6151.株価急落の警戒時期に



株価は日米ともに上昇しているが、そろそろ株価急落の警戒時期に
なっている。それを検討する。        津田より

0.米国および世界の状況
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
NYダウは、2月12日29,568ドルまで上昇した。3月23日18,591ドルま
で急落して、11月24日は30,033ドル、30日は271ドル安の29,638ドル
、12月1日は185ドル高の29,823ドル、2日は59ドル高の29,883ドル、
3日は85ドル高の29,969ドル、4日は248ドル高の30,218ドル。

ワクチンの接種が12月11日にも始まり、財務長官にイエレン前FRB議
長が決まり、追加経済対策の協議進展に期待する株価の上昇が続い
ているし、「強欲と恐怖指数」が92になっている。そして、その結
果、NYダウは12%上昇で1987年1月以来の上昇率になって、12月4日は
史上最高値を更新した。

しかし、1987年には10月19日のブラックマンデーという急落が待っ
ていた。

現在、米国のコロナ感染者数は、1日当たり15万人となり医療崩壊の
可能性も指摘されている。来年1月には家賃の払えない米国民600万
人が家を追い出される危機的な状況にもある。早期に特別給付を、
盛り込んだ追加経済対策を始める必要がある。そして、11月米雇用
統計でも、非農業部門の就業者数が市場予想を下回った。

テスラの株価も最高水準になり、トヨタの2倍以上の時価総額にな
っているが、一部には日産の来年発売する「アリア」の方が性能が
良い上に安いという評判が出ている。また、「モデルY」の品質が悪
く買った人の評価が悪いようである。

このため、イーロン・マスク氏もテスラ社員に株急落のリスクを警
告し、「実際の収益性を見てみると、過去1年間の収益性は1%程度
と非常に低い。投資家は我々の将来の利益を期待しているが、もし
それを実現できないと判断した場合、株はハンマーで叩かれたスフ
レのようにすぐに崩壊するだろう。」と。このため、テスラ株価も
ピークを超えたようにも見える。

しかも、12月21日にテスラはS&P500に入るが、そこまでは上げると
みるが、それで材料出尽くしになる。

テスラ株が株バブル相場のインディケーターとするなら、そろそろ
株価急落の警戒時期に来たようにも見える。

もう1つが、12月14日の大統領選挙人の選挙の日であるが、トラン
プ支持者が騒ぐとか、戒厳令を出すとか、トランプ周辺では物騒な
動きもある。

年内の急落がなくても、1月20日のバイデン大統領就任式後、上院の
ネジレで政策進展がないなら、株価は調整になるはず。

踊る阿呆に見る阿呆、であるが、そろそろ、踊る阿呆も降りる準備
をした方がよいように見える。

1.日本の状況
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
日経平均株価は、2018年10月02日24,270円で、3月19日16,358円まで
下げ、11月27日は29年ぶりの高値26,644円、30日は211円安の26,433
円、12月1日は353円高の26,787円、2日は13円高の26,800円、3日は
8円高の26,809円、4日は58円安の26751円。

12月2・3日も1991年4月以来の29年ぶりの高値更新。日経平均もNYダ
ウに引きずられて上昇して、29年ぶりの高値が続いている。

11月は月間で3456円上昇で15%も上がって、1990年10月以来の上昇率
になっている。このため、200日移動平均線から20%以上の乖離にな
り、過熱感が出ているが、月曜日も株価は上昇から始まる。

その上、海外投資家は現物4300億円買越しであるが、先物は880億円
売越しになって、今までの買越し一辺倒から変化した。そもそも、
この上昇の原動力は海外投資家の資金流入である。

よって、NYダウの株価動向が日経平均にも大きく影響することにな
るので、NYダウ急落時は注意が必要である。

それと、コロナ感染者数もどんどん増え、医療崩壊で緊急事態再宣
言になると、企業業績は落ちることになるし、その上に、政治的な
混乱が起こると、12月末、1月初に急落する可能性がある。

輪をかけて、12月11日のメジャーSQまでは市場参加者が多いが、そ
れ以降は薄くなるので、益々急落の可能性が増すことになる。

2.株価はどこまで落ちるのか
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
もし、落ちるとしたら、どこまで落ちるのであろうか?
1987年10月19日のブラックマンデーで、NYダウは22.6%下落したが、
現時点で起こると、NYダウは6780ドルの下落で23,220ドルになる。
リーマンショック時の14.1%下落では、NYダウは4230ドルの下落で
25,770ドルになる。

日経平均も22%下落すると、5940円下落して21,060円になり、14%下
落なら3789円下落して23,220円になる。

この程度の下落は覚悟する必要がある。14%下落なら、11月の上昇分
が帳消しになることを意味する。

急落になると、そこが押し目買いのチャンスにもなる。今は現金ポ
ジションを多めにしておくことだと思う。

3.菅政権の寿命
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
11月28日から東京の65歳以上の高齢者のGOTOトラベル利用の自粛に
なったし、重症患者用病床が逼迫してレベル4になった大阪市は、
非常事態宣言を出して、外出自粛の要請を知事がしている。

医療専門家の間では「東京も含めた一部のGOTOトラベル運用見直し
だけでは、感染拡大が止まるはずがない」との見方が支配的だが、
国は非常事態宣言を出す状態の県が出ても、GOTOトラベルを止めな
いで、旅行奨励の状態を続づける。

GOTOトラベル中止は、旅行制限ではなく、旅行の奨励を止めるだけ
である。今の状態は、国が病気の拡散を奨励しているようなものだ。

GOTOトラベル中止は、旅行の自粛でもないので、GOTOトラベルを中
止しても、ある程度の拡散は起こるが、スピードが緩やかになる。

感染拡大スピードを緩やかにして、ワクチンの接種を速めて、何と
か医療崩壊を食い止めることで、死者数も減らし、外出自粛させず
に経済も回すことだと思う。

しかし、GOTOトラベルで若者は病状が軽いので、国が奨励するので
安い旅行に出かけることになる。しかし、地方では高齢者が多く、
その人たちに移すのだ。

このため、今まではほとんど感染者がいない地方でも多くの感染者
が出ている。というように、東京の若者が地方へ感染を拡大させて
いる。ほとんどの県でコロナ感染が確認できる状態になってきた。

このため、病床が逼迫してきて、外出自粛を出す大阪市のような状
態に福岡市、東京都、名古屋市、札幌市、旭川市なども近づいてい
る。医療崩壊に近づく都市は、今後もどんどん増えるはずだ。

大阪市のような非常事態宣言を出すのもGOTOトラベル中止をするの
も、国ではなく県知事の判断としている。地区の事情で決めればよ
いとした。国の問題ではないようだが、小池都知事はGOTOトラベル
中止を要請したが、65歳以上の自粛にされたという。菅首相は、東
京発の旅行奨励を死守したいようである。

そして、脇田隆字・国立感染症研究所長は「20〜50代の比較的活発
に動く方々の移動を抑えることが重要だ」と述べ、東京発着65歳以
上自粛GOTOトラベルでは感染拡大を止めることができないとした。

もう1つに、GOTOトラベル中止や非常事態で外出自粛をした県は、
その県だけ景気が悪くなるので知事も出したがらない。このため、
時機を逸することになる。

12月4日現在、死者45人、重症者505人と過去最高になり、感染者は
2442人となっている。1週間前より状態が悪くなっている。

GOTOトラベルを中止しないことで、ドンドン感染が広がってきてい
るが、地方でICUにエクモがある病院は、県に1つか2つしかないので
、今後、先に地方の医療崩壊が起こる可能性がある。

東北では県の大病院に収容できない重症者を東北大附属病院に搬送
するようである。といっても東北全体で見るとICUもエクモも数が少
ない。

感染状況は、2週間後にしか結果が出ないので、今の感染者数は2
週間前の結果であり、現時点の感染結果は、2週間後になる。この
ため、現在の政策を続ける限り、感染者数も重症者も死者数も増え
ることになる。

12月中頃には専門家は「感染者が4000人を突破し、東京の感染者も
600人超えとなるのは必至」との見方をする。

菅義偉首相は4日夕、臨時国会が閉会するのに合わせ、首相官邸で
記者会見を行った。GOTOイートは新規発行を停止するが、GOTOトラ
ベルは続行するという。直近の危機的な感染状態でも、この件は会
見全体のごく1部でしかなかった。菅首相に危機感はない。

デジタル化、グリーンの経済対策に会見の多くの時間を使っていた
。平時のリーダーとしては、菅首相は優秀だが、危機時のリーダー
ではない。経済優先で命後回しという政策は、いただけない。

1波では感染者が東京に集中していたが、3波の現在、全国で感染
者が出ている。東京自体は、感染者数が多くはなっているが、今の
所、45%程度の病床の埋まり具合で済んでいるが、今後はわからない。

12月末までには感染急拡大が頂点に達し、「東京、大阪など大都市
が事実上の感染爆発状態になる可能性」(専門家)もあり、そうな
れば、菅首相は年末年始の緊急事態再宣言を迫られるが、緊急事態
再宣言になれば、経済への打撃は計り知れない。命を軽んじること
で、経済もダメになる。

もう1つ、コロナを感染させる時期は、病状発生前2日と病状発生
後5日だという。このため、病状のない人が移動すると、本人に自
覚がないまま、人に移していることになる。

このことも分かっているのに、GOTOトラベルを中止しないというこ
とは、何か、意図的にGOTOトラベルをおこなって、コロナ感染拡大
をしているようにも見えてしまう。

今後、75歳以上の高齢者が増えて、国家予算は財政的に逼迫するか
らだ。このため、医療費をほとんどの75歳以上の人で1割から2割に
上げるし、今後、いろいろなものが増税になる。携帯電話料金を引
き下げるのも、通信税を取るためとも言われている。

ということで、コロナで死ぬのは、高齢者だけであり、若者は死な
ないので、国の財政的には、このコロナ感染拡大で、高齢者が死ん
でもらった方がよいと思っている可能性がある。

が、それを口に出したら自民党は選挙で負けるので、旅行業界など
の救済という経済的な理由でGOTOトラベルを止めないとも見える。

経済的には、労働人口が確保されていれば、国の経済は保持でき、
高齢者のような従属者人口が減れば、国の予算に余裕ができて、産
業政策などに資金を回せるからだ。

女性の自殺者も増えているが、これには対策予算がついているのに
、施行に問題があり、迅速に失業や休業中の労働者に給付を行えて
いないからだ。企業の休業や失職での自殺者は、生活費の給付で、
自殺者数は抑えられる。評論家の中に、これを問題視しているが、
これには対策がある。

よって、どの程度の感染拡大で死者が出たら、国主導でGOTOトラベ
ルを中止するのであろうか。

どちらにしても、危機時のリーダー失格の菅首相はGOTO政策を堅持
する気でしょうから、国民は感染対策で国に期待しない方がよい。

そして、緊急事態再宣言になれば、菅首相も「首相としての器か」
を問われ、任期内の退陣になる可能性が高い。そうでないと、自民
党は衆議院選挙でボロ負けになるからだ。

このため、菅首相も簡単には緊急事態再宣言を出さないことになる
。すると、益々重症者数、死者数が増えて、国民からの怨嗟の声が
出てきて、やっと、発出にするので、年末は大変なことになる。

いろいろな医療関係者や有識者の意見を聞けないリーダーを危険視
する日本の伝統的な考え方が、今回も正しいことを証明することに
なりそうである。

よって、菅政権の間、65歳以上の高齢者は、自分の命を自分で守る
しかない。危険なことをしないことである。旅行にはいかないこと
、居酒屋やレストランでは食事をしないことや人混みにはいかない
ことである。

感染の可能性がある旅行者のような若い人たちにも近づかない。今
の自分の行動結果は、2週間後に出る。油断して死なないでくださ
いね。

しかし、民主党も自民党も両方ともに、菅政権はろくでもない。日
本の危機を深めている。

菅首相退陣で、命を重視する次の首相になり、状況が変わる。そこ
までの辛抱である。

そして、二階・菅政権は退陣になり、安倍前首相を「桜」で追い込
んだ見返りが来る。そして、安倍さんの音頭取りで、次の政権にな
るような気がする。安倍前首相の菅さんへの警戒感は正しかったと
いうことになる。

さあ、どうなりますか?


コラム目次に戻る
トップページに戻る