6281.世界戦争に向かっている



月曜日有料版2章途中までをお送りします。

ウ軍の春の大攻勢で、ロ軍も塹壕や龍の歯などで防御しているが、
中国やイランなど戦争の拡大が起きそうである。今後、どうなるの
かを検討しよう。              津田より

2.ウクライナ戦争の推移
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ロ軍は、バフムトとアウディーイウカ、マリンカの3拠点の攻撃に
絞り、徐々に防御の方向にシフトしているのは、先週と同じ。

・バフムト方面
ウ軍はバフムト市から撤退して良いが、ワグナー軍とロ軍空挺部隊
の多くに損害を与えることに価値を見出している。ワグナー軍は攻
撃を市内に絞り、市内中心部を確保しバフムト駅の攻防になってい
る。プリゴジンは、市内の80%をワグナー軍が占領したと言う。しか
し、ワグナー軍がビルに侵入すると、ウ軍は撤退しながら、そのビ
ルごと破壊して行く戦術になっている。

対して、ロ軍は、市内にテルミット焼夷弾を打ち込んで、ウ軍の排
除を行っている。しかし、損害無視のワグナー軍が優位になってい
る。しかし、ワグナー軍は市内の東側での戦闘しか要員を割り当て
られていない。他はロ軍空挺部隊であり、その攻撃をウ軍は撃退し
続けている。ワグナー軍とロ軍空挺部隊では戦闘能力には大きな差
がある。

そのワグナー軍は、徐々に数が少なくなり、市郊外の戦闘をロ軍に
交代して、市内東側に移動させたようである。このため、市外での
攻撃は減り、ウ軍が優勢になっている。

市外北西では、ボダニウカとクロモベにロ軍が攻撃したが、ウ軍は
撃退しているし、市外南西では、ロ軍の攻撃もない。

このような状況であり、プリゴジンは「ウ軍がバフムートを離れる
兆候はない」とし、周辺のロ正規軍は、引き続き郊外地区を守り、
ワグナー軍を支援するよう求めた。

・その他方面
バフムトに兵員を集めていることで、クレミンナ方面やリシチャン
スク方面での攻撃が少なくなっている。しかし、クピャンスク方面
では、リマンペルシーをロ軍が占領したことで、徐々にクピャンス
クに近づいている。

アウディーイウカ周辺で、ロ軍は損害が大きく、攻撃を控えている
ようである。セベルネだけに攻撃したが、ウ軍に撃退されている。
プレヴォマイスケはウ軍が奪還したようだ。

マリンカにもロ軍が攻撃しているが、ウ軍は撃退している。この地
点は、数か月攻撃をしているが、ロ軍は前進できないでいる。

宇国防安保委員会のダニロフ氏は、クリミアで発生する謎の爆発に
ついて「ウクルオボロンプロム(ウクライナ防衛産業体)は新型兵
器の開発やテストに従事しており、何らかの兵器のテストが行われ
るなら我々の領土で実施されるため、新型兵器のテストがクリミア
で実施される可能性を否定できない」とした。また、クリミアのロ
軍が、塹壕を掘っても絶対に助からないとした。

・米国の機密文書漏洩
米軍とウ軍が検討している攻勢計画の秘密情報が漏れて、その犯人
は捕まったが、機密文書で多くのことが分かった。

2023年中には、この戦争は終わらずに、2024年まで続くと米軍は見
ているようである。

ウ軍の9個旅団を春攻勢に投入するが、その個々の旅団の兵器配備が
わかり、その旅団の役割が分かるので、どこを攻めるのかが薄々分
かる。このため、旅団の構成要素を変え、春攻勢の作戦を変更して
いるようである。

これにより、4月から5月に予定していた春攻勢は、少し後ろ倒しに
なり、「夏までに」とシュミハリ宇首相は言う。

この延期には、欧米諸国からの兵器供与が遅れていることも関係し
ている。4月中に、戦車が必要台数揃わないとか、F-16供与を要請し
ているが、米国は供与を約束しないなどの作戦成功に必要な兵器が
揃っていないことも原因のようである。

米国はロシアの国民が戦争に本気になると、戦争が激化してエスカ
レーションするので、そうならない範囲を見極める必要があると思
っている。兵器の種類と米軍の関与をどうするかであり、米軍がウ
クライナのリビウまで米国製兵器を運ぶ実験をするようである。

次の段階は、米軍が兵器の整備をすることになる。どこまでがロシ
ア国民が怒らない範囲かを考えている。そのため、兵器もF-16は大
丈夫かを見極める必要があるということのようである。

また、文書では、ウクライナ戦争でロ軍・ウ軍両軍の兵士合わせて
最大35万4千人が死傷したという。ロ軍側の死傷者は18万9500-22万
3000人。うち3万5500─4万3000人が戦死、15万4000-18万人が負傷し
たという。ウ軍側の死傷者は12万4500-13万1000人に上り、戦死者は
1万5500-1万7500人、負傷者は10万9000-11万3500人とされている。

ロ軍側の戦死者数がウ軍側の3倍になっていることがわかる。

以後は、有料版を見てください。

0.米国と世界の状況
1.日本の状況
3.世界戦争に向かっている


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