6060.令和は改革時代



平成時代、日本はバブル崩壊や地震などの大災害の復興に追われ、
国民も政府も昭和時代の栄光に寄りかかり、惰性的な姿勢で問題を
先送りして衰退の時を迎えてしまった。令和時代は、日本の衰退を
食い止めるために、本気で構造改革や革新的な技術開発をすること
が必要になっている。その検討。       津田より

0.日米株価
NYダウは、2018年10月3日26,951ドルで過去最高株価であるが、12月
26日21,712ドルと暴落したが、その後は上昇して4月18日26,559ドル
、そして5月4日26,504ドルになっている。FRBが利下げをしなかった
ことで下げたが、雇用統計で雇用26.3万人増、失業率3.6%と強い値が
出て上昇した。

日経平均株価は、一週間お休みで変わらず。シカゴ先物市場の日経
平均も22,000円台であまり変わっていない。10連休は無事に通過
する可能性が高い。

1.米中通商交渉が影響か?
トランプ大統領は、FOMC開催に向けて、1%利下げを要求したが、
FOMCは、利下げせず、景気は良くなっているので当分様子見をする
とした。政治の干渉を排除する姿勢を明らかにした。

トランプ大統領が、GDP3.2%増、雇用26.3万人増、失業率3.6%という
景気が良い時期に、なぜ、利下げを要求するのか、あまりピンと来
ない。これ以上の景気拡大をしたら、バブル崩壊時、景気後退が大
変なことになるという発想はないようである。来年の再選まで景気
が持てばよいのである。

米中通商交渉が行き詰まり、決裂の可能性があるので、FRBに一層の
量的緩和を要求した可能性もあるが、まだ、米中通商交渉の決裂と
決まったわけでもなく、FRBは利下げをするはずがない。

しかし、トランプ大統領は、中国との交渉決裂を先読みした可能性
もある。このため、インフラ整備に2兆ドル投資することで、米大統
領と民主党指導部が合意したことも、このことと関係しているよう
だ。そして、ペンス副大統領も利下げ要求している。決裂の可能性
が高いからなのであろうか?

ホワイトハウス報道官も、今後2週間で交渉を打ち切ると述べている。

中国は、交渉決裂を見越して、一帯一路のフォーラムを開催して、
パックスアメリカを崩すために、中国主導の新国連のような組織を
作ると宣言した。また、大豆を大量にロシアから輸入する契約を結
び、米国との交渉決裂を見越した動きを見せている。もし、米中通
商交渉が合意したら、米国から大量の大豆を買うことになっている
ので、ロシアと大量の大豆の契約を今の時期に結ぶはずがない。

決裂の可能性を見たのか株価は下落したが、強い雇用統計が出て、
市場は安心したようである。米国は米中通交渉で決裂しても景気は
、後退しないとトランプ大統領も安心感を持ったような気がする。

しかし、もし、米中通商交渉が決裂になったら、日経平均株価は大
幅下落になる。

2.ベネズエラ情勢
ニコラス・マドゥロ政権の打倒を目指す反体制派デモが起き、野党
指導者のフアン・グアイド国会議長は、カラカスの空軍基地の外で
盟友のレオポルド・ロペス氏や少数の軍人の集団と共に蜂起を呼び
かけたが、軍人の大規模な離反は起こらなかった。

マドゥロ大統領は亡命する意向であったが、100名を送ったロシア派
遣軍の説得で踏みとどまった。ベネズエラ軍も強力なロシア派遣軍
がいるので、離反しなかった。反対にグアイド国会議長サイドに、
米国は、米軍事会社から多数の兵士を送りクーデターを仕掛けたが
、失敗した。

米国ポンペオ国務長官は、ロシアのラブロフ外相に対して、マドゥ
ロ政権をサポートするロシア派遣軍を撤退しろと要求したが、ロシ
アは、米国の内政干渉の中止を要求して、物別れになっている。

米国は直接の軍事介入も検討しているが、それでは米ロ直接対決に
なる可能性もあり、トランプ大統領が待ったを掛けている。

今後、米ロ首脳会談を開き、トランプ大統領とプーチン大統領で話
し合う可能性があり、この2人の関係は悪くないので、米ロの利害
調整が可能である。ロシアも米国の直近のベネズエラに介入するの
は、経済制裁の解除を要求するためであり、米ロの共通した利害は
、経済制裁解除と対中関係であるので、米ロ協調が実現する可能性
もある。

ウクライナではコメディアンが大統領になり、ロシアとの関係を復
旧する方向があり、もう1つ、EUと米国の関係が良くなく、ロシ
アへの経済制裁する根拠が米国にもなくなっている。

その上に、米中通商交渉が決裂したら、米ロが対中で歩調を合わせ
る必要も出てくることになる。

3.韓国の暴挙
韓国の元徴用工や元朝鮮女子勤労挺身隊員らが日本企業に損害賠償
を求めた訴訟で、原告側の代理人弁護士は既に差し押さえた日本製
鉄(旧新日鉄住金)と不二越の韓国内の資産売却命令を出すよう裁
判所に申請した。

この資産売却命令に対して、「政府は介入できない」と韓国外相は
声明を出したことで、日本も韓国への制裁や韓国企業の日本資産の
差し押さえが可能になった。「目には目を」を実行しないと、今後
も日本企業の資産差し押さえが続くことになる。日本の大企業のほ
とんどが対象範囲になり、これは放置できない事態になる。

この暴挙を止める方法は、韓国企業の日本資産の差し押さえしかな
い。日本でも冷静にという評論家がいるが、それでは、どのような
方法で韓国の暴挙を止められるのかを記していない。

資産価値では、一番大きいのがラインの株を差し押さえることであ
る。サムソン・LGの資産も大きい。経済制裁では、日本への輸入
品に対する追加関税を掛けて、輸入を止めて、韓国への送金を停止
することである。このような手段で日本企業が被る被害と同等額を
取るしかない。

日本への韓国人旅行客を止めるとか韓国への輸出を止めるような、
日本が損することはしないことであり、あくまでも経済的な損失に
見合った額を徴収することに限る必要がある。政治的ではなく、経
済的な損失の補填ということにしておくことである。感情的になる
必要はない。冷静に損失額と同程度の資産を抑えることである。

経済的な韓国のウォン暴落時の対応などもできないが、政治的には
、対北朝鮮政策で共同歩調を取るなど、日韓の政治面での関係は維
持しておくことが必要である。

あくまでも、韓国司法で損害を受けるので、その損害を補填すると
言う観点で行うことである。

4.令和時代の幕開け
4.1.平成と令和の意味
日本は、5月1日に令和時代を迎えた。平成の30年間バブル崩壊や東
日本大震災、神戸・淡路地震、熊本地震や山崩れなど災害も多く、
その復旧・復興に追われた時代であった。政府も国民も昭和の栄光
を忘れられずに、世界的な新技術を取り入れず、また、人口減少・
高齢化の問題を金融緩和というその場しのぎで過ごし、問題を大き
くしてしまった。

平成の漢字の意味も、平らかに成ると、保守的なイメージであり、
その漢字の意味を象徴する時代になってしまったように感じる。言
葉の力は、大きいと感じる。平和な時代であったが、保守的な空気
惰性的な空気が流れた時代でもある。

しかし、人口減少・高齢化などの根本問題で構造改革を行い、世界
的な革新的技術を取り込まないと、日本は衰退国になり、国民は貧
しくなることが、確実になってきた。事実、実質的な年収も徐々に
下がってきている。

真剣に国の構造を変える事が必要になっている。それとともに、民
間会社も新技術を取り入れて、業界構造を変革しないと生き残れな
いことになっている。惰性ではダメな時代になったことをやっと、
経営トップ層も気が付いたようである。

令和は、昭和を取り戻すという雰囲気である。革新的な谷も山もあ
る時代を作る必要になったから、そのような時代名になったのであ
ろう。言葉の力は、大きいことを願うしかない。

4.2.高率化・自動化
銀行も事務要員の人員削減をして、事務的な業務をAIに任せて、即
時決済サービスを行い、ペイペイやラインペイ、メルペイなどと同
じ決済サービスを始めているし、金利ゼロ時代の貸し出し業務も、
AIなどを使い効率化無人化して、ファンドサービスを充実する方向
にある。銀行業務が代替されて、どんどんインターネット・サービ
スに侵食されている。それに対抗する必要になってきたのだ。
業界を挙げて、革新的なサービスを行い、銀行消滅を防ぐ必要にな
っている。その時、スマホを基盤をしてサービスを考えることであ
る。

多くの企業でも、人手不足に対して、事務作業の効率化を行い、人
員配置を対面サービス中心にして、少ない人数でいろいろな業務を
行う必要になっている。製造工程に自動機械やロボットを入れて、
合理化して、その監視にはIOTを利用して、生産調整にはAIを
活用して、その部分での人員を少なくすることである。

というように、自動化・ロボット化が進む環境ができている。後は
、その需要に応える機械やロボット、AIを作ることなのだ。

4.3.原発から再生エネルギーへ
もう1つが、地球温暖化で、再生エネルギーへの転換が急務である。
原発の増設を望む声はあるが、民間企業で原発の新規設置は、経済
的な観点からも無理である。廃炉に数兆円もかかる設備を作るはず
がない。一時的な経済的な面での負担が大きすぎで、企業の永続性
を失いかねない。60年先の廃炉時の企業業績を見通すことはできな
いし、これから電力企業は廃炉コストを負担する段階に来ている。

今までは、廃炉のコストを見込まなかったから、原発がコスト的に
有利であっただけである。国も地域住民に補助金を出して支援して
いたが、廃炉コストを国も負担できないので、無理である。経団連
会長の中西氏も国の支援が必要としたのは、この廃炉コストのはず
である。

というように、原発が作れないことが確実になって、風力や太陽光
、水力、地熱などの自然エネルギーに活路を見出す必要になってい
る。それと中間媒体である水素の重要性も出てくる。電気は、貯め
るのに蓄電池が必要であり、この材料のリチウムという元素は地球
上で、それほど多くなく、コスト負担が大きい。その点、地球上に
大量にある水素は、コストが小さいので、水素で貯めるしかない。

燃料電池で、水素を電気に変えることができるし、車にも利用可能
である。

トヨタが、長い間研究費を掛けて、この水素をものにしようとして
いるし、海外でも研究が継続的に続いている。国も協力して、この
水素を社会インフラとして整備できるように、規制緩和などを行う
必要がある。

4.4.構造改革
最後に、人口減少とともに、高齢化が進み、人生85年になってい
る。年金を65歳からでも20年もいただけることになっている。
しかし、これでは年金基金は枯渇して、現役世代の負担は大きくな
る。

このため、最終的には75歳まで現役化しないと、難しい。今まで
は、高齢者が少なく、医療費も優遇されていたが、それも年齢を上
げて、100歳以上で、医療費1割負担とするしかない。

日本の予算が社会保障費に偏り、技術革新などの大学の基礎研究費
が大きく削られている。これを元に戻すことが必要である。AIや
ロボット、バイオなどの基礎研究を続けていくことである。

防衛費も強化が必要である。周辺諸国の軍事的な脅威があり、米国
の衰退と相まって、自国の防衛を自国で行う必要になっている。日
本の自立が必要になってきたことで、憲法も変えることである。

そして、金融緩和という温い惰性的保守的な環境から抜け出して、
日本の衰退を促進しないように、徐々に財政再建を果たすことであ
る。日銀の国債400兆円程度は、日銀にある時は永久債にして、
残りを償還することである。長期金利も1%程度にする必要がある。

4.5.文化力
日本は、多くの優秀な文明を導入している。中国人が日本の京都や
奈良を見ると、昔の長安を思い出すというように、昔の漢民族の非
常に良い文化を体現している。東京のように欧米文化を体現してい
る所もあり、日本の昔の縄文・弥生文化などもあり、多くの文明を
受け入れて、そのいろいろな文化から来る柔軟な発想で研究ができ
ることで、世界的にユニークな物を生み出す原動力にしてきた。

しかし、その柔軟性を保守的な惰性で殺すことがあり、その時代で
日本は世界から遅れることになる。衰退の危機感で、保守的な考え
を捨てて革新的なアイデアを、どんどん出す時代がきて、世界に追
いつくことになる。今がその時代である。

令和という時代になり、惰性を捨てて、革新になろうではないか?

さあ、どうなりますか?


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