人類の揺り篭 From: "Kimiaki Tokumaru (得丸公明)" 皆様、 昨日南アから帰ってきました。得丸です。 南アでは、ヨハネスブルグ近郊にある「人類の揺り篭」をメイン ターゲットにするつもりだったのが、こちらでは1−200万年前 の化石しか出ていないということで、出発前に急遽目的地を 東ケープ州のクラシーズ河口洞窟という中石器時代(13−6万 年前)の洞窟に変更して、見学してきました。 詳しいことはまたあらためてご報告しますが、中石器時代氷河期に、 この手の洞窟の中に住んでいた猿が、エネルギー効率を上げる ために、ハダカで抱き合って体温を保つようになったという仮説 に到達しました。 また、このときに、言語が生まれ(なんと地球上のすべての言語は、 今から10万年ほど前にあったひとつの言語の派生であるという研 究があるそうです)、この洞窟を出たときに、建築が生まれたと思い ます。 まだ誰も支持してくれていない仮説なので、これから説得する材料 をそろえなければなりません。それも発掘なしで、前人の研究成果 だけをつなぎ合わせて、筋道を立てなければ。 木野さん、ドバイ報告ありがとうございました。 ドバイは、外貨収入における石油依存度をかなり下げていると聞き ました。格安のツアーを提供して欧州からの避寒客の誘致にも熱心 とか。なかなかがんばっているようですね。 南アで、英国系の大学名誉教授から、アメリカの占領化で日本は どうなったのかと聞かれたのですが、僕の答えは、「歴史を奪われ てしまったために、民族や国家の体をなさなくなっている」でした。 ご提案のように、アジア諸国の歴史を、日本の歴史と比較して、 われわれの歴史をあらためて語りだす準備が必要なのかもしれ ません。 中国で、元の時代に、十八史略が生み出されたように、日本人が 元気に正しく生きるためのリファレンスとしての歴史が必要だなあ と思います。 これまで敗戦の歴史についてさんざん勉強してきたので、そろそろ アジア諸国の歴史を学び、われわれが何を語るべきかについて 思いを深めてみたいですね。 得丸公明