2779.小沢・国連原理主義と日本



小沢民主党代表の意見を検討する。       Fより

小沢民主党代表の意見は昨年末に発表した民主党「政権政策の基本
方針」を以て国連が認めるアフガンのISAF参加が党の方針とし
て決定済みだといっている(『世界』11月号)。また、党内にいろ
いろ異論のあることについて「党の方針に従えない人は出ていって
ほしい」とまで言っている。

しかし、その国連の現実であるが、国連加盟国(2006年現在)192カ
国中、民主国家と認識されるのはわずかに89カ国だけ。他の103カ国
は独裁、専制国家、紛争国家、テロ支援国家で占められている。
その中には、非民主国家のロシアや中国などの安保理常任理事国も
含まれている。

現実の国連を見ると、民主的な人権を尊重する国家の思い通りにな
っていない。このためミャンマーでの民主勢力弾圧でも、国連は非
難決議も出せない。中国の反対で強い遺憾にトーンが落ちている。
このコラムでは世界の人権を拡大するのが日本の使命であり、それ
を目指すのが日本の外交として必要であると強調している。

このように、国連はこの人権擁護と言う意味でも、非民主国が多く
てできていない。しかし、イラク侵略やアフリカ独立国の満州化な
ど欧米も自国の利益が絡むと人権擁護ができていない。その人権拡
大は、日本の支援で工業化した東南アジアで示した民主化以外には
実現していないのだ。

アフリカの多くは欧州の権益を守るために、独裁者を欧州各国は支
援して、自国の人間を政権中枢部に送り込んで、自国の権益を守る
ために工業化以前の状態にしている。しかし、それでも欧米の方が
まだ中国やロシアよりいい状態である。

このような世界で、国連絶対主義、国連原理主義の小沢さんは、日
本を非民主国家が多数を占める国連絶対主義で、欧米と対峙しよう
としているように見える。これは、日本の使命としてもおかしいし、
反欧米で親中露のようになり、日本の行動を大きく間違えた方向に
向けてしまう。

民主党がその政策を行うなら、日本国民の多くは民主党に大きな絶
望感を抱くはずである。

それに反して、インド洋での給油活動は、アフガンでのISAFの活動
に比べれば、はるかに安全だ。ISAFで各国が多くの戦死者を出して
いることを考えれば、天と地ほどに違う。給油活動は危険性が少な
い上に安くすむ。月に16億円でできる。安くて安全で、世界から感
謝され、現実的にいえば日本にとって得だ。国益にとってもこちら
のほうがプラスが断然大きい。これに反対して、国連絶対主義を言
う小沢さんに奇異な感じを受ける。

そして、とうとう、小沢さんは民主党の反対派を追い出すと言い始
めた。民主党は最後に参加した新自由党の小沢さんに乗っ取られた
状態になっている。

自民党の福田首相は11月中旬に訪米するという。この頃には参議
院で、テロ対策特別法は否決されているはず。米国にその説明をす
るためにいくのでしょうが、どうなりますか?

ブッシュ大統領は、日米安保の継続にその問題点を持ってくるよう
に感じる。日本が世界のための役割を果たさないことにイラつくこ
とになる。そして、その時期、MDを装備したイージス艦「金剛」
が日本を離れる。ハワイ沖での演習に参加するためである。

さあ、どうなりますか??

==============================
異論続々も“剛腕”小沢「イヤなら離党」波紋 

 民主党の小沢一郎代表は10日、党機関誌などで提唱したアフガ
ニスタンの国際治安支援部隊(ISAF)への参加について党内若
手などから異論が出ていることについて、「イヤなら離党する以外
にない」と断言した。小沢氏としては政党政治における“正論”を
述べた形のようだが、今後の党内対立の火種にもなりそうだ。

 「多数で決めたことは党の方針に従って行動しなければ党人では
ない。イヤなら離党する以外ない」。小沢氏は10日の記者会見で
、きっぱりと言い放った。

 問題となっているのは、小沢氏が今月に入って党機関誌や月刊誌
で、海上自衛隊へのインド洋での給油活動に反対する一方、ISAF
へ武力行使も含めて参加する考えを示したことだ。

 政府・与党から「武力行使は憲法からして認められない」(石破
茂防衛相)と批判が出る一方、民主党内からも「党内で決めた事実
は確認していない」(枝野幸男元政調会長)などと反対の声が起き
ていた。

 民主党の前原誠司元代表は同日夜、都内のホテルで開かれた公開
討論会で「正直、小沢代表と私の認識は違う。党内で意見集約はま
だだ」としたうえで、「旧民主党の議員には小沢代表の考え方に違
和感を覚える人間はかなりいる」と公然と異論を唱えた。

 社民党の福島瑞穂党首も同日の会見で「小沢氏の見解は違憲だ」
と批判した。

 ただ、小沢氏も「ISAFの主力の治安維持には非常に疑問を持
っている。何より生活が安定することが大切だ」と軍事部門への直
接参加には慎重な姿勢を示すなど、今後の議論の余地は残している。

 それだけに、前原氏も「党として決まったときにはみんなで従う
べきだ」とも発言、福島氏も「インド洋での給油新法反対や格差是
正などやることはたくさんある。そのことは変わらない」と野党共
闘への影響はないとの認識を示した。

 民主党有力筋は「小沢氏の方針に反対の議員はいるだろうが、小
沢氏としても手順を踏んで党内議論をしていくはず。参院選で大勝
し政権交代が間近なだけに、党を割るような議員はでないだろう」
というが、枝野氏らの動きが注目される。

ZAKZAK 2007/10/11
==============================
アフガンへの自衛隊派遣 首相、現憲法では困難の認識(ASAHI)
2007年10月11日12時29分

 福田首相は11日午前の衆院予算委員会で、自衛隊をアフガニス
タン国内に派遣する可能性について、「まさに憲法で規定している
問題につながる可能性がある。そのことを私たちは懸念している」
と述べ、海外での武力行使を禁じた現憲法下では困難との認識を示
した。民主党の小沢代表が、国連決議に基づいてアフガンで活動し
ている国際治安支援部隊(ISAF)への自衛隊派遣を主張してい
ることに、反対する考えを示した発言とみられる。 

 民主党の中川正春氏の質問に答えた。首相はインド洋上での海上
自衛隊による給油活動について、「あらゆる可能性を今も模索して
おり、その中で給油活動は、非常に有効な国際協力の手段と考えて
いる。これを継続させて頂きたい」とも述べ、民主党に給油継続の
ための新法に賛成するよう改めて求めた。


コラム目次に戻る
トップページに戻る