6256.ウクライナ軍の攻撃停滞



ウクライナ侵略戦争は、ロ軍形勢不利な状況であるが、冬に向けて
、ウ軍の攻撃も減速している。今後を検討しよう。 津田より

0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202
ドルで年初来安値となり、10月28日は32,861ドルで、31日は128ドル
安の32,732ドル、11月1日は79ドル安の32,653ドル、2日は505ドル安
の32,147ドル、3日は146ドル安の32,001ドル、4日は401ドル高の
32,403ドル。

先週のNYダウ株価は下落した。11月FOMCは0.75%利上げで、12月は
0.5%利上げの方向であるが、タイムラグがあるので、インフレは収
まらないので、利上げ停止は当分先であり、最終金利も5%以上にな
るようであり、2日のNYダウは大きく下げた。パウエル期待が、はげ
落ちたことによる。

しかし、4日発表の10月雇用統計では、雇用者数は26万1000人増で、
予想は20万人増であるが、失業率は9月の3,5%から3.7%に上昇した。
また、平均賃金は前月比0.4%上昇で、9月は0.3%上昇より大きい。

このうち、失業率が上がったことで景気後退と、利上げのペースを
緩めるとの期待感が高まり、買い注文が膨らんで、NYダウは大幅な
上昇になった。FOMCの利上げが続くことで10年金利が上昇したが、
ドル円は146円と円高に振れている。

しかし、10月のISM非製造業総合指数は、54.4と2020年5月以来、約
2年半ぶりの低い水準で、9月は56.7だったので、景気後退にはなっ
てきたことは確かである。次の11月10日のCPIでインフレが収まって
いるのかどうかである。

ということで、NYダウは4週間上昇したが、また、下げ始めた。パウ
エル期待相場は3回目であるが、またはげ落ちたが、雇用統計で、ま
た期待している。

パウエル期待相場が4回目になるが、「11月に買って、翌年4月に売
れ」という格言があり、この期間の株取引が一番儲かるというアノ
マリーで、このため、市場は、どうしても買う理由を見つけたいよ
うである。

今も、コロナ感染症流行時にお金をバラまいたことで、米家庭の貯
蓄額は1兆7000億ドルもあり、当分インフレが収まらずに、利上げが
続くことになる。金利上昇では、より一層株価下落になると思われ
る。景気後退はハイテク企業には出てきていて、景気後退とインフ
レということで、巨大IT企業のリストラが盛んになってきた。

そして、景気後退とドル高でインフレと景気後退が世界的な現象に
なり、経済力が弱い北朝鮮やロシアのような専制主義国は、国民の
目を外に向かせるために、世界を相手にした大戦争を起こすことに
なる。

北朝鮮の多数のミサイル発射や北朝鮮軍機180機の国境線沿い飛行で
、偶発的事故での衝突を起こしそうな感じであるが、金正恩国家元
首は、強く推し進めている。この裏にはロシアがいる。

このため、米国と韓国は、対抗上、空軍の米韓軍事演習を延長した
が、北朝鮮は、米韓軍事的挑発に対して「最後まで超強力な対応で
応える」とした。力と力の対決になっている。

ロシアとの連携が強いイランもイスラエルへの攻撃を準備中だとい
う。このため、世界は戦争の時代になりそうである。イスラエルも
イラン核施設に対する攻撃を計画している。中東でも火の手が上が
るような感じである。

この戦争の時代を乗り越えるために、一層G7諸国を中心に、民主
主義国は、集団自衛国家群を作り、専制諸国と向き合う必要になっ
ている。

もう1つの側面が、戦争は巨大が消費現場になり、戦車、弾薬、飛
行機などの生産を国家上げて行う必要になり、巨大な需要が起こり
、世界経済を押し上げることになる。巨大な公共事業が始まったよ
うでもある。

米国経済の中心は、金融から防衛産業になる方向であり、巨大IT企
業の時代から、AI搭載の軍事用ロボットやドローンなどのハイテク
機器企業の時代になるはず。

しかし、11月8日で共和党が勝つと、2024年大統領選挙にトランプ前
大統領が、再度立候補することになり、もし、大統領になると親ロ
反中政権となり、世界の様相が激変することも考えられる。

この心配があるので、それまでにはウクライナ侵略戦争は終わって
いてほしいと思う。どちらにしても、ロシアは負けるので、その後
は、単独では大きな戦争をできなくなる。

もし、トランプ氏が大統領になったら、のらりくらりの米中対決に
なる。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は
24,717円の底値になり、10月28日は27,105円で、31日は482円高の
27,587円、11月1日は91円高の27,678円、2日は15円安の27,663円、
4日は463円安の27,199円。

先週の株価は前半上げ、後半下げでした。FOMCで、相場の雰囲気が
変化した米国株の影響を受けて、日本株も下げた。

もう1つが、企業の決算発表が続き、その決算で株価が動くことに
なっている。しかし、企業の1/3は上方修正であり、円安とイン
バウンドの効果が出ている。

特に、軽の電気自動車が売れている三菱自動車株が18%も上昇してい
る。日本でも、軽の電気自動車が売れ始めたことになる。自宅に充
電器を設置して、使えば、地方のガソリンスタンドがない地域でも
、心配しないで乗れる。日産と三菱の車は、充電時間も、そこそこ
良くなっているようだ。

その点、トヨタのEVは急速充電が1日2回しかできないので、遠出が
できないし、マイナス気温の環境では急速充電もできない。

熱対策がなく、充電特性も悪いなど多くの問題点がある。EVでは完
全に劣っているので、誰も見向きもしない。このため、2030年には
、日本は自動車大国ではなくなる可能性もある。ドイツは世界的な
基準でのEVを作っているのに比べると、大きく劣っている。

円安を利用して、産業振興を行う必要があるが、その中心的な自動
車産業に心配点が出てきたようだ。全方位ではなく、乗用車では、
ハイブリッドの次はEVと見定めて、それに全力投球するべきだ。

今までの技術進化を見ると、世界で方向な定まった技術に、その時
点で、よりよいと思われた技術は負けている。FCV普及には無理があ
る。充電スタンドが広く普及すると、水素ステーションの設置数拡
大は難しくなる。

どうも、豊田社長の従業員数を守るために、水素や合成軽油などの
エンジン搭載の車を作るという発想では、トヨタは将来衰退するよ
うに感じる。

もう1つが、中国や北朝鮮、ロシアなどの専制主義国に対峙する日
本は、防衛能力を高める必要がある。このため、防衛予算を年5兆円
から10兆円にする必要があるが、それを増税で賄うのはおかしい。

今後、インフレと円安の2つで、企業利益が伸び、かつ国民の所得が
上がり、法人税と所得税の税収は大きく伸びるはずであり、増税を
する必要がない。インフレは増税と効果が一緒であり、インフレの
上に消費税増税もすると、2重の重税になる。

このため、消費税増税は止めるべきである。むしろ、消費税を減税
した方が良い。円安によりインフレで大変な時期に、国民の貧困化
を推し進めるようなことをするべきではない。

もし、やるなら、法人税を元に戻すことであり、赤字企業へも課税
する制度を作る方向である。

これからは、万年赤字の中小企業の退場を促進して、そこで働く人
を日本に回帰する工場やインバウンドで盛り上がるサービス業、農
産物の自給化での農業に人を移動させるべきである。

人口減少社会で、かつ、円安のために海外からの労働力も期待でき
ない事態になり、人の有効的な活用を図ることが必要である。

そのためには、万年赤字企業の退場を推し進め、かつ企業や行政の
DX化で、事務労働を削減していくことである。DX化などで生産性を
上げて、世界戦争時の自給自足体制を作る必要になっている。

それと、岸田文雄首相に経済政策を助言する原丈人(じょうじ)氏も
、「消費税率を引き下げ、法人税と所得税の税率を引き上げるべき
だ」と提言したが、賛成である。インフレは、貧困家庭の方が影響
が大きいので、所得税でも累進課税強化した方が良い。

2.ウクライナ戦争の推移
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ウ軍は、ルハンスク州で交通の要衝のスバトボに向かっているし、
ヘルソン州では、ムイロベに向かっている。これに対して、ロ軍は
ヘルソン州南部から精鋭部隊を徐々に撤退させているようだ。その
代わりに、動員兵を送り込んでいる。しかし、これらの戦線の動き
は少ない。

ロシアは、北朝鮮とベラルーシ、イランから弾薬も調達して、前線
に送り、ウ軍と同等レベルの砲撃を維持しているが、いつまでもつ
のかだ。今は泥濘で砲撃戦をお互いに行うしかないようである。

・クレミンナ・スバトボ攻防戦
ウ軍は、クレミンナ周辺に到達して、クレミンナのロ軍基地に対し
て、砲撃しているが、偵察部隊を出して、ロ軍の状況をみている。

ウ軍は、もう1つ、クピャンスクからP07を南下してスバトボに向け
進軍しているが、進行速度が大きく落ちている。秋恒例の泥濘で、
装甲車両が舗装道路以外で走行不可になっていることで、攻撃に必
要な装甲車を先頭に立てて攻撃できないためである。

このため、冬になり、地面が凍結して装甲車が走行可能になるまで
、大きくは動けないようである。それと、冬になり、ウ軍がより優
勢になるとみて、今は攻撃を控えているようにも見える。

ウ軍には、防寒着が世界から援助されているが、ロ軍には防寒着も
個人での用意であるし、それを買う給与は出ていないという。凍死
の危険がロ軍にはある。

ウ軍の攻撃が弱まり、ロ軍は大量の動員兵をスバトボに送り、体制
を立て直したいようだ。しかし、ルガンスク州マケーエフカの前線
に投入された動員兵は、塹壕を掘れと命令されたその明朝にウ軍に
砲撃され、将校は逃亡。570人いた動員兵の内、無傷で生き残ったの
は29名、負傷者は12名、残りは全滅だったという。大量戦死が発生
しているようだ。HIMARSの砲撃は正確でかつ面攻撃であり、大量の
犠牲者が出る。

ウ軍は、P07南下の装甲部隊がチェルボノピフカを攻撃したが、クレ
ミンナ攻撃のウ軍は、兵力が少ないのか、攻撃が弱いような気がす
る。このため、部隊間の隙間を通り抜けて、前線から遠いテルニー
をロ軍が攻撃できるようである。このほかにもロ軍は攻撃して、ウ
軍の攻撃を遅らせている。

もう1つが、この地域には親ロ派の住民が多く、ウ軍部隊の情報が
ロ軍にもたらされているようにも見える。

それでも、ウ軍はP66から北上して、来週にはスバトボを総攻撃する
と見られている。現在、スバトボから10KM程度の所まで、ウ軍は到
達しているからだ。

・南部ヘルソン州・ザポリージャ州・クリミア攻防戦
ロ軍は、ムイロベとプラスキンズキーを結んだ線上に塹壕を掘り、
防衛線を構築した。ウ軍は前進してスハノバまで来て、ムイロベの
攻撃をしていた。

しかし、それ以上の前進ができないでいる。ロ軍は精鋭部隊を温存
するために撤退させて、その代わりに動員兵を送り込んでいる。

ロシアのスロビキン総司令官は、ドニエプル川西岸のロ軍の撤退を
完了したとして、ヘルソン市庁舎のロシア国旗をおろしている。
そして、ロ政府は、ドニエプル川右岸に残った公務員や年金生活者
等に対し、給料や年金の支払いを停止した。

ウ軍の攻勢で引くと喧伝して動員兵を捨て駒にして時間を稼ぎ、精
鋭を第二防衛線で市街地陣地を強化、インフラを破壊し、住民には
即時避難を呼びかけて、ロシア占領地に退避させて、残った住民に
は  24時間の外出禁止令を出して嫌がらせだ。

このため、ウ軍は偵察隊を出して、ロ軍の配備状況を見ているよう
であり、撤退の報道をロ軍の罠かもしれないと警戒している。

ザポリージャ原発に再度、砲撃があり、送電が止まっている。現場
にある発電機で冷却施設を動かしているが、燃料は2週間しかない
という。ロシアは、ウクライナが「汚い爆弾」を使う準備をしてい
るとしたが、IAEAは、ウクライナの原子力施設を監査して、そ
のようなことをしていないとした。

そして、クリミア半島のセバストポリの軍港攻撃されたことで、ロ
シアは、ウクライナ産穀物輸出合意の履行を無期限停止するとした
が、トルコと国連が保証する形で、ウクライナ穀物輸出を続けると
して、11月1日、12隻の貨物船をオデッサ港から出航させていた。

このため、ロシアは2日には、ウクライナ産穀物輸出協定に復帰し
た。

黒海での艦艇数は、トルコがロシアの6倍以上も有し、ロ軍はト軍に
勝てないことは、自明であり、トルコ艦艇が護衛した所を、ロ軍は
攻撃できない。このままでは、ロシアはトルコとの関係も維持でき
ず、停戦協議の仲介役を無くすことになる。このため、ロシアは復
帰したようだ。

・バクムット方面
ワグナー部隊の戦術が酷い。バクムットの前線では、午後6時前後
から、ロ軍囚人兵など7、8人前後がウ軍陣地に向けて前進を命じら
れ、ウ軍部隊に向かってやって来る。一行の任務は、前進してウ軍
兵が発砲せざるを得ない状況を生み出し、それで陣地の場所を探り
当て、その後、ロ軍は、探し当てたウ軍陣地に向けて、大砲を撃ち
込み、その後ロ軍の精鋭部隊を送り込んでくるという。

ということで、ロ軍の「使い捨て兵士」の大半が戦死する運命にあ
る。しかし、それでもウ軍陣地を突破できていない。このため、交
戦が続くバクムットのM03とT0504の交差点付近は、ロ軍兵の死体が
多数ころがっているという。死体回収もできないからであるが、地
獄の景観だという。

そして、ロ軍の損害は、夏から現在にかけて、少なくともこの地域
で約7400名も出ているようであり、それと、ロ軍内ではコロナと赤
痢が蔓延しているともいう。

このため、ロ軍は、装甲機械化部隊を派遣して、膠着した前線を突
破する作戦を立て、十数量の装甲車両で攻勢に出たが、全部撃破さ
れ、装甲車に随伴した歩兵も撃退されたようだ。

もう1つ、ワグナー兵士の戦死は、ロ軍の戦死者数には反映しない。
そして、ウ軍発表のロ軍戦死者数には反映する。

・ロ軍とウ軍や世界の状況
ロ軍は、ランセット自爆ドローンを有効に使用していて、ウ軍の
M777榴弾砲などのソフトターゲットを狙っている。ランセット1は
弾頭重量1kgで、ランドセット3が弾頭重量3kgである。戦車などに
は効果がない。

イランもロシアにドローンの提供を認めたし、追加のドローン供給
もするという。ロシアもドローンで戦局を好転させたいようである。

これに対して、米国は、ウクライナに追加軍事支援を4億ドルするが
、そのうちに、正体不明のフェニックスゴースト自爆ドローンを追
加で1100機を供与し、合計1800発も供与されている。この使い道は
ランドセットと同様とみなされるが、この攻撃の動画がないために
、姿も攻撃方法が不明のままである。

また、イラン製ドローンやミサイル対応で、ホーク中距離地対空ミ
サイルも供与されるようである。その内、イラン製ドローンについ
ては、ウクライナ軍のゲパルト自走高射機関砲で簡単に撃ち落せる
ようであるが、弾の提供に難がある。スイスは弾のウクライナへの
提供を拒否している。ノルウェー製の弾しかないが、供給量が不足
している。

今後は、ミサイル、特に弾道ミサイルへの備えが必要になり、パト
リオットが必要になるが、これはシステム化が必要で、その構成は
大変であるので、供与されない。

これより心配なことが出てきた。米国内で、ウクライナへの支援が
「やり過ぎ」だと考える人が、米国の世論調査で30%にのぼってい
る。共和党が上下院を抑えると、ウクライナ支援の見直しが起きる
可能性がある。この傾向はEU諸国でも同じである。

このため、バイデン政権は、ゼレンスキーにロシアとの交渉にオー
プンな姿勢を見せるよう促しているという。徐々に、交渉の余地な
く何年も戦争が続くことは、EUも米国も望んではいないからだ。

レズニコフ国防相が、各国の支援疲れを気にしていたが、それが現
実的に出てきているようであり、戦果を挙げて、どこかで停戦交渉
に向かわないと、ウ軍への支援もなくなる。冬を越した時点が、停
戦開始になると見る。それまでに、どこまで奪還できているかだ。

その上、ロ軍のドローン攻撃と、ウ軍が積極的な攻撃に出ているの
で、ウ軍装甲車両の損害が増えている。戦車は350両、装甲戦闘車両
180両、歩兵戦闘車350両、装甲兵員輸送車180両などであり、実際は
、これ以上かもしれない。そしてウ軍戦死者数も1万人以上にはなっ
ているはず。ちなみに、ロ軍戦死者数は7.5万人である。

このため、継続的に装甲車両の提供を続ける必要がある。そこで、
米、オランダ両政府はチェコが保有する戦車計90両を改修した上で
ウクライナに提供するとした。

それと、動員ロ軍兵100人超が、訓練基地で約束された報酬の不払い
に怒って、抗議のストライキを起こした。このことで、焦ったプー
チンは、動員兵に一時金45万円を支給すると発言したが、それより
前に、月の報酬をちゃんと渡すべきであろう。

ロ軍は精鋭な兵を必要としているので、捕虜交換には、応じている
ようで、ウ軍の捕虜107名がロシアから解放されて帰国した。勿論、
同数のロ軍兵もロシアに戻した。ウ軍解放者の内約70名はアゾフス
タリ防衛戦に参加した兵士である。

ロシアは、30万人の動員兵に対する訓練や装備の準備もなく、予算
もなく、思い付きで動員を始めたことがわかる。もし、この動員兵
に報酬を渡すことになると、今後6ケ月で7兆円もの費用が必要であ
り、その捻出が必要になる。

同じように、前線に配備された動員兵にも報酬がないので、戦闘に
行くのを拒否する兵士が出て、これを防止する「督戦隊」と呼ばれ
る部隊を展開し始めたという。

戦闘拒否の兵員の処刑や拷問が行われているという。ロシアの囚人
たちも状況を知り、応募しなくなり、フリゴジン氏は、旧アフガン
軍人を狙って動いているようである。

一方、ロシア国内でも、装備を自分で調達する必要があるなど動員
兵の処遇が悪くて、ウクライナ戦争への不満が出て、プーチンは、
ウクライナ侵攻について、2月にロシアが始めなくても、いつかは
戦争になっていたし、ロシアに開戦の責任はないとの認識を示した。

大祖国防衛戦争にしたいようであるが、動員兵たちは労働報酬のた
めに戦うので、報酬がないことで国民と指導者層の思惑が大きく違
っている。

このため、プーチン政権内で、侵攻戦争を「聖戦」にするために、
ウクライナや欧米を「悪魔」と批判し、「非サタン化」が必要だと
主張して、動員兵に戦争の意義を提示して、無報酬でも戦えという
ようだ。それには、無理がある。ロシア正教以外に、イスラム教徒
も仏教徒もいるので、聖戦の意味が宗教によって違うからだ。

プーチンの負け戦で何をするかわからないと、ポーランドのマリウ
シュ・ブワシュチャク国防相は、ロシアの飛び地カリーニングラー
ドとの国境に、不法越境を防止するためのフェンスを設置するとし
た。難民をロシアが送り込む危険があるためで、その防止策である。

もう1つ、独ショルツ首相は、中国を訪問したが、その首脳会談で
、習近平主席は「国際社会は核兵器の使用や威嚇に共同で反対すべ
きだ」と述べた。

これは、ロシアのプーチン政権が核戦力の使用も辞さない姿勢を見
せるなか、中国は明確に、ロシアの核使用に反対であることを明示
したことになる。これで、インドと中国の両国から核使用反対がロ
シアに述べられたことになる。

このため、ロシア外務省は、核戦争を回避するよう米国などの核保
有国に呼びかける声明を発表した。

しかし、これは、自分たちが核の脅しを使っていることで、インド
や中国からも非難され、仕方なく、核の脅しを引っ込めることにし
たということだ。

その上、独ショルツ首相は、中国の李克強首相との共同会見で、「
私は台湾のいかなる現状変更も平和的、もしくは相互の合意による
ものでなければならない」と述べた。

主要7カ国(G7)外相会合は、ロ軍の攻撃によって被害を受けて
いるウクライナのエネルギーインフラ復興に向けた支援をするとし
たように、世界からウクライナは支援されている。

しかし、一方、ロシアに一定の理解をしていたブルガリア議会でも
ウクライナへの軍事援助を開始するかどうかを問う法案が採択され
、結果、賛成175反対49の圧倒的多数で可決となった。

ロシア寄りな面もあったブルガリアもとうとうウクライナ側に変わ
った。「池に落ちた犬は叩け」である。

その結果、世界の潮流がロシア叩きの中、国際司法裁判所も、ロシ
アにウクライナでの軍事行動の即時停止を命じた。

欧米日豪など多数の世界の国々対ロシア・イラン・北朝鮮の構図に
なってきた。そして、中国とインドは中立的な立場をキープする。

さあ、どうなりますか?



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