ウ軍の大攻勢が4月中旬以降5月までには始まる。ロ軍が敗退すると 中国は和平案をロシアに提案する。もう1つ、脱米化が進んでいる ことで、中国に重心が傾いている。このことで、世界がどこに行く のかを検討しよう 津田より 0.米国と世界の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202 ドルで2022年年初来安値となり、3月31日は33,274ドルで、4月3日は 327ドル高の33,601ドル、4日は198ドル安の33,402ドル、5日は80ド ル高の33,482ドル、6日は2ドル高の33,485ドル、7日は休場。 先週、株価は上昇した。金融不安を解消したことで、市場は安心感 が広がり、先週から継続して株価は上昇している。雇用統計も23.6 万人、平均時給の伸び率は前年同月比4.2%と、ほぼ市場予想通りの 発表。雇用・時給ともに鈍化傾向であり、労働市場の過熱感は和ら ぎつつある。しかし、7日のNY市場は、Good Friday(聖金曜日)で お休み。 そして、F&Gインデックスも49から57まで上昇している。欲望の水準 になっている。 雇用統計で、5月FOMCは追加利上げとの観測が再燃して、7月は利上 げ停止するという見方に変化した。ドル買い戻しで1ドル=132円台 になったし、米長期金利も3.3%台後半に上昇した。もう1つがFRBが 、銀行の流動性確保のために、銀行に大量の資金を貸し出している ので、QEが続行しているから株価が上がるとの見方もある。 景気後退で、株から債券に資金も移動して、米10年国債金利は3.2% まで下落して、一時ドル円は129円になったが、日本企業の輸入代金 のドル実需があり、それは、日本が大幅な貿易赤字になっているこ とでの円売りで、131円まで戻している。そして、雇用統計で132円 台に戻している。 しかし、世界的にはドル離れが起きていて、中国は金の保有5カ月で 120トン積み増したし、米国債を徐々に売ってドル離れで、金が上昇 している。それと、景気後退により、オフィス空室率は17.6%に達し 、商業不動産価格も下落している。 その上、銀行不安が完全に去ったわけでもないと、JPモルガンのダ イモンCEOは言うが、株式市場は無視している。 それと、銀行が融資基準を急速に厳しくしており、企業にとって信 用を得るのが厳しくなり、企業の資金繰りも厳しくなっていること はかわらない。 サウジは原油の減産を決めて、原油価格は81ドル台に上昇した。米 国は備蓄石油を市場に放出して、石油価格を押さえ、70ドル台にな ったら、買い戻す予定が、できなくなった。 なのに、米国株は上昇している。FRBのQEがあり、景気後退でも株価 の下落があまり起こらないことで、2年以上の期間で徐々に下落する 可能性がある。FRBのQEと原油価格高騰で、インフレも止まらない。 景気も悪くなり、スタグフレーションにもなる。 このような経済政策では2024年の大統領選挙は、再度トランプ氏が 再選することになる可能性もある。 そうすると、ウクライナ戦争などにも、大きな負の影響も出かねな い。トランプ氏が再度大統領になると、中国との関係悪化になる。 このため、中国も身構えるし、ウクライナへの支援を欧州だけで行 う必要になり、欧州も身構えることになる。 ということで、米国経済の動向が、今後の世界に大きな影響を与え る可能性が濃厚である。Gゼロの時代になるとしていたが、とうと う、大きな時代の曲がり角になってきたようだ。 1.日本の状況 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、3月31日は28,041円で、4月3日は146円高の 28,188円、4日は99円高の28,287円、5日は474円安の27,813円、6日 は340円安の27,472円、7日は45円高の27,518円。 先週の株価は下落して27000円台に逆戻りした。ドル相場で、129円 台に載せるなどの円高で、輸出企業の採算が悪化すると見たことが 原因である。 しかし、日経平均は26500-28500円の間で推移しているレンジ相場に なっている。27000円割れになると、多くなった一般投資家が買うの で、株価が崩れない。 世界的な景気後退になるので、日本国債を買う動きが出て、金利は 下がったが、その後、植田日銀新総裁が、イールドカーブコントロ ールYCCを止める可能性があるとなり、金利が0.5%まで戻っている。 しかし、YCCを止めると、日本国債を持つ銀行などが債務超過になる ので、急にはYCCを止めることはできない。 黒田総裁時代に、QEで1550兆円も資金を市中に流したことで、その 資金が米国債や米株に投資されて、米国に投資した金額が451兆円に もなっている。その他では、日経平均などのETF37兆円である。 日本が利上げをして、かつ景気後退で米国金利が下がると、ドル安 円高になり、それと同時にキャリーの巻き戻しが起きて、円高が超 円高になる可能性もある。 日本へ回帰した工場の採算性が一挙に崩壊することになる。このた め、YCCを止めて、金利を上げる行為は日本つぶすことにもなる。 まさか、植田新日銀総裁はしないとは思うが、思考しておくことが 必要である。徐々に許容範囲を広げるなどの処置をしていくことで YCCを緩和する方向で行かないといけないはず。 その上に、脱ドル化、脱米国化の流れが世界に広まり、親米国家の 日本もそろそろ、自立化や親欧化などの米国べったりからの離脱が 必要になっている。それも急速にする必要がありそうだ。 トランプ政権になると、日本はトランプキラーの安倍元首相を失い 、トランプ氏に翻弄される危険もあり、対中政策で無理難題を押し 付けられることになりそうだ。そして、それに備えて、脱米化を欧 州は行っている。 米国主導の世界秩序は、終わりそうである。当分はGゼロの時代に なり、八方美人で行くしかない。しかし、日本にとっては、難しい 時代になった。政治の指導者は、国を間違えないように、国の進路 を取ることである。 早く、この時代のゼロ戦であるビーム兵器の完成が必要になってい る。政治家は、戦争の時代であることを、肝に命じる必要がある。 中国の強健な行動が開始する可能性が高い。 2.ウクライナ戦争の推移 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ロ軍は、バフムトとアウディーイウカ、マリンカの3拠点の攻撃に 絞り、徐々に防御の方向にシフトしている。 ・バフムト方面 ウ軍はバフムト市を死守しているが、ロ軍も攻撃を市内に絞り、バ フムト中心部、市庁舎の占領し、市内中心部を確保した。このため 、ゼレンスキー大統領も、バフムトからの撤退もあり得るとした。 ワグナー軍は、主力部隊の多くを市内攻撃に振り向け、市内での T0513号線を北と南から前進して、市中心部の市庁舎に到達したよう である。市内中心部をロ軍に占領され、バフムトの線路西までウ軍 は撤退した。 ワグナー軍は部隊全員に暗視装置が配備されて、夜間に前進してく るようであり、ウ軍はやられている。そのため、市内から徐々に撤 退して、ワグナー軍部隊をたたき損害を大きくする方向で戦闘をし ている。 バフムトフカ川を渡河したワグナー軍を助けるために、ロ軍は市内 のビルにTOS-1サーモバリック弾を浴びせている。反対にウ軍は大量 の爆薬をつなげた地雷除去砲弾を使い、ワグナー軍を排除している。 しかし、残念ながら、バフムトは、ワグナー軍に取られたようであ る。ウ軍はバフムトの西側まで撤退して、そこに陣地を作り、防衛 線を引いた。ワグナー軍はバフムト市に西まで前進してきている。 ワグナー軍は、郊外ではオリホボ・バシュルフカやボダニウカへ攻 撃をしているが前進できず、イワニフスク方向のロ軍空挺部隊はウ 軍に押さえこまれて、ロ軍は援軍を送ったが、それでも前進できず にいる。 ロ軍はバフムト包囲作戦をしてるが、包囲が解け始めている。市街 戦だけの状況になっている。 バフムトに兵員を集めていることで、クレミンナ方面やリシチャン スク方面、クピャンスク方面での攻撃が少なくなっている。 ・アウディーイウカ方面 アウディーイウカ周辺で、ロ軍は包囲作戦を開始したが、クラスノ ホリフカを占領後、ノボクリノベ、セベルネ、プレオマイスクに攻 撃しているが、ウ軍に撃退され、戦闘が下火になっている。この周 辺での攻撃でロ軍は、1週間で4000名の戦死者を出し、装甲車や戦車 の損害も多い。 ・その他地域 マリンカにもロ軍が攻撃しているが、ウ軍は撃退している。この地 点は、数か月攻撃をしているが、ロ軍は前進できないでいる。この ため、ロ軍はSU-25で空爆をしたが、1機が撃墜されている。 ボハレバラでのロ軍の攻撃はなくなっている。ボハレダラでの戦闘 を指揮したムラドフ司令官が解任された。このため、ロ軍司令官た ちは、むやみな攻撃を控える方向にあるようだ。もう1つが、ウ軍の 春攻勢に備えることである。 それと、ロ軍は空爆をしているが、遠距離高高度から誘導爆弾で空 爆することで、損害を回避している。しかし、その分、命中率は下 がることになる。 ウ軍は、メルトポリにHIMARSで攻撃して、飛行場を使用不能したと いうが、これも春攻勢の準備段階に入ったことによるのかもしれな い。 ロ軍はクリミア半島のジャンコイに蓄積された装甲車、火砲、戦車 をウ軍のGLSDBなどによる攻撃から逃れるために、他の場所に移動さ せたようである。ロ軍としては、クリミア半島も安全ではなくなっ ている。 このような、ウ軍の反転攻勢が近くなり、ウ国防省情報総局は、ロ 軍兵に投降を促すために設けた専用ホットラインに3月だけで3千人 以上からの問い合わせがあったと発表した。 ロ軍兵もロ軍の司令官の命令の理不尽さ、督戦隊の味方を殺す行動 などを見て、ロ軍から逃亡やウ軍に降伏したくなるはずだ。プーチ ンに軍の事情を訴えても、何もしないし、軍幹部から殺されるだけ である。 ・ウ軍の春大攻勢 欧米戦車が70両程度になり、レオパルト1戦車も追って出てくる。 これで欧米製戦車は276両にもなる。米国も戦車砲弾として、劣化ウ ラン弾をウ軍に供与することになった。これで、英米が劣化ウラン 弾を供与する方向である。 しかし、米軍とウ軍が検討している攻勢計画の秘密情報が、漏れて いるという。特に攻撃部隊の規模や構成についてであるが、先週の 情報は、この漏れた情報の一部かもしれない。 しかし、この機密資料漏洩を、ウクライナ政府は「ロシアによる情 報戦略の一環だ」として、否定した。 ウ軍は、攻勢に使うDJIのドローンを3200機用意したという。このド ローンを操縦できる兵士を7000名にして、昼夜を問わずに、攻撃す るという。今回の戦争は、ドローン戦争であると規定した。 時期的には、ウクライナの土壌は5月1日からドライになる。南部で は早ければ4月中旬に乾燥する。ドネツクでは4月末、ルガンスク州 では5月中旬から乾燥する。この時期に装甲車が路外でも活動できる ことで、春攻勢が開始できることになる。 ・ロシアの状況 プーチンは、いまだに新型コロナウイルス感染症を極度に警戒して 、人との接触を避け、多くの時間を「シェルター」と呼ばれる私邸 で過ごしている。今も「自己隔離」に近い状態を貫いている。 また、テクノロジーを嫌悪している。プーチンは携帯電話を使わな いし、インターネットも使っていないようだ。プーチンは、自身の 側近だけから情報を受け取っている。つまり、情報の真空地帯で暮 らしているようである。このため、判断ミスを起こすことになる。 そして、暗殺を恐れるプーチンは、正確な居場所を隠すために複数 の私邸を持っているが、そこに設けられた執務室はどこもまったく 同一のデザインになっている。と亡命した警護の大佐が言う。 このプーチンが、ロシアに着任した各国大使に対して、「2014年の ウクライナのクーデターをアメリカが支援したから、現在のウクラ イナ危機が起こったのです。」と演説をしたが、着任大使は、無言 で抗議した格好になった。 プーチンは、総動員を掛けないで、モスクワ市民に生活上で戦争を 感じさせないことで、2024年の大統領選挙で再選を図るようである 。このため、総動員令を発令しないことで、兵員を集めることに苦 労している。戦争を始めて、国家の危機感をあおりながら、総動員 を行わないという矛盾が起こっている。 この矛盾も2024年選挙後には解消して、本格的な戦争に乗り出せる ことになるし、米国でトランプ氏が再選すれば、ウクライナ支援も なくなり、チャンスが来ることになる。 しかし、すでに、ロシアの影響力はなくなり、世界情勢でのメイン プレーヤーではなくなっている。孤立国家という状態になっている。 ウクライナとの停戦後でも賠償金を支払わないと、経済制裁が続く 可能性がある。 ウクライナという小国家にも勝てないことで、ロシア離れが起きて 、とうとう、アルメニアも、今年行われる欧州での米軍との共同訓 練に参加するとして、親ロ国家を返上している。 中央アジアのカザフスタン、キルギス、タジキスタンは、2022年8月 に既に米軍との共同軍事訓練に参加して、親ロ国家を返上している。 CSTOの加盟国6ケ国中4ケ国が米軍と共同訓練をすることになり、CSTO として、親ロシアを忠実に守るのは、ベラルーシしかないことにな る。 この状態に陥ったことで、ロシアのミシュースチン首相は、ロシア 政府高官と閣僚の例外的公務を除き出国を禁止した。このため、高 官のパスポートを没収した。高級官僚の愛国心を信用していない。 連邦国家の悲しさで、愛国心の発揮できるのは、地元の共和国にな る。江戸時代の藩が愛国心の源であったことに類似している。 3.中国への期待感と危険性 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 中国は、米国流世界秩序を崩すために、欧州との関係を構築したい 。そのためには、影響力のなくなったロシアへの対応を厳しくする 必要がある。 このため、中国の国連大使は、「中国はウクライナでの紛争を支持 しないし、クリミア半島をロシア領と認めないし、秋の住民投票は 違法だとみて、ロシアに軍事支援はしない」とした。というように 中国は中立的な立場にするしかないようだ。 その上、2023年の中ロ共同声明にある限界なき共同関係とは、修辞 的な言葉であり、実体は中ロの協力関係であり、それ以上ではない とも言う。核拡散についても反対して、ロシアのベラルーシへの戦 術核配備に反対の立場を述べている。 逆に、フランスも、2024年トランプ大統領になった後を考える必要 になっている。このため、マクロン大統領は訪中したのである。 2024年までには、ウクライナ戦争を停戦にして、トランプ政権にな った米国がウ軍支援を抜けた後、欧州だけではウ軍支援はできない からでもある。 このため、中国の和平提案を期待している。 マクロン仏大統領は、「ロシアを理性的にし、すべての人を交渉の テーブルに戻すうえで、あなたを頼りにしている」と習近平に伝え た。これに対して、習近平は、中国とフランスには世界の平和を守 る「能力と責任」があると述べた。 フォン・デア・ライエンEU委員長は、中国がロシアに武器を提供す れば国際法違反となり、欧州連合EUと中国の関係を「著しく損なう 」ことになると強調した。 そして、4月6日に習近平主席との会談で、フォン・デア・ライエン EU委員長は、台湾問題を提起したのに対し、マクロン仏大統領は、 台湾に触れなかったばかりか、持論である米国とは一線を画す政策 「欧州の戦略的自立」を繰り返した。 これに対して、習近平は「条件とタイミングが合えば」ゼレンスキ ー氏と話す「意思があると表明した」。ただ、「ウクライナの情勢 は複雑で、今のところ平和的解決の見込みはない」と発言。ロシア には戦争を続ける以外の「選択肢はない」と付け加えた。 中国は、ロシアに対して、ウ軍の春大攻勢でロ軍敗退が、ある程度 見通せた時期に、仲裁案を出すとみる。その時期まで様子見だ。 ロシアが民主化するのも困るので、ロシアがウ軍の攻勢で負けそう になったら、停戦を呼びかけて、専制主義国家ロシアを守るしかな いが、中国の選択も難しいことである。停戦までに、ロシアがクー デターで民主国家になる可能性もあるし、ロシアが分解して、多く の民主国家になる可能性もあるからだ。 このような中国に対して、ウクライナのポドリャク大統領府長官顧 問は、中国はロシア・ウクライナ戦争で積極的に自らを示していく のか、あるいは傍観するのか、選択すべきだの考えを示した。 現在、中国が世界秩序変革の主役として行動を起こしている。ブラ ジルのルラ大統領は、海外との決済に全面的に、人民元決済システ ムCIPSを利用するし、フランスの石油企業であるトタルも人民元で の決済をするとした。 また、ロシアはルーブルでの決済ができない場合は、人民元を利用 たなど、世界的にドル決済システムSWIFTの利用が減ることになる。 ドルが世界の基軸通貨ではなくなる方向である。 また、中国が肝いりで進める上海協力機構に、サウジが加盟表明し 、イランが正式加盟し、エジプトとカタールも加盟するとした。 台湾情勢では、前総統の馬氏が中国に訪問し、蔡英文総統が米国経 由で、南米を訪問後、帰りの米国ではマッカーシー下院議長と会談 した。中国は、これに対して制裁を仄めかしていたが、台湾海峡に 空母を送ったが、あまり大きな圧力にしなかった。しかし、その後 、中国軍が台湾周辺で大演習を8日から10日に行うとした。 この理由が、欧州から、フォン・デア・ライエンEU委員長が来たか らのようで、帰ったら本格的に軍事演習をするが、台湾包囲作戦で あり、戦争を始めることもできるような攻勢である。中国は、自国 が世界の主役となったと判断したら、攻撃してくる。米国は何もし ないと、中国は台湾併合に動くことになる。 このため、米国防総省は8日「中国の台湾に対する軍事、外交、経済 、法的な圧力を懸念しており、(軍事演習を)注視している」との 声明を出したが、軍事的行動も必要である。台湾軍の地対艦ミサイ ル部隊も戦術位置に移動を展開した。戦争一歩手前の状況だ。 世界情勢は、米国と中国が中心である。しかし、米国の意図とは大 きく違う世界の動きにもなってきている。徐々に重心が中国に傾い ている。非常に危険な状況になっている。 欧州は米国の今後に疑念を持っているからである。トランプ氏が大 統領になったら、欧州切り捨てを行うことは確実であり、欧州も準 備が必要になっているからである。 逆に、サウジは、今のバイデン政権がサウジを蔑ろにしていると感 じて、中国を介して、敵であるイランと和平を行い、米国の意向と は反対のことを行っている。このため、トランプ氏が大統領になれ ば、親米に復帰する可能性もある。 4.イスイラ戦争か? −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− イスラエルは、イランの核兵器開発に危機感を抱いているが、ここ 数日、イスラエルにロケット弾が、ガザからとレバノンから発射さ れている。8日には、シリアからイスラエルに向けてロケット弾3発 が発射された。裏でイランが関与しているようだ。 レバノン南部からのロケット弾攻撃に関与したとみられるイスラム 組織ハマスへの報復として、パレスチナ自治区ガザに空爆した。レ バノンのヒズボラがロケット弾を発射したのに、それをハマスがし たとイスラエルは強弁している。 レバノンのヒズボラを相手にしたくないからで、過去イスラエルが レバノンに侵攻した作戦の失敗に懲りているからだ。 本来、イスラエルは、イラン攻撃をする予定が、サウジとイランの 和平合意になり、孤立する可能性があると、一旦攻撃を中止したが 、イランは核濃縮を80%まで高めている。このため、核兵器に必要な 90%以上に、限りなく近づいている。タカ派のネタニヤフ首相は、イ ラン攻撃のチャンスを狙っている。 しかし、イスイラ戦争が中東で起きると、ホルムズ海峡の封鎖にな り、アジア圏での石油不足が起きることになる。イスラエルは、キ プロス沖での石油・天然ガス田があり、自国の石油供給には問題が 出ない。 このため、日本はサハリン2の天然ガスの輸入を止めることができ ない。それも、欧米が定めた上限価格の上で買っている。サハリン 2への投資も行っているし、水産物の輸入も止めないし、中古自動 車の輸出も止めない。その理由がイスイラ戦争での中東石油輸送停 止による石油不足が起きるからである。米国も日本にロシアからの LNG輸入を認める理由でもある。 中国やインドがサウジの石油だけではなく、ロシアから石油を買う 理由でもある。イスラエルのイラン攻撃を世界が危惧している。こ のため、中国はイスラエルの裏をかいて、イランとサウジを和平さ せたのである。世界の目はイスラエルの動きに集まっている。 というように、2024年までの戦争と選挙により、世界が激動の時代 になってきたと、ヒシヒシを感じている。 さあどうなりますか?