2674.三宗教がコラボ



三宗教がコラボ     エーゲ海で三々九度
日本の血引く下国人女性 久保宮司(水屋神社)が赴き儀式


世にも珍しい神道とユダヤ教とカトリックのコラボレーション(合作
)による結婚式が、30日にギリシャのスペッツェス島で行われること
になり、松阪市飯高町赤桶の水屋神社の久保憲一宮司(56)がはるばる
赴き、本格的な神道の儀式を執り行う。

昨年10月にフランスに同神社の分社が建立された際に日本の武道の一
種・杖道(じょうどう)を披露したフランス人を介して依頼があった。
新郎はユダヤ人だが、新婦がユダヤ人の父親と日本人の母親を持つギ
リシャ在住のメキシコ人だという。

ユダヤ式グラス割りなども

この女性はメキシコ生まれのれのアミラ・ロペスさん。日本でも幼児
期と青年期を過ごし、アメリカ大学を卒業して、映画ショートフィル
ム)の監督をしている。
今年のべルリン映画祭にも招待されて出品するという。1年前からア
テネに住んでいる。「日本人の血を引いており、おはらいや三三九度
をしたい」と一風変わった結婚式を思い立った。

新郎はギリシャのユダヤ人家庭に育った作曲家のミノス・マツァスさ
んで、式場となるのはスペッツェス島にある新郎の両親の別荘。
アテネに近いこの島は、日本人には村上春樹さんの小説「遠い太鼓」
の舞台として知られているという。

 アミラさんは当初、神道国際学会(本部・東京)に相談したところ
、フランスに神社ができたと教えられインターネットで杖道のフラ
ンス人のホームページを探し当て、そのフランス人を介して4月に久
保宮司と出会った。以来メールのやり取りで打ち合わせをしてきた。

 式場は新郎の別荘のエーゲ海に面した庭で、テントの中にテーブ
ルで祭壇を設け、久保宮司が持参する祭具一式を並べる。供え物は
地元で採れた魚やオリーブ。花嫁の衣裳はウエディングドレスだが
、一時間弱の式典の約半分を神道の「降神の儀」や「祝詞奉上」
「三三九度」など一連の神事に割き、間にユダヤ教やカトリックで
行う指輪交換を挟み、最後はユダヤ式のグラスを割る儀式で締める。

久保宮司は「神様が降りて来てくだされば問題ない」とコラボに
抵抗はない様子で、「『和』をもって尊しとなす神道的寛容の精神
が、世界中に理解されれば」と期待している。

タ刊三重記事より
2007年(平成19年)6月4日月曜日 第16094号


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