6242.ウ軍優勢に逆転した



ウクライナ情勢が大きく動き始めた。ハイマースのより、ロ軍の弾
薬庫、指揮所、兵器保管庫など100ケ所以上が破壊されて、ロ軍の砲
撃が止まり、ウ軍が反撃に出ている。今後を検討しよう。 
                        津田より

0.米国および世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、6月17日は29,888ド
ルと年初来安値になり、7月22日は31,899ドルで、25日は90ドル高の
31,990ドル、26日は228ドル安の31,761ドル、27日は436ドル高の
32,197ドル、28日は332ドル高の32,529ドル、29日は315ドル高の
32,845ドル。

先週も、先々週に引続き。株価が大きく上昇した。FOMCは、予想通
りに2回続けての0.75%の利上げを行い、4-6月米GDPは速報値で-0.9%
となり、2四半期のマイナス成長でリセッション入りした。しかし
、イエレン財務長官は、失業率が低いのでリセッションではないと
いう。

また、市場では景気後退になり、利上げが打ち止めになり、パウエ
ルFRB議長は、8月ジャクソンホールで景気後退を認めて、利上げか
ら利下げに移るシグナルを出すと市場は予想して、悪いニュースは
買いということで、株高になっている。

そして、リセッションで米10年債金利と2年債金利の逆イールドにな
っているし、10年債金利は2.8%となり、円ドルでの金利差が縮小し
たことで、ドル132円まで円高になった。

また、FRBは資産圧縮のQTを実施しているが、バランスシートで見る
と、資産が減っていない。今、バイデン政権の方針が揺らいでいる
ので、FRBも中間的な金融政策を取るしかないのであろう。

一方、グーグルとメタの第2四半期決算が出たが、大きく減収になり
、景気後退で企業の広告宣言費が絞られてきたことが見える。

欧州は、ロシアからの天然ガスの80%供給縮小で、エネルギー不足の
なっている。このため、欧州の景気後退とインフレは厳しい。

中国も不動産バブル崩壊で、銀行の貸出しが減少している。不良債
権を国が肩代わりしたが、住宅ローンの不払い運動で、新規の住宅
ローンへの貸出しをしていない。

政府の対応策がない状態であり、公共投資もこれ以上はできないよ
うである、高速鉄道投資も借入金返済も10兆円規模になり、ほとん
ど乗客がいない路線も作ったことで、返せないようである。

中国の景気後退も確実である。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は
24,717円の底値になり、7月22日は27,914円で、25日は215円安の
27,699円、26日は44円安の27,655円、27日は60円高の27,715円、28
日は99円高の27,815円、29日は13円安の27,801円。

7月4週は、株価は水平。場中では28,000円を抜くが、終値では下が
ってしまい、28000円の壁が厚いようだ。米国の景気後退や中国の不
動産バブル崩壊などで、世界の景気が変調をきたしているので、日
本株も弱含みである。4-6月の企業決算での業績も、円安でも利益が
増えていないことで、株価は下がる方向である。

景気後退で株が下がる方向と、円安で日本企業への注文が増えるこ
とで株価が上がる方向のバランスがどうなるのか、見極める必要が
ある時期に来たようだ。

しかし、本格的に日米で経済安保政策が動き始めているが、日本の
国家戦略が明確ではなく、何を目指しているのかが見えない。人的
資源が少ないので、サービス業と製造業の2つの分野を同時に盛り
上げることはできない。

日本は観光立国より、製造業立国で生きるべきであり、東西冷戦構
造では、早く中国から工業製品のシェアを奪い取ることを西側諸国
から日本は期待されている。その方向で戦略を立てるべきだとみる。

それと、日本の人口は減少し、海外からの労働力を期待しないとい
けないが、技能実習生制度が、悪用されて低賃金労働の温床になり
、徐々に日本での労働を避ける方向になっている。早く見直して、
正常な労働環境を作ることである。マッチングの方法を確立して、
奴隷労働と世界から指摘されないようにするべきだ。

もう1つが、コロナ感染症の対策であり、全数把握は必要がないし
、重症化率が低いので、重症化しやすい人を医療対象としていくし
かない。コロナ感染症で、全数把握と濃厚接触者隔離で、これ以上
の経済混乱を起こす必要はない。

重症化しやすい高齢者には、秋に出てくるモデルナのオミクロン株
と今までのコロナ株の複合ワクチンを全員に接種することだ。今の
時点で5類見直しは無理で、収まった時点で5類変更をすればよい。
本当は、感染が少ない時期に見直しをするべきで、政府の対応策は
後手に回っている。

そして、次の「サル痘」感染対策も必要になってきた。当分、外国
人の入国検査を緩和することができないようである。この面でもイ
ンバウンド再開期待は無理がある。

日本の行く道は、感染症対策面からも工業国家化に行くしかないよ
うに見える。

天が日本をその方向に向けているように感じる。天は地震、温暖化
、感染症、戦争などを同時に人間界に試練として与えて、日本人の
反省を求めているようにも見える。

日月神示やヨハネの黙示録の世界になってきた。とうとう、このコ
ラムで長年心配してきた時代になってきたようである。

ということで、天の声を聴き、国家戦略の方向性を決める時になっ
たと見る。それにより日本の将来は決まる。

2.ウクライナ戦争の推移
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ウクライナ東部での戦闘では、ロ軍は優勢ではなくなり、一部でウ
軍に攻撃される事態になっている。勿論、大きな前進もない。

しかし、スラビアンスクの南に位置するバクムットには、ロシアの
傭兵会社ワグナー部隊の攻撃で、火力発電所や小さな街を取られて
いる。

ウ軍は、スラビアンスクの北に位置するイジューム方面では、パン
カやヤレミカなどに進撃して、その近くの森に陣地を作り、ロ軍部
隊を待ち伏せ攻撃している。イジューム方面ではロ軍は、ハイマー
スで弾薬庫、司令部、防空システム、駅などを破壊されて、補給が
できない状況になり、ここに展開していたBTGを南部やバクムット、
ベラルーシに転戦させたようであるが、ウ軍も守備が薄いところを
ロ軍に攻撃されて取られているので、油断はできないようだ。

しかし、鉄道の拠点クビャンスクやボルチャンスクなどへの砲撃で
鉄道による補給ができなくなっているようだ。このため、こちらか
らのスラビアンスク攻撃をせずに、スラビアンスクの東や南に位置
するバクムットやリヒチャンスクからの攻撃に変化している。

しかし、この方面でもほとんど前進できていない。ワグナーが展開
しているバクムットの一部で前進できているが、ほとんどでは攻撃
を撃退されている。しかし、ワグナーの司令官の一人で、シリア、
リビア、ドンバスと転戦してきたセルゲイ・コノノフが東部戦線で
戦死したという。ワグナーも勇敢な攻撃をするので、戦死者が増え
ている。

東部は、ウ軍の偵察隊がロ軍の守備が甘い地域を見つけて、そこを
攻撃しているようである。全般的には、東部は膠着した状況だ。

ドネツクでは、ロ軍の捕虜施設をハイマースで砲撃して、ウ軍捕虜
が50人が死亡したが、誤爆のようである。このようなこともある。
しかし、ゼレンスキー大統領はロシアによる攻撃としたので、その
可能性もあるのかもだ。

ドネツク方面をハイマースで多くの個所を攻撃しているが、ロ軍は
対応策を取れないので、このような行為で止めたいのかもしれない。
今は、どちらがか分からない。

キーウ方面ではM270MLRSを投入して、ロシア領内ブリャンスク州の
クリモビ基地を砲撃した。ベラルーシとの国境付近にロ軍とベラル
ーシ軍がウクライナのチェルニーヒウ州に侵攻の準備をしているの
で、その対応策であろう。

ロ軍の不利な状況を打開するために、再度、キーウへ侵攻を準備し
ているようである。ベラルーシ軍も巻き込むようで、戦線が拡大す
ることになる。ルカシェンコ大統領もプーチンに逆らえなかったよ
うだ。

南部ではウ軍は、反撃に出ている。ロ軍の防空システムを破壊した
ことで、ウ軍の戦闘機やドローンが自由に行動できるようになり、
ウ軍優勢の状況になっている。これに対して、ロ軍は東部のイジュ
ーム方面から3BTGを南部に送り、南部の防衛を固めたいようである
。ロ軍は現状10-13BTGをヘルソン州に展開しているが、包囲された
1BTGがウ軍に既に降伏している。

また、南部ヘルソンのドニエプル川に架かるアントノフスキー橋を
複数回砲撃して破壊、車両が通行できなくなった。もう1つ、ヘル
ソンに通じるインフレッツ川にかかるダリフスキー橋も破壊、その
横にある鉄道橋も破壊して、ヘルソン市へのロ軍の補給ができにく
くなっている。

このため、ロ軍は、インフレッツ川に船橋を複数設置したが、ドニ
エプル川の川幅が広く、船橋が構築できないので、フェリーで補給
を行うようだが、ヘルソン市への十分な補給ができない。

そして、ヘルソン市近郊でウ軍は、ロ軍の防衛線を突破して市街地
から10km地点まで到達したが、ここからヘルソンの市内の検問所や
弾薬庫、兵舎などをパルチザンや砲撃、ドローンで破壊して、市内
ロ軍を弾薬欠乏状態にするようである。市内ではパルチザンが市民
にヘルソン市内から退避するようにと宣伝している。

ヘルソン市内への攻撃をいつ、ウ軍が始めてもおかしくない状況で
ある。しかし、このこともあって、ウ軍も情報統制が厳しく、事態
はよくわからない。

ヘルソン州の中部ロゾベでも、ウ軍はインフレッツ川に船橋を掛け
、ロシア占領地に橋頭保を築き、その地に大量の部隊を展開してい
るが、この部隊でどうするのかも情報統制で分からない。どちらに
しても、ヘルソン州全体で攻撃をウ軍は行うようである。

ザポリージャ方面でも、ウ軍が前進しているが、ロ軍の攻撃はまだ
ない。このため、徐々に前進中である。この方面のロ軍はいないの
であろうか、非常に手薄になっている。このままであると、メルト
ポリまで進軍できる可能性がある。そして、マリウポリである。

全体的にウ軍が押している状態であり、このため、ラブロフ外相は
、ウクライナ全土に攻撃を拡大するというし、事実、ベラルーシ国
境に多数のロ軍とベラルーシ軍がいる。

そして、ウクライナ全体を解放すると言うし、キーウ近郊や中部の
都市を巡航ミサイルで攻撃して、市民を多数死亡させている。しか
し、ウ軍の軍事施設などに攻撃できていない。

徐々にロ軍の巡航ミサイルの迎撃もできてきている。今後米国から
新規の防空システムも届き、防空性能も上がるはずである。

一方、ロシアのグロナス位置衛星は、2006年以降更新できずに、位
置精度がでないし、ロシアの精密な偵察衛星もないのであろう。ウ
クライナ国内の軍事施設などが見えないようだ。ロ軍は、模型飛行
機レベルのオルラン10無人機しかないが、イランからドローンを供
給されるようであり、このドローンがどのような物か、そのうちわ
かるのであろう。

また、ロシアは民間航空機の修理もイランで行うことで合意した。
イランがロシア経済制裁の抜け道になってきた。イランの武器も多
数、ロシアに提供されるのであろう。イランとロシアは本格的な同
盟関係になったようである。

しかし、現状では、ロ軍戦死者数は4万人を超え、ロ軍の限界にきて
いる。正規軍15万人、予備兵9万人、地方軍4万人、チェチェン軍1万
人で、総兵力は30万人程度であり、負傷兵などを含めると12万から
16万人程度が既に戦線離脱している。軍総兵力の約半分である。こ
れでは兵員不足になる。民間軍事会社の手も借りるしかない。

このため、ロ軍は、東部か南部かの選択をするべき時期に来たよう
である。しかし、ここでキーウ方面に戦線拡大を行う可能性が出て
きた。ロ軍の負けが見えてきたので、それを逆転させる手に出てき
たようである。

キーウで新政権を樹立させて、停戦させたいのであろう。政権内の
親ロ派がロ軍侵攻と同時にクーデターを行うのであろうか?疑問。

そして、攻勢にあるウ軍には、フェニックスゴーストが580機も供与
される。このドローンの使用方法が不明であるが、5千キロ上空を24
時間以上も偵察できるドローンをウクライナの副首相が西側諸国に
供与を要請していたが、この要請に米国は応えたようである。

ということで、「見えない不死身」という名前が示すように、偵察
ドローンであり、ロ軍のレーダーでも捕捉できないのであろう。こ
のドローンの目的はハイマースの標的の発見であり、米衛星で見つ
けた候補を低い位置で長時間監視して、標的かどうかを見極めるた
めのドローンである。このドローンで発見しハイマースやM270MLRS
で叩くことで、ウ軍有利になってきたのだ。

対抗処置としては、ロ軍は偽装工作をする必要があるが、その工作
ができていないようであり、現時点では正確に目標を見極めること
ができている。

このようにロ軍が負け始めたことで、プーチンは、欧州への天然ガ
スの供給を80%も削減して、ドイツやイタリアなどでエネルギー不足
を起こし、ロシアへの譲歩で停戦を引き出したいようだ。欧州はロ
シア産天然ガスに55%も依存していたので、この大部分がなくなる。

ドイツは今まで、ロシアからの天然ガス供給維持のために、ウ軍へ
の武器供与を控えていたが、ロシアが天然ガス供給を大部分止めた
ことで、一気に武器供与を積極的に行い始めた。

ロシアは、現状での停戦を主張しているが、ウクライナは2月24日以
前の状態での停戦と、停戦条件で折り合わない。ウクライナを停戦
に持ち込ませるには、ウ軍へ最新鋭の武器を供与し、自国領土を取
り返すことが重要になってきた。積極的な武器供与で、短期に戦争
を終わらせる方向に欧米諸国は一致して行動を開始したようである。

7月29日の米ロ外相会談で、ブリンケン米国務長官は、ロシアで拘束
されている米国人の解放や、ウクライナ産穀物の海上輸送再開に向
けた合意の履行を要求した。また、ロ側がウクライナでの支配地域
併合の「計画を進めれば、さらなる重大な代償を払うことになる」
と警告した。この代償というのが、ATACMSでの攻撃なのであろうと
みる。

ということで、米国も、ハイマースに搭載できる300キロ以上の射程
があるATACMSの供与を行う方向で検討しているが、秘密裏に数本の
提供をしたとも見える。これを使い、クリミア大橋(ケルチ大橋)
の攻撃を計画するのであろう。ロ軍とベ軍がキーウ方面への侵攻を
開始した時点で、攻撃に出る可能性がある。

そして、ドイツは天然ガスの代替で原発や石炭火力など稼働して、
今年の冬を乗り切る計画である。

一方、ウクライナと同じようなロシア衛星国は、ロシアの侵略に身
構えることになり、カザフスタンは、脱ロシアになり、ウクライナ
を支援する。ポーランドはポーランドの持つ232両の全P-91S戦車を
ウ軍に供与して、韓国から大量の戦車を輸入することにした。

ウクライナの食糧輸出では、オデーサ港にロ軍が執拗にミサイル攻
撃を行うので、NATO軍とトルコなどが、黒海で合同演習を行い、ロ
軍が航路妨害などをした場合の対応を行うようである。ロ海軍の動
きを封鎖するようで、特にキロ級潜水艦を標的にしている。

しかし、一歩、核戦争に近づいたような気もする。ロシアのプーチ
ンがいなくなるまで、戦争を拡大する可能性も否定できない。

第2次大戦後の秩序維持ルールが大きく試される事態になり、世界は
核戦争への覚悟を必要とし始めた。限定的核戦争にはなる気がする。

ということで、日月神示とヨハネの黙示録の時代である。

3.倫理観の欠如
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日本の言論界を見ると、善と悪の基準が狂っているように感じる。
特に70歳以上の左翼学者や陰謀系論者にそれを感じる。

ロシアのウクライナ侵攻は、どう考えてもロシアの方が悪いし、侵
略戦争を許すと、日本にも大きな影響が出てくる。現状変更を武力
で行うことを認めると、中国も同様な論理で来る。

このため、世界の多くの国がロシアを悪とみて、ウクライナを助け
る方向であり、やっても自国経済上、ロシアから利益を得ているか
らの中立である。

ロシアに味方するのは、北朝鮮やシリア、イランであり、反米国家
群である。

カザフスタンは、ソ連構成国であったが、ロシアの論理を認めると
、自国にも侵略される可能性を見て、公然とウクライナに味方して
いる。ロシア人が少しでもいれば、自国民保護をいう名目で軍事侵
攻を行う国はおそろしい。

このような事態では、侵略前の状態に戻して停戦させることで、世
界は軍事侵攻を認めないというルールを作る必要がある。

しかし、ロシアの論理を認めるおかしい論調がマスコミにも登場し
ている。このような主張は、社会が受け入れてはいけない。テレビ
も新聞も無視するべきなのである。

しかし、NHKや朝日などでその論調を取り上げるのを見ると、この報
道機関の倫理観も疑問視させる。報道機関は公共の電波使い、税金
面で恩恵を受けている。特権を持っている報道機関が倫理的におか
しいのであれば、その特権を剥奪するべきである。

倫理観の乱れは、そのままにすると広がり倫理観の一層の衰退にな
る。

自由な思想は良いが、一定の歯止めが必要である。そして、倫理観
衰退の原因は、論語などの否定と教育から排除したことである。

そして、倫理観の基礎がないので、日本人は浮き草になってきたよ
うだ。これを止める必要がある。善悪の基準を正確にする教育が不
足してきた結果でもある。

論語も現代的に変更が必要であり、その価値観を直す必要はあるが
、基本的な部分は正しい。道徳の基礎にするべきである。

心配してきた時代になり、倫理観の再構築が必要な時代になってき
たと見る。

さあ、どうなりますか?



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