2811.米国崩壊後の世界



豪州でも政権交代が起きている。この考察。   Fより

米国の覇権放棄に合わせて、いろいろな動きが加速している。豪州
も親米派ハワード政権から親中派ラッド政権に変わる。去年、貿易
相手国の1位に中国がなっていたし、中国からの移民も多い。この
ため、米国から中国に乗り換える。ここでも米豪の軍事同盟で中国
の軍事拡大を押さえる計画は破綻したことになる。

台湾の野党総統候補馬氏は、中国と和平協定を締結するという。
それは、台湾独立宣言時に中国からの攻撃に対して、米軍の支援が
受けられない現状があるためで、この和平協定はしかないと思う。
台湾でも中国に工場を進出させている台湾財界から支持を集めてい
る馬氏が政権交代を起こす可能性があり、親中派が勝つ可能性が高
い。

欧州は、中国との関係を25年前から構築してきた。このため、一
時はドイツのVW製自動車が中国でシェア・トップであったことで
分かる。また、武器輸出も行おうとしていたのを、日米で止めたぐ
らいである。しかし、この経済発展に追従して、米国も工場を中国
に移して、世界1位の空調メーカ・キャリアも中国工場がメインに
なっている。

このように中国との関係を深める国は増えているが、中国のチベッ
ト問題や人権問題などに、世界は懸念を表明している。中国が民主
化すれば、中国が米国から覇権を移譲されても文句が言えないが、
今の中国では世界から納得を得られない。

日本に来たダライ・ラマ14世の中国国内に留まるが高度な自治を
要求に対して、民主党の鳩山幹事長も支持を表明しているように、
中国の政治的な体制は問題がある。この見方は世界で共通している。

中国の問題に対応するためには、日米欧が協力して中国と交渉した
り、影響を与えるしかない。近くても昔から中国に着かず離れずに
対応してきた歴史がある、そして、中国の文化を知っている日本が
欧米と共に中国の政府や党に働きかけることが重要なのではないか
と見る。

その表れとして、物件法などの国民の所有権をある程度、認めた法
律も出来てきている。しかし、太子党が支配する中国は徐々にしか
変わらないと思うが、このままの状態では世界の覇権を中国に移管
することはできないように感じる。

欧州連合という手があるが、欧州連合の複数国家の主権がある今の
政治体制では世界的な危機に即応した決断ができない。また、軍事
力も少なくて、対応不可能である。米国のサブプライム問題に巻き
込まれたことでも、一定の能力しか発揮できないように感じる。

このように将来的には覇権を望まない日本ではなくて、中国が覇権
を確保する方向に流れている。日本は中国と共に世界に影響力を持
ち、自立した国家を築く必要があるが、その前提には中国の我まま
を押さえるために、日本と米国や欧州との関係を大事にして、連合
で中国に影響することであると見るがどうでしょうかね??
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豪“失政なき政権”敗北…イッツ・タイム症候群
11/24 22:10更新
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/105724/

 【シドニー=藤本欣也】オーストラリアで約11年ぶりに労働党
政権が誕生することになった。「資源ブーム」を背景に好景気が続
く中で行われた今回の総選挙では、有権者はハワード首相(68)
の実績ではなく、ラッド労働党党首(50)のニューリーダーとし
てのイメージに重きを置いた。“失政なきハワード政権”が敗北し
た理由を検証する。

 ■「飽きた」国民、景気拡大あだ

 「ハワード政権の経済実績にはほとんど欠点がない。在任中の
11年間、国内総生産(GDP)は成長を続け、失業率は33年ぶ
りの低さだ」
 英紙フィナンシャル・タイムズは、ハワード政権を高く評価した
。この見方は国内外で共通している。ではなぜ、票に結びつかなか
ったのか。
 しばしば指摘されるのは、国内に蔓延しているという「イッツ・
タイム症候群」だ。「もうそろそろ政権交代の時期だ」という、
理由なき国民感情を指す。長期政権への“飽き”である。
 そこに登場したのが弁舌さわやかで、清新なイメージのラッド党
首だった。「歴史のページをめくるときがやってきた」と世代交代
を掲げた。
 ハワード首相は「わが国に必要なのは、新しいリーダーシップで
はなく、正しいリーダーシップだ」と実績を強調する戦略をとった。
しかし現状維持志向が強いという豪州国民も、今回ばかりは野党に
一票を投じた。

 それを促した大きな要因の一つが金利の引き上げだ。景気の過熱
を懸念した中央銀行によって、この3年間で6回も利上げが実施さ
れていた。豪州では自宅を購入する若者の比率が高い。国民の3割
が住宅ローンを組んでいるという。当然、利上げは懐を直撃する。
 「経済成長の果実が庶民に行き渡っていない。だからこそ政権交
代が必要なのだ」というラッド党首の論理が浸透していった。ハワ
ード政権には景気拡大が逆にあだとなった格好である。

 ■中国の影…変わるアジア外交

 豪州で増え続ける移民票もマイナス要因となった。厳しい移民政
策を取ってきたハワード首相は移民層に人気がない。今や国民の4
人に1人が国外出身者である。中国系が増えており、中国語を操る
ラッド党首に有利に働いたのは間違いない。
 「豪州は他国に追随するばかりでなく、ときにはリードすべきだ
。自らの声を持つべきなのだ」。ラッド党首はハワード政権の対米
外交を念頭に、こうも訴えた。
 独自外交の第一弾が京都議定書の批准となる。労働党政権下でも
対米外交を重視する路線は不変だろうが、新政権で変わるのはアジ
ア外交だ。

 中国系移民が増え続ける中、中国が日本を抜いて豪州の貿易相手
国のトップに躍り出た今年、対日外交を重視したハワード首相から
、親中派のラッド党首に政権が交代するのは、豪州の新時代を象徴
するものでもある。
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米での中東和平会議、シリア、サウジが参加へ(ASAHI)
2007年11月24日03時05分

 アラブ諸国の臨時外相会議が23日、カイロで開かれ、米国アナ
ポリスで27日に開かれる中東和平国際会議に一致して参加するこ
とを決めた。これまで態度を明確にしていなかったサウジアラビア
、シリアもそろって外相が出席する。 

 ただ、会議後の記者会見でサウジのサウド外相は「気が進まなか
ったがアラブの統一を考えて参加する」と述べた。また、国際会議
に向けたパレスチナとイスラエルの共同声明案について「ユダヤ国
家の原則を強調するイスラエル案は受け入れられない」と牽制(け
んせい)した。 

 シリアは一貫してイスラエルに占領されたゴラン高原の返還問題
を協議しない限り参加しないとしてきた。外交筋によると、方針転
換は、ロシアが第2回の国際会議を年明けにも開催し、ゴラン高原
を議題に取り上げると提案したためという。 

 ロシアはこの提案をパレスチナ、イスラエル双方にも伝えた。米
国と対立するシリアの国際的孤立脱却を促しつつ、米国が主導権を
握ろうとしている中東和平への関与を強める狙いがあるとみられる。 

 米国は、シリアをアラブ連盟の一員としてアナポリスでの会議に
招いた。しかしシリアはイスラエルと領土問題を抱える当事国であ
り、「シリアはシリアとして招かれるべきだ」(ビラール情報相)
と主張してきた。 
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台湾総統候補の馬氏、中国と和平協定の締結目指す
(nikkei)
 台湾の2008年3月の総統選挙に最大野党・国民党から出馬する馬
英九・前主席は23日、都内で記者会見し、当選すれば中国と和平協
定の締結を目指す意向を表明した。一方で「台湾の大多数の人々は
『中華民国台湾』の現状維持を主張している」と語り、最長で2期
8年の総統在任中は現状維持を最優先して統一交渉まで踏み込む可
能性を否定した。

 馬氏は対中政策の基本原則として統一、独立、武力に関する「三
つのノー」を提唱。近い将来の統一を否定する一方、中国が法的独
立とみなす「台湾共和国」への「国号」変更など「台湾海峡の現状
の一方的な変更はしない」と述べた。

 中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)が10月の党大会で示した
中台の和平協定構想には賛意を示した。しかし中国が「平和的でな
い手段で台湾問題を扱うことには反対する」と表明。毎年域内総生
産(GDP)の3%以上の防衛予算を確保し、中台軍事均衡の維持
に努める方針を示した。(20:40) 


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