2668.隊員の外人配偶者問題



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隊員の外人配偶者問題に関する拙文も送ります。     
                                            高井 三郎

  本文は海上自衛隊員が結婚相手に外人女性を選ぶ問題に関しての
一報道関係者からの質問に対する私見である。

 海自隊員は艦艇に乗組んでいるから、陸自、空自の隊員よりも相
手を見つける機会が少ないという大方の見方は当を得ていない。
海自隊員4万人のうち、2万人以上は哨戒機、通信、補給等の分野
における陸上勤務者である。艦隊勤務者でも一年中、船上にいる訳
ではなく、相当な期間を陸上で生活する。

 陸自、空自の隊員でも恐らく相当数が外人女性と生活している。
然るに特異な問題が起らない限り、具体的な数が表面化していない
ように思われる。社会情勢の変化に伴い、自衛隊員も外人と接する
機会が極めて多くなった事が背景の一つに違いない。
 小生の隊員時代に比べ、今では幹部・曹はもとより営内居住の一
般隊員でも多分に私生活の自由が与えられており。海外旅行中の外
人女性とも交際も可能である。

 昭和33年春から1年間、小生は陸上自衛隊幹部候補生学校で教
育を受けて三尉に任官した。当時、旧軍出身の学生隊長、木下西舟
2佐が「今後、相手を選ぶ時に博多の飲み屋の女が綺麗だからと言
って、飛び付くな! 悪い女に当れば、大変な問題になるぞ!幹部
自衛官の重責を自覚して、生涯の伴侶に相応しい相手を選べ。」と
全候補生に注意した訓話を思い出す。その後、高射学校で小隊長教
育を受け、岩手の高射特科大隊に赴任したが、この間にも複数の旧
軍出身の上司から同じような指導を受けた。

 ちなみに旧軍将校は陸軍省まで結婚許可願を提出した。これに対
し、現在の自衛官は婚姻を含めて、身上の変動を生じた場合には所
定の資料を添えて人事系統に届け出るようになっている。扶養手当
など権利義務が伴うからである。

 自衛官も一般国民と同様に婚姻は自由とは言え、国防の重責を担
う立場を弁えた行動を採らなければならない。特に中国人などを選
ぶ場合に特別な注意が必要である。

 更に上司は部下隊員の身の振り方に対し、適切に指導する責務が
ある。これより先に組織として日本人の女性に引き合わせる努力が
必要である。

 このようなリーダーシップが部隊内で実行されているか極めて疑
わしい。諸般の兆候から見るに防大生及び防大出身幹部の質が落ち
、その影響が部隊の健全性の劣化に及んでいると判断せざるを得な
い。
                    07.5.25  高井


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