6290.ウ軍主攻撃軸はどこか?



月曜日有料版2章途中までをお送りします。

ウ軍はバフムト、ドネツク州西部、ザポリージャ州で、本格的な攻
勢を開始したが、主攻撃軸はどこなのであろうか。この現状と今後
の検討をしよう。    津田より

2.ウクライナ戦争の推移
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ウ軍は、本格的な攻勢のフェーズに入ったが、バフムト、ドネツク
州西部、ザポリージャ州での戦闘では、進軍速度が遅く、まだ、本
格的なロ軍防衛線にも達していない。それと、6月前半は雨が多く、
戦車などの装甲車が自由に移動できなかったことも大きい。

現状では前線でのロ軍航空力が、ウ軍の防空能力より上であり、こ
のままでは機甲部隊の力が発揮できない。

防空能力の拡充が絶対に必要であり、その確保をおこなうか、もう
1つは奇襲作戦で、ロ軍が思ってもいない方向からの攻撃をするし
かない。

・バフムト方面
ウ軍はバフムト北西郊外で、M03号線を市内方向に進撃して、ロ軍は
潰走して、市内に向かていたが、ヘルソン州から最強の増援部隊が
到着して、ウ軍の攻撃を防御し始めた。このため、ウ軍の進撃速度
が下がっている。

ベルキウカ貯水池に向けて攻撃しているウ軍は、ベルキウカ市内に
到達して、市街戦になっていたが、前進が止まり、ロ軍増援部隊と
の戦闘になっている。

逆に、ロ軍がオリホボバシュリフカへの攻撃をしたり、ウ軍の奪還
したベルキウカやヤヒドネに反撃している。どちらもウ軍は撃退し
ているが、ロ軍も攻撃している。

このため、トリボボバシュリフカにいるロ軍は孤立する可能性があ
ったが、現時点でも維持しているし、攻撃できるほど補給も大丈夫
のようである。

バフムト市内のロ軍は攻撃なしで、防備を固めている。

バフムト南西のウ軍独立第24突撃大隊と第3突撃旅団はクリシチウカ
方向に攻撃しているが、まだクリシチウカを占領できずにいる。

しかし、バフムトでの攻勢は、ロ軍部隊のザポリージャ方面への転
戦をさせないためであるが、新しくヘルソン州から最強部隊もバフ
ムトに投入されたことで、ここのウ軍の目的は達していることにな
る。

もう1つ、ロ軍はバフムト攻勢用の囚人を中心としたストームZ突撃
中隊を解体して正規軍への配置転換を進めている。この囚人兵の日
常行動が軍組織に合わず、解体することになったようである。

ワグナー軍を真似て囚人兵を使ったが、正規軍では手に余ったよう
である。

・トネツク州州境方面
ボハレダラにウ軍は攻撃して、複数のロ軍陣地を奪っている。この
けん制のために、ロ軍はボハレダラの東ボディアングに攻撃したが
、撃退されている。

ノボマイロスクやノボドネツクにウ軍が攻撃中であるが、前進でき
ずにいる。ウ軍は海兵旅団が担当している。

ベルカノ・ボシルカの南のウジョイナとスタロマイオルスクをウ軍
は攻略中である。リビノピりやノボダリウカの南では、ウ軍の攻撃
でも成果なし。フリアポールでのウ軍は本格的な攻撃に出ている。

しかし、あまり、一週間前と変わりがない。攻めあぐねている。

やっと、地雷原の除去を終わった段階であり、今後本格的な攻撃に
移るという。

この地域に8個旅団と1個大隊を投入している。これを見て、ロ軍は
この方面が主攻撃軸と見て、増援部隊を送り込んでいる。

・ザポリージャ州方面
ロ軍陣地が準備している3重構成防御網のザポリージャで、ウ軍は
、苦戦している。

オレホポの南ロボティネで戦闘中であり、ここにウ軍は3個旅団を
投入している。

カムヤンスクでは、南にあるピアトハーティキーで戦闘中である。

この地域には、ロ軍の電子戦システムにより、ウ軍のドローンが運
用できないことと、GPS誘導弾の誘導ができないこと、ウ軍の衛星通
信ができないことなどの問題が起き、有効に攻撃できない状況にな
っていた。

このため、まず、ウ軍は、ロ軍の電子戦システムの破壊を優先して
行った。その後は、ウ軍はHIMARSを対砲兵戦で使い始めた。今まで
は弾薬貯蔵施設や指揮所への攻撃でったが、この2つは、HIMARSの
射程外に移動したことで、砲兵を狙い始めたようである。

それと、ロ軍戦闘ヘリが有効であることをロ軍もわかり、ベルジャ
ンスクに新たに20機以上の戦闘ヘリを追加した。

もう1つが、ウ軍に航空優勢がないことであり、防空システムも不
足しているし、その上にロ軍の徘徊自爆ドローンは、優先的に防空
システムのレーダーを狙い破壊されている。

これにより、ロ軍の戦闘ヘリが自由に飛べることになっている。こ
れでは、ウ軍は機甲部隊を前進できないことになる。攻撃手段が限
られることになり、前進できないことになっている。

以後は、有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1.日本の状況


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