6230.日本経済の立て直し



世界は分断して、それぞれの経済に分離することになる。その時、
日本がグローバルな国に変われば、大きなチャンスが訪れる。その
検討をする。          津田より

0.米国および世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、3月8日は32,632ド
ルまで下落したが、4月29日は32,977ドルで、5月2日は84ドル高の
33,061ドル、3日は67ドル高の33,128ドル、4日は932ドル高の34,061
ドル、5日は1063ドル安の32,997ドル、6日は98ドル安の32,899ドル。

5月4日FOMCで0.5%利上げと、6月から資産売却が始まり、495億ドル
の資産を売る。会見でパウエル議長は、0.75%利上げを否定したこと
で、株価は900ドル上昇、しかし次の5日には1000ドル下落とボラテ
ィリティの高い相場になっている。

6日の雇用統計でも4月の雇用者数は42.8万人増と予想を上回り、失
業率は前月と同じ3.6%、平均時給は前月比0.3%増と強い数値にな
り、米FRBの高インフレへの対応が一段と必要になる可能性が高まり
そうと、株価は下落した。

もう1つ、FRBが金融引き締めになり、米国債を買う人がいないはず
で、ロシアも中国もドル資産は凍結されるので、危ないと買わない。
FRBは資産圧縮であり、国債を売る。米国債を買えるのは、日本しか
いない。しかし、それでも全部は買えない。米国債の買い手がいな
いと金利の上昇が止まらなくなる。

そして、4月は例年株価は上昇するが、今年は4月月間で下落して、
2005年以来の下げとなっている。10年国債金利は3.13%と上昇して、
米国債も売られている。米国市場全体で、宴の終わりになっている
し、株式市場から大量の資金が流出して、その行き場として、中東
に向かう。

FRBはお札を印刷できるが、コモディティを印刷できないことで、イ
ンフレになっている。中央銀行バブル崩壊の状態になってきたよう
で、皆が市場から逃げ出している。

しかし、株式下落と金利上昇のトレンドが終焉を迎えていないし、
投資家は未だパニックになっていない。F&Gインデックスも31とパニ
ックの水準に行っていない。

その上、ロシアは、ドル国際決済システムSWFITから追い出されて、
中国の人民元国際決済システムCIPSを使う方向で、ドル経済圏と人
民元経済圏が分離したことになる。そして、中国の経済力が増した
ことになる。ロシア人も中国の銀行に口座を持ち、銀嶺カードが使
えるので、ロシア人も銀嶺カードで世界ビジネスを行えることにな
る。

しかし、中国は、今でもコロナが原因で死ぬ人が多いので、ゼロコ
ロナ政策維持で、上海のデッドロックが長引き、ビジネスができな
い状態も長く続いている。このため、欧米企業が中国から撤退し始
めている。特に金融企業の撤退が多い。この現象も米中経済圏分離
を引き起こしている。

というように、世界の構造が大きく変化してきている。2つの経済圏
に急速に分離しているようだ。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年3月9日は
24,717円の底値になり、4月28日は26,847円で、5月2日は29円安の
26,818円、6日は185円高の27,003円。

日本株の取引は2日しかなかったが、しっかりしている。5日線、20
日線より上になったことで、上昇トレンド入りになっている。空売
り比率も45%以下になった。ということで、今は比較的強い。

これは、岸田首相が英国訪問時、シティーで講演して、「インベス
ト・イン・キシダ」と言い、海外投資家も円安により日本産業の活
性化が起き、インフレで金融資産の半分程度が株式市場に回る可能
性が出てきたことで、空売りしていた日本株の買戻しをしたからの
ようだ。

このため、株価は米株の大幅な下落でも上昇した。

FOMCでの0.5%利上げでもドル円は130円以下になり、こちらも利益確
定の円買戻しが出ている。一時、129円台になった。

海外投資家は、岸田政権の政策を見ることになる。今まで金融所得
の課税強化や決算発表の半期化や分配優先の政策で日本経済や株価
は弱体化すると、日本株を売りとみていた。

ところが、英国での講演で話した株式活性化策を出ることになるか
、何もなしの口先介入となるか、見ている。もし、何もしないなら
、再度、空売りになる。

このため、具体的な施策が必要である。この施策は後で述べる。

2.ウクライナ戦争の推移
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ウクライナ東部での戦争は、依然膠着状態である。5月9日の対独戦
勝記念日で、プーチン大統領はウクライナでの特別軍事作戦に勝っ
ていると宣言する必要がある。しかし、5月9日に向けた戦いで、多
くの爆弾を使い、弾切れに近づいている。

勝っていると述べるために、マリウポリを完全占領する方向にシフ
トしたようでもある。東部作戦でロシア軍が成功したのは、マリウ
ポリしかないからである。もう1つ、ロシア軍が成功したのは、南
部ヘルソンしかない。

しかし、ロシアでは敗戦の可能性がささやかれ始めて、この戦争に
いずれ徴兵されると思い、かつ侵略戦争に反対なロシア人が、わず
か3カ月で388万人も国外退避をした。それもIT技術者が多く、ロシ
ア経済の発展が阻害されることになる。この現状から、プーチンは
、ロシア軍が負けているとも言えず、国家総動員法の発令もできな
い状態である。

このため、国連安保理で、「ウクライナの平和と安全の維持に関し
て深い懸念を表明する」との議長声明案を全会一致で採択した。平
和的解決に向けたグテレス国連事務総長の努力に対し「強い支持」
も示した。

この声明に、常任理事国ロシアも賛成している。そろそろ、停戦に
向かわないと、戦争継続が難しくなっているからだ。

しかし、米バイデン大統領は、新たに1.5億ドルのウクライナ軍事支
援を発表。2月以降の総額は約38億ドルに。議会承認済みの予算はこ
れで「ほぼ使い果たした」ので、追加の予算が必要になっている。

ウクライナのゼレンスキー大統領は、2月24日以前の状態にしないと
停戦には応じないとした。戦争継続が可能であるからだ。というよ
り、ハルキウではロシア軍を押し戻りて、イジューム方向に向かい
、ロシア軍のイジューム突出部の根元を左右から攻撃中とのこと。

その兵器として、前線に榴弾砲とエクスカリバー誘導砲弾や対砲レ
ーダーが届き、効果的に運用され始め、戦局が大転換しているよう
である。

もし成功すると、イジューム突入部のロシア軍は孤立することにな
る。このように、戦争継続で自国の領土奪還が可能である。到底、
ロシア軍は、東部ウ軍の要衝スラビンスクを攻略できないことが確
実である。

これに対して、プーチン側近で政権与党幹部のトゥルチャク上院第
1副議長が、ロシア軍が占領するウクライナ南部ヘルソン州に入っ
て、「ロシアは永遠にここにいる」と強調したという。停戦の条件
がウクライナとロシアで大きく違う。

戦争を継続しながら、停戦の条件の話し合いになり、かつ、国連の
グテレス事務総長が仲介することになる。このため、マイウポリか
ら人道回廊構築をグテレス事務総長の仲介で実現できたのである。

ロシアも停戦に向かうしかない状態で、グテレス事務総長に貸しを
作り、有利な条件で停戦することを目指す。この有利な条件を確保
するために、口先での脅しをかけることになる。

再度、攻勢に出ることは、弾薬がないことでできないから、核使用
を最大限に利用していくしかない。

ロシア大統領府のペスコフ報道官は、ポーランドの言動が敵対的に
なっているとし、同国が「脅威の源」になる可能性があるという。

ポーランドはEUに対ロシア制裁の強化を求める動きを主導してい
るほか、北大西洋条約機構(NATO)に対しウクライナに兵器を
提供するよう呼びかけている。このため、ウクライナに大量の武器
と弾薬が供給されている。このため、ウクライナは弾薬が十分にあ
り、戦争継続に問題がない。

これを阻止するために、ポーランドに核ミサイルをぶち込むと言い
たいようである。

黒海艦隊では、巡洋艦モスクワが沈没し広域防空の傘が無くなり、
空からの攻撃が防御できなくなっているようだ。このため、ウクラ
イナ南西の沖のロシアが占領したスネーク島もウ軍TB2やSU-27の空
爆にさらされている。

この島に物資を集めて、ここからオデッサ西のウ軍が手薄な所に上
陸作戦を行う予定であったが、これでは上陸作戦もできない。

どうも、ロシア軍は占領地防御の立場になってきたようだ。ウ軍は
北部イジュームと南部ヘルソンで攻勢に出ているが、戦術的に成功
しているとウクライナ大統領顧問が述べている。徐々に立場が逆転
してくることになる。

3.日本経済の立て直し
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岸田首相の英国での演説は、今までの政策とは真逆であり、何が起
きたのか、びっくりする。

分配重視で金融所得の課税強化、株主の利益より従業員の給与を増
やせと言ってきたのにである。「新しい資本本主義」の内容が、ど
う変化したのか、まだ見えないでいる。

しかし、日本経済を立て直し、企業利益を倍増して、株主の利益を
守り、その上で従業員の給与も増やす施策が必要なのである。

日本経済復活の基盤となるローカルとグローバルの世界が分断した
経済構造もでき、円安も進み、今が最大のチャンスになっている。
今後の日本は、政策が適切であれば、経済復活できることが決定し
た状態である。

経済安保の視点でも、日本企業の専制主義国の海外工場を回帰する
ように勧めて、かつ世界の専制主義国からの難民を積極的に受け入
れて世界の民主主義を守り、同時に労働人口を増やし、かつ英語環
境を充実する。昔、米国に行っていた人たちを日本に呼ぶことであ
る。

難民になる人は優秀な人が多い。その国で追われるには、自由の要
求をしたからであるし、そのような行動をするということは、教育
もあるからだ。ロシアからIT技術者が大量に流出していることでも
分かる。

そして、ベンチャー企業の育成を行い、日本の立ち位置を確立して
、難民でないグローバルに活躍する優秀な人を海外から集めて、日
本で起業してもらう。

グローバルな人たちが安心して、かつ気分の良い環境を作ることで
ある。世界企業で働くグローバルな人たちは、米国やフランスのロ
ーカルな人たちの政治活動や行動に恐れを抱いているし、安心でき
ない気分である。グローバルな人たちは英語ができるので、英語環
境がある国には、どこでも移動する。

日本も今までは、ローカル国家であったが、世界が分断になり、グ
ローバルな人たちが安心できる環境は少なくなり、日本がグローバ
ルな人たちに居場所を提供する施策を打てば、安全と良い環境があ
る日本に来るはずである。

日本の環境がいかに良いかは、インバウンドを増やして、宣伝する
ことである。その時、東京のどこでも英語が通じる環境であれば、
言語の面でも安心感が出る。地方には、ポケトークで会話ができる
ように、ポケトークを観光地には配ればよい。

そして、グローバルな環境を整えれば、東京がアジアでの金融の中
心になれる。すでに上海と香港からは金融機関は撤退をしている。
東京とシンガポールの2つが候補であるが、日本は欧米よりの民主
主義の守護神になり、一方、シンガポールは専制主義の中国にも気
を遣う国家である。どちらが、より安心感があるかで、グローバル
な人たちは、日本を選択する可能性が高い。

もう、ローカル国家の装いをグローバル国家の装いに変えて、世界
の優秀な人たちを集めることである。そして、日本人の多くをグロ
ーバルで活躍できる人材にすることだ。日本の教育も大きく変化し
てきているので、次の時代に期待したい。

それと同時に、日本でもローカルな人たちがいるので、この人たち
への給与もある程度高くすることである。その上、低所得者には給
付もして、日本国内でのローカル対グローバルの戦いを未然に防い
でいくことである。

さあ、どうなりますか?



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