2834.混乱度を極める世界に



ブット元首相の暗殺が起きて、世界の混乱が激しくなっている。
                   Fより

米国はソ連との冷戦後、覇権の把握のために新しい冷戦をイスラム
教原理主義とのテロ戦争と定めた。メインの石油地域をイスラム教
が占めているので、そこの民主化を推進して安定化しようとネオコ
ンは計画・実行した。

しかし、米国の継戦能力を見誤り、特に陸軍を弱体化させていたた
めにゲリラ戦でもあるイラク・アフガニスタン戦争ともに苦戦して
、米国国民の支持を失っている。このままだと石油地域からの石油
の供給も不安定になると、米国は石油重視戦略から脱石油戦略にシ
フトした。米国国内産出の石油は後10年しかないと予測されてい
る。

しかし、米国が仕掛けたテロ戦争の同盟国であるパキスタンは、世
俗主義政党とイスラム主義政党の戦いが終わっていない。アフガニ
スタンはタリバンが勢力を盛り返し、欧米軍は苦戦している。この
影響を受けて、パキスタンもムシャラフ大統領が親米主義を堅持し
ても、イスラム原理主義の拡大を止めることができない状態になっ
ている。ブット元首相が暗殺されたが、イスラム教原理主義との戦
いは大変厳しい状態になっている。

このように米国が仕掛けたイスラム教原理主義との冷戦は、徐々に
米国サイドが劣勢になってきた。しかし、パキスタンは核装備国で
あり、このパキスタンがイスラム教原理主義者の手に渡るとその核
を用いたテロが起こると欧米は心配し、かつアフガン戦争の継続が
出来ないことになる。

米国は徐々にイスラム教原理主義者との戦争を国内世論が許さない
ことになり、撤退の方向である。この米国の撤退になると困るのが
、パキスタンであり、イスラエルである。それより少ないが困るの
がスンニ派の湾岸諸国のサウジ、UAEなどである。イスラエルは
独自の軍備では核ミサイルを防御できない。アローミサイルでは防
御できないとしている。このためMDを米国に支援要請している。

パキスタンのムシャラフ氏は軍を親米にして、米国の支援を得てい
るが米国がアフガンから撤退すると、その援助もなくなり国民の支
持もなくなる。そして、イスラム教原理主義タリバンの勢力圏内に
なる可能性が高い。

このように米国の中東撤退は、世界の情勢に大きな影響を与えるこ
とになる。米国の撤退を見て、豪州のように世界の親米国家はどん
どん米国から離れることになる。このように、米国の撤退と世界の
混乱を来年は予想できる。

もう1つ、欧米の中東撤退で石油依存経済から脱石油依存経済への
移行が加速されることになる。欧州は脱石油政策として環境問題を
連邦方針に入れて準備をしてきている。この欧州に米国は同調する
ことになる。原子力発電にシフトすることが欧州も米国も合意して
いる。速く始めたので欧州は脱石油社会の環境が整備されている。
この社会的な仕組みがビジネスになると欧州は狙っている。

しかし、自動車の燃料としての石油は、エタノールにシフトしよう
とするとが、食料になるトウモロコシやサトウキビなどを使わって
いるため食料不足がおきている。食料の高騰で世界の貧困国は大い
にに困っている。このため食料でない植物で、このエタノールを作
る競争が起きている。また、将来は燃料電池自動車と言われてきた
が、この実現は難しいことがだんだん明らかになり、当面、電気自
動車やプラグインハイブリット車が注目されている。

もう1つ、欧米はサブプライム問題で、銀行が資本不足を起こして
いる。この不足資金を中東と中国が貸しているが、日本にも焦点が
当たる。また、ドル資産の減価に防御として、中東諸国の投資が日
本に向かう可能性がある。日本など東アジアは戦争もなくて、安定
的と世界に思われてくる。それは、パキスタンの政権がイスラム教
原理主義者に落ちれば、イギリスの爆弾テロではないが欧州でも核
テロを心配する必要が出てくる。北朝鮮核、ミサイル問題の解決と
日中友好が持続すると台湾の独立運動ができなくなるので、東アジ
アは当面、安定的となる。

そして、日本の株価が非常に安いレベルにある。今まで投資してい
た米国はサブプライム問題で危ないし、中国の株価はバブル状態で
あり、投資できない。中東には投資する案件もない。欧米は核テロ
を心配する必要になる。このように日本や韓国などの東アジアに投
資が戻るように感じる。

さあ、どうなりますか??
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パキスタン政情緊迫 ムシャラフ政権苦境 ブット氏暗殺(ASAHI)
2007年12月28日03時05分

 軍政が続いたパキスタンの民主化を目指していたブット元首相
(54)が、志半ばにして暗殺された。来年1月の総選挙に向けた
集会で演説した直後、車上にいたところを銃撃と自爆テロが襲った。
穏健派ブット氏を後押しし、総選挙の実施でパキスタンの安定化を
目指した米国など国際社会の期待は大きく揺らいだ。ブット氏の生
命を守れなかったムシャラフ政権に対する批判の声も高まり、同国
の政情はさらに混迷化している。 

 事件は、1月の総選挙に向けた集会で、ブット氏が数千人の支持
者を前にした演説を終え、会場を離れる際に起きた。 

 目撃者によると、防弾車のランドクルーザーに乗り、支持者に手
を振るために顔を出した時に首付近を被弾。その場で即死した。撃
ったのは男1人と見られ、車のすぐ近くにいた。銃撃した直後に自
爆。周辺にいた人が巻き込まれた。 

 AP通信によると、現場はブット氏の父親であるズルフィカル・
アリ・ブット元首相がクーデターで失脚後、処刑された現場からわ
ずか数キロしか離れていないという。 

 パキスタンでは今年、イスラム過激派の勢いが強まっていた。政
治状況がさらに不安定になるのは必至だ。 

 パキスタンとアフガニスタンの国境地帯ではイスラム原理主義タ
リバーンが極秘に再組織化を進めてきた。今年7月にはパキスタン
の首都でイスラム神学生が宗教施設を占拠し、軍が強行突入して鎮
圧。これを機に過激派は周辺国からパキスタンに向かい、治安部隊
や警察官を標的にした自爆攻撃が多発するようになった。 

 10月に帰国したブット氏は当初、ムシャラフ大統領と協力する
意向だった。しかし、帰国直後の自爆テロでブット氏率いるパキス
タン人民党(PPP)の支持者ら150人近くが死亡。ブット氏は
「私の暗殺を狙っている者が政権内部にいる」と批判を強めた。 

 大統領派与党のパキスタン・イスラム教徒連盟(PML)もPP
Pとの連携に乗り気ではなく、ムシャラフ、ブット両氏の協力は宙
に浮いた。ブット氏は、11月に帰国したシャリフ元首相率いる野
党パキスタン・イスラム教徒連盟ナワズ・シャリフ派(PMLN)
との連携を模索していた。 

 ムシャラフ氏は今月15日、非常事態を解除したが、21日には
シェルパオ前内相が訪れたモスクで自爆テロがあり、不穏な情勢が
続いている。 

 今後、政府は各政党による大規模な政治集会の禁止に乗り出す可
能性が強い。来年1月8日の総選挙が予定通り実施されるかも微妙
だ。ブット氏の生命を守れなかったことで、国内ではブット氏の支
持者を中心にムシャラフ政権批判が強まるのは避けられない。 
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日中首脳がキャッチボール 釣魚台で、友好ムード演出(ASAHI)
2007年12月29日13時57分

 北京を訪問している福田首相は29日朝、温家宝(ウェン・チア
パオ)首相と、釣魚台迎賓館の屋内体育館でキャッチボールをした。
28日の首脳会談の中で福田首相が呼びかけて実現した。中国の国
家ユース代表の選手も交えて30球ほど投げ、友好ムードを演出し
た。

 温首相は4月に訪日した際、立命館大学野球部と交流した時に着
た、背番号35の立命館大のユニホーム姿で登場。福田首相も中国
側が用意した白のユニホームに着替えてのぞんだ。福田首相が球を
とり損ねる場面もあったが、しだいにスムーズな球さばきに。最後
に「またやりましょう」とにこやかに握手した。 
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ポーランド・トゥスク政権1カ月 「対米偏重」軌道修正 善隣外
交を推進
12月27日8時2分配信 産経新聞

 【ベルリン=黒沢潤】ポーランドで中道右派のトゥスク政権が発
足してから約1カ月が過ぎた。この間、欧州地域で“善隣外交”を
推し進める一方、前政権が偏重した米国との関係を軌道修正するな
ど、バランス重視の外交を展開している。

 ポーランドで民族主義政党、「法と正義」の保守派政権が誕生し
た2005年秋以降、食肉輸入を禁止されて悪化していたロシアと
の関係をめぐっては、隣国との協調を訴えて首相に就任したトゥス
ク氏が先月27日、経済協力開発機構(OECD)へのロシア加盟
に賛意を示したことで“雪解け”ムードが広まった。

 ロシアもこれを受けて態度を軟化させ、19日に食肉禁輸解除の
覚書に署名した。約1年間にわたって、ロシアと欧州連合(EU)
間の貿易・エネルギー分野での新条約締結を妨げてきたEU加盟国
のポーランドは近く、新条約締結にも正式に賛成する意向だ。


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