6188.コロナとオリンピック後の世界



コロナとオリンピック後の世界は、それ以前の世界と大きく変わる
ような気がする。その検討。 津田より

0.米国および世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2021年7月12日は34,996ドルで過去最高値に、19日は725ドル安の
33,962ドル、20日は549ドル高の34,511ドル、21日は286ドル高の
34,798ドル、22日は25ドル高の34,823ドル、23日は238ドル高の
35,061ドル。

7月第4週は、19日に大幅な下落。これは米国金利が1.16%まで下落し
て、共和党の反対により上院で、バイデン政権の1.6兆ドルのインフ
ラ投資の法案が通らない可能性を見たことによる。

金融機関は、リスク資産から0.5%の金利が付くレバースレポに資金
を移動させ、1兆ドルの資金が積みあがっている。金融機関も待機資
金の運用先がなくなっている。

もう1つが、コロナ感染者数の増大で世界経済が減速する可能性を
見ている。そして、米国でもワクチン接種率が55%台で止まっている。

しかし、4−6月期決算で企業業績は上昇して、そのため20日以降は
上昇に転換し、23日は初の35000ドル越えになった。米国株も調整相
場に入ると思われたが、上昇が続いているし、金利低下でグロース
株は上昇している。

当分、上に下に不安定な相場が続くことになると思う。これは、今
後も財政支出の上限問題も出てくるし、インフラ投資の次には家庭
支援の予算もあり、安定した相場が期待ができないからである。

そして、米外交のナンバー2、シャーマン国務副長官が25日から中国
を訪問し、王毅外相らと会談する。バイデン政権発足後、外交の高
官が中国を初めて訪問する。

しかし、中国外務省の趙立堅報道官は「アメリカには中国に説教し
たり、強者の立場で中国を相手にしたりする資格はない。われわれ
は、みずからの主権と安全、発展の利益を断固として守る」と述べ
たので、大きくは期待ができないかもしれない。

米中関係の今後がどうなるのか注目せざるを得ない。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年2月16日に30,467円と高値更新し、7月16日は28,003円で、19日は
350円安の27,652円、20日は264円安の27,388円、21日は159円高の
27,548円、22日、23日は休場。

16日、19日のNYダウ下落を受けて、19日、20日は大幅な下落で始ま
り、20日のNYダウの上昇で21日は上昇した。

日本企業の4-6月の業績発表が8月に出てくるので、その業績を見て
株価は動くことになる。しかし、現状のPERは、13倍程度であり、世
界の平均PERは18倍、NY市場の平均PERは24倍に比べて低いので、日
本株の上昇余地はある。

しかし、菅内閣の支持率が低下して、政治の不安定化で海外投資家
の売りも出ているが、しかし、26日の朝は上昇で始まるようだ。

オリンピック開催で日本に世界の目が集まるが、日本の株価はどう
なるかだ。明るい話題が多ければ、株価は上向くが、暗いニュース
が出ると株価は下がると見る。

コロナ感染拡大で、当分円安方向になるが、それを吹き飛ばすよう
な明るいニュースが出てこないかなと期待する。

2.オリンピック開催で
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東京オリンピックが7月23日に開幕した。しかし、東京は連日1000人
越えで、8月中旬には新規感染者が3000人を超えると試算されている
。その割に重症者数は、多くない。65歳以上の感染者数も少ない。

開会式を見ると、質素でコロナ禍での大会ということで地味にした
のであろう。この演出なら、辞任解任されたクリエーティブディレ
クターの佐々木宏氏、音楽責任者の小山田圭吾氏や演出担当の小林
賢太郎氏でなくとも誰にでもできると思われた。奇抜なアイデアも
ない。

そして、競技も始まり、選手のコロナ感染も拡大している。PCR検査
キットも不足しているという。無事にオリンピックが終了すること
を願うしかない。

感染爆発が選手村で起これば、中止になる可能も出てくるし、選手
村が世界のエピ・センターになり、世界への感染拡大を促進させて
しまいかねないからである。

また、開会式当日、ブルーインパルスが東京の空に五輪マークを描
くはずが、気候や天候の影響もあって描けなかった。

だが、日本の実力を示す機会なので、国民の感動を呼ぶシーンも期
待もしているが、それより、何事もなく無事に終了してほしいとい
うのが本音である。組織員会は、無責任で平時の準備で大会を進め
ようとしているので、何かと問題が出てくる。

その問題をモグラ叩きのように解決しているが、その叩き方が失敗
しないかと、ヒヤヒヤ見ているという方が現実に近い。

この感覚は菅首相も同じようで、首相記者会見のTBSのアナウンサー
の質問にいらだっていたが、菅首相でもどうにもできないことを複
数回、畳みかけられたから怒ったようである。

今回のオリンピックは日本衰退の象徴とみなされかねないので、
1964年の前回東京オリンピックが復興の象徴とされたことと対照的
な象徴とされかねない。

日本衰退とみなされないためには、オリンピック後に日本復活とさ
せる必要がある。しかし、8月下旬には新規感染者数が1万人になる
と京大の西浦教授は言う。このままにすると、本当に日本沈没にな
る。

しかし、日本復活のためには、ワクチン接種を早く進めて、40歳以
上まで済んだら、コロナ感染症をインフルエンザ級の感染症にして
、保健所の役割を小さくして、町の「かかりつけ医」中心のシステ
ムに戻して平常化させて、オリンピックをコロナ克服の象徴にする
しかない。

今までは、重症者数や死亡者数も多く、緊急体制を引いていたが、
その必要性もなくなる。今までは、保健所ネックが起きて入院がで
きないなどの状態も起きていたが、正常化することで、それがなく
なることを期待したい。

3.コロナ後の世界
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そして、コロナ克服したコロナ後を考えると、日本の時代が来るよ
うに感じる。このコラムは、神道的な自然と人間の共生をするべき
を強く主張してきたが、その時代がコロナ感染症により、世界に広
まった気配を受ける。

1つには、脱炭素社会の実現に向けて、世界が動き始めた。その中
心が太陽光発電である。自然と人間の調和において、太陽が重要な
位置にいることを示している。まるで天照大神の信仰ということで
神道的な展開になっている。

2つには、弱者や敗者に配慮した経済システムにやっと、米国も変
化した。米国は弱肉強食の新自由主義の経済システムであったが、
民主主義の大多数の国民は、そのような新自由主義経済を拒否した
ことが大きい。そして、製造業の復活に動き始めた。

3つには、国民の自由をITの技術で縛る中国の国家体制に、米欧日
が協力して対応し始めた。今までは、中国の安い労働力を使い、安
い製品を作る方向できたが、中国を排除して、脱炭素での適正な価
格の製品を民主国は一致して求め始めた。

新自由主義ではなく、民主的で倫理に基づく資本主義に転換するよ
うであるが、これは、江戸時代の近江商人の「三方よし」の考え方
である。そして、新実存主義のマルクス・ガプリエルも、「これか
らは倫理資本主義」と言っている。

しかし、これらは、日本神道的な江戸時代の経済であり、日本の思
想の見直しが必要になる。しかし、現代の日本人は、アメリカナイ
ズされて、日本が世界から遅れるのではないかと心配された。

しかし、日本はリユースが、近年大々的に展開されてきた。メリカ
リが最初にリユースビジネスに火をつけたが、その後、実店舗での
リユースも活況になってきた。セカンドストリートやトレジャーフ
ァクトリー、ブックオフなどのチェーン店が大量に出てきた。

このリユースで粗大ごみが減っていることになるし、安値で買える
ことで、給与が少なくなった労働者の大きな味方である。

リサイクルも活況であるが、リサイクル業者の株価は軒並み大幅な
上昇をしているが、再資源化のコストは高い。なるべく、リユース
で使う方がコスト的には有利である。

このリユースが盛んな江戸時代では、古着屋が多く存在していた。
新しい着物は今でも100万円もするが、古着であれば30万円程度で、
それより古い古着は3万円になって、庶民にも手が届いた。庶民は、
古着しか買えなかったのである。リユース店は、この現代版になっ
ている。

もう1つ、規格外の野菜や果実が売れるようになってきた。また、
売れ残った大量在庫の食料品も売れるし、それを売る店も流行り始
めている。

この活動で食品ロスも減ることになる。

日本が貧乏になり、それに合わせて社会システムも更新されている
とも言えるが、地球環境、自然と人間の共生という意味では非常に
良いことである。江戸の完全循環型社会ではないが、徐々に循環型
社会がコロナにより姿と表してきた。

というように、日本では無意識のうちに神道的な対応をしているよ
うなのである。このシステムを世界に拡散させることが、日本企業
の役割でもあるとみる。

さあ、どうなりますか?



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