マイケル・ムーア監督の映画であり、11月2日に公開予定の映画 の試写会に行ってきた。私は、映画が好きではなく、ほとんど見て いない。しかし、私のトランプ政策への批判の評論から、ご招待が 来たのもしれない。 そして、ムーア監督の作品なので、トランプ極評の映画であろうと 行ったが、期待通りの作品であった。 ムーア監督は、ゼネラルモーターズの生産拠点の一つであったミシ ガン州フリントでアイルランド系の家庭に生まれ、フリント郊外の デイヴィソンに育ったので、フリントの鉛水道の問題が出てくる。 ラスト・ベルト(錆びついた工業地帯)の民主党の活動が少ないこ とで、トランプ氏が勝った。民主党が労働者の党から資本家の党に なり、労働者の利益を守る党がなくなってしまったことによる。 米国の新自由主義の資本主義は、企業の利益最大にするために、自 国民を搾取するので、米国民は貧困になり、この貧困者からも搾取 するので、貧困者が健康を害するまでになってきた。この結果で、 フリントの水道が鉛汚染になったようである。 民主党が労働者の党ではなくなり、貧困の原因を資本家のせいでは なく、移民や黒人のせいにするという国民を分断することでトラン プ大統領は、絶大な支持を得ている。 本当は、資本家の利益追求が国民を貧困にしたのに、その批判の芽 を摘んでいる。バニー・サンダースは、そこを訴えたが、民主党幹 部に阻止された。しかし、今、この旋風が吹き始めてきたようであ る。 最後に、トランプ大統領の政策を、ヒットラーの政策と比較して、 米国に自由がなくなっていくと訴える。この部分は、堤美果氏の「 アメリカから<自由>が消える」をヒットラーの政策と比較してい るのが面白い。 ムーア監督の映像で見ると、このコラムの記事とは違う迫力で迫っ てきて、米国の貧困化を実感できるようだ。米国の時代は終わり、 世界的な変革の時代を実感する。 米国の政治・経済・社会の動向に興味がある人には、必見な映画か もしれない。