ウ軍の春の大攻勢で、ロ軍も塹壕や龍の歯などで防御しているが、 中国やイランなど戦争の拡大が起きそうである。今後、どうなるの かを検討しよう。 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202 ドルで2022年年初来安値となり、4月6日は33,485ドルで、10日は101 ドル高の33,586ドル、11日は98ドル高の33,684ドル、12日は38ドル 安の33,646ドル、13日は383ドル高の34,029ドル、14日は143ドル安 の33,886ドル。 先週、株価は上昇した。金融不安を解消したこと、3月のCPIが前年 比伸び率が5.0%と、前月の6.9%から減速し2021年5月以来の穏やかな 伸びになったことや、卸売物価指数(PPI)が前月比で0.5%下落したな どで、利上げ停止になるとみられるために、市場は安心感が広がり 、株価は上昇した。しかし、14日は少なくともあと1回の米利上げが 実施されるとの見方が強まり、株価は下落した。 そして、F&Gインデックスも67まで上昇している。リスクオンの領域 である。 米国の商業用不動産価格が20%以上も下落している。不動産バブルの 崩壊が始まってきたようだ。住宅ローンを払えない人が増えてきて、 44%まで高まっている。それと、3月米国 小売売上高が前月比で1.0 %減になり、予想の0.4%減より悪かった。景気後退の予兆であろう。 バフェット氏は、「銀行破綻はまだ終わっていない」と述べ、米国 の銀行システム動揺はまだ続くとの認識を示したが、パニックに陥 る必要はないとした。 1.日本の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、4月7日は27,518円で、10日は115円高の 27,633円、11日は289円高の27,923円、12日は159円高の28,082円、 13日は74円高の28,156円、14日は336円高の28,493円。 先週の株価は6連騰で大幅な上昇になり、28500円台を一時回復した 。ドル円相場で130円台に載せるなどの円安になり、輸出企業の採算 が良くなることと、バフェット氏が日本株を買増すとのご託宣で、 海外投資家も日本株を買う動きが出たことによる。 バフェット氏の会社バークシャ・ハザウェーは、1644億円の社債を 日本で発行し、多くを日本株買い増しに充てるという。 バフェット氏の買増しと円安の原因は、植田日銀新総裁が、イール ドカーブコントロールYCCを持続するし、金融緩和を続けると述べて 、市場のYCCを止めるという方向ではないことである。 それと、バフェット氏のように、金利ゼロ水準の日本での資金調達 で、事業ができる環境を見ている人たちも多くいる。日本のビジネ ス環境は、現時点では、先進国の中では、一番良い方に属すると思 う。このため、ChatGPTを日本は禁止しないと確約したことで、 ChatGPTのオープンAI社も研究開発を日本で行うというし、日本でIT ベンチャーが大挙して押し寄せることになる。 ファーストリテイリングの株価が大幅な上昇であり、売上上昇の原 因は、中国での消費拡大である。中国の景気が良いと、日本企業の 多くが利益を伸ばすことになるが、米中対決で、サプライチェーン の断絶など、中国の今後の景気動向が心配ではある。 3月6日の中国での全国政商会議で、習近平主席は「米国を中心とし た西側諸国による全面的な封じ込め、囲い込み、弾圧が、中国の発 展に前例のない深刻な試練をもたらしている。」と述べている。 先週は鹿児島に行ってきた。指宿などを見てきたが、JR最南端の西 大山駅に行ったが、列車が少なく、指宿発11時30分の列車で、西大 山11時54分着であったが、帰りの列車は14時34分しかない。駅の近 くの店で脱出方法を効いたら、15分程度歩いて徳光小停留所があり 、指宿に行くバスが13時15分発という。しかし、バスも日に3本しか ない。時間効率がすごく悪い。 田舎での暮らしには自動車が絶対に必要であると思うし、観光客の ための交通手段がないと、行きたくてもいけない。地方の観光開発 は交通インフラをどう整備するかが問題である。駅前にはタクシー もいない。指宿の温泉地でも交通手段がないので、ホテルに留まる しかない。広がりが出ないことで、楽しみも少なくなる。広がりが 必要である。 しかし、過疎地こそ、観光需要を掘り、観光需要を取り込む必要が ある。地方では、観光は一大産業になりえる。 ジパングクラブでの旅であり「ひかり」と「さくら」にしか乗れな い。しかし、この2つの列車には、多数の外国人観光客が乗っていた。 多くの海外観光客が日本に来ている。この海外観光客の需要は地方 に呼び込むことが大切である。 2.ウクライナ戦争の推移 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ロ軍は、バフムトとアウディーイウカ、マリンカの3拠点の攻撃に 絞り、徐々に防御の方向にシフトしているのは、先週と同じ。 ・バフムト方面 ウ軍はバフムト市から撤退して良いが、ワグナー軍とロ軍空挺部隊 の多くに損害を与えることに価値を見出している。ワグナー軍は攻 撃を市内に絞り、市内中心部を確保しバフムト駅の攻防になってい る。プリゴジンは、市内の80%をワグナー軍が占領したと言う。しか し、ワグナー軍がビルに侵入すると、ウ軍は撤退しながら、そのビ ルごと破壊して行く戦術になっている。 対して、ロ軍は、市内にテルミット焼夷弾を打ち込んで、ウ軍の排 除を行っている。しかし、損害無視のワグナー軍が優位になってい る。しかし、ワグナー軍は市内の東側での戦闘しか要員を割り当て られていない。他はロ軍空挺部隊であり、その攻撃をウ軍は撃退し 続けている。ワグナー軍とロ軍空挺部隊では戦闘能力には大きな差 がある。 そのワグナー軍は、徐々に数が少なくなり、市郊外の戦闘をロ軍に 交代して、市内東側に移動させたようである。このため、市外での 攻撃は減り、ウ軍が優勢になっている。 市外北西では、ボダニウカとクロモベにロ軍が攻撃したが、ウ軍は 撃退しているし、市外南西では、ロ軍の攻撃もない。 このような状況であり、プリゴジンは「ウ軍がバフムートを離れる 兆候はない」とし、周辺のロ正規軍は、引き続き郊外地区を守り、 ワグナー軍を支援するよう求めた。 ・その他方面 バフムトに兵員を集めていることで、クレミンナ方面やリシチャン スク方面での攻撃が少なくなっている。しかし、クピャンスク方面 では、リマンペルシーをロ軍が占領したことで、徐々にクピャンス クに近づいている。 アウディーイウカ周辺で、ロ軍は損害が大きく、攻撃を控えている ようである。セベルネだけに攻撃したが、ウ軍に撃退されている。 プレヴォマイシケはウ軍が奪還したようだ。 マリンカにもロ軍が攻撃しているが、ウ軍は撃退している。この地 点は、数か月攻撃をしているが、ロ軍は前進できないでいる。 宇国防安保委員会のダニロフ氏は、クリミアで発生する謎の爆発に ついて「ウクルオボロンプロム(ウクライナ防衛産業体)は新型兵 器の開発やテストに従事しており、何らかの兵器のテストが行われ るなら我々の領土で実施されるため、新型兵器のテストがクリミア で実施される可能性を否定できない」とした。また、クリミアのロ 軍が、塹壕を掘っても絶対に助からないとした。 ・米国の機密文書漏洩 米軍とウ軍が検討している攻勢計画の秘密情報が漏れて、その犯人 は捕まったが、機密文書で多くのことが分かった。 2023年中には、この戦争は終わらずに、2024年まで続くと米軍は見 ているようである。 ウ軍の9個旅団を春攻勢に投入するが、その個々の旅団の兵器配備が わかり、その旅団の役割が分かるので、どこを攻めるのかが薄々分 かる。このため、旅団の構成要素を変え、春攻勢の作戦を変更して いるようである。 これにより、4月から5月に予定していた春攻勢は、少し後ろ倒しに なり、「夏までに」とシュミハリ宇首相は言う。 この延期には、欧米諸国からの兵器供与が遅れていることも関係し ている。4月中に、戦車が必要台数揃わないとか、F-16供与を要請し ているが、米国は供与を約束しないなどの作戦成功に必要な兵器が 揃っていないことも原因のようである。 米国はロシアの国民が戦争に本気になると、戦争が激化してエスカ レーションするので、そうならない範囲を見極める必要があると思 っている。兵器の種類と米軍の関与をどうするかであり、米軍がウ クライナのリビウまで米国製兵器を運ぶ実験をするようである。 次の段階は、米軍が兵器の整備をすることになる。どこまでがロシ ア国民が怒らない範囲かを考えている。そのため、兵器もF-16は大 丈夫かを見極める必要があるということのようである。 また、文書では、ウクライナ戦争でロ軍・ウ軍両軍の兵士合わせて 最大35万4千人が死傷したという。ロ軍側の死傷者は18万9500-22万 3000人。うち3万5500─4万3000人が戦死、15万4000-18万人が負傷し たという。ウ軍側の死傷者は12万4500-13万1000人に上り、戦死者は 1万5500-1万7500人、負傷者は10万9000-11万3500人とされている。 ロ軍側の戦死者数がウ軍側の3倍になっていることがわかる。 ・ロシアのウ軍攻勢対策 ウ軍の春攻勢に備えて、ロ軍は、ザポロジエ州の占領地にロ軍が全 長約120キロの防御線を完成させたという。この防御線は3層からな り、英国防省は「メリトポリへの進撃をウ軍が検討しているのは間 違いないとロ軍は考えており、かなり力を入れて構築したとみられ る」とした。 また、ウ軍の春攻勢に備えて、プーチンは、軍への動員や徴兵の招 集令状電子化を認める改正法に署名し発効させた。これにより、招 集拒否ができなくなる。 40万人の兵員募集を行っているが、10分の1も集まっていない現状が あり、第2次動員が始まる可能性が高まっている。その時には招集拒 否ができなくなる。 それと、ウ軍大攻勢に備えて、ヘルソン方面やザポリージャ方面全 域において、民間人をクリミア方面へ避難させている。民間人が、 地域のロ軍の兵器などの位置を知らせるのを恐れていることがわか る。 それと、5月9日の戦勝パレードが各地で中止される。クリミアや国 境隣接各州で、昨年は実施したが、今年は中止のようだ。この理由 が兵器の枯渇でT90などの戦車がないことによる。そもそも戦車がな い。 少し前には、中央戦車保管センタからのT-64戦車を前線に送ってい たが、現在は、シベリアのダーチノエ戦車保管庫からT-55/T-54戦車 を持ってきている。 このため、ロ軍は欧米製戦車対応策で、特別部隊を編成して、歩兵 に対戦車ロケット砲やドローンを持たせて、戦うという。欧米戦車 に対して、ロ戦車を対抗させないということは、負けを認めている ことになる。 もう1つが、1日5万発の砲弾を打っていたが、現在は1日5000発しか 打たない。数か所の攻撃地点以外には、砲弾を補給しなくなったが 、その理由がウ軍大攻勢に備えるために、備蓄することにあるよう だ。しかし、ロシアの弾丸生産能力はすごい。 欧米側が、束になっても生産能力面で追いついていない。とうとう 、韓国の備蓄分を投入するが、ロシアは北朝鮮とイランから弾薬を 買っているが、自国生産量もすごいようである。 それでも、弾薬削減の対応策をロ軍が打つが、ウクライナ国防省傘 下情報総局のブダーノウ局長は、ウ軍の大攻勢でロシア連邦に崩壊 の時が来ているとした。 そして、ワグナー軍トップのプリゴジンも14日、「プーチン政権は 軍事作戦の終了を宣言すべき時だ」とする声明を発表した。同氏は また、ロ軍は「東部ドネツク州全域の制圧」とする主目標を達成で きそうもない上、ウ軍の反攻で敗北する可能性があるとも警告した。 ワグナー軍の要員も大幅な減少になり、ワグナー軍も戦えないこと によるようである。それと、ロ軍第22特殊任務旅団(スペツナズ)と 他の2つのスペツナズ旅団が、ウクライナで推定90-95%消耗したこと も大きいようである。 しかし、一時的な敗北によってロシア国民の奮起を促し、総動員令 を出して、最終勝利まで戦い続けることができると主張している。 このような状況になり、ロシアで収監中の反体制派指導者アレクセ イ・ナワリヌイ氏の広報担当者は13日、同氏が激しい胃痛を訴えて いると明らかにし、ゆっくりと毒を盛られている可能性があるとし た。 クレムリンとしては、ウクライナ戦争に負けると、民主化になり、 その時の指導者がナワリヌイ氏になるとみて、民主化を潰す意味で もナワリヌイ氏をゆっくり殺そうとしている。 その上、ロシア国内がバラバラになってきた。イーゴリ・ギルキン 氏は、主戦派で「怒れる愛国者クラブ」を結成し、ロ軍の批判を流 し、信用を失墜させてきた。クレムリンはギルキンを検挙したいが 、政権内のシロビキから支持されている。 同じくロ軍批判をするプリゴジンは、「公正ロシア」党の党首ミロ ノフ氏と組んで大統領選挙に出るので、ギルキン氏とは組まない。 しかし、戦場の状況は一番押さえている。プリゴジンとしては、戦 争を続けるとウ軍に負けることが見えているから、停戦か戦うにし ても総動員を呼びかけている。クレムリンの権力者たちは、ロシア の利益を裏切っているという。 その見方では、FSBの官僚たち、特にパートリシェフ安保会議書記や ゲラーシモフ参謀総長でも、財政面で戦争が続けられないと考える 反戦派が出てきた。このため、プーチンもショイグ国防相も戦争継 続するだけになってきた。この頃のロ軍が攻撃から防御にシフトし た理由ともいわれる。 それと、ロシア国家親衛隊の一部がウクライナ前線に出されて、大 きな損害を被り、反発する勢力もいる。ロ軍とは別の組織が多数前 線に展開していて、指揮命令系統もバラバラであり、真面に戦えな いということも大きい。 ロシアは、近代国家の体をなしていない。国が暴力の独占をしてい ないで、私兵軍がいる。国の中でも武装軍が多数の部局にいること で、命令系統がバラバラであり、作戦指揮が複雑で迅速な作戦が実 行できない。 しかし、ロシアの政治体制では、FSBが中心であり、プーチンを交代 させることもできる。戦争が負け始めると、このロシア内での権力 闘争が激しくなり、クーデターなどの可能性も出てくることになる。 このようなロシア国内の分裂を抑えるために、プーチンは、毎年6月 に行われる国民対話を、2023年6月上旬に行うようであり、2024年選 挙時までは、第2次部分動員も総動員も行わないのであろう。 このようなロシアに対して、ノルウェーは、オスロのロシア大使館 には約40人のロシア人外交官中15名を追放するので、約3分の1強を 追放することになる。 米国は、国連に参加するロシアの国連代表団のビザを発給しなかっ た。今月、ロシアは、安全保障理事会の議長国であり、人員を増強 したいが、できなかった。 3.世界戦争に向かっている −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・中国の動き 中国は、欧米日が半導体製造装置を中国に売らないという協定を見 て、このまま時間が経過すると、中露は負けることになると見た可 能性が高い。 今回の戦争を見ると、ロ軍の物量対ウ軍の欧米製精密兵器の戦いで あることがわかる。この精密兵器で物量のロ軍が多大な損害を出し ているし、戦争全体としても、戦前の予想とは大きく違うことにな っている。 この原因は、精密兵器に必要な半導体がロシアにはないことであり 、中国も半導体自体は製造しているが、高密度な半導体を作れてい ない。このため、時間がたつと、欧米日は益々高密度化の半導体が できるが、中国ではできないことになる。 将来、台湾戦争になっても勝つことができないことは自明である。 このため、なるべく、時間をおかずに台湾侵攻した方が良いことに なる。 その上、マクロン仏大統領は、米国の指示には従わないし、台湾侵 略戦争が起きても、欧州は関係しないと、習近平主席に述べてしま った。このマクロンの言葉を聞いて、中国の戦略家は大きなチャン スが来たと述べている。 これで、台湾侵攻しても、欧州は手出ししないことになる。 しかし、その後訪中したドイツのベアボック外相は、「(台湾に関 する)一方的で暴力的な現状変更は欧州として受け入れられない」 「なぜ中国は侵略者の露に対して戦争をやめるように求めないのか 」と述べた。これに対して、秦剛外相は、ウクライナ情勢を巡り「 和平に向けて努力を続けたい」と表明し、対話を通じて解決すべき だと強調した。 しかし、台湾戦争時、ドイツ経済にも中国は重要な市場であるので 、そう簡単に市場を放棄しないとみている。 もう1つが、欧米日企業の工場の撤退が起きている。このままにす ると、いづれ、経済的分断も起きて、中国経済は回らなくなる。 それと、恒大集団倒産直前で不動産バブル崩壊で、今後経済的な面 でも国民に豊かな生活を保障できない。そのため、共産党への支持 率も落ちてくることになる。 それなら、いっそのこと、台湾軍事侵攻をして、台湾にある半導体 工場と従業員を取ってしまい、中国の半導体としてしまえばよいと なる。 ということで、欧米対抗の戦略の方が良いということになるので、 中国の態度が変化したようである。 台湾の蔡総統の米国訪問などを理由に、台湾包囲演習をして、いつ でも侵略できることが台湾国民に分かったはずである。 このため、2024年総統選挙は、戦争か統一かの争点になる。 もし、平和な統一を掲げる国民党が負ければ、戦争を行うことにな る。 その時までは、ロ軍もウ軍に負けないで、ロシアが民主化しないこ とが重要である。しかし、ウ軍の大攻勢でロ軍が負ける可能性が出 てきた。ロシアは、逆にそのためには、中国から援助が必要である と述べているはず。 このため、今年初めに中国の中央軍事委員会がロシアに武器の「段 階的な提供を承認」し、武器を民生品に偽装して引き渡そうしてい たようである。しかし、中国の秦剛国務委員兼外相は、「紛争当事 者に武器を提供することはない」と明言した。 このため、中国の李尚福国防相が4月16〜18日にモスクワを訪問する が、ロシアへ中国の軍事支援をどのように行うのかが大きな議題で あろうとみる。その見返りは、ロシア太平洋艦隊の台湾侵攻時の中 国側面支援である。このため、北方四島でのミサイル配備などを行 っているなど、ロシアは、太平洋勢力として活動できる対等な軍事 パートナーであることを中国に強調する意図であるようだ。 今後、徐々に中国からロシアに武器援助が行われる可能性が高い。 または、ロ軍が負け始めた時点で、中国がロシアとウクライナに停 戦案を示すことになる。ロ軍が負けないようにロシアの体制を維持 するためである。 ・中東の動き もう1つが、中東の動きである。イランが中東全域で親イラン武装 勢力の結集に動いている。イランとイスラエルの間で続く隠れた戦 争が新たな段階に差し掛かっており、先行き不透明感が強まってい る。コッズ部隊のエスマイル・ガーニ司令官は最近、中東各地の武 装組織の指導者らと秘密裏に会合を重ねてきた。シリアとイラクで 活動する組織も含まれるという。 イスラエルのネタニエフ首相は、司法改革に反対するガラント国防 相を罷免したが、司法改革を中止して、イスイラ戦争に備える必要 が出てきた。勿論、ガラント国防相の罷免も中止した。 オースティン米国防長官は、ネタニヤフ首相らと会談し、イランの 核開発で危機感を共有して、共同対処することになっている。 しかし、中東でサウジ、UAEもバーレンなどもイランと国交を回復し て、イスイラ戦争になっても、良くても中立の維持でしかない。イ ランは、イスラエル孤立化で、全面対決になる。この方面では核抑 止は効かない。お互いに核を使う可能性が高い。 ロシアは核技術と交換で、武器をイランから得ている可能性もある。 北朝鮮も同じように、ロケット技術と武器をロシアと交換している。 このため、ロケット技術の進化が止まらないことになっている。 しかし、通常戦力がないので、中国の台湾進攻時でも韓国への侵攻 はないとみる。 さあどうなりますか?