6291.ウ軍は苦戦で、ロシアはクーデター



月曜日有料版2章クーデター部分をお送りします。

ウ軍はドネツク州西部、ザポリージャ州で、本格的な攻撃をしてい
るが前進ができず苦戦している。一方、ロシアは、クーデターの季
節になっている。この現状と今後の検討をしよう。   津田より

2.ウクライナ戦争の推移
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・ロシアの状況
プリゴジンは「ロ軍はザポリージャとヘルソンの前線で後退してい
る。ウ軍はロ軍を押し返している」とした。プーチンは最近「ウ軍
は壊滅的な損失を受け、戦闘は小康状態になっている」と発言して
、プリゴジンの発言とは相反するものになっている。

また、プリゴジンは「2月24日に起きたことは日常茶飯事にすぎ
ない。国防省は国民と大統領を欺こうとし、ウクライナからとんで
もない侵攻があり、北大西洋条約機構(NATO)全体でロシアを
攻撃することを計画していると説明していた」という。

さらに「戦争はショイグ国防相が元帥に昇格するために必要だった
。ウクライナを非武装化し、非ナチ化するためには必要ではなかっ
た」と強調した。

そして、プリゴジンは、戦争ではロシアで最も有能とされる部隊を
含む何万人もの若い命が不必要に犠牲になったとし、「われわれは
自らの血を浴びている。時間は過ぎ去っていくばかりだ」また、「
我々はウクライナの占領地を多数失っている。死傷者数はロ軍が発
表している数の3〜4倍だ。一日に最大1000人が死傷している。」と
も述べている。

プリゴジンは、この戦争を止めようとしているように見える。そう
しないとロシアの滅亡に繋がるとみているようである。

この認識を持っていないプーチンでは、戦争をやめることができな
いし、取り巻きも本当の戦争の状況を言えないようである。プーチ
ンが自分に都合の悪い情報が出てくると、怒ることで、誰も本当の
情報を上げることができないからだ。

このため、とうとう、ロシアの情報機関「連邦保安局」(FSB)は
23日、ワグナー軍の創設者エフゲニー・プリゴジンの発言が、武装
反乱の扇動に該当する疑いがあるとした。

そして、FSB部隊がワグナー軍部隊の拠点をミサイル攻撃し、多くの
隊員が死亡したことで、プリゴジンは、「この国の軍上層部がもた
らす害悪は制止されなければいけない」と、クーデターを始める。

そして、モスクワでは、戦車などが配備されて国家機関等重要施設
の警備が強化され、モスクワで「要塞」計画が実行されいる。警察
と救急隊員が集結しているが、ワグナー軍阻止の指令を受けたFSB治
安部隊の半数は戦闘を拒否している。

プーチンは「いかなる国内混乱も我が国の国家としての致命的な脅
威となる。私たちの行動は厳しいものになるだろう。意図的に裏切
りの道に進み、武装反乱を準備した者は皆、避けられない懲罰を受
けるだろう。軍と他の治安機関は必要な命令を受けている」と述べ
、完全にプリゴジンを切り捨てた。

これに対して、ワグナー軍報道は、「ゴミ (プーチン) は間違った
選択をした。それは彼にとってさらに悪いことだ。間もなく新しい
大統領が誕生するだろう。」と、現状認識ができないプーチンを揶
揄したが、これで内戦が確定した。

しかし、ウ軍の攻勢が続く中でロ軍は、防御戦闘で一定の戦果を出
してきたが、プーチンの内戦確定で、作戦の前提が変わる。ザポリ
ージャ州の防衛線を現状のまま維持しながら、ワグナー軍に対して
攻勢をとることは、軍事的に不可能だ。

以後は、有料版を見てください。

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