2723.南北朝鮮首脳会談



北朝鮮と韓国の首脳会談が行われる。この検討。   Fより

米国と北朝鮮が平和条約を結ぶ方向で、米国はテロ支援国解除の用
意をしている。そして、金正日委員長も米国との同盟を希望してい
るようだ。

中国の軍事能力が増していて、米国としても中国の軍事上の弱点で
ある朝鮮半島を手に入れることで、中国の北京を攻略できる拠点を
得たと見ている。このため、北朝鮮の希望を最大限、叶える方向な
のかもしれない。

しかし、米国は金を出す気はなく、その金を韓国に出させるようで
ある。韓国も北朝鮮の安い労働力を使えることや、韓国の安全保障
面でも有利になり、世界から投資を集めることができ、かつ企業の
国際競争力を増すことができると見ている。南北経済共同体を提案
している。将来、統一への道筋を描ける。

また、米国は戦車の縦貫弾の材料を批判がある劣化ウランからタン
グステンにできる。北朝鮮はタングステンの最大の産出国である。
ここで、利害が米朝韓で一致している。

しかし、日本は拉致問題を不問にされる可能性が大であり、中国は
自国の喉元に匕首を突きつけられることになり、米朝韓の同盟合意
阻止ということで利害が一致する。従軍慰安婦決議で日米間を離間
して、北朝鮮問題で共同して当たることで、米国と日本の同盟関係
に風穴を開けた状態になっている。

しかし、日本は、総連を締め付ける方向を緩めなかったことで、北
朝鮮の資金を枯渇させて、日本ではなく米韓の軍門に下させた。
だが、日本の出番が無くなる危機になっている。しかし、ここまで
来ると、日本は拉致問題から降りることができない状態である。

このため、日中で阻止行動を本格化させないと、流れは米朝韓にな
ってきている。6ケ国協議も実質、米朝韓の3ケ国で決めることに
なり、中国も議長国という肩書しかない状態になっている。ロシア
は推移を事前に米国から報告されて、中国を押さえるために必要と
見ているようだ。ここでも敵味方がよく見えなくなっている。

米国は経済的には中国との関係が増大している。米国のドルを維持
しているのは中国の為替管理であり、中国の商品を輸入しないと、
20%〜30%も米国の物価が上昇するために、中国の商品を止め
ることはできない。ウォルマートの商品の多くが中国製であり、
米人口の30%以上居る低所得者層には中国製は必要である。

また、中国の軍事増大を抑止するための同盟関係として日本があり
、この日本を中国に追いやると、米国の東アジアでの軍事的なプレ
ゼンスはなくなることになる。北朝鮮を得て、日本を捨てる覚悟が
米国にあるとは思えない。もし、捨てると米空母はグアムから先の
東太平洋に入れなくなり、台湾もフィリピンも中国圏になる。そう
すると朝鮮半島も米国圏にはできない。

というように、米国は大きなジレンマに陥っている。対中政策も対
日政策などアジア政策の柱も民主党と共和党が違い、かつ中東に比
べても弱くなっているので、どう振れるか分かりにくくなっている。
どうも、米国はモンロー主義に向かっているようにさえ見える。

日本は、米国のチェイニーの権力を従軍慰安婦問題で潰したために
米国内で味方がいない状態になっている。このために、北朝鮮と全
面対決になる可能性を秘めている。

さあ、どうなりますか???
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北朝鮮に10億ドル支援検討か 経済共同体提案と韓国紙
(SANKEI)
 韓国紙「ソウル経済」は10日、今月下旬の南北首脳会談を控え
、韓国政府が北朝鮮に10億ドル(約1180億円)以上の支援を
検討中だと報じた。別の韓国紙「韓国経済」は、韓国側が会談で、
大規模な社会資本投資と4〜5カ所の工業団地建設を含む「南北経
済共同体」づくりを提案すると伝えた。

 韓国経済によると、具体的な支援案として、韓国政府が2005
年に核放棄の見返りとして提案したことがある「200万キロワッ
トの電力供給」や、開城−平壌間の高速道路補修、南浦港の改善、
肥料工場建設などが含まれている。ソウル経済によると、韓国政府
内では南北非武装地帯に「平和公園」をつくる案も出ている。

 一方、中央日報は、米韓が今月下旬に予定する合同軍事訓練「乙
支(ウルチ)フォーカスレンズ」が会談日程と重なるため中止・延
期される可能性があると報じた。(共同)
(2007/08/10 19:16)
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28日から南北首脳会談 7年ぶり開催の見通し(ASAHI)
2007年08月08日18時58分

 韓国大統領府は8日、盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領が28日か
ら30日まで平壌を訪れ、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総
書記と会談すると発表した。南北首脳会談は、00年6月に当時の
金大中(キム・デジュン)大統領が金総書記と会談して以来、2度
目。6者協議の進展で本格化した朝鮮半島の非核化問題のほか、
00年の南北共同宣言に基づく交流協力事業の拡大発展などを話し
合う見通しだ。 

 盧大統領は8日開いた国家安全保障会議で「今回の会談は核問題
で停滞してきた南北関係を正常化する意味がある。半島の非核化と
南北間の平和問題、軍備統制、経済協力などを実質的に進展させる
よう準備する」と呼びかけた。また、「一過性の成果よりも、次期
政権の助けになるよう制度化の基礎をつくる。南北関係進展を通じ
、北朝鮮と国際社会との関係改善を支援することも重要だ」とも述
べた。 

 韓国の李在禎(イ・ジェジョン)統一相は南北首脳会談推進委員
会を発足させ、来週から会談の議題や代表団の構成などに関する協
議を始めることを明らかにした。 

 一方、韓国の金万福(キム・マンボク)国家情報院長は、朝鮮労
働党の金養建(キム・ヤンゴン)統一戦線部長との間で首脳会談開
催を確認し、「南北関係をより高い段階に拡大、発展させ、朝鮮半
島の平和と民族共同の繁栄、祖国統一の新たな局面を切り開く重大
な意義を持つ」などとした南北合意書を今月5日に交わしたことを
明らかにした。 

 同院長によれば、韓国が首脳会談に向けた協議を提案したのを受
けて北朝鮮側が7月29日、金院長の訪朝を要請。8月2日に訪朝
した際、金部長が金総書記の意思として「8月下旬の平壌開催」を
打診したという。金院長は3日に韓国に戻って盧大統領の許可を得
た後、再び訪朝。最終的に南北合意書に署名した。 

 北朝鮮の朝鮮中央通信も8日、南北合意書を紹介し、南北首脳会
談の開催を伝えた。 

 03年2月に発足した盧政権は、北朝鮮の改革開放を促すために
金大中政権が進めた太陽政策を継承。第2次首脳会談の実現を目指
したが、北朝鮮が02年末に国際原子力機関(IAEA)査察官を
国外退去処分にするなど、核問題が悪化。北朝鮮は首脳会談に応じ
る姿勢をみせてこなかった。 

 しかし、6者協議の進展に伴い、北朝鮮が7月に寧辺(ヨンビョ
ン)核施設の稼働を停止。米朝対話も順調に進み、南北対話の機運
が高まった。 

 00年の南北共同宣言は金総書記の訪韓を明記していたが、北朝
鮮側は安全が十分確保できないとして難色。韓国側はロシアなど第
三国での開催も模索したが、「いつ、どこでも開催できるという立
場で一貫してきた」(金院長)として、結局平壌での開催に同意し
た。 
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テロ支援国解除の用意、米が北朝鮮に伝達・元担当特使が1月に
(nikkei)
 【ニューヨーク=共同】米国のプリチャード元朝鮮半島和平担当
特使は9日、米政府がベルリンで今年1月に核問題をめぐる北朝鮮と
の二国間協議をした際、北朝鮮が核施設を使えない状態にする「無
能力化」の履行段階に入ればテロ支援国家指定を解除する用意があ
ると伝えていたと明言した。ニューヨークの非営利団体「コリア協
会」で講演した。

 米政府は最近、拉致問題の進展がなければ指定を解除すべきでは
ないとの日本の立場に配慮、解除決定には「長い時間がかかる」と
公式に表明している。元特使の発言が事実とすれば、今年初めの時
点では拉致問題とは関係なく、解除可能との立場を北朝鮮側に伝え
ていたことになる。(13:50) 
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金正日は「韓国以上のパートナーになる」と米国に伝えた 
http://blogs.yahoo.co.jp/kim123hiro/48741437.html
2007/8/10(金) 午前 10:05

 今朝の産経新聞一面トップに、事実なら東アジア情勢を揺るがし
かねない伊藤正・中国総局長の記事がある。信頼に足る中国筋の話
で、10月の核実験後、金正日はブッシュ大統領に「韓国以上に親密
なパートナーになる」と伝え、米国の態度を変えさせたという。

 「この中国筋は、“これが米国の対北朝鮮姿勢を転換させる契機
になったとの認識を示し、米朝の動きに強い警戒感を示した。中国
は、米朝のこの動きに対応して、日本との戦略的互恵関係構築を決
めたという。

 この関係筋とは、機密情報に接し得る高位の人物。米朝双方の意
図の解釈はともかく、メッセージに関する情報の確度は高い。最近
の米朝強調だけでなく、中国の対日接近策の背景をも説明する情報
で、今後の半島情勢や日米関係に影響する可能性がある。

 同筋によると、金正日のメッセージは、核実験直後の昨年10月末
、北京で行なわれたヒル国務次官補と金桂寛北朝鮮外務次官の協議
の際、北朝鮮側から伝えられた。米国が北朝鮮と対話路線に転換し
たのは、同12月の6カ国協議からである。

 両者は、今年1月にベルリンで単独交渉、その結果、米国による
マカオの金融機関・バンコ・デルタ・アジアの北朝鮮資金凍結問題
は解決に向かい、2月の6カ国協議では、核放棄を前提にした“初期
段階の措置”の合意がなされた。

 米国が、“テロ支援国家”の北朝鮮とは単独交渉せず、バンコ・
デルタ問題では譲歩しないとの原則を放棄し、北朝鮮との協調路線
に転換したきっかけになったのが、金正日のメッセージだと、この
関係筋は指摘する。

 重要な転機になったベルリン協議は、米国主導で行われ、北朝鮮
代表団の渡航費など全費用を米側が負担した。また今年6月、ヒル代
表が記者会見で、半島の恒久平和体制を協議する日露を除く4カ国
協議を提案したのも、米朝の合意に韓国が同調したのである。

 中国はこの提案に反対した。その理由は、“1(中国)対3(米朝
韓)になるからだ。別の関係筋によると、ヒル次官補は6月訪朝の際
、@金正日体制を崩壊させない。A米朝友好関係を築く。B平和協
定の締結、を表明した。

 中国関係筋によると、中国の党・軍首脳部は、“北朝鮮は体制維
持と安全保障の拠りどころを米国に求め、米国は北朝鮮をイスラエ
ルのような戦略拠点にしようとしていると警戒、米朝関係正常化は
もとおり、米国主導で南北統一の動きも加速すると分析している。

 こうした事態は、東アジアの戦略バランスを崩すと同筋は指摘し
、中国が日本と戦略的互恵関係を築くのは、地域の平和と安定のた
めにも不可欠という。日本は、米中のはざまで、難しい立場に置か
れようとしている。」

 最近の北鮮をめぐる米国の動きは不可解だが、これを知ると合点
もいく。ソ連との冷戦勝利のため、頭越しに米中和解をした米国が
、二匹目のドジョウを狙っている。北朝鮮も、米中を天秤にかけ、
援助引き出しを狙っている。日本は、内輪もめしている時期ではな
い。


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