2689.日本の政治大国化への道



北朝鮮問題を交渉カードという面から見直すとどうなるか検討しよ
う。        Fより

米国のヒル国務次官補は、日本を抜きに4ケ国協議をして事態を進
展させようとしている。米国のチェイニー副大統領と日本がヒル次
官補の邪魔をしていたが、それを除外したので、とうとう自分の思
いとおりになると見た。

しかし、交渉進展でヒル次官補の思い通りにはなっていない。
なぜか?

米国の交渉進行の役割は、BDAから資金を送金した時点で終わっ
ている。米国は、今後の交渉進展で何かの恩恵を北朝鮮に与えられ
るかというと、あまりない。交渉カードがない。そこをヒル次官補
は認識不足である。

米国は北朝鮮に敵国指定を外すぐらいで、大きなメリットを北朝鮮
に与えられない。中国は軍隊を国境線に10万以上張り付けて、北
朝鮮の内部で混乱があったときに、直ぐに侵攻できるようにしてい
る。北朝鮮の安全保障を握っている。中国は不の交渉カードである。
国境貿易を止めることも不の交渉カードで、交渉進展の切り札カー
ドではない。

韓国は生きるぎりぎり程度の経済的な援助をして、北朝鮮が崩壊し
ての統一を阻止することを狙いとしている。このため、毎年の援助
は100億円程度であり、北朝鮮経済を浮上させるような金額では
ない。交渉カードにはなるが、大きな進展を得ることはできない。

しかし、ヒル次官補が排除しようとする日本は、2兆円以上の経済
援助を行うと宣言している。2兆円以上の日本からのODAで中国
も韓国も経済的な発展を成し遂げている。

この2ケ国は日本のODAのすばらしさを実感している。ODAと
ともに日本企業が進出して、地元企業を育成する。徐々に地元企業
に技術移転している。東南アジアや中国が工業化を果たすのは、日
本企業の技術移転によっている。

このため、韓国も中国もヒル次官補の提案である4ケ国協議を拒否
し、日本を参加させる6ケ国協議を提案している。北朝鮮との交渉
を進展させるには日本が必要と認識している。北朝鮮も2兆円の経
済援助がほしいために、拉致被害者の再調査を金正日書記長は指示
を出すことになる。世界第2位の経済大国の実力を日本人は見失う
ことがあるが、周辺諸国は日本の実力を知っている。

しかし、北朝鮮軍部は急速な米国との平和を望まないし、日本の朝
鮮総連締め付けに反対している。このため、協議の進展を阻止する
ためと、日本の朝鮮総連締め付け反対で、日本海に弾道ミサイルを
発射することになる。

やっと、北朝鮮から日本へのミサイル発射の根拠が出てきた。北朝
鮮の金づる朝鮮総連を日本は数々の問題で追いつめ、じり貧状態に
している。このため、日本に対して歯ぎしりしている。

北朝鮮の軍部は、総連締め付けをする日本を狙うことになる。そし
て、日本は反戦的な国民世論上から反撃してこないと読んでいる。
北朝鮮軍部は日本の自衛隊を張子の虎というより、張子の猫と見て
いるようだ。
==============================
北朝鮮、核停止の検証手続き合意 対象5施設の見通し
2007年06月29日20時19分

 訪朝している国際原子力機関(IAEA)の実務代表団が29日
、寧辺(ヨンビョン)核施設の視察を終え、平壌で当局者と協議し
た。AP通信によると、ハイノネン事務次長は北朝鮮側と核施設の
稼働停止の検証手続きで合意したと述べた。また、停止・封印の対
象施設が5カ所になるとの見通しを示した。 

 ハイノネン氏は平壌で記者団に「我々が計画したすべての場所を
視察した。北朝鮮側の協力は素晴らしかった」と説明。5000キ
ロワットの実験用黒鉛減速炉や放射化学実験施設(プルトニウム再
処理施設)、建設中の5万キロワット黒鉛減速炉、核燃料棒製造施
設の4カ所を訪れたことを明らかにした。これらに、泰川に建設中
の20万キロワット黒鉛減速炉や使用済み燃料棒の貯蔵施設などの
うちの1カ所を加えた計5施設が停止・封印の対象になるとみられ
る。 

 6者協議関係国の間では、北朝鮮が5000キロワット原子炉と
再処理施設の2カ所しか封印に応じないのではないか、との見方も
あった。北朝鮮の積極的な対応で、7月中旬とみられる6者協議の
再開に大きく前進したと言えそうだ。 

 IAEA代表団は30日に北京に戻り、中国政府と意見交換する。
7月初旬には、合意内容や予算措置などを承認するIAEA特別理
事会が開かれる見通しだ。 
==============================
「核施設停止の日程決まれば6者再開」韓国外相が表明(ASAHI)
2007年06月29日12時12分

 訪米中の韓国の宋旻淳(ソン・ミンスン)外交通商相は28日、
国務省でライス国務長官と北朝鮮核問題などについて会談した後、
韓国メディアに対し「北が寧辺の核施設を停止する日程が決まれば
6者協議を再開することができる」と語った。 

 6者協議の米首席代表、ヒル国務次官補は「核施設の停止が始ま
れば協議を再開できる」との考えを示していたが、宋氏は協議参加
国の合意を前提に、停止の段取りが決まれば協議再開が可能と一歩
踏み込んだ。 

 現在、国際原子力機関(IAEA)の代表団が30日までの日程
で訪朝し、具体的な手続きを話し合っている。IAEAは代表団の
報告を受けて改めて停止作業の監視チームを派遣する手はずで、
停止までには一定の時間がかかる見通しだ。 
==============================
北朝鮮、日本人拉致問題について調査行う方針=関係筋
6月28日16時46分配信 ロイター

 [北京 28日 ロイター] 北朝鮮政府は、日本人拉致問題に
ついて調査を行う方針。北朝鮮に近いある関係者が28日に明らか
にした。
 同関係者は、ロイターに対して「金正日総書記が、この問題につ
いて徹底的な調査を行うよう指示した。問題を解決する意向だ」と
述べた。
 北朝鮮政府はまだ、この決定について、日本政府に通知していな
い。

最終更新:6月28日16時46分
==============================
北朝鮮、核放棄の初期段階履行を表明 
(nikkei)
 【ソウル=池田元博】北朝鮮外務省スポークスマンは25日、米国
が科した「金融制裁」でマカオの銀行に凍結された北朝鮮関連資金
の問題が解決したと確認、核施設停止など核放棄の「初期段階の措
置」について「履行に入る」と表明した。26日に平壌入りする国際
原子力機関(IAEA)の実務代表団との間で、核施設停止の手順
などを協議するとも説明した。初期措置は今年2月の合意から4カ月
を経て実現段階に入った。 

 北朝鮮の朝鮮中央通信の報道を朝鮮通信(東京)が伝えた。 

 北朝鮮外務省は資金問題が「我々の要求通り送金されたことで解
決した」と指摘。「我々も『行動対行動』の原則に従って履行に入
る」として、寧辺(ニョンビョン)の核関連施設の停止などを進め
る姿勢を打ち出した。総額2500万ドル(約30億円)とされる北朝鮮
資金がロシアの銀行の北朝鮮口座に送金されたことを確認したとみ
られる。 (20:50) 
==============================
北朝鮮核施設、米「年内に無能力化」・日ロ除く4カ国協議言及
(nikkei)
 【ワシントン=丸谷浩史】ヒル米国務次官補は25日、国務省で記
者会見し、北朝鮮の核問題について、今年末までに核施設停止など
核放棄の「初期段階の措置」に続く「次の段階」となる核施設の無
能力化や申告を終えたいとの考えを示した。「次段階」の措置の実
行が順調に進めば米国、中国、韓国、北朝鮮の4カ国による「朝鮮半
島の平和メカニズム」の協議を年内に開始したいとも表明した。

 北朝鮮が米国との戦争状態終結を求めていることを視野に入れ、
朝鮮半島の休戦協定にかかわった米中朝韓の協議へ意欲を見せるこ
とで北朝鮮の核放棄を加速させる狙いがあるとみられる。

 ヒル次官補は寧辺(ニョンビョン)の核施設停止・封印など初期
措置に続く「次段階」が実行段階に入れば「北東アジアの安全保障
プロセスにつながるような、朝鮮半島における平和メカニズム」の
議論を始めたいとした。北朝鮮の核問題を巡る6カ国協議が2月の合
意文書に盛り込んだ「北東アジアの永続的な平和と安定のための共
同努力」に向けた安全保障対話の枠組みと、4カ国協議実現の可能性
に言及した発言だ。(12:00) 


コラム目次に戻る
トップページに戻る