米国のサブプライム問題で信用収縮が起こっている。この検討。 Fより FRBが緊急に公定歩合を0.5%下げた。この結果でNY市場は 急反発したが、これだけでは信用収縮は止まらない。米銀行の「貸 し渋り」「貸し剥がし」が起きている。このため、借り手は返済に 追われ、おカネは銀行に向かって逆流する。 その一環として、日本から借りた円資産の返却を米ファンドは実施 しているために円高にシフトした。この動きも世界的な信用収縮を 起こすメカニズムである。円投資がなくなり、世界的な資金不足の 連鎖が起きている。 実体として、サブプライムが焦げ付いているのは数兆円あることは 確かで、これを証券化して、世界中に拡散させたことで、世界的に 信用収縮を起こしているが、やはり一番大きいダメージを受けてい るのが、米国のヘッジファンドである。ファンドの倒産が頻発する と、そこへ資金を貸した米銀行の損害も増えてくることになる。 米国金融業の位置低下は避けられないことになっている。このごろ 、日本企業に無理なM&Aを仕掛ける米ファンドが多かったが、最 後の足掻きであった可能性が高い。そして、欧州のファンドが米フ ァンドより元気に見えた理由でしょうね。米国産業の柱である金融 業もこれで終わりだ。 そして、第一儀にこの問題を解決するのは、米国政府の役割であり 、日本やその他政府は米国の支援しかできない。その証拠に日本の 銀行の損害は100億円と小さい。欧州は、日本より大きいが米国 ほどではないはず。しかし、その欧州のBPNパリバ銀行のヘッジ ファンド倒産で、前々から問題があるとされたサブプライム問題が クローズアップしたが、米国はこの問題を国家全体で隠していた疑 いを持つ。それがSECの指示が銀行にあったという噂の原因であ る。 さあ、米国政府の信用収縮解決策を見てみよう。日本のバブル崩壊 で分かっているのは、一度、信用収縮が起きると、その解決は銀行 を国有化するなど、大胆な方策を採らないと、収まらないことだ。 それだけ、この信用収縮の解決は難しい。バブル崩壊後の日本は累 計で130兆円を超える財政支出をおこなった。このように国家経済の 体力を大きく失うことになる。これも日本のこの17年をみれば分 かる。FRBの素早い対応と米財務省の大胆な政策を必要としてい る。 しかし、米国のブッシュ政権は、国民世論で支持率が落ちて、それ に伴ってローブ主席補佐官を始め、多くの人材が政権を去っている。 それだけ、今のブッシュ政権の信頼性が落ちているのだ。この時期 にバブル崩壊が起きたことは、米国の凋落を早めることになると見 る。 そして、米国の不況対策はいつも、戦争経済を志向することである。 現時点でもイラク戦争が泥沼化しているのに、どう戦争を拡大する のであろうかと思いきや、チェイニーがイランの原子力施設空爆を 数週間の間に行うと主張しているようだ。 さあ、どうなりますか??心配ですね。 ============================== 米FRB、公定歩合を緊急引き下げ・0.5%下げ5.75%に (nikkei) 【ワシントン=小竹洋之】米連邦準備理事会(FRB)は17日、 臨時の米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、FRBが民間金 融機関に資金を貸し出す際の金利である公定歩合を緊急に0.5%引き 下げ、年5.75%とすることを全会一致で決定した。9月18日に予定さ れている次回FOMCを待たずに公定歩合を引き下げ、サブプライ ム問題に端を発した金融・株式市場の動揺や信用収縮に歯止めをか ける強い意志を示した。 公定歩合の引き下げは即日実施した。短期金利の指標であるフェ デラルファンド(FF)金利誘導目標は年5.25%に据え置いた。 FOMC終了後に発表した声明は、9日以降の金融・株式市場の動 揺によって「景気下振れのリスクがかなり高まった」と指摘。「必 要に応じて行動する用意がある」と述べ、今後の経済動向次第では FF金利も引き下げる構えを見せた。(22:22) ============================== サブプライム損失100億円 大手銀6グループ 08/18 22:29 (IZA) ≪高格付けが幸い≫ 三菱UFJフィナンシャル・グループなど大手銀行6グループに よる米国のサブプライム(高金利型)住宅ローン関連の投融資額は 合計で約4500億円、損失額は約100億円にとどまっているこ とが17日、分かった。各行とも格付けの高い関連金融商品に投資 しているほか、売却処分も進めており、経営への影響はほとんどな く、業績のマイナスも軽微にとどまる見通しだ。 欧米金融機関では傘下のヘッジファンドで相次ぎ多額の損失が発 覚し、信用不安が広がっているが、国内については、「深刻な影響 が懸念される状況にはない」(山本有二金融担当相)といえそうだ。