ロシアは、プリゴジン後の粛清で、多くの有能な軍人が消えること になる。ウ軍は、このチャンスを行かせるかどうかだ。この現状と 今後の検討をしよう。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、2022年10月10日は 29,202ドルで安値となり、2023年6月23日は33,727ドルで、26日は 12ドル安の33,714ドル、27日は212ドル高の33,926ドル、28日は74ド ル安の33,852ドル、29日は269ドル高の34,122ドル、30日は285ドル 高の34,407ドル。 先週、株価は上昇である。米国の景気指標が全般的に予想値より高 く、景気後退になっていないようである。1Qの米GDPは、前期比年率 で2.0%増であり、予想の1.4%増より高く、前回の1.3%増より高い。 1Qの米個人消費も前期比で4.2%増であり、予想の3.8%増より高く、 前回の3.8%増寄りもよい。金利上昇でも意外に活況の様相である。 パウエルFRB議長は、ECBフォーラムでも、後2回の利上げを主張した が、イエレン米財務長官は、米経済に関する自身の楽観的な見方を あらためて表明し、成長が鈍化しても雇用低迷を伴わないインフレ の減速は可能だとの考えを示した。この発言と景気指標が良いこと で、株価は上昇している。 この秘密は、FRBの利上げと同時に多方面での量的緩和を行うことで 、流動性枯渇を押さえていることになる。大手銀行のストレステス トでも全行が合格であり、今のところ、金融危機も起こらないとい うことであろう。 その上に、バイデンは、「バイデノミクス」という中間層に手厚い 大型のバラマキ政策群を発表した。これで、また国民はお金をもら えることになり、インフレを加速することになる。金利上昇の元で バラマキを行うことで、ローマ帝国滅亡と同じようになってきた。 この政策を止めるために、まず共和党系が多数を占める米最高裁が 30日、バイデン政権が掲げていた大学学費ローンの返済一部免除政 策は無効との判断を示した。 と言っても、バラマキ政策は持続して、今後利上げ停止、利下げに 転じると、暴落の可能性が出るが、2024年大統領選挙後なのであろ うと市場では見ている。このため、現時点では株価は上昇すること になる。 ブリンケン米国務長官は、事前に北京で屈辱を受けることがわかっ ていた。対中政策に携わる米政府当局者は振り返る。 「中国側との事前協議で、厳しい交渉になることは分かっていた。 それでも、われわれが強く求めてきた習近平国家主席と会談できた 意義は小さくない。トップに直接、伝えることが重要だからだ」 ブリンケン氏の訪中の最大の目的は、習氏との直接会談だった。今 年3月に3期目が本格的始動した習政権は完全な「一強体制」を確 立した。ブリンケン氏の交渉相手である秦剛外相と会談しても、ト ップと直談判をしなければ効果がない、というのがバイデン政権の 判断だったようだ。 そして、中国は1日、スパイ行為の取り締まり強化に向けて改正され た反スパイ法が施行した。中国に滞在する外国人にも大きな影響を 与える危険な法律である。 国際社会は監視を強め、不当な措置には抗議の声を上げなければな らないし、中国進出の欧米日企業は、撤退や工場の閉鎖などの縮小 に向かい、在中人数を大きく削減する必要がある。 中国経済は下降気味であり、国民の不満を外に向ける政策を行いや すい状態にあり、米中対決色が、今後ますます強まることになる。 非常に恐ろしい状況ではある。 欧州では、フランス警察のアラブ系移民少年の射殺事案で、フラン ス全土で暴動が拡大している。マクロン大統領は、どう収めるかで ある。世界動乱が起きているさなか、欧米日での不安定化は、世界 の安定化にとって、大きなマイナスになる。 ロシア侵略戦争が終わるまでは、欧州の不安定化は避けてほしいが 、フランス国内情勢は難しい局面になっている。 1.日本の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、2023年6月23日は32,781円で、26日は82円高 の32,698円、27日は160円安の32,538円、28日は655円高の33,193円 、29日は40円高の33,234円、30日は40円安の33,189円。 先週、株価は上昇した。6月末のリバランス(資産の再配分)が終わ り、正常化した。 植田日銀総裁は、2024年まで金融政策を維持するというので、円安 の進み、1ドル=145円台に一時なった。金融関係者は1ドル=160円 台になっても不思議ではないという。 このため、財務省は、為替介入を匂わせているし、イエレン米財務 長官も、円安対応の為替介入ついて、日本政府と調整に入っている とした。為替介入が150円以上になるとある可能性も出てきた。 そして、日銀は、3月末の家計の金融資産残高は2043兆円で過去最高 となったのに、家計の貯蓄の余裕を示す「資金余剰」は大きく減っ ている。資産は膨らんでいるのに、日々使うお金が増えていること を示している。物価高騰が影響している。事実、6月東京の消費者物 価指数は、前年比3.1%増である。 このように、円安に向かうので、輸入食糧の価格が上昇することに なり、国内の大規模農業の育成を早急に行う必要がある。金利を上 げてもゼロ金利までであり、YCCで10年国債金利も1%程度にしかでき ない。 しかし、欧米の金利は5%程度になり、円安は続くことになる。この ため、エネルギー価格と食糧価格の上昇を抑える必要がある。この 2つを国内で調達する必要があることになる。 日本は、もう先進諸国ではなく、後退国としての準備をする必要が ある。 このため、林業や農業、水産業などの産業強化策が必要である。勿 論、半導体産業や精密機械産業などの日本が先端を行っている産業 の競争力維持も必要であるが、国がすることは、第1次産業の大規 模化・機械化・デジタル化・企業化である。 中小農家などを守る補助金を失くして、小規模事業者の淘汰を進め て、産業として競争力を持つことである。それを後押しするのが円 安である。海外産の産物は値上がりするので、市場的には国内産の 方が優位になる。 そして、「日月神示」では、ロシアの侵略戦争後、日本は、東京直 下型地震、南海トラフ地震、富士山噴火が立て続けに起きて、暗く なると述べている。私もそのように見えている。 第1次産業を再興して、国内需要をカバーしないと、日本の没落で 輸入するための外貨が稼げない状態になると見える。日本はゼロか らの出発を余儀なくされるような気がする。 今までは、ロシアや中国が暴れるまでは、日本は潰れないとみてい たが、とうとう、ロシア侵略戦争も終盤になってきたことで、次の 心配なことに目を向ける必要が出ている。 今後、工場を建てるなら、北海道、東北、日本海側、九州の熊本な どの太平洋に面しない地域に立てることである。TSMCやラピダスな どの新工場も南海トラフ地震を意識していることがわかる。 そして、徐々に東京や大阪の工場も日本海側や東北、北海道、九州 の太平洋に面しない地域に分散することである。 中核都市への集積化、大規模農家の育成と企業化、エネルギーの自 立化である。震災を受けない中核都市としては、富山、福井、金沢 、新潟、仙台、岩手、札幌、福岡、熊本、宇都宮、高崎などがあろ う。 東京は、直下型地震で、臨海部にあるタワーマンションの不動産価 値の暴落が起き、富士山噴火で東京西部の交通が麻痺し、つくばに 臨時首都を置くことになるでしょうね。 「日月神示」では、神を退避してくだされというが、これは政府機 関の退避である。つくばには、研究機関があり、臨時の首都にでき る広大な土地がある。TXも土浦まで伸びる。 交通系もリニア新幹線は2030年までには完成させておくことが必要 である。静岡は東海地震で大きなダメージを受けることになりそう だからだ。金沢新幹線も米原で東海道新幹線に繋がることも2030年 までに必要でしょうね。 南海トラフ地震は鎌田京大名誉教授によりと、2030年+−5年という ので、そこを1つの目標点で計画することである。富士山噴火はこの 地震後であり、東京直下型地震は直近であるという。まあ、そのよう なスケジュールを頭に入れて、計画を作るしかない。 人口減少と大規模地震、富士山の噴火という日本の行き方を変える 大きな変動が待ち構えていることに、徐々に注意が必要になってき たようだ。 日本の若い人たちが、ゼロから、また日本を立て直すことになると 見る。 2.ウクライナ戦争の推移 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ウ軍は、本格的な攻勢のフェーズで、バフムト、ドネツク市北部、 ザポリージャ州、ヘルソン州でわずかであるが前進している。前哨 ロ軍陣地を抜け始めている。 ウ軍攻勢時に、ロシア国内でプリゴジンの反乱があり、ロシアはロ 軍内の粛清を始めた。この影響も出始める可能性が出ている。 ・バフムト方面 ウ軍はバフムト北西郊外で最強ロ軍空挺部隊は、国内治安維持に回 されたようであり、ロ軍はバフムトで攻撃しなくなった。ウ軍は、 ザリジネンスクに攻撃して、ロ軍を引き付けて、M03号線をパラスコ ビウカ方向に攻撃している。 ウ軍は、高台にあるトボボバシュリフカへの攻撃をやめて、トボボ バシュリフのロ軍を包囲するようである。ここのロ軍はボダニウカ 方向に攻撃して、ウ軍をけん制している。 ウ軍はベルキウカやそれより東のパラスコビウカに攻撃している。 市内からはウ軍は撤退している。威力偵察で市内に入ったが、大き く前進して、市内中央部まで前進できたが、ロ軍砲撃があり、装備 も脆弱であり、一旦後方に退いた。 バフムト南西のウ軍独立第24突撃大隊と第3突撃旅団はクリシチウカ 方向に攻撃している。西側最後のロ軍陣地を制圧したことで、今後 、市街戦に移ることになる。 ウ軍はクデュミウカの西側で反撃して、運河の西側からロ軍を排除 した。ウ軍は運河が地下に入る地点で、運河を超えて、クデュミウ 市内方向に攻撃している。 ・ベルカノボシルカ軸 東側のノボマイロスクやノボドネツクにウ軍が攻撃中であるが、前 進できずにいる。 中央では、ウ軍はリビノヒリを奪還後、南に前進しているし、スト ロマイオルスクとウロジョイナでも攻撃で前進している。 西側のプリュトネ付近でウ軍は攻撃してるが、前進できずである。 前線に、弾薬と食糧が届かない状況になり、兵士は不満を述べてい る。 ・フリアポール軸 フリアポールで、ウ軍は、後方のポリフィーの弾薬庫と補給のため の鉄道駅を砲撃で破壊している。 ・オリヒウ軸 東のノボカルピウカとノボポクロフスクをウ軍が攻撃しているが、 前進できていない。 中央のロボティネで、ウ軍は激しい戦闘後、前進している。このロ ボティネに、トクマクからロ軍は予備兵力を投入し続けている。 ・カムヤンスク軸 カムヤンスクでは、南にあるピアトハーティキーをウ軍は奪還して 、次に南ジェレビヤンキーに向かって攻撃しているが、ぜんしんで きず。 ・ヘルソン州方面 ドニプロ川の東岸、アントノフ橋付近のダウに、ウ軍は橋頭保を確 保して、工兵隊、砲兵隊、機械化歩兵部隊を送り込む準備をしてい る。ウ軍特殊部隊は、ダウ村から南にあるコンカ川を渡河する準備 をしている。 ロ軍は、これに対して、TOS-1攻撃やイスカンデル弾道弾攻撃をして いる。これで、ロシア側は、ウ軍の30人を殺したという。それとコ ンカ川付近で逆襲をしたが、ウ軍に撃退されている。コンカ川の橋 を破壊しようとしたが、できなかったことで、砲撃で橋の破壊を試 みている。 それと、ヘルソン州へロ軍は部隊を移動させているようであり、他 方面での戦力が不足する可能性もある。 クリミアからT-55/T-54を載せた列車が、ヘルソン州方面に向かって いるという。 ・その他方面 クリミア方面では、クリミアとヘルソン州を結ぶチョンガル橋をス トームシャドーで破壊されて、ロ軍はポンツーン橋で代替している 。この橋に対しても、ウ軍は対応するという。 クピャンスク・スバトバ・クレミンナ方面では、反乱でロ軍の部隊 を国内治安維持に回したが、徐々に戻ってきているために、攻撃が 復活してきたが、まだ攻撃力は大きくない。 リシシャンスク方面でも、ロ軍はビロホリフカへの攻撃をしている 。ウ軍は、ヤコブリフカ方向に攻撃している。ロ軍はロズドリフカ に攻撃をしているが、ウ軍に撃退されている。 アウディーイウカ方面で、ロ軍は要塞に南側から攻撃したが、撃退 されている。逆にウ軍砲兵隊は、ドネツク空港のロ軍基地を砲撃で 破壊した。 ロ軍は、マリンカとノボミハイリフカに攻撃したが、ウ軍に撃退さ れている。 トクマク、メリトポリで複数回の爆発が毎日のように続いている。 ロ軍の弾薬庫、司令部、武器庫が次々と破壊されているため、前線 への補給が滞っている。 このため、ウ軍の反撃に直面しているロ軍兵士は、自分たちは指揮 官たちから「子猫のように見捨てられ」、軽火器、少ない弾薬、対 砲射撃でウ軍戦車や大砲に立ち向かい、多くの死傷者を出し、医療 搬送も用意されていなかったと語る。 それと、ロシアのタタルスタン共和国の石油・ガス生産施設で貯蔵 施設が爆発した。ロシア国内での石油・ガス施設も狙っている。パ ルチザン活動であり、ウ軍工作員がロシア国内で活躍している。 ロ軍はトクマク郊外でトクマック川を堰き止めるダムを建設した。 ウ軍の反撃に備えて天然の障害物=氾濫地帯を作り出そうとしてい るようである。 ロ軍はザポリージャ原発からロスアトム職員やロ軍部隊の多くを移 動させているし、契約ウクライナ要員に対して7月5日に退去する よう通告。すでに爆薬を原子炉近くに設置している。何をしようと しているのか疑問である。 そして、ロ軍は東部ドネツク州の主要都市クラマトルスク中心部で 27日、ショッピングモールをミサイル攻撃して、少なくとも市民ら 11人が死亡、61人が負傷した。死者には子供3人と外国人が含まれて いた。 ・ウクライナの状況 ゼレンスキー大統領は、「勝利への道のりは険しい。私たちがそれ をいつ完了できるかは誰にもわからない。しかし、目標が明確で公 正であれば、そこに至る道のりがいかに茨の道であろうと関係ない 。ウクライナは勝利への道を歩むだろう!そして、これはもはや夢 物語ではなく、現実なのだ」というが、米国の方が急いでいる。 米国は、今まで躊躇していたATACMSの供与を検討し始めた。 ウ軍ザルジニー総司令官は、「私たちは、戦略的優位を得ることに 成功しており、ウクライナの安全保障・防衛戦力は攻勢行動遂行を 続けており、前進している」とした。 さらに同氏は、ロ軍は強力な抵抗をしているが、同時に多大な損耗 を出しているとした。また、敵は一面に地雷を敷設することで陣地 を維持しようとしていると指摘。加えて、米欧に対し戦闘機や弾薬 の支援を加速するよう訴えた。 ウ軍の反転攻勢の進展が予想よりも遅いとの欧米指導者からの指摘 に対し、武器が必要だと反発した。この中には、当然のごとく、F- 16、A-10などの航空機やATACMSが含まているとみる。 現状の苦戦の大きな理由は、航空勢力の差が大きい。F-16を攻勢前 にウ軍に供与すれば、もう少し楽に攻勢を進めることができたはず である。 このため、日本も殺傷兵器をウ軍に供与できるように法律を改正し ている。日本の弾薬や退役するGMLRSなどをウ軍に供与することにな るようだ。 もう1つが、EUは6月29〜30日、ブリュッセルで首脳会議を開き、EU 内で凍結したロシア資産31兆円をウクライナ復興費用に活用する方 向で検討するようである。 フォンデアライエン欧州委員長は、「ロシアによるウクライナの大 規模な破壊行為を目の当たりにしている。加害者は責任を負わなけ ればならない」と述べた。 もう1つが、ストルテンベルグNATO事務総長は、すべての同盟国が 、戦争後にウクライナがNATO 加盟国になることに同意することを保 証したという。 戦後の復興や戦後体制を考えるフェーズになってきたようだ。 ・ロシアの状況 プリゴジンの乱は、ルカシェンコ大統領の仲介で、大きな内戦にも ならずに終結した。 このプリゴジン氏と密接な関係があるスロビキン露航空宇宙軍総司 令官が拘束されて、尋問されているという。またスロビキン将軍の 副長であるアンドレイ・ユーディン大佐がロ軍から解任された。 プリゴジン氏と関係あるGRUやFSBの関係者も取り調べを受ける可能 性があり、プーチンに忠誠を尽くすジョイグ国防相を中心に、取り 調べを行うようであり、国防省とFSBやGRUとの関係も緊張した状態 のようである。 ロシア大統領府と緊密な関係を持つ政治コンサルタントのセルゲイ ・マルコフ氏は「大規模な調査が始まった」とし、「プリゴジン氏 やワグナーと関係のあった全ての軍幹部、当局者は聴取されるだろ う」と語った。 このため、ジョイグ国防相を辞任させようとする動きもあり、政権 内での緊張が大きくなっているようだ。第2の反乱が起きる可能性も ある。 ロシア国内には、重装備のロ軍がいないことも、この反乱で判明し た。ということは、ロ軍内で反乱がおきて、モスクワに向かうこと になると、阻止するのは、軽装備の国家親衛隊や治安維持警察隊や チェチェン軍しかいないことになる。 このため、次の反乱で、前線に近い重武装部隊の反乱がおきると、 ロシアは継戦能力を失うことになる。前線部隊をモスクワまでの道 に配備する必要があり、ウ軍との戦闘をする余裕がなくなる。 この中、ウ軍ブダノフ情報総局長は、ロ傭兵集団「ワグナー軍」の 戦闘員は今後、ウクライナで戦闘を行わないと発言した。ワグナー 軍は解体されて、一部はベラルーシに移り、多くはロ軍と契約や退 役になるのであろう。ロ軍の戦闘能力の低下にもなっている。 ロシア国内の戦争体制は、大きく毀損することになる。このため、 ロシアでは移民の大量逮捕が毎日続いている。クレムリンは戦争遂 行ために、彼らをウクライナ戦地に送る予定だという。 しかし、毎日500名以上の戦死者、その3倍の負傷者を出しているの で、月6万人程度の戦線離脱者が出ている。今年1月から6月までに新 規志願兵は11万人であるから、2ケ月で使い切ることになる。このた め、前線の兵員不足は大きくなり、第2次大規模部分動員が、7月下 旬から8月上旬に実施という噂で、ロシア出国準備をする若者が急増 している。徴兵拒否者も多く、兵員不足は慢性的になる。 そのように、プリゴジンの乱は、大きくロシアの国内情勢を変化さ せている。このため、プーチンは、国内引き締めのために、地方都 市の国民に熱烈歓迎を受ける姿を公開し、人気健在ぶりをアピール した。反乱後でも、人気が高まるプリゴジンに対抗するためとみら れる。 そのプリゴジンは、ベラルーシとロシアを往復している。ベラルー シには、ワグナー軍野営地と思われる場所に約300のテントがある。 そこに約8000人が収容できる。 この人員で、アフリカでの権益をどう守りかが、次の課題なのであ ろう。まだ、プリゴジンは、何かを行う可能性がある。 このプリゴジンに対して、ロシア連邦保安局FSBが抹殺する指示を受 けたようだと、ウ軍ブダノフ情報総局長は言う。 どちらにしても、ウロ戦争は終盤に近い。ウ軍が戦闘で徐々にでも ロ軍を打ち負し続けると、どこかでロ軍で反乱がおきて、プーチン 政権は崩壊する。戦争を続けることができずに、ウクライナが示す 停戦条件を受け入れるしかない。 さあ、どうなりますか?