2月24日のロシアのウクライナ侵攻で戦争が始まり、10ケ月が 経ち、ロ軍装備・弾薬が枯渇してきたようだ。そして、ウ軍支援は 、日本にとって直接的なメリットが存在する。それを検討しよう。 津田より 0.米国と世界の状況 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、 2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202 ドルで2022年年初来安値となり、12月30日は33,147ドルで、2023年 1月3日は10ドル安の33,136ドル、4日は133ドル高の33,269ドル、5日 は339ドル安の32,930ドル、6日は700ドル高の33,630ドル。 2023年始めの3日は、テスラとアップルがともに下落して始まった。 4日は、公表した2022年12月13-14日のFOMC議事要旨で、インフレ抑 制に向けた利上げを継続しつつも経済成長へのリスクを限定的とす る方法で進められるよう、全ての参加者が積極的な利上げペースを 緩める見解で一致していたことが分かった。 また議事要旨からは、FRBは引き続き予想以上に上昇する恐れのある インフレ制御に注力する姿勢と、金融市場においてFRBのインフレ抑 制に向けた取り組みが後退しているという「誤解」が生じることへ の懸念が示された。しかし、これにより、4日は、市場はいい所取り で上昇した。 しかし、5日のADP12月雇用報告では23.5万人増で、市場予想の15万 人増を上回り、金利が上昇しているにもかかわらず、なお旺盛な労 働需要が示された。その上に米新規失業保険申請も20万4000件に減 少して、昨年9月以来、3ケ月ぶりの低水準となった。 これを受けて、FRBはインフレ抑制のため、金融引締めを継続すると 株価は下落した。 しかし、米ISM製造業景気指数は、12月48.4と2年7カ月ぶり低水準 になった。ISM非製造業指数は、12月49.6と2020年5月以来の低水 準になった。サービス業も低調であることがわかる。 しかし、6日、12月の雇用統計で、非農業部門雇用者数は22万3000人 増えた。堅調な雇用の伸びを維持し、失業率も3.5%に改善した。し かし、投資家が注目したデータは、予想以下の上昇となった時給だ った。 これを受けて、米CEAのヘザー・バウシー氏も、現時点で米経済が景 気後退に向かっている兆候はなく、最近の経済指標は進行中の回復 を示しているとし、「ソフトランディング(軟着陸)が可能な状況 にある」という認識を示した。 これで6日は大幅な上昇になった。そして、F&Gインデックスは、46 と中立まで戻した。米国株は、アップ・ダウンの激しい相場になっ ている。 しかし、米10年国債利回りは、昨日の3.7%台から3.571%に大きく 下落している。景気後退で株から債券に逃げているようにも見える。 株と債券の市場の見方が大きく違う事態である。 中間選挙で勝って多数派になった共和党は、米下院議長選出で11回 投票でも選出できずにいる。1回の投票で選出できないのは100年ぶ りの事態であり、1923年に共和党のフレデリック・ジレット議員が 9回目の投票で議長に選出された。そして、それ以上となると、1859 年には44回目の投票で選出されたケースしかない。そして、15回目 で過半数越えになった。 しかし、共和党の造反組を説得するため、来年度の国防支出を750億 ドルに削減するという。造反している強硬派は、政府支出の拡大に 反対の立場であり、一部は、ウクライナ支援にも反対の議員がいる 。これは、安全保障上の問題を起こすことになる。 ウクライナや台湾などの世界的な安全保障上の問題が出ているので 、米下院議長が決まったとしても、次の問題が出てくることになる 。日本へ、台湾有事対応やウクライナ支援での要請が来ることにな るとみる。 日本は、今、それを見据えて、武器の支援も可能にする法案を自民 党は協議しているが、この動きを見据えたことになる。 米国の衰退は、日本の役割を大きく変えることになる。徐々に、世 界秩序維持の一翼を担うことになる。経済力第3位の国の務めでも あるし、専制主義国が近傍にいることによる使命でもある。日米英 豪独仏などの自由主義諸国連合の一翼になるということでもある。 その日本に、ウクライナのゼレンスキー大統領も期待しているとい うことになる。時代は、大きく変化してきた。 そして米政治の混迷は、国力の低下につながる。米国民は2020年の コロナ下での高額給付に味を占めて、米国民は働かずに給付を期待 している。このため、労働市場では人手不足が解消していないし、 労働賃金は上昇して、インフレは収まらないことになっている。 FRBは、インフレ抑制のために、利上げを止めることができず、株も 債券も値下がりすることになる。2022年は、株と債券で45兆ドルの 損が出ている。これがその内、噴出してくる可能性もある。 そして、米国でも新型コロナウイルスの新たな派生型「XBB.1.5」の 感染が急拡大しているようだ。この「XBB.1.5」は、最も感染力が強 いとされている。中国だけではなく、日本やその他の国でも流行し 始めた。 しかし、風邪に似た症状であり、重症化のリスクは高くない。日本 でも重症化するのは、既存症を持つ高齢者に限られているので、問 題視されなくなって、事実上の放置である。 中国は、mRNAワクチン接種がないので、重症化リスクが高いという が、それでも問題視されないのは、重症化が高齢者層に限られるか らでしょうね。 高齢者は、年金や社会保障の面で費用が掛かり、社会的コスト上の 重荷である。このため、高齢者だけが死亡する疾病に対して、問題 視しなくなっている。それなら、日本では、コロナの疾病を5類に すればよいのに、2類のままで「ちぐはぐ感」が漂う。 1.日本の状況 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021 年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は 24,717円の底値になり、12月29日は26,093円で、2023年1月4日は377 円安の25,716円、5日は103円高の25,820円、6日は153円高の25,973円。 1月4日は、26000円を大幅に割り込み10月03日以来の安値を付けた 。2023年の世界不景気とウクライナ戦争との二重の苦難を反映した 年初めになった。 しかし、6日は、円安になり自律反転もあり、26000円直近まで戻し ている。 円も1月3日には129円まで円高に振れたが、直近は、米2年債金利が 上がり、133円と円安になり、株価は戻す展開になっている。 日本はインバウンドも復活することが期待でき、賃金UPも5%以上と なる可能性が高く、内需拡大で、欧米景気後退でも景気は持つとの 観測もあり、株価が戻る可能性が高いようである。 しかし、西村経済産業相とタイ米USTR代表が、国際的なサプライチ ェーン(供給網)から人権侵害を排除するため、関係省庁による新 組織を設立するとした。世界的に問題視される中国・新疆ウイグル 自治区での強制労働問題を念頭に、輸入を制限している米国と規制 協力を深めることになる。 これにより、中国進出の企業は、大きな影響を受けることになる。 日米と中国の経済分断が強くなる。早く中国進出企業は撤退する方 向で対応した方が良い。益々その傾向は強化されることになる。専 制主義国の排除が進むことになる。 話題は変わるが、将来を考えると、東京の小池知事の政策は非常に 良いと見える。子供に月5000円の支給をして、少子化を抑制できる し、東京に集めて地方の人口を減らして、大規模農業に地方の若者 を仕向けている。 都市から農村に移住すると100万円支給するというのは、人口減少社 会では、地方の農業生産性を落とすことになる。そろそろ、意志あ る若者が大規模農業ができる環境を整えていくことである。 都市は製造業やサービス産業集積地であり、ここには多くの労働力 が必要である。人口減少社会では、人口を都市に集めないと、都市 の設備メンテもできなくなるからである。 都市の中で子育て支援をした方が、効率的にもよいし、子育ての動 機を付ける意味でも月5000円の補助は良い。 岸田政権も子育て支援を行うというが、財源問題が出ている。支出 削減か増税しか手がない。法人税増税は防衛費に回すので、消費税 しかないことになるが、これは禁じ手である。インフレで大変な庶 民の生活を一層苦しくすることになる。 すると、手は支出削減しかない。支出の多くを占めているのが、社 会保障費であり、次に地方交付金である。社会保障費削減は、コロ ナ放置で高齢者の死去を早めることで、削減するようであり、その 他には、地方交付金しかない。 ちなみに、国内で1月7日、463人のコロナ感染症による死者が確認さ れ、1日当たりの死者数では昨年12月の438人を上回り過去最多にな っているが、問題視されていない。高齢者のみが死ぬので、コロナ 放置である。電車の中でも、マスクしていない人が多数になってき た。よって、高齢者の皆様は、十分気を付けてお過ごしくださいね。 社会保障削減や年金削減では、選挙もあり難しい。すると、地方交 付金削減しかないし、この削減が急務になっている。それは、大規 模農家育成で、地方の人口を削減して、都市に人口を集めて、都市 中心国家を作ることにすればよいのである。 大きなグランドデザインを書いていくことである。それを政治家が していないし、学者たちも書かない。政治家も学者も小粒になって きた。大きく時代を動かすには、次の時代の構想が必要である。 日本は人口減少で、その社会構造が大きく変化することになる。人 口減少社会の構造を考えると、農業優先の人口増加社会とは、逆方 向の社会にすることである。生産性を社会全体で向上するしか、日 本の発展はない。 2.ウクライナ戦争の推移 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ロ軍の兵器や弾薬が底を突いてきたようである。戦車が前線に出て こなくなり、準備砲撃の支援もなく、ロ軍は人海作戦の突撃が中心 であり、ウ軍の餌食にされている。 弾薬枯渇が見えるのは、2022年6月にはロ軍は1日6万発の砲撃が、 2022年12月には、1日2万発の砲撃と大きく減っているからである。 ベラルーシ軍が持つ砲弾もすべてロ軍に送ったともいう。 ロシアの砲弾工場の生産は、1年30万発であるが、その砲弾を5ケ月で 使い切るので、砲弾の備蓄を使うことになり、2013年時点では260万 トンの貯蔵があったが、それも使い切り、それより古い40年前の砲 弾備蓄も尽きてきて、北朝鮮やイランから砲弾を買い集めたが、そ れもなくなったようだ。今はロシア製武器を使う主にアフリカ諸国 から集めているようだ。 その結果、1日の使用数を削減する必要があり、攻撃箇所を絞ること になったり、突撃攻撃の支援をしなくなった。 それと、戦車が不足してきて、T-54/55やT-62、1958年に登場し、 1970年代後半まで生産された50年以上前の戦車を引っ張り出してき た。 このように、ロ軍は行き詰まって戦術・戦略に大きな変化がでてき た。分隊レベルの単純な突撃を繰り返しいたが、兵員を集め、砲撃 も集中してきた。 もう1つ、ロ正規軍とワグナー軍やカディロフ軍が補給を巡り摩擦 を起こしている。このため、各軍の間の連携はないようである。バ ラバラな行動になっている。 ・バフムト・ドネツク方面 ロ軍は、バフムトに戦力の大半を集中させているが、バフムトから ソルダーやバクムツクに攻撃重心を移しているようである。 これは、バフムトを占領するには、ロ軍はソルダーを占領し、バフ ムトとソルダーの間の高地制圧を目指しているからである。このた め、ロ軍はソルダーを包囲しようと懸命になっている。 もう1つ、ワグナー以外の傭兵部隊もいて、南アのエグゼクティブ アウトカムズの傭兵やアフリカ各地の傭兵部隊というか、アフリカ 諸国の正規軍がいるようだ。アフリカ諸国の財政事情から、自国軍 を派遣して、収入としているようである。 プリゴジンのロシアの囚人兵だけでは手が足りないので、アフリカ からも傭兵というか正規軍人を入れている。戦争慣れしているので 、アフリカ系傭兵は手ごわいとウ軍狙撃兵は言う。 そして、ワグナー軍がバフムトに固執するのは、プリゴジンが、塩 と石膏の鉱山を得たいためと、ホワイトハウス高官は言うが、その アフリカ系正規軍を駆使して、ワグナー軍は1月6日に、ソルダー近 郊の岩塩鉱に到達し、現在、ソルダーの街の約半分を支配したよう だ。ソルダーとバクムツクのウ軍は退却した。それにしても、プー チンの停戦命令をワグナー軍前線部隊は無視のようである。 ロ軍は、ベレストーブとヤコブリフカも占領し、続いて、ロゾドリ フカとソルダーに進軍して、ロゾドリフカの攻撃はウ軍により撃退 されているが、ソルダーは攻撃が成功したようである。 ソレダーにロ正規軍が出て来たという事は、バフムートを取る為で はなく、リシチャンスクを守るのが目的とも考えられる。 このほかの地域も攻撃をしてくるし、防御するが、前線に変化なし ですね。陣地戦は動かない。マリンカも市街地はウ軍が押さえてい る。オプトネは両軍の攻防が激しい。 クデュミフカとオザニアニフカの閘門をめぐる戦いは続き、今のと ころは、ウ軍が維持している。しかし、この方面全体では攻撃する 箇所が減っている。バフムト周辺とアンディーウカ周辺、マリンカ など数か所に攻撃を絞っている。 ・スバトボ・クレミンナ攻防戦 クレミンナの北と南と西の3方向から攻撃しているが、ロ軍もクレ ミンナ防衛に大量の動員兵と装備を投入して、多くの犠牲が出ても 守るようである。ヘルソン州の動員兵部隊も投入している。 ウ軍は、偵察隊を出して、損害を少なくして攻撃をしている。ウク ライナ全体が暖冬であり、このため、泥濘が続き、機甲部隊が使え ないことで、進軍スピードが遅くなっている。 それでも、クレミンナから5Kmのところにあるディブロバまでウ軍は 進み、クレミンア市街迄まであと少しである。 ウ軍は、スバトボへも一歩一歩前進しているが、こちらも偵察隊を 多数出して、ロ軍の状況を見て、攻撃している。こちらも泥濘が続 き、機甲部隊が十分に使えない。 ・ヘルソン州・ザポリージャ州 ロ軍は、凍死多発が報じられた頃からロ兵を大きな建物に集結させ た。その宿舎をウ軍のHIMARSで攻撃されて、多大な損害を出してい る。 12/31には、ヘルソン州のチュラキフカ村の動員兵のいる軍事基地を 攻撃、ウ軍発表では500人死傷である。 1/1には、ドネツク州のマケエフカで、深夜0時1分に動員兵が宿泊 していた学校を攻撃で、ウ軍発表では400人死亡、300人負傷で、ロ 軍発表では89人死亡となっている。 1/2には、ザポリージャ州のトクマク、メリトポリ、ベルジャンスク 、ポロヒー、ヴァシリフカといった地域の軍事施設を攻撃、ウ軍発 表では260人死傷。 1/3には、ザポリージャ州のトクマクで、動員兵のいる元結核診療所 の建物攻撃して、ウ軍発表では80人死傷。 1/4には、ザポリージア州バシリフカのロ軍司令官事務所を攻撃して 、死傷者多数。 その後、ザポリジャー州ヴァシリフカのロ軍司令官事務所で爆発。 トクマクの中心部にあるレストラン「Shokolad」を拠点としたロ軍 基地を攻撃。 ウ軍参謀総長によると、ウ軍は過去24時間にロ軍の集中地域に対し て、20回の攻撃したという。HIMARSとM270多連装ロケット弾の威力 で、ロ軍は排除されている。このため、12月後半から1日ロ軍兵500 人以上の戦死者を出し、このところ、800人程度の戦死者になってい る。 ・ロシア・ウクライナの状況 プーチンはロ軍に、ロシア正教のクリスマスに合わせて現地時間6日 正午(日本時間6日午後6時)から36時間攻撃を控える停戦命令を発 出した。しかし、ゼレンスキー大統領は、一時的な停戦を否定し、 「ロシア兵士がわれわれの土地にいる間、戦争は続く。ロシア兵が 去るか、われわれが彼らを追い出したときに戦争は終わる」と強調 した。 プーチンはおそらく「ウクライナが停戦に応じない」とのストーリ ーをアピールして、ウクライナを貶めることと、トルコのエルドア ンから停戦を求められたので、エルドアンの顔を立てたことと、も う1つに、ロシア正教の庇護者としてのプーチンをアピールするた めでしょうね。 事実としては、バフムトでは、停戦開始時刻が過ぎた後、双方向か らの砲撃があり、ロ軍は東部クラマトルスクも攻撃。さらに南部ヘ ルソンでも消防署がロ軍の攻撃を受けたという。停戦は事実上はな い。 そして、1日800人前後が戦死する環境で、30万人を集めた第1次動員 の兵員だけでは、兵員不足になり、プーチンは「祖国防衛は神聖な 国民の義務である」と述べて、ロシアの歴史的な領土とロシア語話 者の保護は義務というが、戦っている場所は、ウクライナ領土であ り矛盾しているが、1月15日からロシアの第2次動員が始まったよう である。50万人規模であるとウ軍スキビツキー情報局副議長は言う。 2次動員開始とともに、ロシアは動員対象年齢男性の出国を完全に禁 止した。これに関しては、ロシア中央銀行のエルビラ・ナビウリナ 総裁は、金融機関に対して、支払いを怠る顧客をリスト化して、軍 当局に対して召喚状を出すよう要求したと言う。囚人の次には借金 の返済できない人が、火砲の餌として優先的に回されることになる ようだ。 もう1つが、ロ軍苦戦、ウ軍優勢の状況で、プーチンはロシアが現 時点で誇れる極超音速ミサイル「ツィルコン」搭載フリゲート艦「 アドミラル・ゴルシコフ」を大西洋に派遣したことを明らかして、 欧米を威嚇して、ウクライナ支援を止めたいようである。欧米の防 空システムでも迎撃は難しいので、核搭載可能でもあり、脅しには 有効であるからだ。 そのため、早速、ノルウェー海軍は、ロ軍フリゲート艦「アドミラ ル・ゴルシコフ」を追尾し始めた。今後、欧米諸国海軍が順番に追 尾することになる。 ロ軍ツィルコンは、マッハ6〜8であるが、米軍のLRHWダークイーグ ルはマッハ14前後、AGM-183A ARRWはマッハ6.5〜8であり、対応手段 はあることは知っていてほしい。極超音速ミサイルは、ロシアだけ ではない。米国も開発中であり、実戦配備予定である。 そして、米国は「ブラッドレー」、ドイツは「マルダー」、フラン スは「AMX-10RC」と各歩兵戦闘車を訓練プログラムと合わせて提供 することになった。 ブラッドレー歩兵戦闘車の供与は50両で、マルダー歩兵戦闘車が40 両で、AMXー10RCは供与される数や提供時期は、不明であるが、欧米 製戦闘車両が始めて提供されたことになる。マルダーは5月頃であり 、春の反攻には間に合わないようだ。 ポーランドは、手持ちのレオパルド2戦車をウ軍に供与するとして 、ドイツの承認待ちになっているようであるが、今のところドイツ は認めないという。 そして、春に、ブダノフ情報局長は、ロシアに対する大規模な反攻 を計画していると述べ、戦闘が3月に「最も激しくなる」とした。 現状は、戦車や火砲の数だけ見ると、ロ軍の数が、ウ軍の数の倍程 度もあり、ロ軍優勢であるが、高精度攻撃がウ軍はできるので、ウ 軍が現状、優勢になっているのだ。しかし、今後、ウ軍に欧米戦車 が届くと、数の上でも、精度の上でもウ軍が勝るので、ロ軍は敗北 に近くなるようだ。 もう1つ、ウクライナにドイツからもパトリオットが届くことにな った。シースパロー艦対空ミサイルもウ軍に供与され、ブーク地対 空ミサイルシステムを改修して載せるという。 ロシアは、イランから1750機のシャヘド131、136のドローンをSU-35 戦闘機24機と交換するが、このドローンを使ったインフラ攻撃をし ている。 しかし、徐々に防空システムが揃い、シャヘドは今まで全機540機の 迎撃に成功しているという。ロ軍は巡航ミサイルとドローンを混ぜ て、飽和攻撃するので、ミサイルでインフラに被害が出ている。 1月の攻撃では、黒海艦隊ではなく、カスピ海艦隊から巡航ミサイル を打ち出し始めた。クリミア半島への補給路がウ軍の攻撃で十分機 能していないようである。黒海艦隊の安全も確保できなくなり、黒 海艦隊の代わりにカスピ海艦隊を使い始めている。 ウ軍の航続距離1000Kmの無人機「キジバト」が運用開始になり、黒 海艦隊や最深部にあるロ軍空軍基地も攻撃可能になる。量産体制も 整い、ウ軍の強力な武器になる。この「キジバト」は、偵察でも自 爆でも爆弾投下、魚雷投下もできるので、ロ軍も侮れない。しかし 、エンジンで動くので、速度は出ない。 そして、今、ウクライナや欧州は、暖冬であり、昼間は12度Cの気温 であり、凍結しないために、装甲車が使えない状態であり、戦闘上 は問題があるが、プーチンの天然ガス供給断でのエネルギー危機を 欧州で起こし、ロシアの天然ガス供給を望む欧州からの声で、ウク ライナ戦争を有利にする戦略は、失敗になったようである。 暖冬で、エネルギー消費が多くなく、欧州各国ともに、この冬はLNG ガスで間に合いそうである。また、ウクライナは、各国から支援さ れた518基のボイラーハウスをすべて稼働させている。極寒でも軍・ 民間の需要に応える準備ができているという。 ロシア国内で、火災が頻発しているが、ウクライナに味方する「自 由ロシア軍」は、361の地域にいて、今までに1867回活動をしたとい う。火災の多くがこの破壊工作なのであろう。 最後に、岸田首相とゼレンスキー大統領が電話会談をして、キーウ に岸田首相は招聘された。G7のうち5ケ国を相次いで訪問し、5月に広 島市で開くG7首脳会議に向けて、議長を務める首相は各国首脳に協 力を要請するが、その途中でキーウに立ち寄るのであろうか。 日本は、ウクライナが勝てば、北方四島が返還されるので、武器援 助の投資に見合うことになる。米国や欧州とは違い、より直接的な メリットが日本には存在するということを見る必要がある。 さあ、どうなりますか?