バフムト・ソルダーの攻防戦で、ロ軍は、ウ軍を押し切った状態で あるが、今後を検討しよう。 津田より 0.米国と世界の状況 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202 ドルで2022年年初来安値となり、1月6日は33,630ドルで、9日は112 ドル安の33,17ドル、10日は186ドル高の33,704ドル、11日は268ドル 高の33,972ドル、12日は216ドル高の34,189ドル、13日は112ドル高 の34,302ドル。 先週、株価は上昇した。CPIが前月比0.1%下落、前年同月比6.5%上昇 で、11月7.1%から低下した。市場予想通りであり、米10年国債金利 は、0.34%台前半まで低下したことで、米株価は上昇した。対して日 銀は、大規模緩和の見直しと報道されて、利上げを行うと見られて 、日米金利差縮小と円買いになり、ドル円が128円まで円高になった。 そして、米国経済について、イエレン米財務長官は、いわゆるソフ トランディング(軟着陸)に移行し、失業率を低水準に抑えながら インフレ率を低下させることができると。これを受けて13日の株価 も上昇した。 このように、株価上昇で、F&Gインデックスは「63」まで上昇し、欲 望の段階になり、強い買いシグナルが出ている。ここ当分、買いの 強い相場になるようだ。 しかし、12月CPIを見ると、インフレのピークアウトと見えるが、サ ービス業のインフレが止まっていない。もう1つに、インフレで実 質賃金も下がっている。このため、賃金上昇は続くことになる。 それとともに、クレジットカードの負債額もうなぎ上りであり、景 気の先行きも疑問視されている。景気指標はクレジットカード負債 増額から半年の後れで訪れることになる。 JPモルガンのダイモンCEOも株価に対して弱気である。投資銀行の人 員削減も出てきているし、年末のボーナスもなかったという。 そして、イエレン財務長官は、債務残高の上限到達を回避するため 、今月19日から会計上の特別措置を講じる。支出を抑えることにな る。政府系の労働者の一時解雇も起きることになる。イエレン財務 長官が超党派の議会首脳部に宛てた書簡で13日明らかになった。 イエレン長官は、この中で、債務不履行という事態を避けるべく上 限を引き上げるよう議員らに求めた。下院が共和党になり、債務上 限の引き上げが議会での焦点になる。 もう1つの問題が、欧米が、ロシアの資産家の欧米にあるドル・ユー ロ資産を凍結したことで、ロシアだけでなく、欧米以外の資産家が 、ドル・ユーロの資産を持たなくなっている。 このため、米国債をロシアも中国やアラブ諸国、トルコなどの新興 国も買わなくなっている。このため、米国債の買い手不足になる可 能性が出て、FRBは、資産売却を中止して、米国債の金利上昇を抑え る買いを2023年半ばには始める必要があるという。 ということで、利上げと量的緩和という矛盾した金融政策になる可 能性が出てきた。 1.日本の状況 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、1月6日は25,973円で、10日は201円高の 26,175円、11日は270円高の26,446円、12日は3円高の26,449円、13 日は330円安の26,119円。 株価は上昇しているが、米国株の上昇で、日本株も上昇している側 面もある。日銀が長期金利の上限を再度引き上るとの観測から、金 利上昇で銀行などの利回りが上昇すると、金融系企業の株が上昇し ているし、円買いが先行で、ドル円も127円台になっている。 海外投資家が、日本国債を空売りして、10年国債金利を0.545%まで 押し上げたし、この国債を日銀はすべて買い、1日で4兆6千億円にも なっている。 日銀が行うイールド・カーブ・コントロールをヘッジファンドは崩 しに来ている。しかし、ここで、金利を1%以上にすると、利払い費 の増額が必要になり、財政負担が重くなる。 このため、0.75%金利程度が限界であり、財政負担上、金利を上げる ことはできないが、そうすると、円安方向になる。 しかし、円安にするとインフレが酷くなるという問題が出てくる。 予算配分を見直して、支出を削減して、金利を上げて財政バランス を取るしかない状況である。 財政バランスのための増税は、インフレが厳しいときに行うと、庶 民の生活ができなくなり、2重課税の状態になる。賃金も大企業や 国際的企業は上げられるが、多くの国内中小企業の賃金や非正規の 賃金は、それほど上がらない。このため、インフレを起こさないよ うに、円安にもしないことである。 防衛費増額や少子化対策増額でも、他分野の政策を縮小して、日本 の国のあり方を見直すべきなのである。 小規模農家の保護のための補助金は止めて、大規模農家育成政策に して、農産物価格を下げて、世界市場に輸出できるような価格にす るべきなのである。このため、小規模農家が成り立たなくなり、農 業人口は少なくなる。 少子化で今後、人口が減り、産業人口も減ることになる。この人口 の配分を製造業やサービス産業に回すしかないはずであり、農業人 口を大幅に減らすことである。農村人口も減らして、都市人口を維 持する方が国家としての生産性が向上する。 生産性が向上すれば、人口減少でも税収の減少は少なくできること になる。中核都市の人口維持を優先するしかない。 このため、小池知事の子供1人に月5000円補助や第2子から保育費無 料などの施策は、非常に良いことになる。東京に人口を集めて、東 京への一極集中にする方が、地方分散より、公共施設などの行政サ ービスも水準をキープできることになる。 地方の人口減少で、医療体制などは集約して、地方の中核都市に集 めて、ドクターヘリで往診する体制にするしかない。 これから、団塊の世代が死んでいくことで、急激に人口が減少して いくことが確実である。地方交通も維持できなくなる。交通網を維 持できないので、地域住民の助け合いしか方法がなくなる。新幹線 網は、自動車輸送より効率的で、この新幹線と都市交通しか残らな いとみる。 その事態が迫っているが、それを放置しているように見える。今後 の国のあり方を考える時期に来ている。それを怠慢にも政府・地方 も総合的な政策展開をしていない。ビジョンがないし、見えない。 長く少子化対策を怠ったことで、すでに人口減少を止めることはで きないので、人口減少を前提とした国の構成や産業などの人口配分 などを構想して、それに向けて政策を打つしかない。 もう1つ、中国のビザ発給停止は、日米欧の相互安全保障協定に反 発した政策であろうとみる。コロナでの入国検査義務化だけでは、 対応がおかしい。2023年以降は、地政学リスクの時代であり、特に 米中対決が明確になる時代でもあり、日本と米国の2+2会談で宇 宙空間でも相互防衛を行うことにしたことが大きい。それと、英国 とも準同盟関係になっている。戦闘機の共同開発も動き始めた。 中国対応で、日本と米国は共同歩調になり、経済面でも半導体、原 子力など多くの分野で共同体制になってきた。これは、日本の発展 に大きく関与することになる。 そして、岸田首相は、13日の日米首脳会談について、「バイデン大 統領との個人的な信頼関係も一層深めることができたし、日米同盟 についても一層連携を強く確認することができたという手応えを感 じている」としたが、これは中国を刺激している。 このことで、中国での日本企業は、大きな試練を受けることになる。 早く、日本企業は中国から撤退することを勧める。そうしないと、 どこかで資産没収になる。日本個人も中国企業への投資をやめるべ きだ。個人資産の没収にもなる可能性が近づいている。 逆に、日本にある中国企業や中国人の資産没収にもなるので、両方 向の経済交流はなくなることになる。中国は2027年までに台湾統一 を目指しているので、今後は難しいことになる。その上に2023年か 近い将来にロシア敗戦で、日米と中国がシベリアなどで取り合いが 起きる。 13日、韓国政府は、元徴用工問題の解決案として、被告の日本企業 の賠償金を韓国の財団が肩代わりする案を示したが、原告側は、公 聴会で「韓国政府が自ら日本に免罪符を与えている」「日本の賠償 と謝罪がどちらも確実に反映されていない」などと反発した。 韓国政府の案は、日韓関係を正常化させることになるが、韓国国民 の支持が得られない可能性もあり、当分、日本は今までの政策を維 持した方が良い。最低限の安全保障上の問題のみで交流することだ。 もし、政府案が国民の支持を得たら、交流範囲を上げることである。 2.ウクライナ戦争の推移 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ロ軍の装備増強が必要であり、軍需企業に装備の早期増産を強制し ている。人海作戦でも装備がなく、負けているからであり、かつ、 前線部隊や動員兵たちからも不満が出ていることで、戦争に行き詰 まっている。 弾薬枯渇が深刻で、攻撃地点を絞るしかないし、装備が不足してい るため、ロ軍は、ますます歩兵突撃攻撃を行うしかない。 ウクライナのアンナ・マリャル国防次官は、ロシアがドネツク地域 で自国の軍隊を強化するために、ロシアやベラルーシの訓練場から 、比較的長く訓練された動員兵を投入してきている。このため、従 来より、ロ軍の防御・攻撃が厳しくなっているという。 ・バフムト・ソルダー方面 ロ軍は、バフムトに戦力の大半を集中させているが、バフムトから ソルダーやバクムツクに攻撃重心を移し、ロ軍正規部隊とワグナー 軍が合同でソルダーを攻撃してきた。この攻撃が、犠牲覚悟の突撃 の波状攻撃で、ソルダーのほとんどを制圧するという成果を出して いる。 ワグナーとロ正規軍との反目で、このままでの指揮がまずいと、総 司令官のスロビキンを副総司令官に格下げして、ゲラシモフ参謀総 長が総司令官になった。この人事を見て、危ないとワグナー軍は必 死に攻撃した結果である。 ソルダーでの戦いは市街戦になり、両陣営の激しい戦いになってい る。最初、ウ軍国境警備隊が、ワグナー軍とロ軍に挟み撃ちになり 、退却し第46空挺部隊の増援を受けて、ワグナー軍を押し戻した が、ワグナーも再編増強し、ウ軍を市内西部まで再度押し戻した。 しかし、ワグナー軍に多大な損害が出ている。ウ軍は、ワグナー兵 100人以上を砲撃で殺害したという。しかし、ワグナー軍は、ウ軍の 服を着て戦い、だまし討ちしているし、火炎放射器を出してきて、 それで市内の建物を焼き払っている。 焦土作戦をワグナー軍は、行っている。ウ軍は、苦戦中であり、ソ ルダー市内をいつまで維持できるかわからない。ロ軍はソルダーを 包囲しようとしている。 しかし、包囲が完成すると、ソルダーのウ軍は退路が遮断される可 能性が高い。ここは、鉱山都市であり、坑道が縦横無尽にあり、抵 抗を続けることはできる。 その中、ソルダーの防衛戦に特殊部隊クラーケン(昨年3月結成、 ハルキウ州防衛・解放で活躍、アゾフ連隊出身者や新たな志願者等 で構成)と外国人部隊も参加しているとゼレンシキー大統領は言う。 しかし、クラスノ・ホラまでワグナー軍は進出しているようであり 、ウ軍のバフムトへの補給路を切断するために、攻撃の手を止めて いない。 そして、ロシア国防省は13日、ドネツク州の要衝バフムトの近郊に あるソルダーを制圧したと発表した。 ロ軍はソレダーの北方で進撃しており、シル(Sil)という集落まで前 進し、両軍が相争う状況になっている。ウ軍に穴ができた状況であ り、とうとう、ウ軍兵も激しい戦闘が続くソルダー市を離れ始めた 。T0513主要道後方に陣地が整った後、総退却になっている。 しかし、米国務省のパテル副報道官は13日、「クレムリン自身も、 ソルダー進攻の決定の代償は高くついたと認めた」と発言した。ワ グナー軍の大部分を投入したことで、戦闘能力を大きく損耗した可 能性がある。 ・スバトボ・クレミンナ攻防戦 クレミンナの北と南と西の3方向から攻撃しているが、ロ軍もクレ ミンナ防衛に精鋭の空挺部隊を投入し、ベラルーシで長いこと訓練 された400名の部隊を投入するようである。ロ軍精鋭部隊を大量投入 して、死守するようである。 ウ軍機甲部隊が、気温が下がりやっと動ける状態になり、本格的な 攻撃を開始できるようであり、進軍スピードが早くなる。 ロ軍に歩兵用対戦車ミサイルがないので、防衛戦は苦しいことにな りそうで、地雷をどんどん仕掛ける方法での防衛維持になるようだ。 ウ軍は、スバトボへも一歩一歩前進しているが、こちらも機甲部隊 が使えるようになったことで、進軍スピードが早くなる。 この地域は、マイナス20℃にもなり、凍りついた塹壕の中でロ軍 兵がロ軍上層部に対する不満を訴えている。最前線部隊にも防寒服 はなく、塹壕には暖房設備もない。 ・ヘルソン州・ザポリージャ州 ロ軍は、凍死多発が報じられた頃からロ兵を大きな建物に集結させ た。その宿舎をウ軍のHIMARSで攻撃され続けている。パルチザンが 、ロ軍兵の集結している建物を探して、ウ軍に報告している。 ・ベラルーシ国境 ウクライナ北西部のベラルーシ国境付近は、決壊した河川堤防、浸 水した野原が数マイルにわたって見られる泥濘状態であり、ベラル ーシ側からの攻撃は、当面困難なようである。もう1つが、地雷原 もあり、地元民から集められたウ軍ボリーニ領土防衛旅団によって 守られている。 ・ロシアの状況 ロシア国防省は11日、ウクライナでの軍事作戦の指揮をとるスロビ キン氏に代わり、ゲラシモフ参謀総長を新たな総司令官に任命した と発表した。 国防省とワグナー軍の反目に対して、国防省優位をプーチンも認め たことでの人事であろう。もう1つ、国家総力戦になり、国軍の全 体を指揮する参謀総長が司令官になるしかない状態になったことが 大きい。これで、特別軍事作戦という1つの作戦ではなく、国家総 力戦に衣替えしたことになる。 しかし、ゲラシモフ参謀総長での戦争がうまくいかないと、最後は プーチンが直接陣頭指揮するしかなくなる。そうなる可能性も大き いような気がする。 国家総力戦になり、ロシア政府は、今まで18〜27歳だった徴兵 対象を30歳まで引きあげ、200万人規模の徴兵を実行するようであ る。装備がない状態で戦争勝つためには、歩兵の無駄の多い突撃作 戦しかありえない。ソルダーで、その攻撃が有効であると示してい る。 もう1つが、50万人ともいうアルメニア、ジョージア、タジキスタ ンなどに、逃げていったIT技術者をロシアに戻すために、IT技術者 の兵役義務解除するとしたが、ロシア政府はさんざんうそを言って いるので、信用しないようである。 そして、火砲や弾薬も不足して、砲兵訓練をした動員兵も、歩兵と して前線に送っている状態である。無駄な突撃で多くの若者が、死 んでいくことになる。 このため、プーチンは、ロシアの防衛産業が戦争装備、兵器生産不 足、特に航空機生産不足であるとの批判に対して、スケープゴート を探しているようで、11日の閣僚会議で、デニス・マントゥロフ副 首相に対して、防衛企業との契約遅れと生産遅延を「ふざけている のか」と叱責した。 しかし、防衛企業も契約すると、期限厳守であり、欧米からの航空 機、関連部品、スペアパーツの供給禁止であり、遅れると刑事罰に なるとのメドベーシェフの威嚇もあり、そう簡単に契約できない。 特に工作機械のメンテができないので精度が出ないことや高度な半 導体がなく、製品の質を下げて、生産するしかなく、その改造設計 に手間がかかっている。 T-55やT-64などの50年前の戦車は、高度な半導体が使われていない ので、今後、その戦車の手直しになるようだ。最新鋭航空機は無理 で、数世代前の航空機で我慢するしかないし、ミサイルも精密誘導 は無理であろう。 もう1つが、プーチンは、負傷兵で手足を失った人が多いことで、 義肢が必要で義肢装具士の動員免除をするよう指示した。 もう1つが、戦費も膨大であり、ロシアのウォロジン下院議長は13 日、ロシア国外に逃亡し、ロシアの国家や軍隊を「侮辱」したロシ ア人の財産を差し押さえるとした。海外逃亡のオルガルヒの資産没 収になる。ロシア国内企業などからも、利益の50%以上の税金を取り 立てることにして、軍国ロシアを作ることになる。一般国民の税金 も大幅な増税になる。国家総動員である。 この戦争に勝つために、プーチンは、200万人の軍隊を創設する計画 であり、防衛産業への学徒動員も予定しているようである。すべて の人民を戦争に駆り出すようだ。そして、ロ下院軍事委員会のソボ レフ元中将は、来るべきNATOとの決戦のためにはロシアの若者全て に半年以上の軍事訓練を受けさせるべきだと主張している。 しかし、ロ軍はウクライナへのインフラ攻撃を防衛産業のミサイル 生産スピードに合わせるしかなく、ウ軍ナタリア・グメニユク報道 官は、「おそらく、大規模なミサイル攻撃が準備されているでしょ う。しかし、彼らが準備するのに10日から14日かかります。」との ことである。 その言葉通りに14日にミサイル攻撃があった。ドニプロ市集合住宅 への対艦ミサイル着弾で集合住宅が半壊して、死者数が12名、負傷 者数が64名となっている。キーウにはS300ミサイルと巡航ミサイル 38発の攻撃中25発を迎撃したという。キーウでの被害は、今のとこ ろ、報告されていない。 というように、ロ軍のインフラ攻撃は続くが、地対空ミサイルシス テム「パトリオット」が2台ウクライナに供与される。このシステ ムと今までのNASAMSなどの防空システムを連携すると、防空体制は 完璧になるという。 その上、インフラ攻撃でウクライナ人は、ビクともしないことで、 戦争目的を達成していない。ミサイルを軍事目標に使わないことで 、ウ軍自体の被害は少ない。攻撃効率が低いことになっている。 それと、ロシアのアントノフ駐米大使は10日、米国がウ軍に対し「 パトリオット」の使用訓練を実施する方針を示したことについて、 ウクライナでの戦争に米国が参加しているさらなる証しだと指摘し た。インフラ攻撃の無効化になるので、ロ軍の攻め手が、また1つ なくなることになる。 その上、イスラエルは、ウ軍にドローンやミサイルに対してのスマ ート警告システムを提供することになった。これで、ゲバルト対空 戦車などでの撃墜率が上昇することになる。防空システムが揃い、 ロ軍のインフラ攻撃の効率は、相当、下がることになる。 ポーランドのドゥダ大統領とリトアニアのナウセダ大統領は、ウク ライナ西部リヴィウを訪問してゼレンスキー大統領と会談して、レ トパルト2戦車10台と砲弾を提供するとしたし、英国はチャレンジ ャー2戦車12台を供与するとした。とうとう、欧米製戦車の提供さ れ始めている。徐々に、ウ軍は増強されることになる。 しかし、レオパルト2戦車供与に否定的なシュルツ首相は、日本と 同じように交戦国への攻撃兵器譲渡を禁止しているので、先頭に立 って戦車供与はできない。 ということで、ドイツは、米国が動かなければ動かないので、M1エ イブラムス戦車を米国が供与しないと、レオパルト2戦車の提供を ドイツは承認しないという。 しかし、ドイツ政府は、来週の1月20日にラムシュタインのアメリカ 空軍基地で開催される国防高官会議の前にウクライナへのレオパル ト戦車供与を決定する予定であるとの情報もある。 そして、M1エイブラムス戦車は生産中止であり、米国もメンテして 使用しているので、提供できない状態であり、象徴的な意味での1 台の米戦車供与するか、英国のチャレンジャー2戦車提供でドイツ は戦車提供承認をするか、米独の決定を持ちたい。 そして、ロ前大統領のメドベージェフは14日、ウクライナでのロシ アの核使用は「人類に対する敵対行為」になると警告した岸田文雄 首相とバイデン米大統領の共同声明について「とてつもない恥で、 コメントすらできない妄想」と非難し、岸田氏が「閣議で切腹する しかない」と強く反発した。 核兵器を使用した唯一の国は米国であり、その被害を受けたのが日 本であることを岸田氏は「完全に無視し、米大統領に謝罪を求める こともしなかった」と指摘したが、米国は既に核兵器使用が間違え だったと謝罪している。 ロシアは、核使用の可能性があり、世界は警告しているのである。 ・EU内 EU内でも、ハンガリーはウクライナに武器を供給しないし、自国領 内を経由して輸送する計画もないとハンガリー首相府の責任者が述 べたし、セルビアでもロシア支持が多い。 EU内でのハンガリーは異端児であり、その排除をするべき時期に来 ていると思う。安全保障は、経済より優先であり、その面で相反す る考え方の国は、排除しかない。 さあ、どうなりますか? なお、最新のウクライナの状況は、国際戦略コラムHPで見ることが できます。地図等の視覚的な情報で状況を見ることができる。