6220.ウクライナ侵略戦争



とうとう、ロシアがウクライナに侵攻した。ここからは、どう、ウ
クライナ国民は、ゲリラ戦を戦うかで決まる。その検討。
                       津田より

0.米国および世界の状況
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2022年1月4日に36,799ドルと最高値更新となり、2月18日は34,079ド
ルで、22日は482ドル安の33,596ドル、23日は464ドル安の33,131ド
ル、24日は92ドル高の33,223ドル、25日は834ドル高の34,058ドル。

ウクライナ侵攻の可能性がある時は、大幅な下げになり、侵攻が始
まると株価は大幅な上げになっている。侵攻が起きた時点では、石
油価格はバーレル当たり100ドルになっていたが、制裁処置からロシ
アの天然ガスと石油の輸入停止がないことで、石油価格は91ドルま
で下落している。制裁がぬるい様である。

戦争開始で、なぜ株価が大幅な上昇にしたかというと、戦争開始時
点の24日にF&Gインデックスは20まで下がり、底を打ったと見て、そ
れを起点に買戻しが起きた。その起点の裏に、政府のPKOが入ったと
市場関係者は見ている。

それと、24日有事のドル買いが起き、10年国債金利は2%から1.85%ま
で急落して、金利低下でNASDAQは、426Pの大幅な上昇になっている。
グロース株の買いが優勢になった。戦争により景気後退になるが、
金利上昇は起こらないとなると、グロース株の方が良いということ
のようである。

そして、ロシア制裁でSWIFTの使用停止で、反対していたドイツが賛
成の方向で検討開始した。SWIFT使用停止なしで25日NYダウは834ド
ルも上昇したが、思いのほか戦争は長期化する方向であり、28日が
どうなるか、分からなくなっている。

その上にロシア中銀の準備外貨への他通貨交換も禁止する方向にな
り、ロシア経済の分離が進むことになる。

しかし、SWIFT排除でも、中露間の決済システムはあるので、この2
国間貿易はできる。

どちらにして、中露の国際決済システムと欧米日などの国際決済シ
ステムが分離することになるようだ。

また、ロシアは、欧米日企業のロシア内資産の没収をほのめかして
いる。ということで、ロシアとの経済関係は途絶することになる可
能性もある。というように、冷戦構造が徐々に出来上がることにな
る。

しかし、25日発表の消費者物価は6.1%の上昇で依然大きいが、ウク
ライナ戦争で、景気後退リスクがあり、FRBは3月に0.25%の利上げし
かできないと、市場は判断して上昇が止まらなかった。

ウクライナ戦争は、交渉開始で短期で終わると、市場は見て、FRBの
利上げに視点を移している。この見方が28日にどう変わるかが、見
ものである。

もう1つが、マイニングする仮想通貨の禁止をEUが協議しているの
で、金は上昇しているのに、このような混乱時でも仮想通貨が上昇
しないことである。

金やドルに基礎を置いた仮想通貨は、使用可能であるが、大きな値
上がりもないので、投機には向かないことになる。

一方、中国の動向に注目が行っている。中国はロシアを支持する方
向ではないが、ロシアを非難もしない。ロシアの穀物を大量に買う
としたが、しかし、中国の銀行は、ロシアとの貿易購入資金の貸し
出もしないとした。中国は損をしない方向で対応している。

恐らく、ロシアから購入する天然ガス価格や穀物価格も市場より大
幅な値引きで交渉したはずで、中国商人の商魂で、ロシアは大損を
しているはず。

1.日本の状況
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年9月14日に30,670円で31年ぶりの高値になり、2022年2月18日は
27,122円で、21日は211円安の26,910円、22日は461円安の26,449円
、24日は478円安の25,970円、25日は505円高の26,476円。

NYダウと同様に、ウクライナ戦争の可能性で下がり、戦争がはじま
ると上がっている。マザーズもNASDAQと同様な動きになっている。

日本もロシアへの制裁を発表したが、今のところは、日本企業のロ
シアでの活動には大きな影響がないようだ。しかし、SWFIT使用禁止
になると、送金ができないし、ロシア資産の没収になり、大きなダ
メージになる。

このため、今後、ロシアや中国での投資は、日本企業も大きなリス
クがあり、なるべくなら、投資を引き上げることが正解であろう。

もし、ここで、プーチンが味を占めると、次の要求をしてきて、よ
り大きな戦争に打って出ることになる。

そこに、視点を置いた日本企業や日本政府の活動が必要であると思
う。

2.ロシアのウクライナ侵攻の状況(27日朝現在)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうも、バイデン大統領は、米軍をウクライナに送らないと、プー
チンに言い、ロシアを侵攻させる糸口を開いた。

しかし、米軍事顧問団を送り、ウクライナ軍のゲリラ化と武器を長
期に訓練して、ロシア軍の侵略を待っていたような気がする。ウク
ライナが勝てば、ロシアは確実に崩壊して、親米派政権になること
を見ていたような気がする。その罠に、プーチンは、はまった格好
である。


そして、ロシア部隊がウクライナに侵攻した。ゼレンスキー大統領
は、ロシアの侵略はないと思い、強気に出ていたが、侵攻を受けて
、ウクライナの中立化での交渉をすると述べたが、ロシアのグロム
イコ外相は、戦闘の最中には、交渉に応じないと述べて、ゼレンス
キー氏の提案を退けた。

しかし、対空携帯型スティンガー・ミサイルやジャベリン (携帯型
対戦車ミサイル)などのゲリラ兵器がウクライナ軍にどれほど、配備
されているかだが、これらの兵器とゲリラ兵の勇敢さがあると、ロ
シア軍も大きく損害を出すことになる。

ロシア国防省は24日、ウクライナの防空網を制圧し、空軍基地の施
設を破壊したと発表したが、そのあとにロシア空軍機が多数撃墜さ
れているのは、スティンガー・ミサイルの可能性を感じる。相当数
のスティンガーを米国はウクライナに供与した可能性がある。

このため、最短2日でキエフを陥落させるはずが、キエフ郊外で停
滞しているようで、ロシア機甲部隊は、相当な抵抗を受けているよ
うである。それとキエフでは、ロシアは機甲部隊の前面に歩兵を置
く布陣になっているが、ジャベリンで相当戦車がやられたからだ。

キエフ攻撃の最初のつまずきは、キエフ近郊の空港をロシア・ヘリ
部隊で奪取しようとしたが、ウクライナ軍はヘリコプターを複数機
撃墜し、その試みを失敗させた。このため、現在でも制空権がない
状態で、航空機の支援がない状態で、戦車隊がキエフに近づき、そ
こでシェベリンの餌食になっている。

25日朝の時点で、首都キエフは数時間以内に陥落してロシア軍に掌
握されると、西側情報当局の高官が述べたが、26日夜の時点でもキ
エフは陥落していない。

このため、ロシアは空てい部隊も投入して、首都キエフを陥落させ
ようとしているが、空てい部隊は軽装備であり、ゲリラ兵に捕捉さ
れると弱い。

しかし、空てい部隊は最強の意志を持つ部隊であり、この投入が必
要ということは、相当な抵抗なのであろう。敵の裏に回れるので、
挟み撃ちができるからであるが、組織的活動をしないゲリラ兵には
通じない。27日朝までに空てい部隊もゲリラに全員拘束された。

米国防総省高官はウクライナのゲリラ兵は奮戦していると指摘して
いる。これはジャベリンを多数供与し、訓練した結果である。

そして、ロシア軍側の損耗が激しく、兵站の問題も出て進軍停滞と
の情報もあり、ロシア側にも大きな侵害が出ているようだ。

これは、後方での輸送活動をする比較的装備の軽い輸送部隊をゲリ
ラ兵が標的にして、前線に物資が届かないことを意味する。この状
態が長く続くと、ロシア軍敗退の可能性も出てくる。

ベラルーシから侵攻したロシア軍は意気盛んな精鋭部隊で、最初に
送り込まれたはずで、16万人の3分の1の兵力でしかない。この
部隊の兵力が消耗しているとすると、ウクライナのゲリラ兵の士気
は高いことになる。

首都キエフで、国際NGO連合代表のアンドレ・カメンシコフ氏も
、住民は「大義のために命を捨てる覚悟」があるとし、武力による
征服は不可能だと語った。住民が勇敢なゲリラ兵になるということ
である。

なぜ、ベラルーシ国境からの侵攻かというと、地雷源がないので、
侵攻がスムーズにできるためとキエフを最短で陥落させて、早く、
傀儡政権を樹立させたためであったはず。このため、チャノブイリ
原発を最初に制圧したが、これが最短コースだからである。

ロシア軍はキエフ郊外で侵攻速度が遅くなったというが、夜にゲリ
ラ兵の攻撃があるので、密集地で夜を迎えるのは危ないからだ。密
集しない所で野営して、周囲を警戒する必要がある。

このため、キエフの市街地に入れないのだ。昼間にキエフに入り攻
撃して、夜には野営地に戻るしかない。このため、キエフ攻略が遅
れている。航空支援もなく、キエフ市内の高ビルから、ロシア軍の
動きは逐一わかり、ゲリラ活動を有効化できる。

このため、一刻も早く制空権を確保して、偵察機で敵の動きを知る
ことと、攻撃のための航空支援が必要な状況である。

ベラルシ国境とは違い、ロシア国境線には、地雷原があり、簡単に
は戦車部隊を突入できない。地雷の除去が必要であり、このため、
まだ、3分の2の兵力がロシア国境にいる。東部主要都市ハリコフ
が陥落していない理由でもある。

そして、プーチンが全方面の機甲部隊に出撃命令を出したが、地雷
原を進むことはできないので、東部部隊はベラルーシ経由でウクラ
イナに入るしかない。他は、地雷原除去が必要になっている。

このため、時間を要する。しかし、ほぼ侵攻失敗となると、ロシア
軍お得意の反旗を掲げて現政府打倒になることも予想できる。

そして、ロシアのベラルーシ国境近いベルゴロドでロシア軍兵士五
千人がウクライナでの戦闘を嫌い反乱しているとの情報も出てきた。

しかし、この援軍がない状態では、キエフのロシア部隊は、補給も
ないので長くは持たないから、ウクライナに投降するしかない。今
のロシアが行っているのは、兵力の逐次投入で、負け戦の典型的な
ことである。

どうも、ロシアは、第2のアフガン戦争を起こしたようだ。ゲリラ
兵と正規軍が戦うと、ゲリア側の火器が強力なので、勇敢な無数の
ゲリラ兵に対抗するのは難しい。しかし、ウクライナ側の人的被害
も大きいことになる。

このため、プーチンもウクライナと交渉すると、習近平との会談で
述べた。当初予定とは、大きく違う事態になり、ウクライナにロシ
ア傀儡政権を立てようとしたが、それを行うことが現状では無理に
なった。

このため、25日に隣国ベラルーシの首都ミンスクに代表団を送り、
交渉に臨むとした。その後、交渉は開始したようである。

そして、ウクライナの中立確保でガンマンするしかない。しかし、
今後は、ウクライナ側がロシア軍を追い出すまで抵抗する可能性も
ある。ウクライナは、停戦交渉について「ウクライナは容認できな
い条件をのまない」とし、現時点での交渉を拒否したようだ。とい
うことで、交渉と戦争が同時進行状態である。

そして、27日朝の時点で、ロシアのウクライナ侵攻の地上作戦は、
ほぼ失敗となり、海外資産凍結に加え、SWIFT使用禁止となりそうで
ある。

その上、トルコのエルドアン大統領がロシア軍艦のボスボラス海峡
通過禁止に踏み切った。徐々にロシアの負けが見えてきて、ロシア
に対する世界の目が厳しくなっている。

ロシアを影で支援してきたドイツも、オランダからウクライナへの
軍事物資の国内通過を許可した。とうとう、ドイツもEU諸国の支援
を妨害できなくなった。そのドイツが、反対していたSWIFTからの締
め出しも考慮中となり、そして、ついに対戦車兵器1000、スティン
ガーミサイル500をウクライナに供与とシュルツ首相は述べた。

フランス海軍はロシア貨物船を拿捕した。ロシアは世界を相手に戦
っていることになったようだ。物資も入らないことになった。

このため、事態は急速にロシアの負けの方向になり、プーチンは、
核兵器使用を検討し始めたようだ。ロシア軍は、誘導爆弾の在庫が
なくなり、精度の低い普通の爆弾やクラスター弾を使用し始めた。
これにより、ウクライナ民間人の死傷率は高まる。

事態は確実に長期戦となり、第2のアフガン戦争となり、負けて撤
退になる。ロシア軍の大失敗であったアフガン戦争に似てきた。

ロシアからカザフスタンは、ウクライナ侵攻への軍派遣を求められ
たが、断ったようだ。味方からも見捨てられている。

もし、プーチンが負けたと思われると、ロシア国民の支持もなくな
る。また、軍人を中心としたクーデターも心配しないといけなくな
っている。

すでに、ロシア国民で反戦活動が出ているので、この活動が益々、
盛んになるはずだ。獄中にいる民主政治家ナヴァーリヌイ氏がロシ
アの次の大統領になれば、ロシアもNATO加盟国になる可能性も出る。
西側の敵は中国だけとなる。

このため、中国はロシアが負けてほしくないはず。このため中国は
、ロシアがウクライナに侵攻した事実を認めない。

そして、プーチンとしては、勝ったことにして、ウクライナからど
う撤退するかが、問題になり始めている。

しかし、プーチンは、次の要求を出してきた。フィンランド、スウ
ェーデンに、NATO入りする場合「深刻な軍事的・政治的反響」に言
及して、警告を発した。

しかし、EU加盟国であるスウェーデンとフィンランドは、NATO入り
する構えであり、そこにロシア軍が侵略したら、米国やNATOは、
介入せずるを得ない。

しかし、経済力が11位のロシアが先に戦争を仕掛けたことで、戦
争被害も中国が台湾侵略したときより、小さくて済むし、勇敢な
ゲリラ兵が戦う限り、次の行動には出られない。

そして、ロシアが負ければプーチンは失脚して、ロシアは民主主義
国になり、西側諸国の仲間入りを果たすことになる。

しかし、この状況で停戦すら求められない国連安保理は無意味な存
在になっている。ロシアを排除した国際的な組織が必要になってい
るように思う。そうしないと、国際的な正義が守れないからである。

今の国連は、中国とロシアとその同盟国だけが参加する組織にして
しまい、多くの世界の国々は、新しい国際的組織に移るしかない。

この意味でも、戦後世界秩序からの転換点になっている。第3次大
戦になる前に、プーチン排除、その他の独裁者排除が必要なわけで
もある。

さあ、どうなりますか?



コラム目次に戻る
トップページに戻る