6111.欧米からの新型コロナウィルス拡散



欧米の状況が医療崩壊になり、欧米のウィルスが日本にも侵入した
ことで、日本も医療崩壊の瀬戸際になっている。医療崩壊回避を検
討しよう。              津田より

0.米国株価
NYダウは、2月12日29,568ドルまで上昇して史上最高株価になった。
3月20日19,173ドルで、3月23日582ドル安の18,591ドル、3月24日
2112ドル高の20,704ドル、3月25日495ドル高の21,200ドル、3月26日
1351ドル高の22,552ドル、3月27日915ドル安の21,636ドルであり、
乱高下した週でしたが、週としては上昇した。

ドル円は、週初めは111円台から週終わりには107円台へと円高にな
った。ドルの流動性危機が起きていたが、FRBの無限QEで週後半に落
ち着いたので、ドル安円高に戻したようだ。

23日の18,591ドルは、最高株価の37%下落である。23日、FRBは無制
限の量的緩和を行うとしたが、民主党がトランプ経済対策に反対し
て上院で否決されたことで株価下落。

24日、米与野党が2兆ドルの経済対策で合意したことを好感して、株
価は上昇した。24日の上げ幅は過去最大である。25日も世界的な株
高とコロナ経済対策予算の議会での議決ができたことを好感。

26日、失業保険登録件数で前週の28.8万人から328万人になり、リー
マンショック後の69万人の5倍の件数になったが、パウエル議長が、
できることはすべて行い与信を支えると宣言したことで、株価は上昇
した。

27日、米国での感染者数が10万人と超えて、株価は下落。

FRBは、4兆ドルの社債やCPを買うということで、銀行や企業は不良
債権を全てFRBに押し付けることができるので、米企業の借金は、
軽くなる。このため、社債市場の動揺が収まり、ドルの流動性危機
は回避され、ドル高からドル安にシフトした。円ドルでは金利差で
大体決まる為替水準が、まだ混乱している。

しかし、今後の企業業績はどんどん悪くなる事が予想できる。その
中、NYダウは21,000ドル台に戻した。今週、株価は大幅に上昇した
が、景気は悪くなるので、4月には2番底を付ける可能性が高い。

1.日本株価
日経平均株価は、2018年10月02日に24,448円でバブル崩壊後高値に
なり、3月19日16,552円、3月23日334円高の16,887円、3月24日1204
円高の18,092円、3月25日1454円高の19,546円、3月26日882円安の
18,664円、3月27日724円高の19,389円で今週は上昇した。

16,500円で底を打ち、日銀の連日の2000億円ETF買いが効いている。
24日、1204円高、25日1454円高で歴代9位、5位の上昇幅であり、そ
の原因は、海外ヘッジファンドが売りポジションの巻き戻しに動い
たためと思われる。25日は日銀の買いはなかった。自律反発になっ
た。一転して26日は東京の外出自粛、業績悪化懸念から882円安にな
った。27日は、前日のNYダウ上昇を好感して上昇した。

NYダウの先物、上海総合指数と日銀のETF買いの動向に左右される日
経平均株価である。前日のNYダウ上昇でも、東京市場の時間でNYダ
ウ先物が下げていると、日経平均は下げてしまう。もう1つが、上
海市場の動向で、市場の始まる10時から10時半に下げることが多い。

日銀の買いが入ると、一斉に買いが強まる。日経平均が16,500円近
辺になると買い出動するようであり、19,500円近辺になると買い出
動が起きない。このため、2万円程度が当面の上値になるようだ。

日銀の手持ち日経平均株価は、19,500円であり、損益分岐点である。

107円台と急速な円高が進んだが、上場企業の採算円レートは、99.8
円であり、まだ余裕がある。

しかし、企業の格付けが軒並み、格下げになっているので、当面、
大きな上昇もない。5月前半に新型コロナを克服したら、ブイ字回復
になるが、4月中旬に国家緊急事態宣言が出て、1ケ月外出禁止にな
ると、大きな経済的な落ち込みになる。どうも、そちらに向かって
いるようで恐ろしい。半年この状態が続くと、日本経済沈没である
が、世界も状況が同じだと世界経済沈没になる。

そうなると、業績悪化が出る4月後半には、2番底を付ける可能性も
ある。株価の本格的な戻りはブラックマンデー暴落では6ケ月、リー
マンショックで11ケ月であるので、復活には相当な時間が必要にな
る。

2.新型コロナウィルスの世界の状況
米ジョンズ・ホプキンス大学の集計によると、米国の感染者数は27
日時点で10万717人と大台を突破した。全世界の17%に相当する規模
だ。死者も1478人と急増している。世界全体の感染者数も59万人を
超え、死者数も2万7000人以上となっている。

イタリアでは感染者数が8万6498人、死者は世界最多の9134人。スペ
インは、感染者数は6万4285人。死者数は4940人。と、欧米諸国の現
状は、悲惨と言う一言である。

人口密度の高いニューヨーク州では、感染者数は4万4870人に上り、
米国全体の4割以上を占める。

このため、ニューヨーク州では、感染者が急増と約15%の患者は、
入院が必要になり、人工呼吸器が必要となっている。NYの病院の医
師は、医療崩壊状態で、人工呼吸器と医師や看護師を守る防護用品
が足りないし、多くの若い人も重症になっているという。検査を無
料にしたことで、多くの人が病院に来ることで、医療崩壊を起こし
たようだ。

当初、トランプ大統領は、新型コロナウィルスを中国ウィルスと呼
んでいたが、習近平国家主席との電話会談直前から、このウィルス
と呼ぶようになった。中国から医薬品、検査装置、人工呼吸器を援
助してもらい、中国由来ウィルスの主張を止めたようである。

中国で新型コロナウィルスは発祥したが、現在、中国が世界を助け
る役回りになっている。イラン、イタリアなど中国シンパの国にも
医療団を送り込んでいる。

3.日本の状況
感染拡大の第1波が中国からのウィルスであり、それを制圧手前で、
第2波の欧米からのウィルスが日本に来た。欧米からのウィルスは、
変異が進んでいて、若者も重症化させ、感染力も強いようだ。

大企業の出張など欧米を訪れた人たちが、新型コロナウィルスを持
ち帰ってきた。このため、東京と大阪が日本での感染の中心地にな
っている。それも感染力が強く、若者も重症化させる可能性がある。

ということで、東京において感染爆発の瀬戸際という危機的な状況
になっている。悪いことに、感染ルートを追うこともできないよう
になって、クラスターが複数個あり、そのクラスターから感染者が
拡散している状況のようである。これで、4月前半の感染抑え込みの
目は無くなった。

しかし、東京の1日の検査数は、毎日100件以下であり、検査数が少
ないから、1日の感染確認者数も26日と27日40人程度、28日60人とな
り放物線上に上昇しているが、それでもそれだけで、すんでいると
も言える。現時点で、相当多数の感染者がいる可能性がある。

しかし、これには原因があり、病院の容量が足りなく、大量の感染
者を収容できないので、現時点では検査を重症者に限っているから
だ。

小池都知事も外出自粛を要請して、都民の外出を抑制したいが、若
者を中心に、夜の飲み会が渋谷や新宿では変わらなく続いているの
で、外手自粛を確実に行うためには、国家緊急事態宣言の発令しか
ないようにも感じる。感染確認数が、今後も放物線的上昇になれば
、日本も医療崩壊を見ることになる。

また、感染爆発を起こさないためには、他人に移す軽症者も隔離す
ることであり、検査数を増やし見つけるしかない。このため、軽症
者を隔離する病院以外の収容施設を増やす必要がある。

感染ルートが追えなくなると、感染の可能性がある人に検査して、
陽性なら隔離するしかない。小池知事は、その施設として五輪の選
手村を隔離施設に転用したい意向である。

医療崩壊とは、医療従事者の防護用品不足と人工呼吸器の不足であ
るから、医療崩壊を防止するためには、軽症、中症の段階で治して
、重症化させないことで、人工呼吸器の必要数を多くしないことと
、医療防護用品があるうちに、感染を小さくすることである。

この意味からも軽症者を見つけて、重症化する前に、ぜんそく薬の
オルベスコと抗ウィルス薬のアビガンを使い治すことだ。この2つ
の薬は、軽症者から中症者までは治るが、重症者には効かないとい
う。

重症者は、カレトラやレムデシビルがよいのであろう。肺炎などの
病状を抑える膵炎の薬ナファモスタット(商品名フサン)がある。
また、マラリアの治療薬クロロキンも候補に挙がっている。

というように、薬が出てきて、軽症者への治療がないという少し前
の常識は、覆されている。勿論、治験を重ねて、条件をしっかりす
る必要があるが、今わかっていることを、フルに活用することが重
要だ。

早く感染縮小させることで、経済の打撃を少なくすることもできる
。経済対策規模は、打撃の大きさに比例するので、なるべく早く復
旧することが大切である。

そして、この新型ウィルスへの治療方法と検査体制を確実に早期に
構築した国が、次の世界の模範になる。新型コロナウィルス感染症
がインフルエンザと同程度の感染症になることを意味する。

そして、自由と安全と医療が整った国への移住を金持ちの方が望み
、その国が世界の富を得ることになる。自由と安全と安心を構築し
た国が次の世界の安住の地になる。日本への移住を決める人が増え
ることになる。

日本は、バイオ産業をいち早く立ち上げていたことで、IPS細胞研究
、ウィルス研究、感染症研究と医療資源の厚みが大きいなどで秀で
ている。1000人当たりのベット数13.7床と世界トップ、CT保有数は
100万人あたり107.2台とこれも世界トップ。

このため、新型コロナウィルスでの死者も少ないが、それでも油断
すると医療崩壊になる危険性はある。しかし、医療分野にはお金を
掛けてきた。この実力をこのウィルスとの戦いで有効になるかを考
えるかが勝負だ。勝つ可能性はある。次の抑え込みの目標は、5月前
半でしょうね。

勝つためには、当分、日本も中国と同じように、国内感染が収まる
までは、鎖国化するしかない。全ての入国・出国を禁止する。新し
い感染者を日本に入れない。逆に自国感染者を他国に出すのも他国
の迷惑になるのでしない。

4.近未来の展望
米国などの貧富の差が大きい国は、医療水準が低く、ベット数も足
りなく、低所得者の感染を抑えることもできず、当分このウィルス
の感染拡大は止まらない。多くの人が死ぬことになる。特に欧米の
ウィルスは、狂暴化していて、若者も重症化させている。

米FRBは、無限QEという劇薬を使っているが、それには副作用がある
。ドルを無限にばら撒くというヘリマネを行い、企業トップにモラル
ハザードを起こさせて、FRBへの信任もなくなる。ドル暴落になり、
米国の衰退になる可能性が高い。このウィルスは、欧米諸国の没落
を加速する。当分、鎖国化が1年程度続き、グローバル化や効率化で
はなく、ローカル化と稼働重視になる。地産地消が各国で叫ばれる
ことになる。

株価もファンダメンタルズを反映しないことになり、景気が悪くて
も株価は上昇するという資本主義とは違う世界になる。国家資本主
義国の中国とは違うかもしれないが、企業が国に頼って生きること
になる。

このため、当分、国家資本主義の中国の台頭になる。米国は中国に
助けられて、復活するしかない。インフレを抑え込むためには、輸
入関税UPも無効化するしかない。

逆に、米国の危機感から、米中の覇権争いが激しくことも可能性と
してある。その結果、米中の戦争も起きても驚かない。トランプ大
統領も当初、「中国ウィルス」と言い、恐怖を敵対心に変えて、支
持率を上昇させた。しかし、中国が援助をすることで、今は、この
ウィルスと呼び方を変えている。しかし、米国民には中国への敵対
心が植え付けられた。議会は「台北法案」を可決させている。

もう1つ、米国は鎖国化しているが、米国農業では、メキシコから
季節労働者が来ないと、小麦・大豆などの作付けができない。この
ため、イースター(復活祭休日、4月10日から4日間)までにトラン
プ大統領は、外出禁止の緩和を州政府に要請している。

しかし、NY州などが反対するので、州を区分けして農業州だけにメ
キシコから季節労働者が米国に来れるよう緩和したいようである。

しかし、もし鎖国化で、季節労働者が入れないと、秋以降、米国の
農産物の収穫がなくなり、世界的な食料不足という事態が起こるこ
とになる。

カナダ、豪州なども同様であり、4月以降の外出禁止緩和をできるか
どうかが1つの注意点になる。

この状況を踏まえて、日本農業の再構築が必要になる。農産物の多
くを輸入しているが、その農産物価格が上昇すると、途上国で飢餓
に襲われ、日本も物価上昇になり貧困化する。それをしないために
は、農産物の自給自足化が必要になる。

もう1つが、当分、各国が鎖国化するので、日本は、地産地消経済
、ワンセット産業主義をもう一度、復活させて、日本だけでサプラ
イチェーンを完結できるようにするしかない。

そして、過去の歴史を見ると、大飢饉や大恐慌後は、世界が不安定
になり、戦争等が起きている。このために、日本は自国で産業を、
ひと揃え持っておくことで、不安定な世界に対して準備することで
ある。

さあ、どうなりますか?



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