特にオデーサへの攻撃は連日、行われて、世界遺産の大聖堂なども 破壊されている。穀物倉庫の被害も大きい。 このオデーサへの攻撃を封鎖するには、パトリオットが必要であり 、援助してほしいとゼレンスキー大統領は述べている。 日本は、ウクライナに軍事支援ができるように、武器輸出の制限緩 和の法改正を検討しているが、公明党が反対している。自公の連立 政権を解消して、自維国の連立政権にする必要があるとみる。 ・ウクライナの状況 黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意停止と積み出し港であるオデ ーサ港湾施設、穀物倉庫の破壊で、世界は危機的な状況になるとみ る。 特にアフリカや中南米などの発展途上国の食糧問題が出てくるし、 食糧価格の高騰で、再度インフレが高騰することになるとみる。 このため、ドナウ川経由での穀物積み出しを検討しているが、その ドナウ川の港湾施設にもロ軍はミサイルを撃ち込んでいる。 ロシアの条件は、SWIFTへの接続であり、国連はその条件を飲もうと しているが、欧米諸国とウクライナは反対して、代替ルートの開発 を考えている。 逆にプーチンに対して、南アのラマポーザ大統領は、「私たちは、 黒海経由の穀物輸出の実現を提案しているし、私たちはアフリカへ の『プレゼント』を求めてここに来たのではない。アフリカへの穀 物の無償供給には敬意を払うが、それは私たちの主目的ではない」 と述べて、ロシアも黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意履行に戻 ってほしいと述べている。 しかし、一方で、ウクライナへの援助が、いつまで続くのか欧州諸 国も不安になっている。ドナウ川経由のコスト上昇分をEU各国が持 つことになり、その上国内景気も悪くなり、予算もウクライナ支援 が多く、国民の不満もたまっている。早く決着してほしいという感 じが出てきている。 米国でも、バイデン政権は「ウクライナにのめり込みすぎ」の声が 強まっている。どちらにしても、ウ軍は早く結果を出さないと、欧 米諸国は、待てなくなっている。 ウ軍情報総局のブダノフ局長も、「クリミア半島が侵略者から解放 されるまでそう長くはかからないだろうし、ベラルーシのワグナー 軍は国防軍にとって特に危険な存在ではない。」と述べている。ブ ダノフ局長も、欧米のウクライナ疲れを気にしているようである。 オースティン米国防長官も、ウ軍の軍事力に自信を表明し、同国は 「成功する準備が十分に整っている」し、「彼らにはまだ多くのチ ャンスがある」と語った。これも、ウクライナ疲れを緩和する米国 内向けであろう。 9月には米国の主力戦車「エイブラムス」がウクライナへ到着する可 能性があるという。F-16は年末にはウクライナに供与される可能性 がある。ウ軍の大攻勢も2023年を越えて、2024年まで続くことにな るが、早期に結果を求められている。 ・ロシアの状況 サンクトペテルブルクで、アフリカの40カ国以上が参加する「ロシ ア・アフリカ首脳会議」が開催された。 27日に開幕するのを前に、プーチンは、アフリカ6ケ国に対し、「2万 5千〜5万トンの穀物を無償提供する準備が3、4カ月で整う」と述べ た。対象となるのは、中央アフリカ、マリ、ブルキナファソ、ソマ リア、ジンバブエ、エリトリアの6カ国。 しかし、アフリカでは食料の安定確保への懸念が強まっており、首 脳会議を前にアフリカへの支援をアピールした格好であるが、プー チンは「我々はアフリカ諸国への継続的な食料供給が重要だと理解 しているが、米欧が妨害している」と主張した。 これに対して、アフリカ連合(AU)議長を務めるコモロのアスマ ニ大統領は、首脳会議閉幕にあたり「プーチン大統領は穀物供給で アフリカを支援する用意があると表明した。これは重要なことだが 、十分ではない。(ウクライナ)停戦を実現する必要がある」と述 べ、また、「ロシアとウクライナの危機が続けば、ロシアとアフリ カの将来的協力関係も損なわれる」とも述べている。 そして、ロシアは、アフリカ諸国への230億ドルの債務を帳消しにす ると、プーチンはいう。また、プーチンは、ロシアがアフリカ大陸 諸国の発展のために追加の9000万ドルを割り当てるとも述べた。 しかし、この会談は、ロシアにとって失敗したようである。ロシア が期待したのは、「穀物合意などなくともロシアもアフリカもびく ともしない」というメッセージを打ち出すことでしたから。 この首脳会談には、プリゴジンも近くの自分が経営するホテルで、 アフリカの首脳と会談をしている。 もう1つ、ロ軍にも弾薬の不足があり、ショイグロ国防相は、北朝 鮮を訪問して、北朝鮮が持つ弾薬を買い取るようであり、穀物との バーターの可能性もある。 北朝鮮の強純男国防相も、ロシアを全面的に支持すると述べている。 両軍は協力関係を促進するようである。ということで、取引成立の ようである。 ロシア国内の兵役義務の対象年齢は18-30歳に広げたが、ロ軍が前線 で負け始めている。この状況を改善するためには、大幅な増員が必 要であり、総動員令を出す必要が出てきたようである。 プーチンをしては、2024年の大統領選挙後にしたいが、とうとう、 ウ軍が第1防衛線に迫り、このままにすると、防衛ラインを保持でき なくなる。ロ軍も総動員体制で臨むしかないようである。 ロ軍の弱さが際立ち、プーチンはロ軍に期待できなくなっている。 このため、戦争遂行に不安をかかえるプーチンは、来年から地方自 治体による軍設立を合法化することにした。地方軍閥を認めるとい うことになる。まるで、中世のようなロシアである。 ロ軍の上層部は、汚職が蔓延して、真面な装備が前線に届いていな い現実があり、その点、ワグナー軍は、軍事的な利益を求めるので 、内部の汚職を認めていないことで、軍装備が確実なのである。 もう1つ、ポーランドのマテウス・モラヴィエツキ首相は、ベラル ーシのワグナー軍の100人以上の戦闘員がスバルキ回廊に向かって移 動していると述べた。このため、ポーランドとリトアニアは、ベラ ルーシとの国境を閉鎖した。 さあ、どうなりますか?