2704.都市と地方の格差



都市と地方の格差は、なぜ起こっているのかを検討する。
                        Fより

日本経済は大企業ベースに見ると、絶好調のように見えるが、その
原因は海外での売り上げと利益を増しているためである。しかし、
国内での景気回復力は遅いし、まだ実感が沸かない。

この原因は、海外に工場を移転するためにキャピタルフライの現象
が起き、また円安のために円キャリー取引も加速している。国債や
地方債の合計金額は1000兆円程度にもなり、日銀が金利を上げ
ると、その利子が膨大に増え、財政上の負担になるため、なるべく
公定歩合を上げたくないのが本音だ。このため、円安は続くことに
なる。

海外に工場を移転するために、国内の工場が増えないので、就職先
が増えていないし、国内に残った中小企業の部品など値段は下落し
ているために、賃金を引き上げられない。国内工場には派遣社員が
労働することになる。工業の世界拡散で、昔のように工業製品が高
付加価値を持たないことにより、企業は東南アジアなどの国に工場
を移転し、低価格でも生き残れる体質にしている。

それでも、企業業績がUPして、都市を中心に雇用条件は改善して
きているが、まだ地方の景気が回復していないし、都市と地方の格
差が一段と広がっている。人口の減少も地方では加速している。
益々、地方が疲弊化している。

労働ではサービス業が増えているが、労働賃金の上昇が少しである
ために、都市でのマクドナルドのような比較的低価格な流通業は好
調であるが、そのマクノナルドでも地方の店が苦戦している。この
ため、マクドナルドでも、地方と都市での価格を変えることになる。

都市の労働賃金上昇が限界を超えたことによる処置であると聞く。
この労働賃金の上昇で都市での老人介護が危機的な状況になってい
る。海外からの介護士を導入しないと、都市での老人介護はできな
くなるように感じる。

一方、高級な店は海外に進出してる企業経営者が儲けているので、
徐々に盛り返している。このように地方と都市の二極分化を起こし
ている。

二極分化が、日本全体の景気の回復感を乏しくなっている原因であ
る。地方に雇用を作ることが重要であるが、企業が地方に工場を作
ることはしない。新工場は大都市周辺に消費地に近いところか、海
外へ運ぶために港のそばに作ることになる。

地方での雇用は、農林水産業か観光か地場産業を作るしかない。
しかし、徐々に追い風を受け始めている。石油の代わりにバイオ・
ディーゼルやエタノールなどの植物起因のエネルギーになると、農
村が復活する。地場産業育成の観点からも農産品の加工という産業
が出てくることになる。

しかし、大きな格差を是正するために何かを行う必要があると見る。


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