月曜日有料版2章途中までだけをお送りします。 ウクライナ侵略戦争は、ロ軍形勢不利な状況であるが、冬に向けて 、ウ軍の攻撃も減速している。今後を検討しよう。 津田より 2.ウクライナ戦争の推移 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ウ軍は、ルハンスク州で交通の要衝のスバトボに向かっているし、 ヘルソン州では、ムイロベに向かっている。これに対して、ロ軍は ヘルソン州南部から精鋭部隊を徐々に撤退させているようだ。その 代わりに、動員兵を送り込んでいる。しかし、これらの戦線の動き は少ない。 ロシアは、北朝鮮とベラルーシ、イランから弾薬も調達して、前線 に送り、ウ軍と同等レベルの砲撃を維持しているが、いつまでもつ のかだ。今は泥濘で砲撃戦をお互いに行うしかないようである。 ・クレミンナ・スバトボ攻防戦 ウ軍は、クレミンナ周辺に到達して、クレミンナのロ軍基地に対し て、砲撃しているが、偵察部隊を出して、ロ軍の状況をみている。 ウ軍は、もう1つ、クピャンスクからP07を南下してスバトボに向け 進軍しているが、進行速度が大きく落ちている。秋恒例の泥濘で、 装甲車両が舗装道路以外で走行不可になっていることで、攻撃に必 要な装甲車を先頭に立てて攻撃できないためである。 このため、冬になり、地面が凍結して装甲車が走行可能になるまで 、大きくは動けないようである。それと、冬になり、ウ軍がより優 勢になるとみて、今は攻撃を控えているようにも見える。 ウ軍には、防寒着が世界から援助されているが、ロ軍には防寒着も 個人での用意であるし、それを買う給与は出ていないという。凍死 の危険がロ軍にはある。 ウ軍の攻撃が弱まり、ロ軍は大量の動員兵をスバトボに送り、体制 を立て直したいようだ。しかし、ルガンスク州マケーエフカの前線 に投入された動員兵は、塹壕を掘れと命令されたその明朝にウ軍に 砲撃され、将校は逃亡。570人いた動員兵の内、無傷で生き残ったの は29名、負傷者は12名、残りは全滅だったという。大量戦死が発生 しているようだ。HIMARSの砲撃は正確でかつ面攻撃であり、大量の 犠牲者が出る。 ウ軍は、P07南下の装甲部隊がチェルボノピフカを攻撃したが、クレ ミンナ攻撃のウ軍は、兵力が少ないのか、攻撃が弱いような気がす る。このため、部隊間の隙間を通り抜けて、前線から遠いテルニー をロ軍が攻撃できるようである。このほかにもロ軍は攻撃して、ウ 軍の攻撃を遅らせている。 もう1つが、この地域には親ロ派の住民が多く、ウ軍部隊の情報が ロ軍にもたらされているようにも見える。 それでも、ウ軍はP66から北上して、来週にはスバトボを総攻撃する と見られている。現在、スバトボから10KM程度の所まで、ウ軍は到 達しているからだ。 ・南部ヘルソン州・ザポリージャ州・クリミア攻防戦 ロ軍は、ムイロベとプラスキンズキーを結んだ線上に塹壕を掘り、 防衛線を構築した。ウ軍は前進してスハノバまで来て、ムイロベの 攻撃をしていた。 しかし、それ以上の前進ができないでいる。ロ軍は精鋭部隊を温存 するために撤退させて、その代わりに動員兵を送り込んでいる。 ロシアのスロビキン総司令官は、ドニエプル川西岸のロ軍の撤退を 完了したとして、ヘルソン市庁舎のロシア国旗をおろしている。 そして、ロ政府は、ドニエプル川右岸に残った公務員や年金生活者 等に対し、給料や年金の支払いを停止した。 ウ軍の攻勢で引くと喧伝して動員兵を捨て駒にして時間を稼ぎ、精 鋭を第二防衛線で市街地陣地を強化、インフラを破壊し、住民には 即時避難を呼びかけて、ロシア占領地に退避させて、残った住民に は 24時間の外出禁止令を出して嫌がらせだ。 このため、ウ軍は偵察隊を出して、ロ軍の配備状況を見ているよう であり、撤退の報道をロ軍の罠かもしれないと警戒している。 ザポリージャ原発に再度、砲撃があり、送電が止まっている。現場 にある発電機で冷却施設を動かしているが、燃料は2週間しかない という。ロシアは、ウクライナが「汚い爆弾」を使う準備をしてい るとしたが、IAEAは、ウクライナの原子力施設を監査して、そ のようなことをしていないとした。 そして、クリミア半島のセバストポリの軍港攻撃されたことで、ロ シアは、ウクライナ産穀物輸出合意の履行を無期限停止するとした が、トルコと国連が保証する形で、ウクライナ穀物輸出を続けると して、11月1日、12隻の貨物船をオデッサ港から出航させていた。 このため、ロシアは2日には、ウクライナ産穀物輸出協定に復帰し た。 黒海での艦艇数は、トルコがロシアの6倍以上も有し、ロ軍はト軍に 勝てないことは、自明であり、トルコ艦艇が護衛した所を、ロ軍は 攻撃できない。このままでは、ロシアはトルコとの関係も維持でき ず、停戦協議の仲介役を無くすことになる。このため、ロシアは復 帰したようだ。 以後は、有料版を見てください。 0.米国と欧州の状況 1.日本の状況