Fさま 『戦争請負会社』(2003年最優秀政治学図書)という本をご存知でしょうか? 興味深かった記述をいくつか引用してみます。 引用1------------------ 実際に、エグゼクティブ・アウトカムズ社はすでに同社にルワンダに介入するだけの 力量があるかどうか、事業的な検討を済ませていた。1994年の、50万人以上の殺 戮が行われた部族皆殺しの段階で社内調査をしていたのである。社内の計画では、陸上 の兵員を14日で装備し、自社の空軍と砲撃で支援しつつ、6週間で1500人の兵員 を完全に展開できると見ている。作戦の概念は「安全な島」をいくつも作るというもの で、それは難民に安全な避難場所を与え、緊急救助を行うのに使われるはずだった。( 中略) 6ヶ月間の作戦活動の推定経費は1日60万ドル(総額1億5千ドル)で、おそらく 何十万人もの生命が救われた可能性があった。こういう民間企業を使う選択肢は殺戮の 後、遅まきながら行われた国連の、主として人道主義的役割の作戦に比べれば、きわめ て経済的である。国連の作戦は、終わってみれば1日約300万ドル、提案による民間 企業による介入の5倍の経費がかかっていた。(P.364) ------------------ 引用2------------------ コンサルタント部門の企業も同様に依頼主側の警備隊を真の軍隊に仕立て上げるとい う積極的な役割を演ずることができる。彼らは現地の軍隊に軍人の行動基準を教え、残 虐行為は戦略に不可欠な要素ではないことを忠告できる。企業はまた、依頼主が希望す れば、訓練項目の一部として軍事行動に関する国際法を教えることも頻繁にやっている 。(P.423) ------------------ 引用3------------------ 「人道的援助を与える仕事はますます危険になっている。世界の事実上あらゆる場所 で、融解されて殺されている」 事実、1990年代に殺された赤十字の従業員数は米 国陸軍の支社より多かった。(中略) 援助団体のCAREと国連人道問題調整部がスポンサーとなった最近のプロジェクト で、ジャニス・スタインは書いている。 NGOは人道目的の仕事について安全保障の民営化を考慮すべきである。人道活動家 が直面するジレンマの核心にあるのは、略奪者がほしいままに民間人やNGO要員を餌 食にできることである。(後略)」(p.360) ------------------ ちなみに、これらの企業は90年代、日本の経済低迷とは裏腹にバブルの株価でした。 このようなことを長々と書いたのも、テロとの戦いとは一般人が考えている(例えば赤 軍派?)ような組織ではなく、ボーイングやIBMも真っ青な地球規模の多国籍マフィ ア・ネットワークなのです。このような地球規模の組織との戦いのために国家が連合し て戦っているという図式があるのではないか?と私は考えています。 また、最近のミャンマー情勢との関連。日本の陸上自衛隊は、もう何年も前からアフ ガニスタンへの部隊派遣をアメリカから何回も「強く」要請されています。まさかとは 思いますが、アフガニスタンに陸自部隊を派遣する代わりにミャンマーの治安維持に、 ということがありはしないかと、、、そして日本が、陸自が出なければ代わりに中国軍 を派遣することになるが良いか?それは中国の地域パワー台頭を日本が容認するという ことを意味するが、それでも良いか?というプレッシャーを掛けられているのかもしれ ません。 A Bee The First拝 ============================== 国際戦略コラム no.2764. 仏教思想史5 From: 國井 こんばんは 仏教に憧憬が深いことに驚きました。 本当に勉強になります。 しかし、自力本願には、一寸、吃驚しました。 仏教は、精神医学に役立っているのですね。 古沢平作と言う、精神医学の大家がいます。 彼は、弟子達を集めて、 柳宗悦の「南無阿弥陀仏」(岩波文庫)を贈与したそうです。 その中には、クリスチャンの「甘えの構造」を著した土井健朗もいたそうです。 「阿闍世コンプレックス」という言葉も古沢平作の学説から来ているらしいです。 「教行信証」序文にもあるように浄土の教えは、阿闍世の母、韋提希夫人が釈迦に 教えを請う事から始まりました。 それでは今日は、このくらいで。