6255.中国も経済合理性を放棄か



中国の全人代で習近平が3選したことと、習配下の人間で常務委員
を独占した。経済感覚がある共団派の政治家を締め出した。今後の
中国を検討しよう。    津田より

0.米国と世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、10月10日は29,202
ドルで年初来安値となり、10月21日は31,082ドルで、24日は417ドル
高の31,499ドル、25日は337ドル高の31,836ドル、26日は2ドル高の
31,839ドル、27日は194ドル高の32,033ドル、28日は828ドル高の
32,861ドル。

先週のNYダウ株価は大きく上昇した。デーリー連銀総裁の利上げ縮
小の発言の後、ブラード連銀総裁も小幅な調整にシフトする方が良
いとの発言で、11月は0.75%利上げだが、12月は0.5%利上げに縮小す
るという期待から、米10年金利も4.3%から4.0%と下げた。

この見方を強化したのが、ECBで「今後数回に渡って」利上げを行う
という文言が外れ、利上げサイクル終盤に近づいていたと感じさせ
たことであり、米国も同様であろうという見解になったことである。

それとアップルの業績が良かったことで、NYダウは上昇した。NYダ
ウは、週間で1779ドル高で、4週連続で上昇した。逆に、株価が上が
って、FRBは、12月以降の0.75%利上げを正当化できることになる。
そうすると、またNYダウは下落する。この繰り返しが起こっている。

しかし、今まで急成長していたGAFAMの企業業績が、景気後退の影響
で、予想より悪く、株価が大きく下落したが、アップルの業績は良
く、NASDAQも週間で見ると、上昇した。

景気後退すると、アップル以外のGAFAM業績悪化は、企業が広告を最
初に絞る影響が出てきたことによる。

これで、ハイテク株のブームは、決算発表で新たな現実を投資家に
突き付けて、終焉のようである。テスラ車も中国BYDのEVよりコスト
パーフォーマンスが悪いので、テスラも普通の会社になったようだ。
この証拠に、テスラは、BYDに負けて中国市場では価格を下げた。

そして、10年国債金利が低くなったことで、黒田総裁の金融緩和政
策維持の発言後も、ドル円は147円までの円高になっている。

そして、12月のFOMCの利上げ幅が今後、焦点になりそうだ。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は
24,717円の底値になり、10月21日は26,890円で、24日は84円高の
26,974円、25日は275円高の27,250円、26日は181円高の27,431円、
27日は86円安の27,345円、28日は240円安の27,105円。

先週の株価は上がった。最近の動きは、26000円から28000円を往来
する相場であり、先週も前半は上昇し、後半は下落の展開になり、
先々週と同様の展開になった。

日本市場は米国市場の影響を受けるので、仕方がないが、日本株は
NASDAQとNYダウの両方の影響を受けて、2つの株価が反対の方向にな
ると不安定な相場になる。

もう1つが、今後、中国リスクの影響が出てくる。香港ハンセン指
数が10月24日に6%の下げになったし、米国市場に上場する中国株も
大幅な下げになっている。

その下げの原因は、中国政治・経済に対する懸念であろう。しかし
、日本株は、24日下げてはいないが、今後、中国でビジネスをする
会社の企業業績が悪化して、株価が下落することになる。

ファナックの決算は、中国での販売不振から減益になり、大きく下
げている。このコラムでは、随分前から、中国からの撤退に向くべ
きであると述べていたが、キャノンの御手洗会長もやっと、中国で
の生産を日本に移管するとした。

今後、この中国政治・経済の問題が、顕在化してくることになる。
再度、中国でのビジネスを見直した方が良いと勧告しておく。

一方、日本政府は、9月22日、10月21日、10月24日に円買介入を実施
して、ドル円を150円から下げている。10兆円弱の外貨準備金を使っ
たようである。10月24日の介入後、米金利の下げで、今はドル円は、
147円になっている。

日銀の黒田総裁は、金融緩和を維持するという。その内、ドル買い
の巻き戻しが起きると思っているのであろうが、FOMCで11月0.75%の
利上げになり、金利差が拡大するので、ドル円を150円以下にするた
めには、当分毎日円買介入が必要になるとみる。

29兆6千億円の総合経済対策も出て、日本経済を押上げることになる
が、当分インフレ対策が必要であり、かつ産業育成策も必要になる。

しかし、人への投資5年で1兆円で、電力・ガス代補助半年で6兆円と
産業育成策の方が予算が少ない。広範な物価抑制策は、費用対効果
的に、割りが合うかどうかが問題かもしれない。

そして、EV関連の技術開発が、今一番必要であろう。このまま、EV
で日本が遅れると、自動車産業がなくなることになる。トヨタのEV
は、性能も思想も良くない。これでは世界と戦えない。日産車でも
中国BYDと比べると見劣りがするが、トヨタ車はよりダメだ。

それと、この件で日本は、危機感を持っていないことが問題である。

AVで負けて、このままであると2025年には自動車も負けることにな
りそうだ。

2.中国の見通し
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習近平主席は、今度の全人代で自分に反対する勢力を遠ざけて個人
的支配を確立した。そして、中国の政治体制を強力な一党独裁支配
体制に復活させて、中国の世界的影響力を拡大するという目標の実
現を目指すことになる。

しかし、共産党支配を中国民に支持されるためには、よりよい未来
の提示が必要で、経済合理性より政治的倫理観を優先するので、経
済発展は望めない。このため経済成長の代わりに、宇宙や海の開発
、台湾統一等が必要になってくる。共同富裕などの平等性の確保も
必要である。

もう1つが、共産党の抱える問題の根は深く、汚職の蔓延はその最
たるものだ。この汚職問題の解決は、一党支配の正統性を示すため
にも不可欠であり、このため、政敵を倒すとともに、味方の汚職政
治家をも倒す必要がある。

しかし、習に忠誠を尽くす者は、汚職はしないが無能な者か、特に
経済合理性がない者が多くなる。

中国共産党支配では、現状の人選では経済合理性概念がなく、経済
的な発展ができないことで、党首脳への批判が起こるので、その矛
先を回避するため、外へ敵を作り、海外へ矛先を向けさせる必要が
ある。台湾併合もその一つだが、欧米日への対抗などというリスク
も視野にいれて、対中政策を考える必要がある。

その上、軍備拡大をこの30年継続して実施したことで、東アジア
での軍事バランスが著しく中国に有利な状態になっている。

その状態で、中国が台湾を軍事的に統合することになると、日本は
日米同盟の米軍擁護という観点から、戦いに巻き込まれるし、尖閣
諸島の侵略も起こり、日米豪台の連合軍で、中国と対峙することに
なるが、大きな戦争になる。

事実、習近平は「尖閣諸島確保は歴史的責務」と発言したことでも
台湾武力統一と同時に取るようだ。米国も、国家防衛戦略を公表し
、中国を最上位の脅威と位置づけて、「我々は激動の時代に生きて
いる」とした。中国の軍備拡張に対抗して、日米豪の連合軍で対応
する必要を強調している。

この事態を想定した自衛隊の準備や国のあり方の再定義(憲法改正
)が必要になっている。

また、経済合理性がない政策が中国で増えるので、日本企業の資産
・ノウハウを奪い取る方向への政策も増えてくる。この面からも仮
想敵国での経済活動という視点で、企業も準備する必要がある。逃
げる方が良いともみる。

今後、中国のいろいろな規制強化、mRNAワクチンがないことでコロ
ナ感染数を抑えるための都市封鎖、不動産開発業者の相次ぐ破綻で
地価・住宅価格の下落、台湾武力統合などの地政学的緊張を受ける
ことになる。

この結果で、海外企業が大挙して投資を引き上げていることで、今
年3月頃から人民元が下落したが、全人代後、やっと為替介入を実
施した。

そして、米国もとうとう、先端半導体、AIなどの輸出制限を行い、
中国へのノウハウの流出を防ぐ方向にシフトして、中国への全面的
な経済戦争を開始した。

これに対して、中国は、相互利益の条件で米国と「交渉」する用意
があると、経済戦争を回避したいようである。

この観点から、欧米一般投資家も資金を引き揚げ始めて、香港ハン
セン指数も大幅な下落したし、NY市場でも中国株の下落が起こって
いる。

このため、中国株65銘柄で構成されるナスダック・ゴールデン・ド
ラゴン中国指数は前週末比14%下落し、2013年以来の安値で終了。
時価総額は約930億ドル(約13兆8600億円)消失した。

アリババグループとJDドットコム(京東)、百度(バイドゥ)は
いずれも少なくとも12%下落。ピンドゥオドゥオは25%下げた。電
気自動車(EV)メーカーの蔚来汽車(NIO)は16%、理想汽車
は17%それぞれ値下がりした。

これらから、資産10億ドル以上の中国ファンドでパフォーマンスは
、マイナス40%にもなっている。合計資産は2021年末に比べ44%減
少した。

中国へ投資した資産は、中国が台湾への武力行使により、ゼロにな
る。そして、その武力行使も可能性が高い。

戦争の前触れ的な様相になってきた。第3次世界大戦への道を確実に
進み始めている。怖い状況になってきた。

この戦争は、すぐに起こる可能性があり、敵地反撃能力のために、
巡航ミサイルのトマポークを、日本が米国から買う方向で検討して
いるという。徐々にきな臭い感じにもなってきたようだ。

3.ウクライナ戦争の推移
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ウ軍は、ルハンスク州で交通の要衝のスバトボに向かっているし、
ヘルソン州では、ムイロベに向かっている。これに対して、ロ軍は
ヘルソン州南部から精鋭部隊を徐々に撤退させているようだ。その
代わりに、動員兵を送り込んでいる。しかし、この1週間の戦線の
動きは少ない。

・クレミンナ・スバトボ攻防戦
ウ軍は、クレミンナ周辺に到達して、クレミンナのロ軍基地に対し
て、砲撃しているが、偵察部隊を出して、ロ軍の状況をみている。

ウ軍は、もう1つ、クピャンスクからP07を南下してセレベッツ川に
到達し、それを渡河してスバトボに向け進軍している。川の渡河前
にウ軍部隊も再編を行ったようである。

P66上のプロシジャンカを確保し陣地を構築して、スバトボとクレミ
ンナの間を切断して、スバトボとクレミンナへの攻撃を有利にする
ようである。

ロ軍は、ドネツ川沿いにロシア領からセベロドネツクまでにワグナ
ー防御線を構築した。そこには、戦車が突破できない「竜の歯」を
2重に設置している。どうも、2月24日以前の支配地を守る方向のよ
うである。

ロ軍は大量の動員兵をスバトボに送っているが、装備もない動員兵
が前線に放置されて、ウ軍砲撃が激しくなり撤退すると前線に戻る
よう命令されたという。まともな装備もなく、ウ軍と戦えという方
が、おかしいが、今のロ軍に兵器と弾薬もないようだ。そこの指揮
官がラビン大将であり、ワグナー創業者のフリゴジン氏の要求で解
任されたようだ。しかし、スバトボの防衛は絶望的であろう。

このため、ワグナー防御線の北側の防衛は、ロ軍は放棄する可能性
があることを示しているので、停戦交渉の条件になってくるとみる。

・南部ヘルソン州・ザポリージャ州・クリミア攻防戦
ロ軍は、ムイロベとプラスキンズキーを結んだ線上に塹壕を掘り、
防衛線を構築した。ウ軍は前進してスハノバまで来て、ムイロベの
攻撃をしていた。

しかし、それ以上の前進ができないでいる。ロ軍は精鋭部隊を温存
するために撤退させて、その代わりに動員兵を送り込んでいる。

ロシアのスロビキン総司令官は、ドニエプル川西岸のロ軍の撤退を
行うとしたが、ヘルソン市の防衛を強化するために、スロビキン防
衛線を作り、市街戦を戦うようである。ここでも動員兵を送り込み
、精鋭部隊を撤退させるようだ。要するに、動員兵を捨て駒にする
ということである。

それと、ドニエプル川東岸に砲兵部隊を配置して、西岸のウ軍を攻
撃するようであり、ウ軍も西岸に砲兵部隊を配備して、ロ軍火砲を
破壊するようである。

ザポリージャ原発の近くに、イエローブロックを持ち込んだ施設を
建設しているという。勿論、このイエローブロックは核燃料廃棄物
であろう。このため、ザポリージャ原発の近くの都市エネルホダル
から、ロ軍が撤退していたようだ。「汚い爆弾」をここで使うよう
である。

そして、クリミア半島のセバストポリの軍港が、無人機8機、無人艇
6隻により攻撃されたこと、特に水上ドローンの自爆突入でフリゲー
ト艦「アドミラル・マカロフ」を撃破されたようで、ロシアはウク
ライナ産穀物輸出合意の履行を無期限停止するとした。

これに対して、ゼレンスキー大統領は「ロシアは故意に食糧危機を
引き起こそうとしている」と非難し、対露圧力の強化が必要だと訴
えた。

対して、パトルシェフ露農相は、「ロシアはウクライナに代わり最
貧国に穀物50万トンを無償提供し、望む国にも安価で供給する準
備がある」と表明した。

・バクムット方面
ロ軍の精鋭部隊が少なくなり、バクムット周辺に攻撃を絞り、そこ
に動員兵も増強して、攻めている。こちらでも単純な突撃攻撃を囚
人兵や動員兵にさせて、大きな戦死者を出しているのに、前進でき
ないでいる。

ウ軍は、ロ軍の大量自殺攻撃の動画を公開しているが、このような
攻撃は、無意味であり人命軽視のロ軍用兵に怒りを感じる。

・ロ軍の状況
イランから自爆ドローンを2500機も導入して、飽和攻撃を各所で行
っているが、イランから供給された機数は600機程度であり、330機
を既に使ったようで、その後の攻撃密度が少なくなってきた。短距
離ミサイルのイスカンダルも在庫が13%と、ほとんどない状態になっ
ている。しかし、イラン製弾道ミサイルはまだ使用されていないよ
うだ。

イスラエルは、当初、ロシア寄りであったが、イランがロシアを助
けたので、その方針を変更して、ウクライナ寄りにシフトさせて、
シリアにあるイランのドローン工場を空爆した。このため、契約数
を作れなくなったようだ。

しかし、防空システムのアイアンドームの提供はできないとした。
その代わりに、ドローン制圧兵器の供与を開始した。この制圧兵器
で、多数のイラン製ドローンを生け捕りしている。

しかし、このドローン攻撃でウクライナの市民は生活を破壊されて
いる。電力会社DTEKは、電力施設がロシアの攻撃で損傷したことを
受け、首都キーウとその周辺地域で計画停電を実施し、全土で約400
万人が停電の影響を受ける見通しだという。

一方、イランの外相は、ロシアにドローンの提供をしていないと述
べて、ロシアが使用するドローンはイランからの物ではないとした。

このイランには、革命防衛隊とイラン国軍の2つの組織があり、イ
ラン革命防衛隊がドローンをロシアに提供したことがわかる。政府
機関は、革命防衛隊をコントロールできないからだ。ドローン工場
もイラン国内にはない。

このため、24日、イスラム革命防衛隊のMollashahhi大佐と準軍事組
織バシジのKeikha将軍がイランの都市ザーヘダーンで射殺された。
この2人は、ロシア軍が使用しているシャベド-136自爆ドローンの
供与に大きな役割を果たしていた。イスラエルのモサドとウクライ
ナの情報総局とで暗殺したように思うが、どうであろう。

イラン関連では、アフガニスタンの旧政府軍4万人がイランに保護さ
れているが、その内、まず特殊部隊3000人がロシア軍への援軍とし
てウクライナへ送るべく、ワグナー社の指揮下で編成中とのことで
ある。イラン革命防衛隊はどんどん、ロシアと一体化してくる。

それと、高性能で本質的に生存性に優れているはずの攻撃ヘリであ
るKa-52を投入しているが、機数の1/4に及ぶとみられる損失を被っ
ている。スティンガーミサイルの餌食にされているようだ。

装備面で、ロ軍の装甲車、輸送車、車両が不足してきて、日本から
大量の中古車を買い始めた。富山からウラジオストックへの船便は
、中古自動車で満杯の状態である。この中古車を装甲して、前線で
ロ軍に使われているようだ。日本も、陰でロシアを助けているよう
である。これを止められないの??富山の船便をなくすとか、でき
ないのでしょうかね。

もう1つが、ロシアは民間の衛星も「正当な軍事目標になり得る」
と国連第一・第四委員会合同会議で主張したが、ウクライナ軍が使
うスターリンク衛星を破壊することであり、それに対して、米国は
、破壊の報復を行うと警告した。

同様に、プーチンは、韓国がウクライナに武器を提供する場合は、
韓ロ関係が破綻するだろうと警告したが、韓国の尹錫悦大統領は、
ウクライナに殺傷兵器を提供したことはないと述べた。ロシアのロ
ケット技術を使うので、ロシアに配慮する必要がある。

前線では、ロ軍精鋭部隊を撤退させて、動員兵を使い、前線を維持
するようであり、捨て駒として動員兵を使うようである。プーチン
も、1000万人から2000万人の犠牲は仕方がないという。

しかし、ショイグ国防相は、9月21日に発令された部分動員令にもと
づく約30万人の予備役の招集が終了したとしたが、動員兵の捨て駒
風の使い方では、第2次の部分動員も必要になるはず。

動員兵の状況は悲惨な状態であるが、プーチンは、戦時体制を構築
して、企業の戦争協力を進める調整会議を開いた。政権は、軍備の
不足も認めて、総動員体制で戦争を遂行する方向になり、動員で労
働者がいなくなった工場に学徒を使い始めた。太平洋戦争末期の日
本を思い出す。ロシアも現状は負け戦であろう。

どう見ても、通常戦争では、勝つ見込みはない。

このため、100万人以上がロシアを脱出した。モスクワ市職員の1/3
もいなくなったようである。知識人、スポーツ選手、IT技術者など
の知能労働者や行政職員など幅が広い。総動員令が近々に出るとみ
て、退避しているようだ。

もう1つ、プーチンは、ウクライナが「汚い爆弾」を使うと盛んに
宣言したが、これは、ロシアが核を使うための口実であろうという
ことで、米国は核の利用は、何であれ許さないとした。

しかし、ロシアは10月26日プーチン指揮で、ロシア軍の陸海空の核
戦力部隊が核搭載可能なミサイルを発射する演習を実施した。

それに対して、インドのシン国防相も「核を利用するべきではない
」とロシアを強くけん制したことで、プーチンも「核を使わない」
と述べることになった。

そして、ロシア正教のキリル総主教は、プーチンを首席エクソシス
トに任命したと声明。この声明は、「ウクライナがサタンの支配下
にあり、キリスト教を放棄した。だから、悪魔払いのためにプーチ
ンがウクライナと戦っている」として、宗教的な面で戦争を正当化
しようとしている。

というように、この戦争を「非ナチス化」から「悪魔祓い」へと定
義を変えてきた。

それと、2024年露大統領選があるが、そこまでに戦争が終わってい
る保証はなく、大統領選挙をしない可能性もあり、プーチンを排除
するためには、クーデターか強制辞任が必要になるようだ。

その上に、今、強硬派のフリゴジン氏、スロビキン総司令官、カデ
ィロフ首長対実務派のショイグ国防相やFSBなどの政府官僚の対立も
あり、プーチンは、ジレンマを抱える状態になっている。

一方、ロシア国民は、レバダセンターの調査によると、和平交渉開
始を支持する国民が、9月48%から10月には57%にもなっているし、戦
争支持は、9月44%から10月36%に減少している。このような世論にな
り、強硬派は、より強硬な意見で煽っている。

ウクライナの勝利4条件は、全領土の奪還、戦争犯罪人の引き渡し
、賠償金、プーチンの辞任であり、和平交渉開始には、プーチン辞
任が必要とウクライナは言う。

このため、プーチンは、内乱鎮圧の演習をモスクワで行い、クーデ
ターへの備えを行った。

強硬派がクーデターを起こす可能性もあり、強硬派が政権を取ると
核戦争になることが確実である。また、プーチンを支えているのは
、FSBであり、プーチンを辞任に追い込む可能性もある。

和平交渉開始をロシア国内で、誰かが選択するか、もしくは、核戦
争である。2択になってきた。

さあ、どうなりますか?



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