6277.ロ軍の攻勢限界点か?



ロ軍のバフムト攻撃で攻勢限界点になり、ウ軍のバフムト死守は成
功した可能性が出てきた。今後の戦況を検討しよう。  
                      津田より

0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202
ドルで2022年年初来安値となり、3月10日は31,909ドルで、13日は90
ドル安の31,819ドル、14日は336ドル高の32,155ドル、15日は280ド
ル安の31,874ドル、16日は371ドル高の32,246ドル、17日は384ドル
安の31,861ドル。

先週、株価は乱高下した。シルバーゲート銀行は3月9日に銀行業務
を閉鎖して、SVB銀行は3月10日に経営破綻、3月11日にはシグネチャ
ー銀行も経営破綻となり、ファーストリパグリック銀行の株価が大
きく下落し、クレディ・スイス銀行の株価も最安値となり、3月12日
に財務省、FRB,FDICが預金を全額保証すると声明して、これにより
流動性パニックは一応の落ち着きを取り戻した。クレディ・スイス
銀行はスイス中央銀行が7兆円の融資をすることで、経営破綻を一応
防いだようだ。

ファーストリパブリック銀行には、大手銀11行が4兆円の預金をした
ことで、取り付け騒ぎを防ぐようであるが、ファースト・リパブリ
ック株はなお下げている。SVB銀行を潰したのは、大手銀行が、SVB
預金者に危ないと唆したことが原因とも言われて、米財務省は、大
手銀行に中小銀の破綻責任があるとし、噂がある銀行に預金をする
ように指導したようである。この仕組みは、JPモルガンのダイモン
CEOとイエレン財務長官が指揮したようである。

この状態でECBは0.5%の利上げを行った。3月21ー22日のFOMCは利上げ
を行うのかどうかと市場は注目したが、17日の米国株は大幅な下落
となり、これで、FOMCは利上げができなくなったようだ。

その上、米国のエコノミストたちの行った調査で、破綻したシリコ
ン・バレー・バンクと同様なリスクを抱える銀行を186も見つけてい
るとした。問題行の預金の脆弱性は、大口顧客の存在で、その顧客
が預金を引き出すと、その途端に預金引き出し準備金がなくなり、
取付け騒ぎを引き起こすことになる。ということで、まだ、金融危
機は始まったばかりのようである。

金融危機時に、金融緩和や利下げを行うと、インフレが再度高まる
が、インフレを我慢して金融危機に対応することになりそうである。

この後に及んで、ECBのような利上げはもっての他である。

ということで、インフレ対策はできなくなる。それと、急激な利上
げは、大きな問題を起こし社会を混乱させるとわかった。このよう
な実験を米FRBは行ったようだ。これで2度と急速な利上げはできな
いことになった。

FRBは、金融資産売却「QT」を4ケ月行っていたが、FRBは銀行の米
国債などの債券を担保とした銀行のFRB借り入れ(primary credit)が
8日の40億ドルから15日は1528億ドルに急拡大して、かつ、新たな流
動性供給策が119億ドルとFDICが設立の新銀行向け貸付が1428億ドル
で合計3075億ドル(40兆円強)の資金供給になり、FRBの総資産が大幅
増になっている。ということで、QTも終了しQEとなっている。

シフの言うQEエクストラ・ライトである。これは、リーマンショッ
ク時より大きな金融緩和になっている。中央銀行バブル崩壊の危機
になり、FRBは、より大きな金融緩和をし始めた。これは高インフレ
になることが見えている。

それと、金融不安心理は、次の対象を探し始めている。この対象と
して、不動産投資信託が出てきて、ボルネード・リアルティ・トラ
ストで、ニューヨークやサンフランシスコでホテル、商業施設を多
数所有しているが、この前の金融危機の安値を既に割り込んでいる。

徐々に金融危機の範囲が広がってきている。これを主導するのが、
空売りをするヘッジファンドである。ここは、大きく儲けることに
なり、我も我もと空売りに参入している。

もう1つ、クレディ・スイス銀行のインベストバンキング部門は、
大量のデリバティブ取引を行っている。このため、クレディ・スイ
ス銀行が破綻すると、世界的な連鎖が起きて、金融危機は世界に広
がることになる。

このため、スイス当局の指導の下、スイスの金融大手UBSが、経営不
振のクレディ・スイス銀行に対する買収交渉を進めているが、スイ
ス中銀は2行に対し、週明けの金融市場の取引開始前に合意に至るよ
う求めているという。

これに対して、UBSは、クレディスイス買収条件として当局に60億ド
ルのリスク保証を要求した。デリバティブでの損を保障してほしい
ということであり、また、買収後、クレディ・スイスの社員をおよ
そ1万人を解雇するともいう。

しかし、デリバディブの損が巨大だと、スイス中央銀行でも救うこ
とはできないようだと、ルービニ氏は言う。しかし、欧米銀行の多
くが、リーマンショックの損失を簿外で処理して、含み損を抱えて
いる。このため、問題銀行はまだまだ多くあるので、注意が必要で
ある。

どちらにしても、金融危機で世界経済を景気後退に追い込む可能性
がますます高まっている。

そして、信用膨張が逆回転して、大幅な資産価格下落や金融収縮な
どが起きることになりそうである。

景気後退になると、FOMCは利下げを開始することになるが、株価の
暴落になる可能性がある。

この安値を待っていたのが、バフェットであり、現金比率を上げて
いた資金で、安値の株を買うことになる。特に銀行株と不動産株で
あろう。バフェットの買いの時期に来たようである。

そして、その結果、米国経済は、危機のたびに、信用膨張を繰り返
してきたが、インフレ高騰になり、その効果が薄れて衰退すること
になる。最後の宴が終わろうとしているようだ。

今後は、中国が中心で、それに対抗する日欧米の連合軍が対抗する
図柄になる。米国に頼ることができなくなる。早く、日本も普通の
国にすることであり、防衛政策を見直すことである。中国対抗の最
前線に日本はなっていることを、肝に銘じることである。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は
24,717円の底値になり、3月10日は28,143円で、13日は311円安の
27,832円、14日は610円安の27,222円、15日は7円高の27,229円、16
日は218円安の27,010円、17日は27,333円。

先週の株価は大幅下落となったが、27000円をキープした。激動の
1週間が過ぎ、しかし、まだ安心はできない状態である。日本は、
マイナス金利であり、利上げを行っていないことで、日本の銀行の
問題ではないが、日本市場の取引の7割を海外投資家が行っているの
で、米国や欧州の金融危機の影響を受けてしまうことになる。

この影響をもっとも受けているのが、ソフトバンクGであり、株価
は5000円割れになっている。欧米ベンチャーの倒産が増えることに
なるので、仕方がない。

財務省と金融庁、日本銀行の担当官が三者で会議をして、今後の国
際金融状況を確認したが、4月に日銀の新体制が発足することを踏
まえ、「移行期にあっても市場がさまざまなリスクを抱える中で政
府、日銀が切れ目なく緊密な連携を図り、対応に万全を期すことが
重要」とした。しかし当面は世界の金融状況を注視するしかない。

もう1つ、日本だけ金融危機の影響がないことで、金融危機から逃
避するマネーが円に流れることで円高になることである。現時点は
132円であるが、130円にはなるようだ。120円台に一時的になる可能
性もある、

黒田総裁の金融緩和維持が日本を救うことになりそうである。日本
だけが大幅なインフレにもならず、金融危機にもならずに、乗り切
ることになる。

コロナ感染の大流行時に、欧米諸国は月20万円もの援助を全国民に
していたが、日本は年間10万円という小額しか援助しなかった。こ
れにより、円安での海外輸入品以外ではインフレも起こらず、乗り
切れた。

この結果、日本だけが、金融危機にならないことで、世界のベンチ
ャーは日本で起業する方が良いことになる。このため、欧米のベン
チャーが日本に来ることになるので、その対応策を、今から準備し
ておくことと、世界のベンチャーに日本の金利がゼロであり、日本
での起業が、一番得をすることを宣伝することである。

日本の時代が来ることになる。民主主義国であり、かつ、金利水準
がゼロであり、社会制度が欧米のようなシステムであり、自由な環
境である。

中国は、専制主義であり、いつ民間企業や経営者を拘束するか分か
らない。このような国では、まともな経営ができない。

それと、日本では、製品を作る環境があり、ファブレスで製品が作
れることができる。とうとう、日本の時代が始まっている。

逆に、日本企業で中国で工場も持つ企業は、早く日本に回帰するこ
とである。このサイトでは、数年前から中国から撤退を進めていた
が、今後は、地政学リスクが高まり、より真剣に対応することが、
望まれることになる。

反対に、この日本は世界に開かれている必要がある。移民制度など
の改革を急ぐ必要がある。それにより、高死縮退化を防げることに
なる。

魅力ある日本は、日本人に期待しないで、世界からのベンチャー起
業に期待することであり、そこで雇用が生まれたら、世界から人材
を求めることである。

このような国家を目指して、制度を変更するべきなのである。米国
の衰退で、その代替を日本が引き受けることである。米国は貧富の
差が拡大して、社会主義的な制度にするしかない。富裕層に増税し
て、ベンチャー優先ではなく国有企業中心に低価格なサービスを行
う国になる。

もう1つが、日本の生産性向上と人手不足対策をすることである。
国内でも長距離の輸送は、鉄道輸送中心にすることや農業経営を大
規模農業に変更するなど、人手不足の現場をどう変えるか、全体で
の生産性を上げる方向で見直すことである。

2.ウクライナ戦争の推移
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ロ軍は、バフムト包囲を完成させるために、兵力と砲弾などを集め
たが、とうとう、兵力も装備も枯渇し始めている。このため、攻勢
限界になり始めているようである。というか、ロ軍精鋭部隊はバフ
ムトから離れ始めている。

・バフムト方面
ウ軍も増援部隊を出して、バフムトを死守するとしたが、ロ軍大規
模攻勢の成果がバフムトで出している。ウ軍は、バフムトの防御に
他地域から部隊を回し、懸命に防戦している。

ロ軍は、ワグナー軍と正規軍が仲間割れしていることで、攻撃頻度
が少なくなっている。人海戦術で犠牲者を無視した攻撃をしていた
が、補充ができなくなっている。ロ軍精鋭部隊が、ワグナー軍をフ
ォローしなくなっている。

特にワグナー軍は主力部隊を投入したが、その損耗が大きく、かつ
補充ができないことで、前進が停滞している。ザリジネンスクを占
領して、その先のミシキウカを攻撃している。もう1つが、バフム
ト市内金属工場を占領した後、前進ができない状態である。

バフムトフカ川の防衛線は、ワグナー軍は突破できずにいる。南側
は混戦模様であり、ウ軍も反撃に出て、両軍がジグザグの前線にな
っている。

ロ軍は、トボボ・バシリフカも占領し、オリホボ・バシリフカを攻
撃したが、ウ軍に撃退されている。

また、ワグナー軍は、ヤヒドネを占領したが、その先には前進でき
ないでいる。ワグナー軍は、補充なしなので、バフムト周辺に散在
していることで、陣地の防衛しかできない状態になり始めている。

ロ軍は見捨て始めた。ウ軍の攻撃でワグナー軍は身動きできない。
ワグナー軍は前線にしか存在しないので、後方に下がっても状況は
同じであり、後退もできないようである。

フリゴジン氏が2024年の大統領選挙に出るとか、ワグナー軍を思想
を持った軍にするとかの発言で、クレミリンはワグナー軍の排除を
決定したようである。ロ軍精鋭部隊とワグナー軍の混成部隊を解散
して、ロ軍精鋭部隊を他地域に移動させたようだ。

もう1つが、親ワグナー軍のロ軍司令官を降格したり、退役させて
いる。ワグナー軍への補給もロ軍と同等程度にしたことで、ワグナ
ー軍の損耗率が上がり、ワグナー軍の行動を制限させることになっ
て、攻撃が減ったようである。

ナンバー2のパトリシェフ安保書記によると、あと2週間でワグナ
ー軍は崩壊すると、プーチンに説明しているようである。

バフムトの南側のイワニフカに攻めていたロ軍を道から遠ざけて、
T0504主要道を確保しているが、この地域ではウ軍が反撃に出ている。

ウ軍はバフムト市内から、ジャーナリストを退去させた。撤退か反
撃を始めるようである。

バフムトの北のフェドリフカ攻撃のロ軍もバフムトに移動したよう
であり、攻撃がない。ビロホリフカへのロ軍攻撃は再開したが、損
害を出しているが前進できない。

当分、戦況が揺れ動く事態になる。このコラムは、3月19日朝時点で
の記事であり、今後の展開は変化する可能性がありますので、ご容
赦ください。

・ドネツク方面
ドネツクのマリンカでは、ロ軍は攻撃して西側で前進している。こ
こでもロ軍精鋭部隊がバフムトから移動してきたようである。

アウディーイウカ周辺でロ軍は攻撃して、クラスノホリフカとベゼ
ルを占領した。この地域のウ軍をバフムトに回したことで、防御力
が落ちたことで、ロ軍は兵力をバフムトから移動させて、攻撃した
ことで、アウディーウカ周辺で戦果を挙げたようであり、ウ軍も増
援部隊を急遽派遣している。

そして、セベルネ、プレボマイスクでもロ軍が前進している。

ロ軍が戦線での主導権を持っているので、ロ軍は、ウ軍の手薄なと
ころを探して、そこにロ軍精鋭部隊を回して攻撃することができる。

防御一辺倒なウ軍は、どうしてもロ軍の攻撃地点に増援を送る方法
であるので、毎回、少しづつロ軍に占領地域を拡大されている。

しかし、ロ軍の戦車などの機動部隊ではなく歩兵突撃部隊での攻撃
であり、泥濘の時期も併せて、進軍スピードがなく、すぐにウ軍も
増援を送ることでできるのが幸いしている。

逆に、ウ軍はボラレダラで反撃に転じて、オレポポを威力偵察して
いるが、ロ軍の塹壕は重厚にできていて、そう簡単に突破は難しそ
うである。この攻撃は、大攻勢の準備でもあるが、ロ軍の塹壕や要
塞は攻めにくいようである。

・スバトボ・クレミンナ攻防戦
ロ軍は、クレミンア方面で大損害を出して、攻撃を中止したようで
ある。逆にウ軍がクレミンナ市内西端に達して、市内を攻めている。
また、その南にもウ軍が攻撃して前進しているようだ。

クピャンスク方面では、ロ軍機甲師団と機械化歩兵旅団の1万人で
攻めてきて、ドバリチネをロ軍が占領して、リマンペルシーを攻撃
している。ここでもロ軍はバフムトから戻して攻撃し始めた可能性
がある。

・ウ軍の状況
ウ軍の大隊司令官が、ソレダルの戦いで、主力歩兵戦力の大部分が
失われて、ウ軍も大きな損害を受けていると告白したが、この大隊
長は降格されている。

しかし、ウ軍の戦線離脱者も最大12万人であると米紙ワシントン・
ポストも述べている。ロ軍の戦線離脱者は、その5倍以上であり、70
万人以上となる。しかし、ロ軍動員力は200万人であり、ウクライナ
は半分の100万人以下であり、どちらが先に根を上げるかの勝負とな
っている。

消耗戦を戦うことはウクライナにとっては、厳しいことであり、早
く勝利して、ロシアを負けたとさせることであり、そのためには、
優秀な兵器とロシアに負けない砲弾数が必要なのである。

しかし、これができないでいる。ウ軍が持ちこたえているのは、兵
士の愛国心でしかない。この兵士たちに応えるためにも、早く欧米
兵器や戦闘機を供与して、世界から欧米戦闘機のパイロットをウ軍
に参加させることである。

しかし、まだ、ポーランドは、ウ軍に近日中に4機のミグ29戦闘機を
引き渡すが、米国はF-16の引き渡しを拒否している。ウ軍の苦境を
脱することはできないようである。スロバキアは13機のミグ29戦闘
機を引き渡すが、ないよりなしであるが、ロシアと同等な兵器であ
る。

そして、9カ国が計150両のドイツ製戦車「レオパルト」をウクライ
ナに供与することを約束したが、この供与がいつかである。多くは
レオパルト1であるので、前世代の戦車である。

イスラエルは、ウクライナへの対ドローン兵器輸出を承認した。こ
の兵器は、電波を妨害(ジャミング)してドローンの機能を停止さ
せ、無力化するタイプで、ドローンの信号を妨害できる範囲は約40
キロと報じられている。これにより、イスラエル・ロシア関係の悪
化は避けられないようだ。

ウクライナは、自国生産の150Km射程距離の「ウルハM」があり、こ
れでザポリジャー州マリウポリの露軍を攻撃しているが、その生産
体制が問題であり、ウクルボロンプロムは。NATO諸国で生産してい
るという。

トルコ政府も欧米の制裁に従うことを決定、3月1日より制裁品の
トランジットを拒否したため、ロシアはカザフスタンに緊急に助け
を求めている。

国際刑事裁判所(ICC、本部オランダ・ハーグ)は17日、ロシ
アが侵略するウクライナの子供の拉致に関与した疑いがあるとして
、戦争犯罪の容疑でロシアのプーチン大統領に逮捕状を出した。

これに対して、ロシア高官らは、プーチン大統領に逮捕状を出した
国際刑事裁判所(ICC)に一斉に反発した。共に逮捕状を出され
たリボワベロワ大統領全権代表(子供の権利担当)は、ICCが問
題視したウクライナの占領地からの子供連れ去りは「保護」と主張
。「われわれは仕事を続ける」と宣言した。

一方、ウクライナのゼレンスキー大統領は「歴史的な決定だ」と歓
迎した。

国連とトルコが仲介した「黒海穀物イニシアチブ」はロシアが60
日の延長に同意した。これは、国連、トルコとウクライナだけで、
延長することもできるので、ロシアとしても同意するしかないが、
期間の短縮を条件としたようである。

・ロシアの状況
次の40万人の徴兵を開始したようであるが、召集令状をもって、召
集場所に行くと、志願兵とすると宣言されるようである。プーチン
も40万人の兵募集を開始することを命じたが、徴兵ではないという。

あくまでも募集であるが、各共和国や州にはノルマを課しているの
で、各州は徴兵制度での召集令状を国民に配達しているが、召集に
応じないこともできるようである。あくまでも志願兵を集めるから
である。

ロシアは、砲弾を月30万発も生産できるが、ウクライナと欧米諸国
合計で月11万発しか生産できない。この差が戦場での砲撃数の差を
生んでいる。これも足りないので、北朝鮮やイランから集めていた
が、それもできなくなり、中国の砲弾も必要となっている。

しかし、すでに、中国製爆薬をロ軍は使用しているようであり、中
国製を使用する第三国経由の可能性もあり、米政府は分析を進める
。供与していた場合は制裁措置を取る構えで、米中対立が一層の拡
大することになる。

すでに、中国がドローンや電子部品などをロシアに提供しているが
殺傷兵器は提供していないとしていた。この状況が変化する可能性
がある。

その上、習近平国家主席が20日から22日にモスクワを訪問して、プ
ーチンと会談するという。この場でプーチンは、砲弾や兵器の供与
などを依頼するはずであり、中国がどう出るのかが問題である。

プーチンは「ロシアの存続を掛けた戦いであり、勝利のためには、
国民は団結する必要がある」と述べている。長期的な戦いを進める
ために、軍事企業の生産体制を整えていくことと、海外から電子部
品などを集める必要がある。中国からの物品提供が重要になってい
る。

・世界の状況
中国が世界の調整役として、出てきた。習近平はロシアのプーチン
と会談した後、ゼレンスキー大統領とも電話会談をする予定で、中
国が、仲裁役を務めることになる。

米国は、ウ軍を支援するが、世界の調停役はできず、パックス・ア
メリカーナの威光はなくなりつつある。

米国支援の下、イスラエルもイラン攻撃の予定が、サウジがイラン
と国交正常化を行うとなり、中東で孤立化することになると、イラ
ン攻撃ができない状態になっている。

その上、世界情勢は、欧米の金融危機で、状況が変化したようであ
る。米国は当面、中国の動きを静観するようである。

なお、トルコがフィンランドのNATO加盟批准プロセスを議会で開始
すると表明した。ハンガリーも27日にフィンランドのNATO加盟
批准の採決を議会で実施予定であり、これでフィンランドはNATOに
加盟できるようだ。

そのトルコでは、5月14日実施のトルコ大統領選で、野党候補のケマ
ル・クルチダルオール氏が現職のタイイップ・エルドアン氏に10ポ
イント以上の差をつけてリードしている。もし、クルチダルオール
氏が大統領になると、中立から欧米寄りにシフトするので、仲介が
できなくなり、中国しか仲介ができない事態になる。

しかし、その中国がロシアに直接、武器・弾薬を提供すると、欧米
日は、中国への経済制裁を行う可能性も出る。

アップルは、中国のサプライチェーをインドや東南アジアに構築し
直しを完成しているが、これは経済制裁を見越した動きである。日
本企業も早くサプライチェーンから中国を外す必要がある。

中露対欧米日の経済途絶に向かったいることを、企業経営者は知る
必要がある。

さあどうなりますか?


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