2715.参議院と衆議院の違い



参議院と衆議院の選挙が違う。この検討。    Fより

参議院選挙は県ごとの選挙区で複数を認める中選挙区制であり、農
村政党が有利になっている。都市政党は、都市部では1つの政党が
全ての議席を占めることができないのに、農村部は1議席であるか
ら、農村政党が、議席を占めることができる。

しかし、衆議院選挙は人口比で選挙区を決め、1つの選挙区で1人
の当選であるから、都市政党が有利になる。議員数の数も人口比と
いうことで都市に多くの議席が配分されている。

このため、都市に有利な政策を掲げている党は、このために、都市
で議員を多く選出する衆議院では、過半数を獲得できるが、参議院
選挙では過半数を大幅に下回ることになる宿命を持っている。

これは選挙の制度設計からそうなると見える。

このため、日本国家の全体観としては、将来に問題が残るかもしれ
ないが、都市でも農村でも受け入れられる政策を掲げることが必要
になり、改革が中途半端になる可能性を感じることになる。

しかし、今回の選挙は都市住民も自民党に反対票が多く、これは
もう1つの原因を見つける必要がある。都市住民は議員との密接な
関係がないために、政治家のクリーンさを重要視する傾向にある。

今回、自民党自体が、そのクリーンさに大きな疑問をこの選挙期間
中に払拭できないばかりか、赤城農相は3回も事務所経費問題で、
話題になるという逆宣伝をしたために、都市住民の支持も広がらな
かった。

自民党の政策自体は民主党に比べて、改革の方向、国の方向として
非常にいいのに、その政策議論に入れなかった。どうしても政党と
してのクリーンさを確保しないと、国民は聞く耳を持たないことに
なる。小泉政権では、ダーク自民党を壊すクリーンな政権として、
存在していたように感じる。このため、政策議論まで、国民は聞い
てフィーバーしたのでしょうね。

政策的に、自民党の成長重視か民主党の生活重視かの選択までの議
論ができずに、選挙戦が終了したことが、今後の日本の選択子に大
きな制約になると見る。


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