6115.東京は第2の武漢になってきた



世界的な都市封鎖が解除になる方向であるが、日本だけが街中で突
然、死者が出る武漢で見た状態になっている。新型コロナを抑え込
みを早くするべきであり、その方策を検討する。 津田より

0.米国株価
NYダウは、2月12日29,568ドルまで上昇して史上最高株価になった。
4月17日は24,242ドルで、4月20日は592ドル安の23,650ドル、21日は
631ドル安の23,018ドル、22日は456ドル高の23,475ドル、23日は39
ドル高の23,515ドル、24日は260ドル高の23,775ドル。

20日と21日は、原油先物5月限がマイナス37ドルまで暴落し、景気の
先行きを警戒。原油価格の下落から石油産業の支援を表明した。ト
ランプ大統領は、早期に都市封鎖を解除するために、反都市封鎖の
デモを支援して、一部の州の経済活動の再開を急ぎたいようである。
21日、原油価格は11ドル/Bまで戻した。

プーチン大統領は、3年でも耐えられる分のお金の準備したという。
原油20ドルでも当分はロシアは大丈夫と言う。しかし、サウジやUAE
などは、予算の不足分をソブリンファンドの切り崩しで、世界の株
を売る方向である。

22日は、トランプ大統領が、「イラン船舶が米船に嫌がらせをした
ら直ちに撃破する」ことを米海軍に命令したことで、中東原油がホ
ルムズ海峡を通れなくなると、原油価格が23%高騰して、14ドル/Bに
なった。かつ、ムニューシン財務長官が夏の終わりまでには経済を
再開できると言ったこと、米議会上院が中小企業の雇用維持を目的
とした融資拡充などの追加経済対策法案を可決したことを好感して
株価は上昇した。

23日は、当初大幅高が、ギリアドのレムデシビルが治験に失敗とい
う報道で下落した。米国失業申請件数は、443万件であり、5週間で
2650万件になり、失業率は26%になった。失業率が上昇したことで、
移民規制の米大統領令にトランプ大統領は署名した。全米で反ロッ
クダウン・デモが起きた原因も、失業者数に関係している。金は1
オンス1745ドルと上昇している。

原油価格は、米国のシェールオイル生産の削減で上昇して、16.5ド
ル/Bになった。しかし、原油受け渡し拠点のオクラホマ州クッシン
グの原油在庫は、480万B増の5970万Bで、備蓄限界は7600万Bで、残
り1600万Bしかない。この残りの分もリースされているので、新しく
備蓄予約ができない。このため、新規分は、海上タンカーでの備蓄
で、タンカーを保有する海運の株価が上昇した。

このため、6月限真近でも、再度マイナス価格になる可能性が高いと
いう。原油価格のボラティリティも高く、一時517にもなっている。
よって、この面からも経済活動の再開が必要なことになっている。
このため、トランプ大統領はシェル企業を助けるためにも、逸早い
経済活動の開始を仕掛けているのであろう。

24日は、WTI原油価格が19ドルに上昇して、ギリアドの米臨床試験結
果も早まるという報道で、市場のムードが転換して明るくなり株価
も上昇った。

米国株は堅調であるが、現金を14兆円も持つウォーレン・バフェッ
ト氏は、まだ高いとして株を買いに来ない。それは、バフェット指
標(米国株の時価総額÷GDP)が、まだ高い位置にあり、コロナショ
ックで110まで下がったが、現在120まで戻している。75以下になる
まで待っているようである。

コロナ恐慌は始まったばかりであり、これから3年以上10年になるか
もしれない不景気が続くことになる。失業率も20%を越えて、1929年
の大恐慌を越える失業率になる可能性もある。しかし株価は、30%し
か落ちずに、半値戻しになっている。

どちらにしても、株価の一層の上昇には、治療薬の承認が取れるか
抗体を持つ人が増えて、死亡する人が少なくなり、経済活動が正常
化して会社の業績が回復することが必要である。

FRBの無限QEで社債やCPを買い、6.57兆ドルの資産を持っているが、
その無限QEでも株価の戻りは限定的である。企業の業績が悪化する
ことで、配当利回りが落ちることになると株価は下落する。

もう1つ、FRBの資産を減らすためには、将来的にはハイインフレに
するしかない。日銀もFRBと同様な社債とCPを買う量的緩和を行うの
で、ECBも含めて、世界的な通貨の暴落、ハイインフレを起こすこと
になる。

このため、どこかで、個人は資産防衛のために、資金から資産にシ
フトする必要がある。株価は下落した後に、ハイインフレに伴い上
昇することになる。しかし、全体的なストーリーはわかるが、何時
が言えない。

1.日本株価
日経平均株価は、2018年10月02日に24,448円でバブル崩壊後高値に
なり、先々週17日19,897円で、4月20日は228円安の19,699円、21日
は388円安の19,280円、22日は142円安の19,137円、23日は291円高の
19,429円、24日は167円安の19,262円。

20日は、上値の重い展開になっているが、新興市場株価は上昇した。
個人投資家が、新興市場の銘柄を買っている。トランプ大統領がド
ル高を歓迎するとツイードしたが、ドル円は107.7円とあまり変わら
ない。

21日は、原油がマイナスまで落ちて、景気の先行きを警戒したこと
と、北朝鮮の金正恩委員長が重体と言う報道で、半島情勢の不透明
化で下げた。トランプ大統領の移民受け入れを一時停止するという
ツイードも影響した。

22日は、原油安の影響と、企業の赤字転換の情報などで市場の雰囲
気が悪くなってきた。原油安が株価を下落させているように見える。
原油が経済状況を表しているので、それに株価が後追いしているよ
うにも見える。

23日は、原油価格が落ち着いたことと、米半導体株が堅調であった
ことで株価は上昇した。

24日は、ギリアドのレムデシビルが治験に失敗と米国失業申請件数
が443万件と高く、かつ日本企業の業績予想が悪化していることで、
株価は下落した。

どうも、企業業績が悪化することが予測でき、このため、2万円手前
で利益確定売りが出てくるし、海外投資家は売り越し、空売りの売
り残が多くなり、株価は上値が重く、日銀のETF買いがあるので下値
も固い。株価はボックス圏になっている。

ボックス圏以上に株価を上げるためには、感染が収束方向になり、
企業活動が正常化する方向になるまでは無理でしょうね。

その中、大恐慌を越える大不況の前に、政府・日銀は中小企業の倒
産を阻止しないと、日本沈没になりかねない。

2.新型コロナウィルスの世界の状況
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、米国の新型コロナに
よる死者数は26日、5万2782人、感染者数は92万人になった。

全世界の感染者は286万5938人で、アメリカが92万4576人で最も多く
、スペインが22万3759人、イタリアが19万5351人、フランスが
15万9952人、ドイツが15万5418人、イギリスが14万9554人などとな
っている。

全世界の死者は20万698人で、イタリアが2万6384人、スペインが
2万2902人、フランスが2万2245人、イギリスが2万319人と続き、欧
米に集中している。

都市封鎖などの政策が効き、拡大のスピードが止まってきた。今後
、どのように緩和していくかの局面になっている。

3.日本の状況
2月から始まる自粛が5月で3ケ月になる。私も車で仙台に約束してい
た3月の出かけ以外は、車で出かけていない。私的旅行の最後は、2
月初旬である。しかし、この3ケ月で新型コロナ自粛を乗り越えて経
済活動を正常化させないと、中小企業の多くの倒産と大企業の一部
の倒産などで、経済が大収縮を起こすことになる。

そして、徐々に起き始めている。5月、6月になるとより多くの企業
倒産が出てくることになる。今後、行き詰まる大企業は国有化する
しかない。

それでも、経済規模は大きく棄損することになる。雇用調整助成金
の申請が非常に難しいので、申請できないケースが多発しているの
で、倒産や解雇も増えるはずであり、失業者も増えることになる。

平時の仕組みを、有事に行っているので、誰も簡単にできないし、
社労士の数のいないから、申請書類を準備できない。平時から有事
への切り替えができていない。官僚は平時で行うので、政治家がル
ールを変えないといけないが、それを加藤厚労相はわかっていない。

一番の問題として、政府のやってきたことは、PCR検査を重症者しか
受けさせないことで、感染拡大を引き起こしてしまい、結果、重症
者数を増やし、医療崩壊を起こし始めている。埼玉県の軽症者を自
宅待機させて重症化させて死亡させ、女優の岡江久美子さんのよう
に検査を受けさせずに重症化させ死亡させている。

また、簡単にPCR検査を受けられずに、東京の80代男性が病院に行く
途中で死亡した。東京ではこのほかにも同様な事例が出てきた。

症状があり医師が見て疑いのある人には早期にPCR検査をして、アビ
ガンを投与すればよかったはずである。しかし、現在は発症後4日待
たして、医師の診断で、その後順番待ちでPCR検査であり、アビガン
の効果のあるうちに投与できないでいる。

陽性者でも軽症者は、ホテル等で看護師のパルスオキシメーターな
どで観察の元、酸素量が減る兆候をみて重症化する手前で病院に送
るべきなのである。埼玉県で高齢の軽症者を自宅待機させるのは、
あまりにもおかしい。高齢者は重症化する確率が高いのに、それを
放置することは行政機関の殺人行為である。埼玉県も、やっと、軽
症者をホテルに収容するようであるが遅い。

一番問題なのが、東京都で、PCR検査体制が不整備で、検査を1週間
も待たせて、重症化しないと検査してもらえない。

日本はPCR検査を十分しないために、ピークを乗り越えたかもしれな
いが、まだ新規感染者数が高みにいる。中国や韓国を抜いてアジア
の中で、感染者数・死亡者数がもっとも多い国になろうとしている。
それと、街中で死亡する人が多数出てきたことで、東京が第2の武
漢になってきている。

このことは、今までの政府・厚労省・感染の専門家の対応が失敗で
あることを表している。感染症専門家で東北大の押谷教授も、やっ
とPCR検査の拡大が必要と認めたが、時すでに遅い事態になっている。

最初からPCR検査を充実する方向で体制を組むべきが、遅れてしまい
、感染収束に時間がかかり、多くの死者を出し始めている。心配し
ていたことになってきた。

もう1つ、失敗なのが、最初に厳しい封鎖を行わずに、徐々に封鎖
のレベルを上げることで、国民の危機意識が高まらないことになっ
ている。欧米諸国は、ロックダウンという外出禁止令で、完全に止
めて、徐々に緩和させている。この方が危機意識が持てて、収束が
早い。

小池都知事が当初、都市封鎖と言っていたが、それを実行するべき
であったと思う。そして、感染者数が落ちてきたら、徐々に緩和す
るべきであったが、今は逆方向で進んでいる。

西村コロナ担当大臣は、小池都知事の広範な店の閉鎖を止めてパチ
ンコ店を含む店の閉鎖を阻止しようとしたが、これは大きな間違い
である。

都市封鎖は、憲法で私権の制限ができないというが、反体制的な憲
法学者の小林節慶応大学教授も、憲法に私権の制限ができる条項が
あり、「公共の福祉」という語は明文上、12条、13条、22条1項、
29条2項にあるし、全ての人権が「公共の福祉」により制約され得る
と。勿論、「公共の福祉」の解釈が問題であるが、このような感染
症には適応できるという。

どちらにしても、東京の陽性率が上昇しているので、感染者は多数
いて、日々感染を拡大している可能性があり、武漢と同様な感染爆
発を起こしている可能性もある。

東京のPCR検査を拡充して、感染者を見つけて、早期に治療・隔離す
るしかないし、東京から地方への移動を禁止するべきである。

4.政権運営が問題
このような状況にしたのは、安倍政権の危機管理が甘く、遅いため
である。オリンピックや経済を考えて、早期に感染拡大阻止に向か
っていないことによる。もう1つが、危機管理で重要な関わる全員
への周知と意見集約が、十分できていないことである。

安倍政権は、今まで危機管理ができていたはずが、この感染症問題
に対しては、危機管理ができていない。このため、安倍首相の辞任
を要求する野党や自民党の人たちも出てきた。

p0598で危機管理を危惧し指摘したように、今まで主導していた菅官
房長官に任せた方が良かったような気がする。

決定するときには、皆の意見を聞くためにも根回しが重要なのであ
る。それが徹底的に不足している。このため、世帯主の給与が半減
した世帯に30万円と言う政策がひっくり返り、全世帯10万円とな
っている。

また、まだいつになるかわからない終息後の観光や飲食、イベント
の振興といった項目が緊急経済対策となる総額25兆円超の補正予算
案に盛り込まれている。時期尚早で「本末転倒」である。その金を
中小企業の支援に回すべきである。

このようなことは、菅官房長官が主導していれば、あり得ないこと
であったと思う。

安倍首相の取り巻きは、首相を説得すればよいという考え方をして
いるような気がする。安倍首相のリーダーシップをサポートする人
がいない。よって、再度、菅官房長官、杉田副官房長官に主導させ
るべきである。

さあ、どうなりますか?



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