バフムト・ソルダーの攻防戦で、ロ軍は、人海戦術でウ軍を押し切 ったことで、ロ軍は人海戦術で戦うようである。今後を検討しよう 。 津田より 0.米国と世界の状況 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202 ドルで2022年年初来安値となり、1月13日は34,302ドルで、17日は 391ドル安の33,910ドル、18日は613ドル安の33,296ドル、19日は 252ドル安の33,044ドル、20日は330ドル高の33,375ドル。 先週、株価は下落した。NY連銀製造業景況指数が急低下で、1月 の同指数はマイナス32.9、12月はマイナス11.2で、前月から22ポイ ント近く低下した。景気後退が鮮明になってきた。 小売売上高もインフレ分の増加もなく、新築住宅着工件数も減少し 、製造業も受注が少ないが、新規失業保険申請件数は減少している 。証券・保険業界も減収であり、人員削減の嵐になり、徐々にFRBの 金利上昇から、業績動向も視野に入り始めたようで、逆業績相場の ようであるが、労働市場のひっ迫も続いている。 しかし、高給の正規社員は10万人減少したが、賃金の安いアルバイ ト社員は700万人も増えていることで雇用数は伸びているが、賃金の 伸びが、低く見えるだけのようである。 そして、IT企業も減益になり、テスラも他社に追いつかれ、金融業 界も減益と、米国はハイテク産業から防衛産業に主軸を移し始めて いる。20日、グーグルは、世界各国で1.2万人のレイオフを発表した ことで、株価は5%上昇した。ナスダック指数も2.6%上昇した。 このように、景気とインフレの両方を見る必要があり、2月のFOMCで は0.25%の利上げとの予想が主流になっている。 もう1つ、米国民の所得上位1%の富裕層への課税強化を打ち出して 、株、不動産などの資産に「時価評価」で所得税を課税する法案が イリノイ州で議論されている。この法案を米民主党は、米国全体で も導入したようである。このため、富裕層の米国脱出が起きること になりそうである。一部は、日本にも来ないかしらね? 豪邸を売る不動産会社のKBホームズのキャンセル率が68%まで上昇し ているという。2022年のキャンセル率は13%程度であり、景気後退の 予兆が出てきた。このキャンセル率上昇は、バブル崩壊の1年半前 に出るシグナルだと言う。 もう1つ心配なのが、米国債のデフォルトである。イエレン米財務 長官は、連邦政府の借入限度額を定めた「債務上限」を議会が引き 上げられず、米国がデフォルト(債務不履行)に陥れば、世界的な 金融危機に発展する可能性があると警告し、野党共和党に議会での 協力を求めた。しかし、共和党は財政縮小を交換条件にしている。 当分、拗れることになる。 そして、テスラの高性能な車は、最新の日産アリアの性能と比べて も同等か低いという結果も出てきて、テスラの時代は終わった可能 性がある。BYDのEVや日産のEVの方がコスパが高いようであり、中国 や日本市場では値段を引き下げている。 これと、自動運転機能も日産の方が上であるという。テスラのソフ トの機能改善が進んでいないことで、日産に追いつかれたようであ る。とすると、テスラの株価は、日産の株価に比べて高すぎること になる。日産株価が低すぎるとも言える。イーロン・マスク氏もテ スラ株を大量に売却しているし、性能を誇大広告するように依頼し たともいう。マスク氏はテスラの限界を知っているようだ。 ルノーとの交渉でも、日産の立場は強く、日産の悲願だった「不平 等」な資本関係を対等にして、両社がEVで世界に攻勢をかけるよう である。自動運転機能のソフトが米IT企業に盗まれる危険も回避で きたようである。テスラより上質のソフト資産をガードする立場に なっている。 ・中国の状況 IMFのゴピナート筆頭副専務理事は、中国経済について、コロナウイ ルス対策解除後の感染動向からみて第2・四半期以降に急激な回復 を遂げる可能性があるとした。 中国も自国経済の悪い状況が分かり、欧米資金の取り込みが必要で あり、このため、ロシアの同盟国という欧州や米国の認識を変える 必要になっている。しかし、台湾統一は維持する必要にあり、経済 面での欧米認識を変えるのは、ロシアとの関係を変化させる必要で ある。 この面から、とうとう、ロシア離れになったようである。それは、 後ほど見ていく。 もう1つ、習近平は、国有企業の振興で民間企業の抑制であったが 、民間企業振興に立場を変えたようである。「ゼロコロナ」政策か ら、コロナでの制限撤廃という変化もあり、急速な回復になるよう だ。このようなことで、中国株が大幅な上昇をすると、モルガンス タンレーは見ているようである。 1.日本の状況 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、1月13日は26,119円で、16日は297円安の 25,822円、17日は316円高の26,138円、18日は652円高の26,791円、 19日は385円安の26,405円、20日は148円高の26,553円。 先週の株価は上昇しているが、米国株が下落なのに、日本株は上昇 している。日銀金融政策会合では、現状維持のままで、国債空売り の買戻しになり金利は0.42%となり、131円台の円安方向に振れたが 、その後は128円台になっている。4月に黒田総裁が、辞任して、次 の総裁は長期金利の上限を再度引き上るとの観測が続ている。 そして、日銀は、銀行などに資金を貸し出して、共通担保オペをす ることにした。これにより、空売り勢を直撃した。日銀の資金供給 策拡大で海外ヘッジファンドとの攻防になり、これは、国債市場以 外にも拡大することになる。完全な金融統制経済に移行したようで ある。 このため、財務省も金利上昇を見越して、国債金利1.6%と想定して 予算化したという。しかし、国債を金利0%付近で買った年金基金、 保険、地銀などは、大きな損が出ることになる。金融不安を再度起 こすことになりかねないので、日銀も長期金利上昇ができない。 しかし、インフレは4%と非常に高い水準になっている。金利を上昇 させないと、インフレが止まらない可能性がある。 ダボスでの黒田総裁は、40年ぶりの物価高は輸入インフレで今年度 中には2%に下がると述べている。金利を上げないで、円安を阻止す るということである。 もう1つ、ゼロゼロ融資で、貸し出した資金の焦げ付きが心配で、 特に地銀の経営に大きなダメージになる可能性がある。金利は高く なるが、経営は苦しくなる可能性があり、地銀の統合が待ったなし の状態である。 旅行で夜10時半に東京駅に着いたが、東京駅の人出が少なく、中央 線快速電車も乗っている人が少なく、吉祥寺の街も人出が少ない。 これでは、飲食店の経営は大変であろう。こんなに夜の人出が少な くなっているとは思わなかった。ということで、中小の飲食店の倒 産は、今後も増えることになりそうである。 広島や岩国などの観光地に行っても、観光客が少ない。広島から錦 帯橋の高速バスに乗ったが、乗客は我々夫婦しかいない。まるで、 タクシーのような状態である。錦帯橋でも観光客は、非常に少ない し、冬場でロープウェイも動いていない。土産店も閑散としていた。 インバウンド客も、まだ少しである。これでは地銀は不良債権の山 になる。広島でも、欧米観光客は居たが、アジアの観光客は見なか った。これでは、店も借りた金を返せないはずである。 芸備線にも乗ったが、乗客は三次から先には、広島テレビのクルー 3名が取材していた以外に、我々夫婦と1名の乗客しかいなかった。 備後落合からは、大雪で不通の木次線の代行バスから3名の乗客が乗 り、1名の乗客が木次線に行ったので、我々夫婦と3名の乗客で、広 島テレビのクルーも居なくなった。芸備線も廃止になるのも分かる。 私は芸備線の風景を写真に撮りに来たが、テレビ・クルーたちも芸 備線の風景で一番良いところを撮っていた。塩町から乗ってきて、 備後落合までが良いようである。25パーミルの急坂を上る芸備線の キハ120は、25km/h程度の遅い速度で急カーブを曲がっていく。 2.ウクライナ戦争の推移 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ロ軍は、1ケ所に大量の歩兵を集めて、波状攻撃をする人海戦術で 成果が出たことで、その戦術を実行し始めた。このため、ウ軍の弱 い部分を見つけて、そこに歩兵での大量攻撃を実施している。 ・バフムト・ソルダー方面 ロ軍・ワグナー軍はソルダーを占領し、ウ軍は撤退している。ソル ダーの西にあるシイル鉄道駅を中心としたエリアに陣地を作ったが 、ワグナー軍はそこに攻め込み、ウ軍はT1503号主要道の西側まで後 退して、今、シイルを越して、バフムトカ川の付近までロ軍・ワグ ナー軍はきている。 大規模な人的損害を出しても、波状攻撃でウ軍を攻めているので、 どうしても人的損害を出したくないウ軍は押され気味である。 ブラホタデやクラスノ・ホラなどのバフムトの北側にもワグナー軍 は人海戦術で攻撃してきている。損害も大きく、1日800人程度の戦 死者を出している。負傷兵は戦死者の3倍とすると3200人前後が戦線 離脱していることになる。1ケ月で10万人もの戦線離脱者が出ること になる。このため、ロ軍は、第2次動員が必要になる。 ロ軍兵の戦死者は5月までに22万人を超える可能性があり、戦死者数 を隠すために移動式火葬場を発注したともいう。戦死者数は1ケ月で 2万5000人であり、5ケ月で12万人であり、今までの戦死者数の10万人 であることから頷けることになる。何人死なすのであろうか? バフムトの南側のクリシチウカ、アンドリウカへもワグナー軍が攻 撃し占領したようであり、イワビフスクにワグナー軍が攻めてきた という。このまま行くと、バフムトが包囲される状況であり、そろ そろ、バフムトからウ軍を撤退させる可能性が出てきた。 この地域に、ロ軍とワグナー軍が兵力を集めて、人的被害を無視し た攻撃で戦局を開くようであり、他のドネツク方面の攻撃がなくな っている。 ロ軍の勝てる方法は、損害無視の人海戦術しかないようである。そ れを見つけたという段階であり、砲弾も一部地域に優先的に補給し ているようである。砲弾の枯渇しているので、攻撃地を絞っている ようだ。 このため、ワグナー軍の経費は非常に高く、人海戦術での攻撃では 、ロシア人の動員で安い人員をかき集めるしかなく、プーチンもロ 軍の立場をとるしかない。ワグナー軍のフリゴジン氏の立場でロ軍 全体を貶すことにプーチンも付いていけなくなっている。 このため、プーチンはフリゴジン氏と対立関係のペトロフスク州の ベグロフ知事と会い、プリゴジン氏の意見で解任したラビン大将を 陸軍参謀長に任命している。 このため、プリゴジン氏を支持する強硬派は、クーデターなどをす る可能性もあり、逆にプリゴジン氏を暗殺になる可能性も出てきた。 ・スバトボ・クレミンナ攻防戦 一歩一歩と前進しているが、ロ軍も大量の人員と装備を集めている ので、ウ軍も前進するスピードが遅くなっている。ロ軍を押してい るが、攻撃時の損害を少なくするために、無理をしていない。 ソノフイの高地を制圧して、スバトボ市街地を見通せるポイントを 押さえるべく、攻撃をしているが、ロ軍も分かっているので、防備 を固めている。塹壕を作り防衛しているが、精密砲撃で、損害が大 きくなっている。 クレミンア包囲網も徐々に狭まってきているが、ロ軍は防御に集中 して、攻撃をしなくなっている。停滞状況である。 ・ロシアとウクライナの状況 ウ軍は大規模攻勢ができずに、停滞している。一方、ロ軍は200万人 動員計画もあり、ウクライナより多い人的資源を使い人海戦術で、 押しきる戦術を見出した。現在、戦争の主導権は、ロシアに傾いた ようである。 このため、プーチンは、ゲラシモフ総司令官に、「3月中に東部ド ンバス地方を占領して、戦争を止める。」とした。中国の習近平主 席からの手紙で、「いつまで戦争をしているのか。戦争終結までの スケジュールを明確にしてほしい」ときた。 このため、メドベーシェフを送り、対話を促進するとしたが、それ もできずに、NO.2のパトリシェフも中国に送り釈明している。 しかし、直近のロシアのラブロフ外相と中国の秦外相の電話会談で は、「中露関係の成り立つ基礎」として、「同盟しない、対抗しな い、第3国をターゲットとしない」という「3つのしない」方針を 提示したという。 これは、中国はロシアと同盟関係にならないし、敵対もしないし、 中露で米国を敵対視しないということであり、明確に中国は、ロシ ア離れになってきた。中国は、ロシアのプーチンをクレイジーだと 言っているようであり、明確に欧米との関係修復方向になった。 このため、ロシアは、同盟国通貨と思い、貯め込んだ手持ちの人民 元を売り、ルーブルに変えた。しかし、生活必需品の供給を中国に 依存するロシアは、それ以上の対抗処置は取れない。 このような中国の動きを見て、セルビアのヴチッチ大統領は、「私 たちにとって、クリミアはウクライナであり、ドンバスはウクライ ナだ。今後もそのままだ」と発言。ロシアに近いセルビアも、明確 にロシア離れになっている。セルビアは、ウクライナに電源修理の 機器を援助したことでウクライナ側と明確にした。 同盟国と思い、ワグナーはセルビアで、要員募集をしていたが、セ ルビア人が国外の紛争に参加するのは違法だ。このため、セルビア のヴチッチ大統領は、憤慨して「なぜワグナーは、私たちの規則に 違反すると知りながら、セルビア人に呼びかけるのか」とした。 イラン外相も「イランとロシアの関係は良好だが、ロシアによるク リミア半島・ルハンスク州・ドネツク州等のウクライナ占領地の併 合を我々は認めない。我々は国際法の下で各国の主権と領土保全を 認めている」とした。しかし、ドローンとSU-35の交換は行うようで ある。政治的にはロシアの味方ではないが、ビジネス上での関係は あるということであろう。 このような状態になり、国際的孤立が深まるロシアも戦争を終結さ せないといけない状態になってきた。 このため、150万の軍隊を作り、人海戦術でウ軍を圧倒することであ り、今、ロシアのできることは、国民を戦場で大量に殺しても、戦 局を有利にして停戦に持ち込むしかない。 これに対して、ウクライナは、ロ軍の人海戦術で停滞した戦況を転 換するために、レオパルト2戦車と装輪装甲車、F-16戦闘機、アパ ッチヘリやATACMSなどの長射程爆弾などの迅速な攻撃ができる兵器 ・弾薬やロ軍のインフラ攻撃防止の防空システムの供与を欧米諸国 に要請している。 この要請に対して、「前線を突破する必要がある。詳細は言えない が、現下の状況では、われわれはそうした必要性を認めている」と 、コリン・カール米国防次官(政策担当)は、記者団に語った。「 この挑戦をウクライナがどう克服するか、われわれは熟慮しなけれ ばならない」と。 このような欧米攻撃兵器がウクライナに提供されると、ロシアは負 ける可能性が出る。このため、「通常戦争での核保有国の敗北は、 核戦争の引き金になり得る」とロシアのメドベージェフは、けん制 の発言をしている。 ウ軍は、ポーランドから提供された200両のPT-91などの攻撃兵器を 温存してきたので、戦局転換の攻撃をしようとしたが、カール米国 防次官から、米国による新たな兵器供給と訓練が完了するまで、ロ 軍に対し大規模な攻撃を展開することを控えるよう提言された。 人的損害を少なくして、効果的に戦局を転換した方が良いというこ とである。このため、ウ軍は攻撃に必要な兵器や弾薬のリストを作 り、武器供与の第8回支援国会合が20日、ドイツ西部ラムシュタイン 米空軍基地で開かれたが、その会合前にリストを提出した。 この会合で、オースティン米国防長官は会議の冒頭で、ウクライナ 紛争に転換点が訪れていることを宣言した。防御から攻撃への転換 という意味だ。 しかし、ドイツは、米国がM1エイブラムス戦車を供与しない限り、 レオパルド2戦車の提供を承認しないという。ドイツのボリス・ピ ストリウス新国防相も、この件はショルツ首相次第だと指摘した。 政治資金援助をロシアから受けていたので、シュルツ首相はロシア からの非難を受けたくないので、ドイツの認可を取らずに、ウ軍に 提供してほしいようである。 このため、ポーランド政府は、ドイツの許可なしにレオパルド2戦 車をウ軍に供与するとした。 そして、ホーランドの他に、フィンランド、デンマーク、ポルトガ ルは既に供与を表明しているが、チェコとスロバキアも供与すると 表明した。これらにより、レズニコフ国防相が要請した300両のレオ パルド2戦車が、手に入る目算は立っている。 後は、ドイツの承認かドイツの承認なしの提供かのどちらかでの実 行が必要なだけになっている。 フランスは「ルクレール」戦車の提供を表明、スウェーデンはCV90 装甲車、アーチャー自走砲の供与、英国は精密誘導弾ブリムストー ン600発を提供するとした。デンマークはカエサル自走榴弾砲19台の 提供、オランダはF-16戦闘機の供与を検討し、多数の国から大量の 攻撃兵器の供与をウ軍は受けることになる。 特に、射程150kmのGLSDBが供与されると、ロシア国境地域まで届き 、軍物資集積所を破壊できることになる。また、ロ軍は、物資集積 所をこのロケット弾の届かない場所に移すことが必要になる。 このように、大量の攻撃兵器がウ軍に渡ると、ロ軍の勝ち目がなく なるので、最新鋭のT14アルマータ戦車の戦場投入した大規模攻勢を 近く始めるようである。キーウへの再攻撃もあるかもしれない。 そして、このような攻撃兵器がウ軍に渡っても、ミリー米統合参謀 本部議長は、「今年中に、ウクライナの隅から隅まで軍事的にロ軍 を駆逐することは極めて難しいだろう」とした。2024年まで戦争は 続く可能性がある。 それでも、ロシアの戦争犯罪を裁く国際特別法廷を設置することを EU会議で決議し、EUの特別検察官からも、国際的な特別刑事検察官 を設けるべきとの意見が出ている。しかし、国際的な法廷設置には 、国連の決議が必要であり、まだ道のりは長い。しかし、ロシアが 敗戦になると、プーチンを始め、今のロシアの指導者は、すべて死 刑になることが確定している。 このため、トルコのエルドアン大統領は、ゼレンスキー大統領との 電話会談で、ロシアとウクライナの仲裁を行うという申し出を改め て伝えた。ロシアとしては、ドンバスとクリミアを確保することで 、停戦したいようである。戦争を止めるには、クリミアとドンバス 確保で諦めるしかない。その他の地域からの撤退でも、戦争には負 けていないとするようだ。それと、停戦で国際法廷を阻止するしか 、ロシア指導者の生きる道はない。 そして、キッシンジャー元米国務長官も、停戦の条件として「ロシ アが侵攻前の境界線に達したとき」というので、ロシアも戦争を終 結させるために、その辺りを目指すしかないようである。 もう1つが、ベラルーシのプリビトキ空軍基地にS300が設置されて いて、このS300から発射されたミサイルは、キーウまで2分しかかか らない。防空ミサイルでは撃ち落せない。 このため、ウ軍は、このS300を破壊する必要になる。しかし、ロ軍 の早期警戒機やMIG31などの戦闘機、ka-52戦闘ヘリなどがいる。ウ 軍ミサイルが空軍基地に着弾すると、ベラルーシも参戦するしかな くなる。そして、キーウへの大規模攻勢になる可能性もあり、この S300は、要注意である。 もう1つ、戦争の推移では、ウクライナの航続距離1000kmの無人機 「キジバト」やTu-141などがあり、これらから守るために、モスク ワのプーチン大統領官邸から10キロの地点に防空システムを設置し た。 徐々にロシア国内を攻撃する手段がウ軍も独自で持ち始めたことで 、「目には目を、歯には歯を」ということになる。インフラ攻撃に は、インフラ攻撃。キーウ攻撃にはモスクワ攻撃になる。 余談であるが、現在、10人弱の日本人義勇兵がウ軍で戦っている。 多くは元自衛官であり、米英の義勇兵よりも信頼厚い。まじめな戦 いぶりと生活態度が高く評価されているようだ。 この義勇兵で、日本の評価も高いことになっている。ガンバレ日本 人義勇兵たちよ。 ・世界の状況 米国は、傭兵企業「ワグナー」を「国際犯罪組織」に指定した。 もう1つ、心配なのが、イスラエルとサウジが連合して、イランと の中東戦争である。イランは、SU-35戦闘機を手に入れて、シリアで の戦争と同じような通常戦争でも負けないと見たら、イスラエルや サウジに攻撃を仕掛けることになる。 イスラエルは、在イスラエル米軍の30万発の弾薬をウクライナに送 りことを了承した。イランのドローン対応策にもイスラエルは積極 的に機器の提供を開始した。 米国は、イランのドローン工場の破壊を依頼した可能性もあり、こ の2ケ国の戦争になると厄介である。