2725.受身文化「てぃ」について



C.W.ニコルさんが、日本、特に沖縄には「てぃ」という核があ
ると言っている。これの検討。     Fより

「てぃ」とは、負けないが勝とうともしない姿勢。自分を最低限の
力で守る哲学。とニコルは説明していた。特に沖縄は、空手の基本
を「てぃ」に置いているという。

また、久高島の巫女・女たちは、世界から、将来から来る、いいも
のと悪いものに対して、受身で対応することが必要と語っていた。
いろいろな人たちが沖縄に押し寄せたことを物語る話であろうと、
想像したが、このように受動文化が定着している。

日本は、中国や朝鮮、チャンパなどから多くの亡命者を受け入れて
、その力を生かして沖縄や日本の文化を作ってきた。そして、「て
ぃーだ」は太陽のことである。太陽光も受身で人間はいる。

その中心となる考えは、自然神道であり、アミニズムであるが、
その自然に対する受動性が「てぃ」の基本を生み出した。そして、
このような受動的な文化、亡命者を受け入れる文化、亡命者が持ち
込む技術で日本を豊かにしてきた。また、日本は海に取り巻かれて、
その海を越えて、いろいろな文化・技術や人が日本を目指してきた。

16世紀、江戸時代の鎖国している日本が世界の銀の1/3を産出
する鉱業国家であり、ベトナムの貨幣をドンというが、これは銅が
訛ったことばであり、日本が銅の有数の産出国であることが分かる。
この基本的な精錬技術も亡命者により、日本に伝えられたものであ
る。

16世紀、琉球王国を東アジア貿易の中心にしたのも、チャンパの
亡命者を受け入れたからである。ムラユ語ができたチャンパ人たち
は、貿易の中心であるインドネシアの海や国と容易にチャネルを開
いている。この当時、江戸幕府も鎖国政策を取り、明も江戸幕府と
の直接貿易を禁止していた。この中継ぎ貿易をチャンパから琉球は
引き継いだが、この引継ぎと一緒にチャンパ人も来たのである。

チャンパ人たちは、今まで培ってきた貿易業務や対中国政策を琉球
に齎した。その基本は琉球に「てぃ」という受身の姿勢があったか
らでしょうね。
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NHK番組で見た琉球空手てぃ

http://nma7652.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_a921.html
夜勤明けの仮眠もそこそこにK−1香港大会見ていたのですが、
裏番組でやっていたNHKの番組が実に素晴らしく、武蔵選手の
金的悶絶シーンを最後にチャンネル変更。

CWニコルのような外人さんが琉球の歴史を紐解きながら「てぃ」
と呼ばれる空手を紹介するもので、農耕具を武器に見立てた格闘技
術や空手師範による連撃など見所いっぱい。殺さず殺されず、勝つ
のでなく負けない自己防衛の形態と、それを生み出した侵略という
琉球の歴史的背景は勉強になりました。師範の娘さんメチャクチャ
強そうで格好良かった!漫画とかにでてくる琉球空手「うどんで」
と同義なのか一派なのか、調べてみる価値ありそうですね。


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