6184.世界は暗黙の時代に



中国共産党100周年での習近平国家主席の演説は、ヒットラーの演説
を想起させるものでした。そして、演出もヒットラー演説会の盛り
上がりと同じです。いやな時代になったようである。これを検討す
る。                   津田より

0.米国および世界の状況
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NYダウは、コロナで2020年3月23日に18,591ドルまで急落したが、
2021年5月7日は34,777ドルで過去最高額になっていたが、6月25日は
34,433ドルで、28日は150ドル安の34,283ドル、29日は9ドル安の
34,292ドル、30日は210ドル高の34,502ドル、7月1日は131ドル高の
34,633ドル、2日は152ドル高の34,786ドルで過去最高値。

7月2日に6月の米雇用統計が発表されて、85万人雇用増加になった。
事前予想70万人を上回り、しかし、失業率は5.9%と悪化した。これ
により、7月2日NYダウは過去最高値を更新した。

債権、株式、不動産、コモディティの全資産インフレが続いている
が、市場は民主党政権である間は、FRBの中でハト派が優勢で量的緩
和が続くと見ている。もし、20%の株暴落が起これば、日銀と同じよ
うなETF買いを行うと見ているようだ。このため、市場は超楽観視し
ている。

世界的にデジタル課税や最低の法人税率の合意で、巨大IT企業の株
価が落ちるかと思いきや、米長期金利1,4%台に下落して、株価は上
昇、ナスダックは最高値を更新している。景気回復でインフレが加
速してきて、2年国債金利は0.15%から0.25%へ上昇している。

そして、全資産バブルの中央銀行バブルは、いつか終わる時を迎え
るが、その時は制御が効かないハイインフレになり、通貨の価値が
より一層下がり、資産の価格は上昇することになる。

今は通貨で持つことが一番危ないことでもある。金などのヘッジが
必要であるが、金利や配当のない金価格は下落している。

1.日本の状況
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日経平均株価は、コロナで2020年3月19日に16,358円まで下げ、2021
年2月16日に30,467円と高値更新し、6月25日は29,066円で、28日は
18円安の29,048円、29日は235円安の28,812円、30日は21円安の
28,791円、7月1日は84円安の28,707円、7月2日は76円高の28,783円。

ドル円は111円台に円安が進んでいる。手がかりのない上値の重い出
来高が少ない夏枯れ相場になっている。この原因は、株価に企業業
績好転を先取りしているからで、一層の業績好調が確認できないと
株価を上昇できない。

それと、指数先物の売りが膨らみ、そのため、下がると買戻し、上
がると空売りで、上下ともに重いことになっている。このため、ト
レンドも出ない。

その上に、コロナ感染拡大で五輪無観客化や三菱電機の不正検査問
題が出て、株価を抑える効果が出ている可能性がある。

しかし、米雇用統計が良かったので、7月5日の朝は上昇で始まるこ
とになる。

三菱電機の不正検査問題は、品質保証の考え方が1980年代に大きく
変化したのが原因であり、最終検査から品質の製造工程での作り込
みへと考え方が変わった。

この当時、品質保障の勉強をして、そう教わったことを思い出す。
三菱電機の長崎製作所の取り組みは、品質保証で紹介されていた。

しかし、その時に顧客先や政府の品質検査を変えることができず、
製造工程で品質が確保できているので、検査の簡略化したが制度自
体を変えられずに、100回に1回検査して、その結果を付けたような
気がする。

検査工程のコスト無視で、顧客は検査基準を示すのが無駄で、この
ため、日本の労働生産性を低くしている。それと、先端的な取り組
みをも潰すことになるので、問題が大きい。

その証拠に、30年間で三菱の電車用冷房装置に問題が発生したかど
うかでわかる。今、日本の製造での無駄を省き、製品の原価を下げ
て、国際競争力をつけることが必要なのにである。

過剰な最終検査を止めた方が良い。心配なら、顧客が抜き打ち検査
をすればよいだけだ。この問題が、日本企業の脆弱化の原因の1つ
でもある。

2.コロナ・ワクチン接種状況
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東京、神奈川、千葉、埼玉などの首都圏が感染拡大で、蔓延防止等
重点処置宣言の延長で、東京には緊急事態宣言を出す可能性もある。

そして、ワクチン接種は、現状では1日100万回以上の接種であるが
、ワクチン在庫の関係から、1日120万回が限度だと。

それなら、優先順位を決めることが重要なはず。そのためには、ワ
クチン接種の目的を明確化することが必要である。ワクチンを接種
したからと言って、コロナに感染しないわけではなく、重症化を食
い止めるのだと説明している。

ということは、重症化する人に優先的に接種した方が良い。このた
め、65歳以上の高齢者を優先した。ここまでは正解であるが、次の
優先順位は対人サービスの人たちであり、これを職域接種をして、
行う方向であったが、この部分での考え方が行き渡らずに、それ以
外の職種の人たちも殺到した。

ワクチン接種の意義からも、50歳から64歳の重症率が高い人を優先
するべきである。優先順位付けの混乱が起きている。それを正すこ
とが、今必要なことである。

五輪開催は止めることができない。このため、観客数を無観客にす
る方向が必要になっている。重症化率の低下には2つの方法があり、
1つが、50歳以上のワクチン接種を加速すること、もう1つが、五
輪を無観客にすることである。

無観客にすることは、ワクチン接種が50歳代以上に行き渡っていな
いからで、もし、50歳以上に行き渡っていたら、無観客にする必要
もなかったはずだ。

もう1つ、対人サービス分野以外でのコロナで重症化しない30歳台
以下へのワクチン接種は、重症化リスクの少ない人に、ワクチン接
種後の副反応で死亡する確率があり、メリットよりデメリットの方
が多い。

ワクチン接種のメリットとデメリットを比較した優先順位を政府や
専門家が提示した方が良い。

3.中国共産党100周年公演=暗黒時代の幕開け
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6月28日夜、北京にある国家体育場(鳥の巣スタジアム)で「慶祝中
国共産党成立100周年文芸演出」(中国共産党100周年を祝賀する文
芸公演)が開催された。

この演説会場には、中国を市場経済化して経済発展させた、江沢民
と朱鎔基および胡錦涛と温家宝の姿がないのである。会場に、現在
および過去の国家指導層の名前が列挙されていたが、そこにも江沢
民&朱鎔基の名前も胡錦涛&温家宝の名前もない。

そして、習近平国家主席は、毛沢東と同じ人民服を着て登場した。
これが意味する所は、中国が毛沢東時代に戻り、北朝鮮と同じよう
な体制になったことを意味している。

ヒットラーと同じような全体主義の独裁政権の誕生を意味している
し、会場には真っ赤な服を着た2万人から成る観衆が立ち上がって
赤旗を振っていた。この演出もヒットラー演説会場の雰囲気と同じ
である。圧倒的な迫力がある。

それにより、最近の中国は資本主義的な色合いを無くして、国家統
制の色合いを強めている。資本の自由を殺して、共産党の統制が可
能な会社にすることを求めている。

しかし、経済発展で豊かになり、若い人たちは自由を求めて、工場
労働をしなくなり、違う若者は平穏な生活を求めて、共産党員にな
る道を選んでいる。平和と自由を望んでいるが、共産党に思い入れ
がない。

このため、中国共産党は、統制が効きにくい自由性が大きいIT企業
の拡大を望まず、国家企業群でIT企業の需要を置き換え始めている
。資本の論理でもあるグローバルな展開をしようとしたアリババな
どのIT企業を統制し始めた。

若者の自由・平和を求める姿勢も危惧して、共産党は自己の存在意
義を求めて領土拡張を指向して、台湾統一を国家の悲願としている
し、インド国境に数万の軍隊を送り、インドの土地を虎視眈々と狙
っている。

このような中国の行動は、ヒットラーの行動とよく似ているので、
欧米を中心として、中国の行動を警戒している。

しかし、習近平は国民の心を把握するために、中国が偉大であるこ
とを宣伝するしかないし、行動にも出るしかない。国民の国家への
忠誠を獲得する必要がある。

そして、すでにヒットラーのラインランド侵攻は実現している。そ
れが香港の自由奪取であり、それに世界は抗議したが、有効な手段
を持っていないことで、中国に香港併合を許してしまった。

次は、ヒットラーが行ったホーランド侵攻であり、これが中国の台
湾進攻である。この時、世界戦争に発展する。日本はヒットラー時
代のフランスのような位置にいる。

日本にとって、非常に恐ろしい状況になっている。そして、今の状
況では、中国の拡大を止めることはできない。

このことを考慮して、決戦兵器開発を促進することである。それし
か、日本が中国を止める方法がない。

このためには、核戦争を止める方法を考えることだ。手段はある。
それを早く実現して、中国に戦争意欲を止めさせることだ。

マジノ線の要塞つくりだけは止めて、最新の技術で勝負することで
ある。今、太平洋戦争時のゼロ戦が必要なのである。国家の全エネ
ルギーをつぎ込んで開発するしかない。その技術を日本は持ってい
る。

さあ、どうなりますか?



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