6284.ウ軍の反転攻勢が開始



月曜日有料版2章途中までをお送りします。

ウ軍大攻勢の初期段階で、ロ軍後方基地や燃料貯蔵タンク、弾薬庫
などを集中的にHIMARSやドローンなどで攻撃開始した。5月中旬に
は乾燥してくるので、装甲車の行動が自由になる。現状と今後の検
討をしよう。    津田より

2.ウクライナ戦争の推移
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
ロ軍は、攻撃から全面的に防御の方向になっている。ウ軍はバフム
トとアウディーイウカの2拠点の反撃とザポリジャー州やボハレダ
ラ、ヘルソン州など複数地点で攻撃に出ている。

・バフムト方面
ウ軍はバフムト市の2km2の地域まで撤退して、ロ軍攻撃で損害を与
えたが、ここからウ軍が反転攻勢に出てきた。ワグナー軍とロ軍空
挺部隊の損耗が多く、ワグナー軍もロ軍空挺部隊も郊外から市内に
移動させて、攻撃を市内に絞り、市内占領した地域の確保する方向
である。

郊外南西では、マルコーベ方向にロ正規軍の攻撃があったが、ウ軍
が発見して撃退した。ボダニウカにもロ正規軍が攻撃したが、ウ軍
に撃退されている。逆にクロモベにウ軍機械化部隊が攻撃して、ロ
軍は防戦している。

市内北側では、ロ軍は貯水池を抜けて遊園地まで前進したが、ウ軍
に遊園地を奪還されたし、東側のワグナー軍は、バフムト駅を超え
て郵便局まで前進していたが、ここで停滞している。ヘッドマンス
ーパーマーケットを超えていたワグナー軍は、ウ軍の反撃でヘッド
マンスーパーまで押し戻された。

市内南側は、ワグナー軍は工業大学からT0504号線を超えていたが、
ウ軍の反撃で、工業大学の取り合いになっている。工業大学の南側
はウ軍が奪還して、ロ軍はショッピングセンターから第2小学校まで
押し戻されている。

マリャル国防次官は、ウ軍が、バフムトのワグナー軍の弾薬庫を破
壊したと発表したが、弾薬欠乏を拡大させたようだ。

ワグナー軍は1日で100名前後の犠牲者が出ている。このため、プリ
ゴジンは、ロ軍ジョイグ国防相に弾薬の潤沢な供給を要求している。

「我々はバフムート45Km2のうち、2km2以外を占領した。砲弾なしで
、無意味にわが部隊が無力化される訳にはいかない。我々は5月10日
、部隊の損耗を癒すためにバフムートから撤退する。我々は正規軍
と交替する。」という。バフムートから撤退すると、この戦線は崩
壊することになる。

このため、チェチェンのカディロフは、もしワグナー軍が撤退する
なら、バフムトにチェチェンのアフマート部隊を送るとした。

それに同調して、プリゴジンも5月10日からバクムートのワグナー軍
のポジションをカディロフに引き渡すよう求める書簡をショイグに
送った。

この状況で、カディロフは、ワグナー軍隊員に対し、ワグナーより
も高待遇を保障するのでカディロフ軍団に移籍し、バフムートでの
戦闘を継続せよと呼びかけている。

ウクライナ諜報機関は、「プリゴジンの発言は、5月9日までにバフ
ムートを奪うという約束を果たせないという事実を背景に、彼が行
ったものである。したがって、彼は今、誰かを有罪にしようとして
いる」と分析している。

そして、米カービー戦略広報調整官は、「ロ軍は、去年12月に始め
たバフムトの攻撃を失敗した」としたが、全体的には、その状況に
なっている。

プリゴジンも、ワグナー軍の熟練した兵員が不足してきて、攻撃力
がなくなり、大量砲撃して、その後の攻撃で突破するしかできなく
なってきたようだ。そのための砲弾が不足してきたので、攻撃でき
ないとし、プーチンとの約束も果たせなかったことになる。

プーチンも5月9日対独戦勝記念日に、バフムト占領という戦果を述
べることができなくなった。

一方、プーチンは、ロシア国境に近い方面の防備を固めるよう厳命
したことで、ロシア国防省は、ウ軍による反攻に備え、全戦線で防
御準備を優先したことで、バフムト攻勢の優先順位を下げた模様で
ある。それを知ったプリゴジンもバフムトを離れ、ウ軍の攻勢地点
にワグナー軍を投入するようである。プーチンの了解も得ているの
であろうか?

それと、3月以降でロ軍兵の自発投降が増加している。4月は3,200人
が降伏して前月比10%増であり、大半が弾薬枯渇で降伏した。ワグナ
ー軍よりロ正規軍兵には、小銃の弾薬も不足している事実がある。

・その他方面
ビロホリフカ工業地帯にロ軍が攻撃し・占拠したが、ウ軍は包囲し
て砲撃をしている。しかし、ビロホリフカのウ軍陣地は、丘の上で
あり、ロ軍に工業地帯を攻撃・占拠させたことには問題がある。

アウディーイウカ方面でも、ウ軍は反撃で、オリトネ、ボジャネを
突破して、ドネツク空港に攻撃しているとロシアミルブロガーは述
べている。この地域のロ軍は手薄になっているようである。しかし
、疑問符が付く。

ウ軍は大規模攻勢を報道統制で封鎖しているし、地域住民にもSNSで
拡散しないように依頼しているので、分からない。

ロ軍は、セベルネやマリンカに攻撃して来たが、ウ軍は撃退してい
る。しかし、ウ軍はストロニクハイリフカを攻撃・奪還して、マリ
ンカを攻撃するロ軍の側面を攻撃できる位置にいる。これもロシア
ミルブロガーの情報である。

以後は、有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1.日本の状況


コラム目次に戻る
トップページに戻る