6287.自由ロシア軍がロシア侵攻



月曜日有料版2章途中までをお送りします。

自由ロシア軍団とロシア義勇軍団は、ロシアのベルゴルド州とクル
スク州に侵攻した。ウ軍の反転攻勢の一環であろう。現状と今後の
検討をしよう。   津田より

2.ウクライナ戦争の推移
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ウ軍は反転攻勢に出ていたが、バフムトでの反撃も、ロ軍のザポリ
ージャからの援軍で、膠着した事態になっている。このため、ウ軍
ではなく、自由ロ軍を使い、ロ軍の手薄な国境沿いに、ロシア国内
への攻撃を仕掛けた。

また、全体的にウ軍の地上攻撃は下火になっている。ウ軍の反転攻
勢はどうなったのであろうか、という事態である。

・バフムト方面
ウ軍はバフムト郊外で本格的な反転攻勢に出ているが、ロ軍の守備
が整い、そう簡単には撃破できなくなっている。

ベルヒウカ貯水池で、ロ軍は強固な陣地を構築して、ウ軍の攻撃を
防いでいるので、膠着状態である。逆に、ロ軍が市内から、クロモ
ベ方向に向かった攻撃を、ウ軍は撃退している。

バフムト市内のワグナー軍は、5月25日から撤退を開始して、6月1日
まで完全撤退するとプリゴジンは言う。今、ウ軍はワグナー軍の撤
退を待っているようにも見える。

しかし、25日を過ぎても、ISWによる映像確認ではワグナーはバフム
ート市街を出た様子がない。単に、DNR旅団などが入ってきて、配備
兵力が増大しているだけである。

イワニフスク方向にロ軍は攻撃したが、ウ軍は撃退している。

ウ軍第3突撃旅団はクリシチウカやアンドリウカ方向に攻撃している
が、こちらの前進も、ロ軍陣地を1つ1つづつ潰していくので、時
間がかかっている。

クリシチウカに向けて、第24と第3突撃旅団が攻撃しているが、前進
速度は遅くなっている。このクリシチウカの後方のイワノハラドの
弾薬庫が大爆発した。地域の中核的弾薬庫であったようだ。

一方、市内ではロ軍とワグナー軍が、ほぼ全地域を占領した状態で
あり、ウ軍は、南の一角を残して撤退した。ウ軍は市内でゲリラ戦
を行っている。

このバフムトの戦いでは、ザポリージャ州のロ軍を増援でバフムト
に投入したことで、ザポリージャ州の兵員が若干少なくなったよう
だ。バフムトの反撃が、本格的な反転攻勢の前哨戦の位置づけなの
であろう。

もう1つが、バフムトのワグナー軍交代要員として、ロ軍部隊が入
るが、その部隊もドネツクからの移動であり、アウディーイウカ方
面の部隊のようである。

しかし、ウ軍の反撃がなくなったことで、この地域の戦闘は少なく
なり、ロ軍の戦死者数も500名以下程度と今までと比べると、非常に
少なくなっている。

・自由ロシア軍のロシア領内への攻撃
5月22日、自由ロシア軍とロシア義勇軍が、ロシア西部ベルゴロド州
で、ロシア政府機関の現地本部などが襲撃し、ロシア治安部隊と戦
闘になった。

4台の装甲車、70人以上の兵員と5台のトラックで攻撃したが、ロシ
ア国境には20名程度の訓練されていない兵員しかいないことで、簡
単に国境を突破したようであり、龍の歯などの障害物も難なく越え
ている。

コジンカを制圧、国境から9Km先のグライボロンまで侵攻したが、ロ
軍4千人が投入されて、24日夜までに国境線付近まで撤退したが、現
時点でも、ベルゴロド州内で爆発音や銃声がしているようである。
マイスキイ村でもドローンによる攻撃で爆発が起きているので、ド
ローンの撃墜を試みて、ロ軍が銃撃している可能性もある。

ベルゴロド州には、他に2ケ所で侵攻し、クルスク州でも奇襲攻撃を
している。こちら側は撤退したようである。

自由ロシア軍団は、ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから数
週間後の2022年3月に結成された。所属するのは、ロシア軍からの離
反者のほか、ロシア人やベラルーシ人の志願兵で攻勢されている。

もう1つのロシア義勇軍団は、2022年8月に結成された組織だ。極右
論者として知られるデニス・ニキティンが率いている。

この攻撃は、ロ軍の手薄な国境線を複数箇所で侵攻して、ロ軍の国
境防備を固めさせて、その分、ザポリージャ州の兵員を分散させよ
うとする試みである。

以後は、有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1.日本の状況


コラム目次に戻る
トップページに戻る