2755.米国衰退が明確化



米国の影響力が低下している。シドニーでのAPECでもプーチン
と胡主席が目立ち、日本や米国の存在感がなかった。  Fより

米国は、イラクから米軍削減をすると宣言したが、元の13万人軍
派遣に戻すことである。しかし、もうイラクでの勝利は既にない。
ブッシュは任期中の撤退はないと宣言している。国民世論の65%
が撤退と出ているし、ローブ主席補佐官も次期大統領に共和党が勝
つことはないと辞任した。このため、次期大統領は民主党のクリン
トンにほぼ決まりかけている。

このイラク戦争の負けを隠そうと、米国は北朝鮮との国交正常化に
向けた交渉をして、その交渉は順調であり、巨額の援助と交換に国
交正常化をおこない、その巨額な援助は日本や韓国が払うことにな
るようだ。

日本はインド洋での石油補給の代わりに拉致問題も解決していない
のに、北朝鮮支援をしろと米国から要求され始めている。これを日
本は拒否すると、日米同盟は米国から破棄になる。

このように、民主党の小沢さんは、日本の外交を窮地に追いやって
いる。ぜんぜん日米中を冷静に見ずに、政局化するだけのためのテ
ロ特別法の反対になっている。シドニーでの米国の要求を言うため
に党首会談を、安倍首相が申し入れても、それをも拒否している。

まあ、このままであると、日米同盟は終了し、日本は独自路線か中
国と組むことになるでしょうね。これも今の米国との同盟関係を見
直すいい機会かもしれないが、日本は外交的な位置づけが難しくな
る。

中国は米朝国交正常化を阻止するために、いろいろな手を使ってき
たが、とうとう、情報の暴露をし始めた。16兆円もの援助を過去
に中国は北朝鮮にしているのに、核実験を中国に通知してきたのは
実験開始20分前で、胡主席に連絡できたのは実験後になってしま
ったと。

中国は、朝鮮国境の近くに飛行場を作り、かつ中国が保護していた
金正男を北朝鮮に戻し、北朝鮮が米国に着き、中国に逆らうようで
あると、親中派の宮廷クーデターを起こす可能性もある。そして、
中国の干渉で後継者問題が浮いている。どちらにしても、北朝鮮が
いくら米国に鞍替えしたくても、中国は許さないことだけは確かで
ある。ここでも米国の影響力はなくなっている証拠である。

中ロは上海協力機構(SCO)で、中央アジアから米国の影響力を
排除する方向で動くことを申し合わせた。それの延長上でカザフス
タンが欧米諸国の石油会社に対してカシャガン油田の権利見直しを
言い始めている。ここでも米国は何も行動できず、影響力がなくな
っている。ロシアと中国が世界から米国の影響を排除する動きに出
ている。それに対応できずに欧米諸国はいる。

米国のサブ・プライム問題も、米銀はあまり問題が出ていないが、
欧州の銀行で証券化されたサブ・プライム問題で資金不足を起こし、
かつ、米住宅ローンを証券化した金融商品の購入をしなくなってい
る。今回は証券化された債権の米国格付け会社の格付けがおかしか
ったことで、ここでも米国企業の体質は中国企業ほどではないが、
信頼性に問題があることを見せつけた。

しかし、今後、資金シートするのは米国の住宅取得資金で、不動産
価格の大暴落になるが、米国は有効な対策を打てないでいる。米フ
ァンドが絡む日本の一等地の土地ブームも収まった。日本の銀行は
米ファンドに貸し付けた資金を回収している。資金的にも米国のフ
ァンドの力が落ち、世界に対する影響力を無くしている。

世界的に資金が豊かなのは中国・中東だけになっている。この中国
や石油価格高騰で中東が資金を世界に提供している。しかし、中東
は欧米に資金を還流しているが、中国はアフリカや南米など反米諸
国に資金を出している。中国の力が増している。このため、上海で
夏のダボス会議を中国は金に任せて誘致し、成功している。

このように、徐々に米国の衰退が明確になり、世界に対する影響力
もなくなっている。日本も米国離れにシフトする可能性があり、米
国の友達は少なくなっている。英国はイラクから徐々に撤退するこ
とが決まり、豪州だけが米国と行動を共にするとしているが、ハワ
ード首相の支持率が落ちている。
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イラク米軍削減発表に民主党反発 「少なすぎ」(ASAHI)
2007年09月14日22時09分

 ブッシュ米大統領は13日夜(日本時間14日午前)、全米向け
にテレビ演説し、イラク駐留米軍を来年7月までに一部削減すると
のペトレイアス駐イラク米軍司令官らの提言を受け入れる、と発表
した。今年1月の増派開始前の水準に部隊構成を戻す内容だが、米
世論が求める「本格撤退」とはほど遠い「限られた削減」にとどま
っている。 

 米大統領選の民主党立候補予定者、ヒラリー・クリントン、オバ
マ両上院議員らは批判を強めている。一方、共和党のジュリアーニ
前ニューヨーク市長らは大統領に同調し、最大の争点であるイラク
政策の対立軸が鮮明になってきた。 

 「1年後に1年前と同じ数の部隊がいるだろうということだ」。
大統領演説へのクリントン氏の反応は冷淡だった。増派分が戻るだ
けならプラス・マイナス・ゼロという理屈だ。「勇敢な部隊を帰そ
うと願う議会や国民は受け入れられない」と切り捨てた。 

 オバマ氏も「真の意味での撤退ではない」と語った。「1カ月に
1、2個の旅団戦闘団の撤退が可能」とし、来年末までの戦闘部隊
の撤退を訴えた。イラクから米軍を本格撤退させれば中東の反米感
情は和らぎ、アフガニスタンやパキスタンで国際テロ組織アルカイ
ダの対策に力を入れやすくなるとの考えだ。 

 ブッシュ氏は演説で「米軍削減」に力点を置き、「ここ数年で初
めて対立するイラク論議の和解が可能になった」と呼びかけた。
だが、増派前以上の削減を求める民主党に同調の気配はない。 
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イラク米軍3万人削減 「来夏までに」司令官ら議会証言(ASAHI)
2007年09月11日11時43分

 イラク情勢に関する米下院軍事外交合同委員会の公聴会が10日
開かれ、イラク駐留米軍のペトレイアス司令官とクロッカー駐イラ
ク大使が米軍増派の評価と今後の対応について証言した。ペトレイ
アス氏は「増派の軍事的目的は達成された」と明言、12月から部
隊の撤退が可能になったとして、現在の20個旅団戦闘団(16万
8千人)の兵力から、来年7月までに増派前の15個旅団戦闘団レ
ベルまで約3万人削減する考えを示した。ただしそれ以上の削減に
ついては来年3月まで判断を先送りした。クロッカー大使はイラク
の国家建設は「達成可能だ」とする一方「保証はできない」とも述
べた。 

 今回の証言は、イラク戦争が泥沼化するなか、戦略の見直しを求
める米国世論を背景にして行われた。ペトレイアス氏は現地司令官
として初めて兵力削減を提案したが限定的なものにとどまり、全体
としては成果が上がっているとするブッシュ大統領の考えを追認す
る形となった。 
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米影響力低下は長期化、世界の安全保障揺さぶる・国際戦略研分析
(nikkei)
 英国のシンクタンク国際戦略研究所(IISS)は12日、2007年
版「戦略概観」を発表した。国際社会での米国の影響力低下は長期
化する見通しで、各地の紛争を表面化させるなど世界の安全保障を
揺さぶっていると分析した。チップマン所長は記者会見で「08年に
転換点を迎える多くの問題で、国際社会が効果的対応をとれない恐
れがある」と述べた。

 報告によると、中東では紛争当事者に対する影響力を米国が失い
、混乱が拡大。パレスチナ国家樹立が遠のき、それがイスラム過激
派を勢いづけているという。「アルカイダの“中核”は世界各地で
テロを実行する能力を高めている」と述べ、各国のテロ対策強化に
もかかわらず活動が勢いづいているとの見方を示した。イスラム世
界の思想が過激化していることにも警鐘を鳴らした。

 一方、イランのアハマディネジャド政権は国内政治基盤が弱いに
もかかわらず、国際的なパワーバランスの変化を最大限に利用して
いると指摘。米国がイランへの軍事行動を起こしても「国際的な同
情を集め国内の結束がかえって強まると計算している」と述べた。
(20:09) 
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核実験、事前通告は20分前 中国官僚らが北朝鮮批判(ASAHI)
2007年09月11日17時21分

 北朝鮮から中国への核実験の事前通告はわずか20分前――。
中国共産党や中国外務省の現役官僚とされる匿名の中国人グループ
が、北朝鮮を批判する内部報告書をまとめた。朝鮮戦争以来、「血
の同盟」で結ばれてきた中朝関係が揺らいでいる実態が記されてい
る。この報告書は中国国内で公表できず、近く日本で翻訳出版され
る。 

 報告書は、対北朝鮮外交の窓口にあたる中国共産党中央対外連絡
部アジア局や外務省アジア局、中国軍事科学院などの現役官僚5人
が昨秋から執筆したといい、北朝鮮による麻薬取引や偽札などの国
家的犯罪、金正日(キム・ジョンイル)政権が崩壊しない理由など
計約300ページに及ぶ。 

 報告書によると、06年10月の北朝鮮の核実験の際、北京の北
朝鮮大使館は実験の約2時間前、本国から「30分前に中国へ知ら
せろ」と指示を受けた。しかし、大使がさらに10分遅らせて連絡。
中国への通告は実験の20分前だったという。 

 突然の通告を受けた中国外務省から、胡錦濤(フー・チンタオ)
国家主席や温家宝(ウェン・チアパオ)首相への報告は核実験の直
後になり、中国側はメンツをつぶされた格好。報告書は「(北)朝
鮮という狂った戦車のために中国の外交戦略と国際的地位が台なし
にされるのも耐えられない」と北朝鮮を激しく批判している。 

 また、報告書には、50年代から中国による北朝鮮経済援助額は
「約8000億人民元(12兆8000億円)を上回る」など極秘
情報も記されている。 

 報告書はジャーナリストの富坂聡氏が入手。富坂氏によると、著
者グループは中国の大手出版社に持ち込んだが、断られたため、富
坂氏の仲介で「対北朝鮮・中国機密ファイル」(文芸春秋)として
出版されることになった。富坂氏は「出版後の当局の対応から、今
の中国の北朝鮮外交や言論の自由度を推し量ることができる」と語
る。韓国側資料が多数含まれているとみられ、専門家からは、中国
の学者やジャーナリストの関与の可能性を指摘する声もある。 

 北朝鮮問題に詳しい重村智計・早大教授は「中国の北朝鮮への対
応が率直にまとめられた初めての本だろう。新事実がいくつか含ま
れ、中国国内で北朝鮮に振り回されることへの強い反発が伝わって
くる」と話す。 
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「北朝鮮非核化すれば朝鮮戦争終結」ブッシュ大統領(ASAHI)
2007年09月07日22時20分

 ブッシュ米大統領は7日、シドニーで韓国の盧武鉉(ノ・ムヒョ
ン)大統領、ロシアのプーチン大統領と相次いで会談した。盧大統
領との会談後、ブッシュ大統領は、非核化が実現すれば北朝鮮との
平和協定の締結が可能になるとの考えを記者団に表明。プーチン大
統領との会談では、アゼルバイジャンにあるロシアのレーダー基地
を米ロ軍関係者が合同で今月後半に視察することで合意した。 

 ブッシュ大統領は記者団に「金正日(キム・ジョンイル)(総書
記)が検証可能な形で核兵器計画を廃棄すれば、朝鮮戦争を終わら
せることが出来る」と述べた。朝鮮戦争終結については韓国側の関
心が高く、盧氏が記者団の前でブッシュ氏に「もう少しはっきり言
っていただけないか」と促す異例の場面もあった。 

 プーチン大統領と合意した合同視察では、ロシアのレーダー基地
がミサイル防衛(MD)に利用可能かどうかなどを調査する。 

 米政府はポーランド、チェコにミサイル基地やレーダー基地を配
備する計画だが、「新たな軍拡競争を招く」と猛反発したプーチン
氏が旧ソ連のアゼルバイジャンにあるレーダー基地を使うよう提案
していた。 
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「市場心理、ブラックマンデーと一致」 前FRB議長(ASAHI)
2007年09月08日06時25分

 グリーンスパン前連邦準備制度理事会(FRB議長は6日の講演
で、サブプライム問題を背景にした金融不安に懸念を示し、株価が
暴落した87年のブラックマンデーなどと市場心理が「多くの点で
一致している」と指摘した。米メディアが7日伝えた。 

 ヘッジファンドの大型破綻(はたん)があった98年や、土地投
機の失敗などが信用収縮につながった19世紀の事例などとも同様
で、市場は「恐怖に駆り立てられている」とした。 


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