ロ軍のバフムト包囲網完成真近でも、ウ軍はバフムト撤退をせずに 死守するようである。今後の戦況を検討しよう。 津田より 0.米国と世界の状況 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202 ドルで2022年年初来安値となり、3月3日は33,390ドルで、6日は40ド ル高の33,431ドル、7日は574ドル高の32,856ドル、8日は58ドル安の 32,798ドル、9日は543ドル安の32,254ドル、10日は345ドル安の 31,909ドル。 先週、株価は大きく下落した。7日にパウエルFRB議長の議会証言で タカ派の発言で大きく下がり、9日はSVB株の60%下げで市場の雰囲気 は大きく変化した。10日も下げて、週間の下げ幅は1481ドルと、 2022年6月中旬以来の大きさとなった。 そして、シリコンバレー銀行(SVB)は、カリフォルニア州の金融保護 当局によって閉鎖され、米連邦預金保険公社(FDIC)の管理下に置か れた。SVBの総資産は28兆円であり、リーマンは70兆円より小さいし 、全米銀行の16位にある銀行でした。しかし、10日は、このSVBショ ックの波及で、ファースト・リパブリック・バンクが一時53%安、 パックウェスト・バンコープが一時37%安と急落し、金融サービス のチャールズ・シュワブ株が12%続落した。徐々に金融サービス全 般に下落が拡大している。 それと、スイスの銀行クレディ・スイス・グループの株価は一時8.2 %下落し、過去最安値を更新した。このように、金融システム全体 に波及することへの警戒感から、金融株を中心に売りが膨らんだ。 そして、あるベンチャーキャピタル(VC)関係者は「9日夜から投資先 が一斉に預金を引き出している」と明かす。信用不安が増幅し、資 金繰りが一気に行き詰まったとみられる。身売りも買い手がつかな いという。ベンチャーの大量倒産に一歩前進したようである。金融 業会に飛び火する可能性もある。 これに対して、イエレン米財務長官は10日、国内銀行システムの「 強靱さに変わりはない」と述べ、火消しに走った。 もし、ベンチャーの大量倒産になると、ベンチャー関連の金融機関 も金融危機になる可能性があり、金融パニックを起こすと、FRBも対 応策を出さないといけくなる。ベンチャーの資金繰り難の結果、米 リストラは1─2月で18万人超で、このほとんどが、ベンチャー企業 などのハイテクと金融業である。 一方、10日の2月米雇用統計で失業率は3.6%で、予想は3.4%、前回 は3.4%であり、非農業部門雇用者数は+31.1万人で、予想は+22.5万 人、前回は+50.4万人となり、平均時給の伸び率は前月比0.2%と予想 の0.4%には届かなかった。この結果、ソフトランディング(軟着陸 )になるとみられて、FOMCの0.5%利上げの可能性が減ったと市場は 予想したようである。 パウエル議長は、インフレが続いているので、利上げを行う姿勢を 明確にして、3月0.5%利上げも可能性ありと市場に思わせたが、雇用 統計とSVB破綻で市場は0.25%利上げと見たようだ。 しかし、金融危機になると見て、F&Gインデックスは強い恐怖の24ま で下がった。この数値が10以下になれば、市場が下げ過ぎの状態に なり、買い時になる。そして、10年債金利も3.7%まで下げた。 もう1つ、イエレン米財務長官は、米国がデフォルト(債務不履行 )に陥れば「経済、金融の崩壊」が引き起こされると警告し、議員 らに連邦債務の上限を無条件で引き上げるよう呼びかけた。この問 題にも注意が必要である。 もう1つ、地政学リスクが出てきた。イスラエルがイランに対して 、戦争を開始することになるとオースティン米国防長官は、ネタニ ヤフ首相との会談後で述べ、イスラエルの対イラン軍事作戦がごく 近い将来に開始されるとした。 一方、サウジアラビアは、イランと国交を正常化した。この仲介を 中国が行い、中国と中東の関係は非常に良いことになっている。 この地域は米国を離れて、中露に味方するようである。米国の力の 限界にきている。サウジは、一方でイスラエルとの国交を結び、中 立化するようであるが、どちらかというと中国寄りになる。 ということで、中東は中露サイドになり、イスラエルは欧米サイド になったことで、ここで、大戦争になる可能性が出てきた。 ウクライナ戦争は、中東大戦争の発火点になるようであり、今後の 大問題になるのは中東戦争・イライス戦争になる。 イスラエルに味方するのが、クルド人であり、サウジなどのスンニ 派は中立、シーア派は敵になる。シーア派盟主のイランは、シリア からイスラエルに攻めることになる。トルコも中立であろう。イス ラエルはクルド人地域からイランに攻め込むしかない。 中東戦争になると、石油危機が起きることになり、日本や世界は、 今までのようなエネルギー供給が受けられなくなる。その上、米国 有数のシェール鉱床であるパーミアン盆地では、生産活動が低下し ており、優良油井が尽きつつある。このため、代替の米シェールオ イルの量も拡大できないようである。 ということで、太陽光発電を急速に普及させないといけない。その 意味でも、中東情勢を熟知している小池知事の見通しは卓越である。 ということで、黙示録の第2章が始まる可能性が出てきた。戦争の時 代が始まり、それが拡大して、第3次世界大戦になっていくような感 じである。 その結果は核戦争であり、イスラエルのアルマゲドンに核ミサイル が落ちるという結果になりはしないかと心配になる。 それにしても、イヤな感じになってきた。 1.日本の状況 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、3月3日は27,927円で、6日は310円高の 28,237円、7日は71円高の28,309円、8日は135円高の28,444円、9日 は178円高の28,623円、10日は479円安の28,143円。 先週の株価は大幅上昇で28,623円での初来高値になったが、10日に は、米株価の大幅な下落で、日本株も大きく下落した。日経先物も 下落が続き、27,510円まで下げている。3月13日の朝は、28,000円割 れから始まるようである。 そして、3月10日に黒田総裁の最後の日銀政策会合であったが、金融 緩和維持となり、日米金利差が開くことになるが、円安が金利差ほ どには、進まない。米国が金融危機の可能性も出て、円安にはなら ないようである。その上に、10年米国債金利が3.7%になり、円相場 は134円台と円高方向になった。 しかし、2月企業物価8.2%上昇となり、1月9.3%で上昇は低くなった が、まだ高い状態であり、インフレ対応の金融政策が必要であるか もしれないし、米金融危機で金融緩和が必要になる可能性もあり、 日本の金融政策は、難しくなる。 1月消費支出0.3%減で、3カ月連続のマイナスになり、少なくとも、 スタグフレーションという事態になる可能性が高い。その上に石油 危機が来たら、どうなるのであろうか? 18切符の期間であり、この期間は地方の活性化を探る旅行をしてい る。新潟に行ってきたが、新潟の中心である本町商店街は寂れてい たが、ピア万代という駐車場完備の新しい賑わいができていた。地 方都市でも観光客が来ないイオンモールではなく、地元民と観光客 の来れる駅から近い賑わいを作り、都心を復活してほしいものであ る。 次に、小湊鉄道といずみ鉄道に乗ってきたが、この2社の経営が違う。 小湊鉄道は、古い気動車と途中からはタブレット式のシステムであ り、線路保守もあまりされていないためか、揺れが大きい。しかし 、沿線に養老渓谷や笠森観音などの観光地があり、その輸送で観光 客も多い。しかし、JTBなどの観光コースの旅行者はいない。 一方、いずみ鉄道は、旧国鉄から民間会社になったことで、信号機 システムが完備されて、車両も比較的新しい。線路整備もされてい るので、小湊鉄道より揺れが少ない。しかし、沿線に観光地がない。 このため、鉄道その物を観光化して、線路脇に菜の花や桜を植えて 、観光化したことで、JTBなどの旅行社が観光コースに組み込ん だ。 なるほどという感じである。いずみ鉄道の観光化戦略は地方鉄道の 生き残りに1つの指標を与えているようである。地元の乗客もいる が、多くが観光客である。 津軽鉄道のストーブ列車も観光客しかいなかったが、特徴ある鉄道 にすれば、観光客が乗りに来ることがわかる。 2.ウクライナ戦争の推移 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ロ軍は、バフムト包囲を完成させるために、兵力と砲弾などを集め ているようだ。 ・バフムト死守はできるか そして、ウ軍も増援部隊を出しているが、それでもロ軍大規模攻勢 の成果がバフムトで出している。ウ軍は、バフムトから撤退して、 チャンプ・ヤールに新しい防衛線を作っているが、当面はバフムト を死守するという。 ロ軍は、クレミンナやドネツクの攻撃要員もバフムトに回している ようだ。多くの方面で攻撃が少なくなっている。人海戦術というこ とは、人的資源を集中して、ウ軍の数倍以上の人員を集める必要が ある。 ウ軍も大増援部隊を出して、ロ軍の人海戦術に対抗するので、ロ軍 も人員を集める必要になる。そして、人的被害を無視して進撃スピ ードを上げるしかない。ワグナー軍の主力部隊を投入したことで、 巧みに前線を突破していく。 ウ東部軍広報官セルヒー大佐は、「バフムートでの戦闘は極めて激 しく、ワグナー軍は高練度の主力兵士たちを投入している」と述べ た。 このため、ワグナー軍は、M03号線を超えて西側のベルキウカを占領 し、トボボ・バシリフカも占領した。そこを超えて、地方道00506線 を切りにきている。しかし、カザリジネスクへの攻撃は下火になっ ている。この方面の兵力をトボボ・バシリフカ攻撃に差し向けたよ うである。トボボ・バシリフカ占領後は、再度カザリジネスクを攻 撃している。 また、ロ軍とワグナー軍は、ヤヒドネを占領したが、その先には前 進できないのでバフムト方向に前進して、金属加工工場付近でウ軍 と戦闘になっている。現在はワグナー軍の第3波が、ロ正規軍で置 き換えられつつある状況であり、ウ軍もここに大部隊を送り、攻撃 を抑えている。ワグナー軍の兵力は、トボボ・バシリフカとバフム ト東部に集中しているのであろう。 ウ軍陸軍司令官のシルスキー大将は、バフムトに滞在し「まもなく 始まる反転攻勢まで時間を稼ぐ必要がある」と部隊を鼓舞し、ロ軍 の侵攻を食い止める姿勢を強調し、さらなる増援でバフムトを防衛 するようである。 しかし、チャンプ・ヤールにあった大隊司令部が砲撃されて、大隊 司令官が死亡したことで、これも関係しているようである。 ワグナー軍は、戦術の柔軟性が高いので、ウ軍もおちおちできない。 トボボ・バシリフカの陥落で、メインのM03補給路だけではなく、地 方道00506道も切断される可能性が出てきた。 一番痛いのが、ウ軍がベルキウカを奪還する攻撃をしていたが、こ の部隊の後方からワグナー軍に攻撃されることになるので、撤退す るしかないことである。 バフムト市内を流れるバフムトフカ川の橋を破壊したことで、ウ軍 は、バフムト市東部から撤退して、川を防御線として戦う予定でし たが、ワグナー軍は、このバフムトフカ川の渡河に成功して、市の 西に攻撃してきて、第5小学校が占拠されたが、このワグナー軍を排 除したようであり、再度、バフムトフカ川が防衛線になったようだ。 これにより、ワグナー軍トップのプリゴジンは、バフムトの東部を 占領したと豪語している。今、バフムト攻撃にワグナー軍は必要と ゲラシモフ総司令官も判断して、砲弾や装備をワグナー軍に優先的 に補給し始めた。 しかし、ワグナー軍の消耗は、激戦で、しかも囚人の募集もロ軍か ら止められているので、兵員不足が起きているようである。海外兵 の募集も損耗率が高いことで、集まりにくい状況のようである。 しかし、ウ軍のワグナー軍撤退という期待は、潰えた。 ウ軍は、チャンプ・ヤールにつながる橋が、ロ軍により破壊された が、その橋を復旧して、補給路として地方道00506道を使って補給し ている。 バフムトの南側のイワニフカに攻めていたロ軍を道から遠ざけて、 T0504主要道を確保していたが、ロ軍精鋭部隊を送り、イワニスク市 内に取りついたようだ。市街戦になっている。バフムト南側でも、 ロ軍精鋭部隊を送り、ショッピングモールまで前進して、そこでウ 軍と戦闘になっている。このため、T0504主要道を補給ラインとして 使えないようである。今は、地方道00506線を補給線として使うしか ない状態である。 北から攻めてくるワグナー軍には負け気味であるが、南のイワニフ カを攻めるロ軍は精鋭部隊に置き換わり、ウ軍精鋭部隊は、ロ軍の 攻撃を抑えるようである。ウ軍はイワニスクまで後退した。 しかし、撤退時は、ウ軍の殿を務めるのは第93機械化歩兵旅団のよ うであるが、T0504主要道の周辺までロ軍が来ている。撤退の可能性 はまだある。 バフムトの北のフェドリフカ攻撃のロ軍もバフムトに移動したよう であり、攻撃がない。ビロホリフカのロ軍攻撃もなくなった。ここ の部隊もバフムトに移動したようである。 そして、このバフムトではウ軍の砲撃量の4倍以上もロ軍は砲撃し ているが、セベロドネツク攻撃時は、ウ軍の10倍の砲撃であった時 から比べると、ロ軍の砲撃量は減っているともいう。 当分、戦況が揺れ動く事態になる。このコラムは、3月12日朝時点で の記事であり、今後の展開は変化する可能性がありますので、ご容 赦ください。 ・ドネツク方面 ドネツクのボハレダラとマリンカでは、ロ軍は攻撃しているが撃退 されている。バフムト以外では、ロ軍の攻撃力が弱い。 アウディーイウカ周辺でもロ軍は攻撃しているが、撃退されている。 ・スバトボ・クレミンナ攻防戦 ロ軍は、この方面で大損害を出して、攻撃を中止したようであり、 部隊をバフムトに回しているようだ。 しかし、クピャンスクに向けて、ロ軍機甲師団と機械化歩兵旅団の 1万人で攻めてきているが、ここでも、フリャニキウカへの攻撃がな くなった。ここのロ軍もバフムトに移動した可能性がある。。 ・その他 ウラジオストク近郊のアルチョム空軍基地で、Su-27戦闘機が放火さ れた。自由ロシア軍のパルチザンがやったようだが、シベリアにも パルチザンがいるようだ。 ・インフラ攻撃 ロ軍は9日、ウクライナ全土へ1月以降最大規模となるミサイル攻撃 を実施した。発射されたのは計81発で、28発が巡航ミサイルKh101、 Kh555で、20発が高精度巡航ミサイル「カリブル」、13発が地対空ミ サイルS300で、米欧のミサイル防衛では迎撃できない極超音速ミサ イル「キンジャル」6発、飛行速度が速く迎撃が難しい空対艦ミサイ ルKh22、Kh31、Kh59などであった。 そして、ロ軍はミサイル攻撃に先立ち、8機のイラン製ドローン攻撃 した。このインフラ攻撃で、各地で停電が生じたが、回復不能なレ ベルの被害ではないという。この攻撃で、少なくとも11人が死亡、 22人が負傷した。 迎撃したのは、巡航ミサイル34発と無人機4機であり、キンジャール は1つも迎撃できなかった。 ・ウ軍への支援 日米欧がロシア資産を凍結したが、その金額は8兆円であり、ウク ライナ復興資金に充当するという。 日本の政府・自民党は、ウクライナなどの被侵略国に殺傷力ある武 器を援助できるように、輸出緩和案を検討し始めた。世界戦争の序 章の内に、関係法を見直す必要がある。戦争の時代であることを肝 に銘じることだ。日本は復興支援で224億円を提供しているが、軍事 的な支援ができていない。世界の二分する戦争の時代に備えて、普 通の国になるしかない。 国連とトルコが仲介した「黒海穀物イニシアチブ」は昨年7月、ウ クライナの3つの港から穀物を輸出することを可能にした。この合 意は11月に120日間延長され、反対がなければ3月18日に延 長されるが、ロシアはすでに、ロシアの輸出に影響する規制が解除 された場合にのみ、延長に同意すると表明している。 今後、国連、トルコとウクライナだけで、延長する可能性もある。 エルドアン大統領が、どうするかが見ものである。黒海ではトルコ の海軍艦船量は、ロシアの10倍もあり、貨物船のコンボイをトルコ 海軍が護衛するので、ロ海軍が攻撃すると、トルコとロシアの戦争 になりかねない。 スロバキアは、ミグ戦闘機10機とポーランドも30機のミグ戦闘機を ウ軍に供与することが決定した。 逆に、スイスは、レオパルト2の第3国経由でのウ軍供与に対して、 拒否した。このため、スイスから他国への兵器輸出は、今後なくな りそうである。スイスの代わりをするのが韓国のようである。韓国 はウクライナへの第3国経由輸出を認めるという。 それと、パキスタンが44両のT-80UD戦車を西側からの財政支援と引 き換えにウクライナに供与するようである。パキスタンも欧米サイ ドになる。 しかし、ポーランドのスキプチャク将軍は、ウ軍の反攻に必要な西 側戦車の数は少なくとも400〜500両だ。レオパルド2戦車は1個大隊 では不十分で、16〜20個大隊が必要だ。今年中に戦争を終結させる ために、レオパルド、エイブラムス、チャレンジャーなどの最新戦 車の納入を早めるよう、西側に呼びかけた。 というように、まだ準備が不十分である。それと、デンマーク、ド イツ、オランダのレオパルド1戦車約100台のうち、最初の1台が5月 上旬にしかウ軍に渡されないということで、5月以降、夏にしか戦車 400両は揃わないことになる。もしかしたら、夏以降秋になる可能性 もある。2023年中に戦争終結が難しいような情勢である。 ぐづぐづしていると、米中の対決が極まって、世界戦争になってし まうよ。世界戦争にしないためにも、早くロ軍を敗退させて、停戦 に持ち込む必要がある。 インドは中立から若干欧米よりにシフトした。対中では日米に組す るが、対ロでは組しないが、より中国の強さが際立ち、欧米に寄っ てきた。 それと、ハンガリーもロシア離れになるようである。セルビアがロ シアから離れでEUサイドに鞍替えしたことで、ハンガリーもNATO に留まることを優先するようである。ということで、スウェーデン とフィンランドのNATO加盟を承認するようである。 残すはトルコであり、5月の大統領選挙後にしか判断できないという。 しかし、トルコ政府も欧米の制裁に従うことを決定、3月1日より ロシアへの物資の提供やボスボラス海峡通過を禁止した。というこ とで中立から欧米サイドにシフトした。 このことから、次に注目なのが、アルメニアとジョージアでしょう ね。ジョージアは親EUデモで、ロシア風「外国の代理」法案を取り 下げた。 また、EUボレル外交安全保障上級代表(外相)は、ウクライナに侵 攻するロシアへの制裁措置について、「これ以上することはほとん どない」とした。金融活動作業部会FATF(ファトフ)からロシアを除 名することになり、強度の制裁になる。 金融活動作業部会FATF(ファトフ)とは、マネーロンダリングやテロ 資金供与などへの対策を監視する国際的な枠組みであり、これから の除名とは、世界との貿易から排除されることであり、イランと北 朝鮮はすでに除名されている。 ということで、今後は、財政・軍事面でウクライナ支援を一層強化 する必要があるとしたのだ。 FATF除名された国と貿易をすると、その国も除名されることになる ので、トルコもハンガリーもロシアから離れるしかないことになる。 しかし、中国はどう出てくるのかが、まだ分からない。 ちょっと違った支援としては、ラトビアで酒気帯び運転により押収 した車をウクライナへ寄付されるとのことである。これは多くの国 で真似できそうである。 ・ロ軍への支援 ベラルーシのルカシェンコは、中国訪問で、兵器工場の建設と技術 移転とそれに伴う中国の投資を呼び込み、続いて、イランを訪問す る。ここでも武器工場をベラルーシに作ることになるようである。 イランと北朝鮮は自国に備蓄していた弾薬と火器をロ軍に提供した が、イランは核技術をロシアから手に入れたようであり、核兵器を 作れるようになっている可能性が高い。 これに危機感をイスラエルは感じて、イライス戦争になるようであ る。この2国は、核戦争になりやすい。地続きではなく、ミサイル 攻撃から戦争が開始するからである。 そして、リトアニア情報部門は、ロシアはあと2年程度、今のレベ ルの攻撃ができると分析している。それは、冷戦中後の時期に弾薬 や兵器を備蓄したことで、膨大が予備があるからだという。しかも 、他国から砲弾等が提供されると、戦える期間は伸びるという。こ のため、プーチンは長期戦に持ち込み、ウ軍支援に欧米諸国が疲れ るのを待つ戦略になるようだ。 事実、トランプ氏が、米大統領になれば、ウクライナ支援は止める と宣言している。トランプが大統領になったら、停戦になる。 ・世界の状況 世界情勢は、米中の2大巨頭の激突の道を歩み始めた。戦争の時代 になってきた。それも大戦争である。第3次世界大戦であろう。 このため、米中の勢力圏拡大競争になり、中国は手を出して、中東 をまず、手に入れたようである。 米国は、中央アジアに手を入れて、カザフスタンとの関係強化をし ているし、韓国を中国から引き離した。日本も同様に中国圏から引 き離そうとしている。台湾も米国陣営に取り込んだ。 この面からも、世界大戦争の序章が始まっている。民主主義と専制 主義の戦いになる。 中東は専制主義の国であり、中露陣営に着いてしまった。 経済も米国の金融危機を経て、民需から軍需に変えることになりそ うである。中央銀行バブル崩壊を何とか切り抜けるためには、大戦 争が必要なのであろう。 ウクライナ戦争は、その序章でしかなかったのである。このため、 早く、ウクライナ侵略戦争をロシアが不利になるように終わらせる 必要がある。米中対決の戦争にしないためにも、序章で終わらせる ことである。 そして、欧米諸国の動きに「グローバル・サウス」の諸国は冷やや かな目を向けている。「グローバル・サウス」の諸国の多くは、専 制主義国であり、中国か中立の方が得になるとみている。 21世紀は、地球滅亡の世紀になる可能性もある。そして、イスラエ ルとイランの動きに焦点が移ることになるようだ。 さあどうなりますか?