6250.ロシアは部分動員令に



ウクライナ戦争で、ロ軍の兵員不足で戦線の維持ができないことで
、部分動員に踏み切った。プーチンは戦術核の使用も匂わしている
。今後を検討しよう。             津田より

0.米国と欧州の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、6月17日は29,888ド
ルと年初来安値になり、9月16日は30,822ドルで、19日は197ドル高
の31,019ドル、20日は313ドル安の30,706ドル、21日は522ドル安の
30,183ドル、22日は107ドル安の30,076ドル、23日は486ドル安の
29,590ドル。

先週の株価は1232ドル下落し、3万ドル割れになった。FOMCが0.75%
利上げで、かつパウエルFRB議長は40年ぶりの高水準にあるインフレ
率を引き下げるという「強い決意」を持っており、「仕事が完了す
るまでやり続ける」と述べた。また「インフレ率の2%回帰を約束
する」とも表明。

これを受けて、JPモルダンのジェイミー・ダイモンCEOも利上げの拡
大で、厳しい不況に陥る可能性を指摘した。この景気見通しを受け
て、株価は下落を継続している。

そして、F&Gインデックスもは24まで落ちてきて、強い恐怖になって
きた。そろそろ、底に近づている。もう少しの辛抱である。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は
24,717円の底値になり、9月16日は27,567円、20日は120円高の
27,688円、21日は375円安の27,313円、22日は159円安の27,153円。

先週は営業で400円ほど株価は下落した。FOMCの利上げを受けたNYダ
ウが下落したことが大きい。米国は株安で3万割れになっているので
、26日も朝は下落から始まるようだ。

そして、米利上げに伴い円安も進み、一時145円後半になったが、そ
こで円買い介入を財務省は実施したことで、141円まで円高にシフト
した。しかし、為替介入の資金は10兆円以下であろうから、一回の
介入が1兆円としても10回分程度であり、投機筋は、それを見透かし
て、攻めてくる。

このため、近々1ドル150円まで円安が進むとみる。円安を止めるに
は、為替介入と同時に利上げを行うことである。0.25%利上げでマイ
ナス金利を止めるしかない。

140円程度の円安は1年程度続くでしょうから、米株投資した個人は
、損切のチャンスでもある。円安と米株安が相殺しているので、総
合的には損が小さいはず。

日本企業は、インバウンドと製造業の両方ともに、円安の効果が出
て、利益が出ることになる。日本株にシフトする方が利益が大きい
ような気がする。

2.ウクライナ戦争の推移
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ウ軍は、東部ハルキウ州のほぼ全体を奪還したが、クピャンスク市
西側の奪還後、オスキル川を渡河して東側も奪還して、オスキル川
東岸を攻撃しているようだ。

そのほか、3ケ所で渡河に成功し、次のロ軍の防衛線であるルハン
スクの州境に向かって、前進している。逆にロ軍はクピャンスクを
攻撃してきた。

しかし、ウ軍の前進を止められていない。次の重要都市はスバトボ
になる。ここを落とすと、主要道路p66号線での補給ができなくなり
、セベロドネツクの防衛も難しくなる。このため、ロ軍はオスキル
川の防衛線を突破されたことで、最終的にはロ軍防衛線はゼレプレ
ッツ川に置くしかないようだ。

・部分動員
しかし、増援部隊がなくロ軍も体制を立て直すのが苦しい。特に後
方の守りがなく、前線を突破されると、真空地帯になり、ウ軍の進
軍速度が早くて、撤退の準備もできずに対応ができないことをハル
キウ州喪失で思い知らされた。

このため、後方の守備を固める兵力を確保する必要から、部分動員
を行ったようであるが、プーチンは演説予定日を1日遅らせた。それ
も直前に延期した。

当初、ロ軍の文章は、総動員令になっていたが、それでは国民の反
発が大きいと、直前にプーチンがショイグ国防相に待ったをかけた
ようである。

しかし、ロ軍参謀本部とブルガコフ次官は、ハルキウ州からプーチ
ンの命令で主要部隊を南部ヘルソンとドネツク市周辺に回したこと
で、手薄になり危ないと見ていた。その心配が的中した。

このため、プーチン指示の失敗を盾に、今回はブルガコフ次官など
ロ軍幹部は、プーチンの命令を聴かずに、動員令を押し通した。し
かし、部分動員を複数回行えば、総動員になるということで、部分
動員に譲歩したようである。

プーチンも強硬派から批判されて、兵員の不足を募集だけでは埋ま
らないし、ワグナーの雇用兵を増やし、正規軍と共同部隊を組むと
給与差が明確化して、部隊の亀裂になることを現場の指揮官から、
指摘されていた。このため、正規軍の増員が必要であることは、了
解していた。

ということで、ロ軍徴兵事務所は、総動員ベースで進んでいる。ま
ずは、都市部の反動員派、地方の総動員、非常に足りない将官と佐
官の予備役、30歳以下の予備役を優先するようである。即戦力とな
る予備役は重要である。

特に30歳以下は、軍務経験から、それほど経ていないので、再訓練
の必要なしに前線に送れるという。他は、2週間の訓練で前線に送
るという。

そして、ロシアの田舎であるブリヤート共和国では、「部分的」で
はなく、100%の動員になっているようだ。総動員になっている。

ロシアは徴兵制度があり、多くの若い人が予備役となるため、全国
的に対象となる予備役は2500万人もいるという。このうち、30万人
ではなく、事実としては100万人が最初の対象となっている。

このような状況で、都市部では、動員の可能性がある若い予備役の
人を中心に海外に退避するようで、イスタンブールへの航空便が数
日間満席、ジョージア、カザフスタンなどの国境線には車が渋滞し
ている。

フィンランドでの国境も同じでロシア人6400人以上が、22日1日に陸
路でフィンランド入国したが、フィンランドはロシア人の入国を制
限する方向である。逆にアイルランドは兵役拒否の人たちを無条件
で入れるという。

この状況を見て、政府は動員対象者で、政府の許可書のない者には
航空券を売らないように航空会社に通知した。その内、出国禁止に
なる可能性もあるようだ。すでにクリミアでは若い男性の州外への
移動禁止になっている。その次には戒厳令、そして総動員という順
番に進むようだ。

このような状況で、都市部では、反動員デモが行われて、参加者は
拘束・動員され、このデモを取材した記者も動員されたということ
で、このデモを潰すようである。また、プーチン支持派の人が反動
員デモを見ていても動員されたという。

誰でもよいから動員するということのようである。最後は総動員に
なるので、遅かれ早かれ動員されることになるようだ。軍務経験の
ない人も召喚令状が届いてるようであり、部分的に総動員になって
いるようだ。

しかし、米の戦争研究所は、ロシアの部分動員が戦争の流れを劇的
に変化させる可能性は少ないとした。前線にすぐ出す動員より、優
秀な兵器の確保や兵士の士気技量の向上が必要だということであろ
う。

このような状況から、カフカーズ地方は「動員令」に応ずることを
拒否声明を出し、ダゲスタン共和国では「戦場に子供を送るな」と
の母親たちの圧力に行政が同意せざるを得なくなっている。

チェチェンのカディロフも、「これ以上は要員を戦場に送らない」
というように、動員を拒否する地方が出てきた。ロシア崩壊の前兆
だ。

そして、100万人の未熟な兵士を前線に送ると、戦術も大きく変化す
る。突撃が多くなり、人海戦術になる。悲惨な戦場になるようだ。
このため、ウ軍も準備が必要であり、重機関銃で突進するロ軍兵を
排除するしかないことになる。

ロシア国防省はブルガコフ次官を解任したが、どうも、ロシア国内
での反対運動に、プーチンも限界を感じている可能性がある。強硬
派の国防省次官を解任した。

・リマンとドネツク攻防戦
スラビアンスク東側の攻撃でウ軍の前進は急速である。リマンやヤ
ンピルの戦闘も続いているが、オスキル川を渡河したウ軍攻撃部隊
が、ロゾベを奪還し、カリピフカ、リドコドップを奪還し、20KMも
機甲部隊が前進して、ウ軍はそこで南と東に2分して進むようだ。
この方面をウ軍は攻撃場所として、機甲部隊を投入している。

リマンは、ロ軍の薄いリマン郊外をウ軍が東に進み、リマン包囲を
完成する可能性がある。そろそろ、リマンからロ軍は撤退になるは
ず。すると、隣のヤンピルからも撤退になる。

しかし、ロ軍はソルダーに展開していた空挺部隊をリシチャンスク
に送り戦闘力を上げて、もう1つが、ロシア本土から援軍を送り、
ウ軍の攻撃を阻止したいようだ。

というように、オスキル川の防衛線を突破されたことで、この方面
では、次の防衛線をルハンスク州セベロドネツクに置くしかなく、
ロ軍はそこで体制を立て直したいようである。

しかし、精鋭部隊がいなくなり、バクムット周辺やドネツク市周辺
でのロ軍の攻撃圧力が縮小して、ロ軍は前進できないでいる。

・ヘルソン攻防戦
しかし、ウ軍は南部ヘルソン州での攻撃では、ロ軍の降伏交渉を蹴
ったことで、精鋭部隊が多いロ軍がウ軍を逆攻撃することが多くな
った。死に物狂いでの反撃であろう。退路がないので、頑張るしか
ない。

ヘルソン市北のキセリフカをロ軍が攻撃して市街戦になっている。
ヘルソン市に向け、ウ軍が機甲部隊を進撃させていたが、その機甲
部隊に大きな損害が出ているようである。西端のオレクサンドリフ
カもウ軍からロ軍が奪い返した。M777榴弾砲の砲撃からヘルソン市
内を守るために、ウ軍をその範囲内から追い出すようだ。

しかし、ドニエプル川の橋やフェリーは相変わらず攻撃しているの
で、はしけで細々と補給をしているが、ノバ・カホフカダムの近く
に2本の仮説橋をロ軍は構築したが、うち一本を破壊したが、もう1
本はまだ通行可能のようである。しかし、通行のトラックなどへも
砲撃しているので、食料や飲料水が思うように確保できない状況は
変わらない。

そして、ヘルソン市周辺のロ軍対空システムも破壊されて、ウ軍の
攻撃機がロ軍を空爆しているが、それでもロ軍は頑張っている。ロ
軍の攻撃機も飛来して、ウ軍を空爆している。

ヘルソン州中北部の橋頭保やヘルソン州北東部の状況も不明になっ
ている。

しかし、ロ軍は、西岸の中部ベリスラフに集結させて、ヘルソン州
の中北部や北東部のロ軍の撤退準備をしているようであるが、プー
チンは、占領軍司令官のへルソンからの撤退要請を拒否しつづけて
いるので、撤退を実行できないでいる。

ロ軍補給線を遮断して、ウ軍はHAMLSの砲撃と攻撃機の空爆を継続的
に実施して、ロ軍の消耗を待つしかないようだ。ロ軍精鋭部隊の厚
い守備に、ウ軍機甲部隊攻撃では、損害を大きくしているだけであ
り、ロ軍撤退を待った方が良い。プーチンはいつまで要請を拒否で
きるかということである。

南部地域では、イランのUAVも活躍しているようであり、ウ軍も、多
数飛来したロ軍のイラン製シャヒード-136自爆ドローンを迎撃しき
れないことで、各所で暴発が起きている。

このため、イスラエルは対ドローン用防空システムをウ軍に供与す
るようである。イスラエルは、今まで中立を保ってきたが、ここに
きて、ウクライナ側に回ったようである。もう1つが、イラン製ド
ローンの防御性能を上げる実戦試験のためのようである。イスラエ
ルは、イランとの戦争を準備している。

ウ軍戦車の損失で、米国もドイツのレオパルト戦車か、米国の戦車
の供与も検討し始めたようである。しかし、シュルツ首相はレオパ
ルト戦車の供与は認めない。F-16戦闘機の供与も検討開始した。

ウ軍装備が全面的にロシア型兵器から欧米兵器に変わる可能性も出
てきた。これで、兵器の弱点がロ軍は分からなくなるから重要なこ
とである。ロ軍の防御効率が落ちることになる。

このため、現在はロ軍の弱兵がいる場所を攻撃した方がウ軍として
は得である。このような場所がサポリージャ州であり、ウ軍機甲部
隊が徐々に進軍して、エホリフカまで到達したようだ。

ロ軍も徐々にウ軍が前進するので、徐々に後退している。ここには
、訓練もされていない第3軍団が守備の中心であり、脆いようであ
る。まだ、攻撃の中心がオスキル川防衛線突破であるので、ここは
砲撃が中心で機甲部隊が突進するような状況ではないが、いずれロ
軍の弱点に攻撃の中心を持ってくることになるとみる。

それと、ザポリージャ州は、パルチザン活動が盛んであり、多くの
ウ軍特殊部隊が潜入しているようだ。

どうも、プーチンはヘルソンを重視し過ぎているようであり、精鋭
部隊をヘルソンとドネツクに集めすぎて、他の地域の戦力は手薄の
ようである。この修正をしないと、ロ軍の勝ち目はない。

・ロシアの孤立化
プーチンは、戦術核の使用を仄めかしたが、国連でロシアへの非難
が止まらない。とうとう、中国も公平な立場であり、戦争の終結を
早く実現する必要があるとした。中国もロシア離れを隠さなくなっ
てきた。

トルコのエルドアン大統領は、ウクライナに占領地を返して、ロシ
アは停戦する必要があるとした。そして、プーチンも戦争を終わら
せたいようだという。

また、グテレス国連事務総長は「核紛争の考えは全く受け入れられ
ない」と表明した上で「住民投票と称する行為の実施計画を深く懸
念する。武力行使による他国の領土の併合は国連憲章と国際法に違
反する」と明確に指摘した。国連もロシアの敵になったようだ。

このように、国連事務総長も明言しているし、ゼレンスキー大統領
は、ロシアの安保理での拒否権停止を主張しているが、これに同調
する動きも出ている。

しかし、プーチンはウクライナの占領地から撤退することは、政治
生命を絶たれることになるので、それはできない。プーチンが頼れ
るはずの北朝鮮にも、今以上の兵器や弾薬の提供を断られている。

ロシアに弾薬を送ると西側メディアは北朝鮮も悪者にしていると。
世界的な悪者の北朝鮮が、ロシアを悪者というほど、ロシアは世界
から悪者と見られていることになる。

北朝鮮はロシアに兵器と弾薬を送り、中国から兵器と弾薬を買うつ
もりだったが、中国が拒否したようである。

このため、プーチンは、交渉の窓口であるエルドアン大統領とサウジ
のムハマンド皇太子とのパイプを維持する必要があり、捕虜交換を
提案されて、それを承諾した。この結果、ウ軍215名が解放された。
しかし、戦争終結までトルコにいることが条件であるが、アゾフ連
隊108名も含まれている。もう1つがウ軍で戦った海外義勇兵の解放
である。

この代わりに、ルガンスク州、ドネツク州、ザポリージャ州、ヘル
ソン州のロシア併合への住民投票を、ここに留置している捕虜と交
換に認めた。州行政官たちは、自分の身分がウ軍の攻撃で破滅する
可能性が出ているので、ロシア本土と一体化して、核の使用ができ
るようにして、核での防衛を志向するようである。ラズロフ外相も
同様なことを言っている。

これで、この戦争の最終フェーズは、核戦争になってきた。

米国もロシアの核兵器保管施設を監視しており、核弾頭がトラック
やヘリコプターに積み込まれたり、核兵器を扱うための特殊訓練を
受けた部隊の活動が活発化したりした場合に、それを検知するとい
う。

プーチンが短距離核攻撃の準備に着手した場合は、米国も対応する
という。第3次世界大戦となるのではなく、ロシア対米国の戦いにな
り、ロシア全土の核爆発でロシアは破壊されることになる。米国へ
の長距離ミサイルも飛ぶはずであり、米国の一部も破壊されるかも
しれないが、ロシアがなくなる。

日月神示やヨハネの黙示録の記述にある最後の世界になってきたこ
とになる。我々は、「終末の世界」を見ることになるのであろう。

さあ、どうなりますか?



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