2695.北朝鮮問題で米国、中国がわかる



長いこと、このコラムでは北朝鮮問題を扱ってきたが、この北朝鮮
問題で米国と中国の問題も分かる。     Fより

米国の国内でタカ派チェイニー副大統領とリアリストのライス国務
長官の意見が対立していた問題は、ライスが勝ち、ヒル次官補は北
朝鮮問題で自由になったと認識した。日本国内の評論家も米国だけ
を見ているので、日本はこの国際問題から外されると評論している。

しかし、中国は日本との信頼関係を構築する必要がある。胡錦涛国
家主席は「対日関係を発展させる」と表明し、これを全国民に告知
した。米国が北朝鮮、ベトナム両国との関係を修復し始めているが
、それは結局のところ、北京を締め付けようとする意図だというこ
とを、中国はよく理解している。

また、中国全土で暴動が起きるなど、政治的混乱が起きているが、
この混乱に拍車をかけているのが、粗悪食品、毒物混入食品類の問
題だ。日本でも今、中国製家庭用歯磨き粉から成分表示されていな
いジエチレングリコールが見つかって騒ぎになっているが、漂白剤
を混入したり、家畜肉を混入したりと、中国産食品の異常な粗悪ぶ
りは、世界から非難を浴びている。

この問題の解決手段を持っているのは中国へ進出している日本企業
しかない。日本企業もいろいろと品質問題で中国人の行動に対して
その防御策を取る必要が長年あった。マツタケの検査ではX線を当
てて、釘が隠されていないことを確認している。縫製分野でも長年
、そのチェックを行い、高品質企業にしか仕事を出さないようにし
て品質を確保している。また、品質管理には多くの熟年退職日本人
が中国で指導している。このように長い品質との戦いを日本企業は
苦しみながらしてきた。

このため、日本企業の中国製品には問題がないし、世界に売れてい
る。中国を救うのは、品質問題を乗り越えた日本企業しかない状態
である。

このため、北朝鮮問題でも、米国に反対して日本の味方をしている
のは、現時点では中国である。米国でもなく韓国でもない。もう1
つ、中国は米国と違って、北朝鮮問題を解決したくないのである。

そのためには日本の拉致問題は、非常に都合がいいのだ。北朝鮮は
拉致被害者を渡すと、その先の心配もする必要が出てくる。日本に
送り出している朝鮮工作員が分かってしまうことになり、そのよう
なことはできない。

しかし、日本政府は北朝鮮が拉致問題の解決をしないと朝鮮総連を
潰している。北朝鮮国家予算の多くを朝鮮総連からの資金に頼って
きた。この資金が途絶しようとしている。これには金正日委員長も
耐えられない。23億ドルの資金を得るために米国に折れ、5万ト
ンの石油が欲しくて原子炉を止めることになる。北朝鮮の資金不足
は目に見えている。

しかし、この資金を米国は出そうとしていない。米国は北朝鮮問題
から逃れたいだけで、本当は中国と韓国と日本で解決すればいいと
思っている。しかし、過去の経緯があるために、米国はいるだけで
ある。そして、将来の中国のけん制に北朝鮮を使おうとしているだ
けである。

その米国の意図を中国は読んでいる。中国は日本をこの問題に関わ
らせる必要が米国以上にあり、日本と中国で事態を収拾する方向に
もって行くことを希望している。日本は拉致問題を解決したら、2
兆円を出すと宣言している。

よって、北朝鮮問題は、日本・中国の2者で協議をして進める必要
がある。ヒル次官補の役割、米国の役割は終わっている。それを出
てきて米国が主流のような顔をするために、日中はいやな顔をする
のである。

どうして、この問題の真のありかを日本の評論家・政治家は見ない
のでしょうね??

日本外交は問題の真のありかに気がつけば、いとも簡単に米国や中
国を手玉に取れることになる。それだけ、日本の経済的、政治的な
実力は世界から秀でている。それを米国に依存して読まないだけだ。
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北朝鮮、重油第1便受け取り後「核施設停止も」
(nikkei) 
 【ソウル=池田元博】北朝鮮外務省スポークスマンは6日、2月の
6カ国協議で合意した核放棄への「初期段階の措置」で受け取る
重油5万トンのうち、「10分の1程度となる第1便を受け取った時点で
、核施設の稼働を前倒しで停止する問題を積極的に検討し、準備し
ている」と語った。朝鮮中央通信の報道を朝鮮通信(東京)が伝え
た。 

 韓国が全量提供することになっている重油の第1便は、14日に北朝
鮮に到着する予定。今回の外務省スポークスマンの発言は、第1便の
輸送船到着を確認したうえで、北朝鮮側が直ちに核施設停止に着手
する可能性を示したといえる。 

 関係国の間では北朝鮮が重油5万トン全量を受け取るまで核施設停
止に動かないのではないかとの観測も一部出ていた。外務省スポー
クスマンは「前倒し」履行について「6カ国協議プロセスの早期進
ちょくを図るため」と指摘。関係各国には北朝鮮側のこうした意思
をすでに通知したという。(23:49)
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「6カ国」首席代表会合、核停止後に=「次の段階」の論議目指す
                       −米方針
7月7日6時0分配信 時事通信

 【ワシントン6日時事】米国務省高官は6日、北朝鮮の核問題に関
する6カ国協議の首席代表会合について、「(北朝鮮の)原子炉が
停止された後に開催されるよう期待している」と記者団に述べた。
別の同省当局者も「首席代表会合で核停止について議論することは
望んでいない。(核施設の無力化など)『次の段階』に焦点を合わ
せたい」として、会合は核施設の停止実現後に開くべきだとの考え
を示した。
 北朝鮮は6日、核放棄に向けた「初期段階措置」の見返りとして
供与される重油5万トンのうち、第1便を受け取り次第、核施設の稼
働停止に入る準備を進めていると表明した。国務省によれば、韓国
が提供する重油が北朝鮮に到着するのは14日ごろになる見込みで、
核停止を受けた首席代表会合は中旬以降になりそうだ。  
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「核」の次は朝鮮戦争終結 当事国4者会談、動き急(ASAHI)
2007年07月04日06時13分

 朝鮮半島の平和体制をめぐる協議が南北朝鮮と米国、中国で始ま
ろうとしている。同じメンバーで99年まで開かれた「4者会談」
が復活する形だ。成果を急ぐブッシュ米政権は、北朝鮮が切望する
平和協定の締結にも意欲をみせる。米朝の接近ぶりが続けば、核問
題を含めた6者協議の重要課題は米朝対話を中心に決まっていく可
能性がある。 

 資金送金問題が解決し、6者協議メンバー国の関心は早くも、原
子炉停止後の「次の段階の措置」に向き始めている。 

 米国のヒル国務次官補は6月25日、「核施設の無能力化の段階
に入れば直接の当事者(南北と米中)による平和体制協議を始める
ことができる」と語った。これに対し、日本政府は「4カ国とかい
う定義は全くしていない」(塩崎官房長官)と警戒感を示した。 

 だが、4者による平和体制協議は、05年9月に採択された6者
協議の共同声明にも、今年2月の合意にも盛り込まれており、新た
に決まった枠組みではない。 

 朝鮮戦争は53年7月、北朝鮮、中国、国連軍(米国)が休戦協
定に署名したが、まだ終わってはいない。中途半端な状態は、北朝
鮮が「米の脅威に対抗するため核を保有する」と主張する根拠にも
なってきた。97〜99年に6回にわたってジュネーブで4者会談
が開かれたが、北朝鮮は在韓米軍撤退を主張するなど非協力的。
各国の思惑も絡み合い、大きな進展は得られなかった。 
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「総連弾圧」北朝鮮が日本非難声明 「必要な措置とる」(ASAHI)
2007年07月01日20時27分

 北朝鮮の外務省報道官は1日、在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連
)中央本部の土地と建物をめぐる問題で、「安倍(首相)らによる
総連弾圧策動を決して傍観せず、当該部門で必要な措置を講じるこ
とになる」と非難する声明を発表した。朝鮮中央通信が伝えた。 

 声明は、北朝鮮の核問題をめぐる6者協議について「日本は協議
進展に冷水を浴びせ、問題の解決を引き延ばそうとしている」とし
、「日本が果たして6者協議に今後も参加すべきなのかについて、
深く憂慮せざるを得ない」と批判した。


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